Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

【Oracle Cloud ウェビナー】データ利活用に本気でとりくみたい方必見!事例からみたAI活用に向けての勘所

【Oracle Cloud ウェビナー】データ利活用に本気でとりくみたい方必見!事例からみたAI活用に向けての勘所

Oracle Cloud ウェビナーシリーズ情報: https://oracle.com/goto/ocws-jp
セッション動画: https://go.oracle.com/ocws-jp-ondemand

oracle4engineer

May 20, 2024
Tweet

More Decks by oracle4engineer

Other Decks in Technology

Transcript

  1. データ利活用に本気でとりくみたい方必見! 事例からみたAI活用に向けての勘所 西井 雄飛 AI エバンジェリスト 日本オラクル株式会社 クラウド事業統括 戦略ソリューション統括 ソーシャ

    ル・デザイン推進本部 兼 AI推進室 March 13, 2024 石川 雄一朗 シニアプリンシパルコンサルタント 日本オラクル株式会社 コンサルティングサービス事業統括 テクノロジーコンサルティング事業本部 プロフェッショナルサービス本部 第一デジタルインテグレーション部 加藤 祥平 部長 日本オラクル株式会社 コンサルティングサービス事業統括 コンサルティング営業本部 テクノロジー・ソリューション営業部
  2. 本日のトピック Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates 2 3.

    コンサルのAI/MLでのプロジェクト事例 4. プロジェクトの流れと考慮すべきポイント 2. 生成AIのトレンド 5. AI活用に向けてのチャレンジとアプローチ (パネルディスカッション) 1. はじめに AI推進 コンサル+AI推進 コンサル 6. まとめ
  3. 企業に於ける生成AI技術の実用化 大規模言語モデルと企業データの統合活用 デジタルアシスタント 大規模言語モデル データ生成 データ加工・分類 データ検索 セマンティック検索 (ベクトル検索) 属性フィルタリング

    エンタープライズ検索 収束検索 マルチモーダル検索 ベクトルデータ活用 特徴軸分類 非構造データ構造化 準構造データ変換 テキスト生成 コード生成 画像生成 音声生成 動画生成 ベクトルデータ生成 データ・検索基盤 エンジニアリスキリング Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates 5
  4. エンタープライズAIシステム 非機能要件への継続的な挑戦 多種多様なユーザー区分 独自性の高い要求 深刻なハルシネーション影響 ユーザー AIエージェント データ検索 企業データ 多種多様なデータ種別

    データコンプライアンスとAIガバナンス AI技術実用化に向けたパフォーマンス・スケーラビリティ担保 企業志向のAIシステムでは機能要件以上に非機能要件の追求が最重要課題 制御可能なAI → RAG (検索拡張生成) の実装 検索の高度化 → リスキリングによる自社データ検索設計・運用力の向上 検証アプローチ → 仮説検証サイクルの短縮化と頻度改善 Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates 6
  5. AIシステム全体像 UI Oracle Database 生成モデル Oracle Generative AI Service オーケストレーション

    OCI Functions アプリケーション Oracle Applications 埋込モデル Oracle Generative AI Service ベクトルデータベース Oracle Database ベクトルインデックス Oracle Database リレーショナル データベース Oracle Database 空間 データベース Oracle Database ドキュメントストア Oracle Database その他 データプラットフォーム Oracle Database ドキュメントパーサー Oracle Database チャンカー Oracle Database リランカー Oracle Generative AI Service 企業データ データウェアハウス Oracle Database グラフ データベース Oracle Database ドキュメント検索エンジン AIエージェント OCI Agent Service MLOps OCI Data Science データ前処理 OCI Data Flow Infrastructure Oracle Cloud Infrastructure Oracleによるデータ・検索技術革新 Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates 8
  6. 仮説検証項目 UI Oracle Database 生成モデル Oracle Generative AI Service オーケストレーション

