本資料はSatAI.challengeのサーベイメンバーと共に作成したものです。
SatAI.challengeは、リモートセンシング技術にAIを適用した論文の調査や、より俯瞰した技術トレンドの調査や国際学会のメタサーベイを行う研究グループです。speakerdeckではSatAI.challenge内での勉強会で使用した資料をWeb上で共有しています。
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本研究では、農業センサスデータと圃場ポリゴン、さらに光学・SAR・地形のマルチモーダル衛星データを統合し、日本全国を対象とした高解像度の作付け分類図を構築する枠組みが紹介されています。従来、広域の作付け分類では、大量の教師データを効率的に整備することが難しく、また地域ごとの作物や季節性の違いを十分に反映した分類が課題でした。本手法では、農業集落単位で整備された2015年農業センサスと圃場ポリゴンを組み合わせ、各作物の面積割合に基づいて一定条件を満たす圃場を “Pure label” として抽出し、効率的に教師データを作成します。これに対し、Landsat-8、Sentinel-1、SRTM DSM から得られるマルチモーダル特徴量を入力し、Random Forest、LSTM、TempCNN、Transformer を比較した上で、精度と計算コストのバランスに優れた Random Forest を全国分類に採用しています。北海道での比較では、Random Forest が深層学習系手法に匹敵する性能を示し、地域ごとに重要となる特徴量も異なることが確認されました。最終的に、圃場ポリゴン単位で日本全国を9カテゴリに分類した作付けマップを作成し、既存の FROM-GLC より明確に良好で、JAXA HRLULC の水稲カテゴリとも整合的な結果が得られています。今後は、ALOS-2 や Sentinel-2 など新たなモダリティの追加や、より高品質な教師ラベルの整備によって、さらなる精度向上が期待されます。