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Makito Oku
January 30, 2026
Research
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富山県の健康診断データを用いたエネルギー地形解析の続報の紹介
奥 牧人
2026/02/09
AMS進捗報告会
Makito Oku
January 30, 2026
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Transcript
富山県の健康診断データを用いた エネルギー地形解析の続報の紹介 奥 牧人 2026/02/09 AMS進捗報告会 1 / 26
紹介する論文 主に以下の論文の内容を話します。 M. Kokubo, I. Kimura, M. Oku, K. Tobe,
Y. Nagata, K. Ueda: Orthogonality-guided feature selection for energy landscape analysis of health transitions, NOLTA, 17(1):211-227 (2026). https://doi.org/10.1587/nolta.17.211 2 / 26
Outline はじめに 手法 適用例 まとめ 3 / 26
Outline はじめに 手法 適用例 まとめ 4 / 26
前の論文のおさらい 昨年5月に発表: R. Ito, et al., Front. Endocrinol. (2025) 富山県の
特定健診 のデータ約5000人分を エネルギー地形解析 データは北陸予防医学協会から頂いたもの 糖尿病 の発症前の経路が、肥満 と 非肥満 で異なる点を発見 5 / 26
もっと改善できないか? もっと 状態数 を増やし、多様な経路 を見つけたい。 最も健康な状態 (全変数が良い値) から最も不健康な状態 (全変数 が悪い値)
へ至るまでの 中間状態・経路 を詳細に知りたい。 6 / 26
基本的なアイデア 前提条件 エネルギー地形解析 (ELA) の変数は、あまり増やせない。 計算時間、推定精度、可視化などの理由による。 提案手法 1. 変数の数は固定し、全ての組み合わせ についてELAを計算
今回は10変数の中から6個を選択、計210通り 2. その中で、新規提案スコア が最大のものを選択 → 状態数が多く、かつ、経路も不自然でない結果が得られる。 7 / 26
Outline はじめに 手法 適用例 まとめ 8 / 26
エネルギー地形解析のおさらい エネルギー地形解析 (Energy Landscape Analysis, ELA) 時系列データを解析する手法の一つ 特に、複数の安定状態間を遷移するような系に有効 増田先生や渡部先生が開発し、脳画像データ等に適用 わたなべ
変数を 二値化 する点が特徴的 Ezaki+, Phil. Trans. R. Soc. A (2017); Masuda+, PLOS Complex Syst. (2025). † † 9 / 26
話の流れ 提案手法の説明に入る前に、エネルギー地形解析の分かりづらい点を 改めて説明します。 二値化のイメージ イジングモデルは何のために使われているのか ここでいう状態とは何か 10 / 26
二値化のイメージ 元のデータ空間を 座標軸ごとに二分割 するので、全体としては 複数のブロック状の領域に分かれる。 各領域に何個の点が含まれるかを調べておく。 各領域を頂点とし、隣り合う領域間に枝を張った 遷移グラフ を 作る。これは直接遷移可能かどうかを表す。
11 / 26
イジングモデルの役割 各領域に含まれる点の数から、確率が計算できる。 これとなるべく合うように、イジングモデル のパラメータを調節 し、確率を再計算 する (0は に変換)。0%の頂点は無くなる。 −1 E(z)
= − 1 2 z ⊤ J z − h ⊤ z, P (z) = 1 Z exp(−E(z)). 12 / 26
パターンと状態 遷移グラフの各頂点を パターン と呼ぶことにする。 6変数だと64パターンもあるので、もう少しまとめたい。 各パターンからスタートし、確率の最も高い方に動き続けたと き、収束先が同じものをまとめる。これを 状態 と呼ぶ。 13
/ 26