    OCI Functions アプリケーション Oracle Applications 埋込モデル Oracle Generative AI Service ベクトルデータベース Oracle Database ベクトルインデックス Oracle Database リレーショナル データベース Oracle Database 空間 データベース Oracle Database ドキュメントストア Oracle Database その他 データプラットフォーム Oracle Database ドキュメントパーサー Oracle Database チャンカー Oracle Database リランカー Oracle Generative AI Service 企業データ データウェアハウス Oracle Database グラフ データベース Oracle Database 検索エンジン AIエージェント OCI Agent Service MLOps OCI Data Science データ前処理 OCI Data Flow Infrastructure Oracle Cloud Infrastructure 非機能性の追求に向けて 1 Embedding性能向上 2 マルチモーダル対応 3 セマンティック検索高度化 4 ベクトル索引柔軟化 5 セマンティック検索広域化 6 テキスト抽出手法検討 7 チャンク分割手法検討 8 エンタープライズデータ利活用 9 既存データベース技術者利活用 10 RAGを意識したプラットフォーム構築 11 各種コネクター整理 12 RAGを意識したデータ運用体制 Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates 9
  7. 顧客属性ごとにパーソナライズされたリコメンデーション 業務の課題: 営業担当者の経験ベースや画一化された販促ではなく、 「顧客ごとにパーソナライズされた商品リコメンド」 を行い、 成約確度の向上やシェア拡大を図りたい。 ビジネス・バリュー: 顧客の主要属性(事業規模や所在地など)ごとの頻出購買パターンを グラフ分析により得ることで、同じような属性を持つ顧客に対して、 販促すべき商品(もしくは商品カテゴリ)が明確になり、

    成約確度の向上につながっている。 アプローチ: 顧客ごとの購買履歴をグラフ化し、当該グラフデータに対して、 頻出パターンを抽出するアルゴリズムをあてることで、頻出購買パターンを抽出した。 Oracle Cloud Platform: Autonomous Data Warehouse、Oracle Graph、Oracle ML 大手卸売企業 –営業活動 Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates 12 顧客属性_売上 よく売れる商品の系列パターン 100~200 商品(a) => 商品(c) => 商品(e) 100未満 商品(y) => 商品(a) 注目したい顧客属性ごとに 頻出系列パターンを抽出する Graph アルゴリズムを実行 ▽ アクションの例 • 既に商品(a), 商品(c) を購入している 売上100以上200未満の顧客に商品(e) を紹介する • 商品(a), 商品(c), 商品(e) をセットで卸す場合の 卸値を減額する
  8. 顧客キーマンの特定 正解率86% コンピューター、コピー機等のシステム機器販売および導入・教育・保守を提供する大手IT企業。 カタログ商品点数は3万点以上、顧客数は130万社以上を超える。 業務の課題: 毎年新商品が3,000点以上増加するため、営業活動は可能な限り効率的に進めなければ ならない。 セールスステージの進捗が芳しくない案件を分析したところ、購入の意思決定が できる人物やグループにリーチできておらず、商談を何度もやり直しているケースが存在する ことがわかった。顧客のキーマンを特定できれば商談をより効率的に進めることができる。

    ビジネス・バリュー: 商談による受注確度の変動や受注までのリードタイム等をグラフ化し、アルゴリズムを駆動 させることでキーマンを86%の正解率で特定できることが判明した。 業務に活用できると判断し、本格システム化するためプロジェクトを開始した。 アプローチ: 「顧客のキーマン、およびキーマンに近い人物と商談することでセールスステージの変動が 起きやすい」という仮定のもと、顧客担当者や案件、商談成立に寄与するパラメータから キーマン探索のためのグラフを構成した。このグラフからランキングスコアを計算することで 商談に対する影響度が高い人物を推測する。その他、役職等も加味して最終的な インサイトを得ている。 Oracle Cloud Platform: Autonomous Data Warehouse、Oracle Graph 大手IT企業 – 営業活動 Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates 13 Hub #A Hub #B Hub #C Authority #A Authority #B Authority #C 優れたHubは 多くのAuthorityを指す 優れたAuthorityは 多くのHubに指される ൗ 1 𝐻𝑢𝑏ノード数 Hub_出次数 × 𝐴𝑢𝑡ℎ𝑜𝑟𝑖𝑡𝑦_入次数 Hub度(=キーマン度):繋がるAuthorityごとに以下を算出して合算 キーマン探索グラフ(最終段階)とランキングスコア計算 概略図 Hub=顧客担当 Authority=案件
  9. 誤差15%未満の出荷量予測モデル 人材シフト管理にも貢献 業務の課題: 卸センター倉庫内におけるパート社員のシフト計画を立てたい。 現在は、直近の実績や曜日ごとのパターンから必要な人員を推定しシフトを組んでいるが、 精度が悪い。予測システムは、業務部門でも簡単に利用できるようにしたい。 ビジネス・バリュー: 必要な社員数は出荷量に比例するため、先1か月までの出荷量を ADB 付属の

    AutoML UI で予測するモデルを構築し、特異日を除き15%未満の予測精度を達成した。 加えて、DB内にある予測モデルをブラウザから呼び出し、予測結果をグラフとして表示する アプリケーションを同じくADB付属のAPEXを活用してローコード開発し、 ユーザビリティは元より開発/運用容易性を担保した。 アプローチ: 過去3年分の出荷実績表を元に、将来の出荷量を予測するために必要となりそうな 特徴量を抽出、または導出し、AutoML UI にて最適な回帰アルゴリズムを自動選定してもらった。 Oracle Cloud Platform: Autonomous Data Warehouse(AutoML UI, APEX) 大手卸売企業 – 出荷業務 Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates 14
  10. コール・リーズンの分類 正解率80%以上 業務の課題: コールセンターでは日々お客様から多くのご相談・お問い合わせの電話をいただいている。 お客様対応の品質向上を進めたいが、「なぜ顧客が電話してきたのか?」という本質的な 分析ができていない。 お客様との通話記録はデータ化して保管しているものの、どのように分析すればよいか アイディアがあまりない。 ビジネス・バリュー: Oracle

    Databaseに格納していた会話記録を活用し、新規にソフトウェアを購入する ことなく、コール・リーズン分析を手軽に始めることができた。しかも初回から正解率が 80%を上回っており、問合せの全体感を把握することができるようになった。 お客様対応の品質向上だけでなく、FAQサイトの充実や保険商品の説明文改訂など 様々な改善に活用していきたい。 アプローチ: Oracle Databaseに格納された通話記録をEmbeddingでVector化。通話の内容や 文脈を考慮した分析を行えるようにし、一般的な分類問題として予測モデルを構築した。 分類できない通話記録は新たな説明文を作成し、文章の類似度を評価することで Zero-Shot分類も可能となる構成とした。 Oracle Cloud Platform: Oracle Database 23c AI Vector Search、Oracle GenAI Embed、Oracle Machine Learning 大手保険会社 – カスタマーサポート Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates 15 通話記録ベクトル化/予測モデル概念図 通話ID 通話時間 年代 性別 オペレータ 顧客 1 5 30 女性 お世話になっております。 お名前を… xx について伺いたいんで すが… そうなんですね。 2 8 40 男性 …かしこまりました。それ では… …その書類は後出しして も大丈夫なんですね。 3 10 40 男性 …関係部署から連絡 いたします。 マンションを購入しまして … 通話ID 通話時間 年代 性別 OP_vec CU_vec Call Reason 1 5 30 女性 (0.7, 0.2, 0.3) (0.3, 0.6, 0.1) 商品問い合わせ 2 8 40 男性 (0.1, 0.5, 0.3) (0.6, 0.8, 0.9) 保険手続き 3 10 40 男性 (0.4, 0.2, 0.9) (0.7, 0.3, 0.9) クレーム ベクトル化 目的変数 説明変数
  11. 一般的なシステム構築プロジェクトとAI構築プロジェクトの違い (1/2) ITシステムの開発・導入プロジェクトは正確さが重要 17 Copyright © 2024, Oracle and/or its