ここまでのまとめ 元のデータ空間をブロック状に分割し、それらを複数繋げたもの を 状態 と呼んでいる。 同じ状態内の点を同一視することで、大域的な遷移を捉える。 以降では、各状態で確率が最大のパターンに着目する。 14 / 26
新指標の考え方 新指標は、状態や経路の数が多い ほど高いことが望ましい。 例えば、000, 011, 111の3パターンがあるなら、100が加わると 経路が増える。そのとき得点が増えるようにしたい。 見方を変えると、 と 分解
できる。 111 = 011 + 100 15 / 26
直交分解スコア 直交分解スコア (Orthogonal Decomposition Score, ODS) 一言でいうと、ELAで得られた状態集合が持つ「分解」の総数 構成パターンは3つ以上でも可 例、 全て0のパターンは使わない
構成パターン同士は、1が重なってはダメ、繰り上がりも無し 例、 ベクトルで考えると内積が0、直交性を要請 複数の分解の仕方があるときは、別々にカウント 例、 111 = 100 + 010 + 001 111 ≠ 011 + 110 111 = 110 + 001 = 100 + 011 16 / 26
例 No 分解 1 状態2 + 状態3 = 状態4 2
状態2 + 状態5 = 状態6 3 状態3 + 状態5 = 状態7 4 状態2 + 状態3 + 状態5 = 状態8 5 状態4 + 状態5 = 状態8 6 状態2 + 状態7 = 状態8 7 状態3 + 状態6 = 状態8 → 分解が7つあるので、ODS=7 17 / 26
Outline はじめに 手法 適用例 まとめ 18 / 26
使用データ 北陸予防医学協会のデータ に適用 19 / 26
候補の10変数 変数名 フルネーム 説明 HbA1c Hemoglobin A1c 長期間の血糖値を反映 PG Plasma
Glucose 血糖値 BMI Body Mass Index 体格指数、体重/身長 WC Waist Circumference ウエスト、腹囲 TG Tri-Glyceride 中性脂肪 HDL High-Density Lipoprotein 善玉コレステロール ALT ALanine amino-Transferase 肝臓のマーカー γ-GTP γ-Glutamyl Trans-Peptidase 肝臓のマーカー WBC White Blood Cell 白血球 UA Uric Acid 尿酸 (注) HDLは高い方を0、低い方を1とした。 2 (注) 20 / 26
ODSが最大の組み合わせ 全210通りのうち、以下の組み合わせがODS=5で最大だった。 (HbA1c, PG), (WBC, HDL), (ALT, γ-GTP) で組になっている。 そう考えると、110011が抜けている。
21 / 26
想定される主な経路 (注) 元論文ではWBCとHDL-Cの組をBlood (血液) と表記していた。 22 / 26
さらにODSを上げられるか? さらにODSを上げるため、合成変数 の使用を検討 試しに6変数のうち1つだけ、2変数の重み付け和に変更 γ-GTP を 0.9 × γ-GTP +
0.1 × BMI に置き換えてから二値化 すると、110011パターンも出現し、ODS=7になった。 なお、合成変数を使わずに変数の数を増やしてもODS=7が出た が、8以上は出現しなかった。 23 / 26
手動で定義した状態との比較 エネルギー地形解析の「状態」は複雑な形をしているので、 よりシンプルに 手動で定義した状態 と比較してみた。 HbA1cとPGの少なくとも一方が中央値超え → 血糖 WBCとHDLの少なくとも一方が中央値超え →
炎症/脂質 ALTとγ-GTPの少なくとも一方が中央値超え → 肝臓 これら3要素の組み合わせで8状態を再定義 詳細は長くなるので割愛するが、実際の状態間遷移の回数の分布 は ある程度一致 していた。 (注) HDLは中央値を下回るかで判定 (注) 24 / 26
Outline はじめに 手法 適用例 まとめ 25 / 26
まとめ エネルギー地形解析で状態数や経路数の多い結果を選ぶための ODSという指標を提案した。 富山県の健康診断データに適用したところ、前の研究 (Ito+, 2025) よりも詳細な経路が見えてきた。 具体的に、血糖、炎症/脂質、肝臓の3要素が様々な順で悪化する 様子が観測された。 前の研究で注目した肥満との関連など、詳細な解析は今後の課題
26 / 26