    affiliates AIプロジェクトは考える・学ぶ+正確さ • システムがどのように動作すれば よいか決める • 要件を実現するための設計書を 作成する • 設計書の通りにプログラムを作成 する • 要件通り動作することをテストする • システムが安定して動作するよう 監視する • 不安定になったら対処する 設計 フェーズ 実装 フェーズ 運用 フェーズ 要件定義 フェーズ • データを探索して仮説を立てる • アルゴリズムを組み合わせてモデル を作成する • 仮説の通りにモデルが動作する ことを検証する 実験 フェーズ • モデルを業務で利用できるレベル に改善する • 入力データ収集、出力データ 提供、モデルの更新を自動化する • 業務やシステムに組み込む 実装 フェーズ • モデルの精度が落ちないことを 監視する • 精度が落ちたら対処する • トレンドが大きく変化したら、モデル 再構築のために実験に戻る 運用 フェーズ • 欲しい機能を正確 に決める • 正しい技術を選ぶ • 正確に動作する 仕組みを作る • 正確に作り上げる • いつも正常に動作 させる • データから相関を発見する • アイデアを考える • 期待通り動作しない結果から 学ぶ • 異なるアプローチで次の アイデアを考える • モデルの精度や速度を上げる • 上がらない精度や速度から 学ぶ • 異なるアプローチで次の アイデアを考える • 正確な仕組みを作る • 正確に作り上げる • いつも正常に動作させる • 精度が落ちた結果から学ぶ • 異なるアプローチで次の アイデアを考える
  12. 一般的なシステム構築プロジェクトとAI構築プロジェクトの違い (2/2) 正確性を重要視するので、 いつ完成するのか・いくらかかるのかを予想しやすい 18 Copyright © 2024, Oracle and/or

    its affiliates 常に考える・学ぶので、いつ完成するのか・いくらかかるの かを予想しにくい → この活動を日々のライフサイクルとして考える 要件定義 設計 実装 運用 実験1 実験2 実験3 実験4 実験6 実験5 結果から 学びを得た 結果からでない ことを学んだ 新たなアイデアを 考えた 実装 運用 実験7 実験8 データが変化したら 精度が悪くなった ・・・ この段階でいつ完成し いくらかかるのか計算できる ここが遅れてもいつ完成して いくらかかるのかわかる いつ終わるか予想しずらい → そもそもやっていることが新しい アイデアを生み出すような行為。 時間も要員も必要。 データの変化により実験からやり直しになる ケースもある → 世界の変化とともにデータも変化する。 変化したデータに対応できるように育てる必要が ある。 結果から 学びを得た この段階でいつ出来るのか、いく らかかるのかようやく計算できる
  13. 19 Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates 期間や工数の正確な予想が必須となる場合 実験フェーズの期間や工数を正確に見積もるのは困難です。このような状況が許容できない場合、OCI

    AIサービス(Language、 Vision、Speech、Digital Assistant等)やSaaSのようなマネージドAIサービスのご利用をご検討することをご提案申し上げます。 OracleのマネージドAIサービスはお客様のAIプロジェクトの一部を製品機能が担います。ご注意頂く点として、実装は容易ですが、カス タマイズの幅は狭くなります。 実験1 実験2 実験3 実験4 実験6 実験5 結果から 学びを得た 結果からでない ことを学んだ 新たなアイデアを 考えた 実装 運用 実験7 実験8 データが変化したら 精度が悪くなった ・・・ 結果から 学びを得た 実験フェーズは短くなります。 実装フェーズも予測しやすいもの となります。 許容できない範囲 許容できない範囲
  14. AI構築プロジェクトの重要なポイント 下図の活動を運営して行くには4つの重要なポイントがあります。 20 Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates

    実験1 実験2 実験3 実験4 実験6 実験5 結果から 学びを得た 結果からでない ことを学んだ 新たなアイデアを 考えた 実装 運用 実験7 実験8 データが変化したら 精度が悪くなった ・・・ 結果から 学びを得た ① AIが解決するテーマ ② AIが利用するデータ ③ 適切な組織と要員 ④ AIを業務に組み込む体制
  15. Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates 21 生成AI活用に向けての チャレンジとアプローチ

    パネルディスカッション: ① AIが解決するテーマ ② AIが利用するデータ ③ 適切な組織と要員 ④ AIを業務に組み込む体制
  16. ① AIが解決するテーマ:AI構築プロジェクトからみた重要なポイント 22 Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates

    • AIが解決する課題・AIが貢献する事柄を明確にする • 抽象的すぎる例: 「AIをつかって売上をあげる」「AIで需要を予測する」 • 明確化の例: 「どうやら商品Aを購入する顧客は商品Bを買うようだ。他の商品にも同じような関係性があるかもしれない。 すべての商品の関係性が瞬時にわかれば商機を逃すことがなくなり、売上をあげることができるはず。」 • 明確化のポイント • 解決したら客観的な数値で効果を計測することができる 例:店舗単位、棚単位、担当営業単位などで売上金額があがれば効果があったことがわかる ※ ABテストが可能となり、AIの導入効果がわかるようになります • いま解決できていない原因がはっきりわかっている 例:商品やサービスの関係性が理解できていない ※ 内的要因であればAIで解決できる可能性が高くなります。外的要因は問題の捉え方を変えるなど工夫が必要です。 • 解決が不可能ではない 例:全店舗のスタッフに商品やサービスの関係性を完全に理解すれば解決する。もしくは全取引に関係性を理解した スペシャリストが必ずアドバイスするようにすればよい。しかしこれらは現実的ではない。 ※ 人手で解決できることができる事柄であればAIで解決できる可能性が高くなります。 ① AIが解決するテーマ
  17. ユースケース 考案 バニラ生成AI 社内展開 モデル 品質向上 施策検討 ワーキング グループ設立 企業データ

    活用技術検討 【RAG】 MVP/PMF 継続的改善 および拡張 ユースケース 実現 要素技術検証 生成AI実用化推進に向けて お客様との議論から見えてきた検討の流れ • クレンジング。AIに食わせるデータ • 今のRAGのユースケース、情報展開、そうなった際に、どの情報を誰に届け るのか?誰がどの情報を欲しがっているのかを理解していないと検索ロジック 自体も書けない。そうした際にデータ鳥瞰図がないと考案できない。 • データ鳥瞰図がない、と言う課題が表面化し始めている ① AIが解決するテーマ Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates 23
  18. AI構築プロジェクトの重要なポイント:② AIが利用するデータ 24 Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates

    AIの構築にはデータが必須です。 「どうやら商品Aを購入する顧客は商品Bを買うようだ。他の商品にも同じような関係性があるかもしれない。 すべての商品の関係性が瞬時にわかれば商機を逃すことがなくなり、売上をあげることができるはず。」 このテーマに取り組む場合、「いつ、どのお客様に、何を売った」というデータが必要です。 • 成果を得るためには最低でも数万件、数年分のデータが必要になります。 • 大抵の場合、データの補完やノイズの除去が必要になります。 • 「商品Aと商品Bを一緒に買った」だけでなく、「商品Aを買った一週間後に商品Bを買った」も加味するとより効果が得られるかもしれ ません。 • 返品された商品は売れていないことにした方がよいでしょう。 • いつでもよく売れる商品や、季節毎によく売れる商品は分析から除外した方が有意義な効果が得られるかもしれません。 ② AIが利用するデータ
  19. 課題分類 よくある課題 アプローチ例 データプロファイル 企業内・組織内にどのようなデータがあるか分からない データ鳥瞰図:ハイレベルなデータの地図を作る データの意味(定義や作成方法)が分からない データカタログ:データのプロファイルを整理 データの品質と整合性 データが不完全、不正確、欠損しているなど

    データクレンジング:不正確・不完全なデータの修正 異なるソースからのデータに整合制がなく互いに矛盾している データ統合:矛盾を解消するためのプロセスを確立 データアクセスとセキュリティ 必要なデータへのアクセスが制限されている アクセス管理:データへの適切なアクセス権管理 データのプライバシーとセキュリティ 暗号化・セキュリティ管理:セキュアなデータの保管・転送 データの収集と処理のコスト 大量のデータを収集、保存、処理するための高いコスト クラウド技術の活用:ストレージなどの技術を活用 効率的なデータ収集方法の欠如 自動化ツール導入:データ収集・加工の自動化 技術的障壁 データ収集に必要な技術的スキルの不足 教育・トレーニング:スキルを持つ人材の育成 高度な分析を行うための専門知識やツールの不足 専門ツール導入:分析やデータ管理に適したツール導入 データの所在確認・データ収集に関する課題と、解決のアプローチ Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates 25 ② AIが利用するデータ
  20. データプロファイリングを実現する方法の例ーデータ鳥瞰図のご紹介 Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates 26 ・概念データモデル名

    ・論理データモデル名 ・物理データモデル名 ・データの説明 ・データの場所 ・データオーナー ・留意事項 ・データサイズ ・データ鮮度 ・他 データ鳥瞰図 企業・組織内のデータの地図。データの存在状況や、データ整備の改善に向けた今後の注力ポイントを、 関係者で指差し確認するために作成する。 組織横断的にまとめる事で、新たなデータ組み合わせによるシナジー発揮が期待できる。 強化・改善エリアを中心に既存データから取り組む事を推奨。 データカタログ データ鳥瞰図でハイレベルに示されたデータにつ いて、実際に利用する上で必要となる詳細なプ ロファイルを管理。 ② AIが利用するデータ
  21. • データ活用が進むと、「非構造化データを価値化」が課題となってくる ➢ 構造化データに半構造化/非構造化データを組み合わせる事 で、データ活用を発展させる事が期待できる ✓ 左図の例は、jsonやxmlなどの半構造化データを、リレーショナル データベース上のデータモデルと組み合わせて分析を実現したもの。 コールセンター側で持っている顧客の振る舞いデータを使う事で、より 深い顧客理解につなげる事が期待できる。

    ➢ 半構造化/非構造化データの構造化が必要なケースも ✓ 半構造データはAP開発するのはやりやすいが、管理はしにくい ✓ 電子カルテ、構造データは全体2割、8割メモ、予測で使えるデータ は実際2割しかない。生成AI、非構造データを自然言語処理の分 類分け、世の中にデータはいっぱいあるが、非構造データであるだけに、 使えない、眠っている状態。 ✓ 生成AIの世界の中でも技術を使って埋もれた財産を使えるようにし ていく、取り組みが着目されている アーキテクチャの検討:非構造化データの活用 Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates 27 構造化データと半構造化/非構造化データを組み合わせた例。 モデリングされた分析データモデルに組み合わせる事で、価値を高められる データが眠っている事は多い。 ② AIが利用するデータ
  22. 構造化データと半構造/非構造化データをシームレスに繋げる事ができるConverged DB • 非構造化データを Object Storage に格納して、Autonomous Data Warehouse の外部テーブルとしてシーム

    レスにアクセス • 大量データを Object Storage にオフロードすることでコストを削減 アーキテクチャの検討:非構造化データの活用 Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates 28 ✓ 顧客基本情報(リレーショナル)と取引履歴(リレー ショナル)をAutonomous Data Warehouse に、通話記録(Text or JSON)とコンタクト履歴を Object Storage に格納 ✓ Oracle Machine Learning でこれらの相関関 係を分析 Data Lakehouse コンタクト履歴ファイル 列指向(注) 通話記録ファイル 列指向(注) 取引履歴テーブル リレーショナル 顧客基本情報テーブル リレーショナル Autonomous Data Warehouse Object Storage 相関分析 Oracle Machine Learning (注)ORC(Optimized Row Columnar)やParquet形式の列指向形式に半構造化 ② AIが利用するデータ
  23. データウェアハウスとデータレイクの優れた要素を、一つのプラットフォームに統合するアーキテクチャとしてLakehouseアーキ テクチャをOracleは提唱しています。 Lakehouseアーキテクチャ:構造化データと非構造化をワンストップで管理・活用 Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates

    29 • 非構造化データと構造化データを単一プラッ トフォームで管理・活用 ✓ メタデータ管理、データ品質管理、データ ガバナンスのための共通の仕組み ✓ データ重複とデータ移動による二重投資、 複雑化、データ遅延を回避 ✓ あらゆる種類のデータを組み合わせて分析 • データに対する標準的で多様なアクセス方法 ✓ SQL、DataFrame、REST API等 ✓ OSSを含む多様なツールに対応 (注)Curate: 多くのデータソースから必要なデータを収集し、整理・体系化して、利用者に提供する、という意味 Lake Houseのリファレンスアーキテクチャ ② AIが利用するデータ
  24. Converged DBだけでなく、 Lakehouseのコ ンセプトを実現するために必要なケイパビリティを Oracle Cloud上で提供しています。 Lakehouseを実現する際のリファレンスアーキテ クチャ情報も提供しているので、ご活用ください。 • リファレンスアーキテクチャ紹介サイト

    ➢ https://blogs.oracle.com/oracle4engineer /post/202402ai-oadw ➢ https://blogs.oracle.com/oracle4engineer /post/202402ai-mysqlhw Lakehouseアーキテクチャ:リファレンスアーキテクチャのご紹介 Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates 30 ② AIが利用するデータ
  25. AI構築プロジェクトの重要なポイント:③ 適切な組織と要員 31 Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates

    理想的なAIの構築・運用体制 AIは育て続けるシステムであるため、下記の要員は他社に 委託することをせず、自社社員が担当するほうが望ましい。 ビジネストランスレーター アナリスト •機械学習やデータビジュアライズ手法に明るく、 コーディングができる。 •予測結果を表示/出力するためのAPI, BU Application等の設計/開発ができる。 •データウェアハウスや社内のデータを把握しており、 SQL等で任意のデータを抽出・加工できる。 •インフラを含めたデータパイプラインの設計や 保守も兼ねる役割。 • 業務担当者と技術者の橋渡しをするシニアメンバー • 「業務課題 → 必要なデータセット + 分析手法見極め」や 「分析結果 → 業務改善方法」の翻訳ができる。 • 他部門との折衝が必要になるため、顔が広い人や役職のある方が望ましい。 データエンジニア ③ 適切な組織と要員
  26. AI構築プロジェクトの重要なポイント:④ AIを業務に組み込む体制 33 Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates

    AIが完成してから業務に組み込むのではなく、構築開始段階から組み込み始めることをお奨めします。 • 初回はAIを組み込む業務を一番小さい単位で実施します。 例:1つの棚、点数の少ない商品カテゴリ、一人の担当営業など • 業務的なハードルが低く、予測が間違っていても影響が少ない箇所を選択します。 • 可能であればAIを使うための画面や便利機能は一切作成せず、AIが出力した予測結果だけを使って業務に貢献できるものである かを確認します。 • AIの予測が外れていたとき、業務的にどのように対処すれば良いかアイディアを出しておきます。 • 目標とする精度が得られてきた場合、AIを利用する範囲を徐々に広げていきます。 • どの単位で範囲を広げていくのが効率的・低負荷となるか検討が必要です。 • 範囲を広げるためには新たなデータを用意する必要があるケースもあります。AIの予測が外れたときの対処方法もさらに増えるかもし れません。 上記のようにすることで利用者の要望を吸い上げつつ、AI展開時の混乱を回避します。 ④ AIを業務に組み込む体制
  27. AI構築プロジェクトの重要なポイント 下図の活動を運営して行くには4つの重要なポイントがあります。 35 Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates

    実験1 実験2 実験3 実験4 実験6 実験5 結果から 学びを得た 結果からでない ことを学んだ 新たなアイデアを 考えた 実装 運用 実験7 実験8 データが変化したら 精度が悪くなった ・・・ 結果から 学びを得た ① AIが解決するテーマ ② AIが利用するデータ ③ 適切な組織と要員 ④ AIを業務に組み込む体制