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コンテキストをデータとして扱うDynatraceのAIアーキテクチャ

 コンテキストをデータとして扱うDynatraceのAIアーキテクチャ

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Katsuyoshi Sumida

October 01, 2026

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  1. テレメトリーデータとシステム環境の繋がり テレメトリーを環境に結びつける サービス、名前空間、ホスト、プロセス、クラウド、 Kubernetesなどの生成元の情報が必要 Service / Service namespace / Service

    instance Host name / Host IP Process / Process runtimes 人手だけでは把握しきれない 動的で複雑な環境では、すべての構成要素と関係性を 人が継続的に把握するのは困難 情報の欠落は調査とAI判断に影響する 生成元の情報が不足していたり統一されていないと調 査時間が増え、AIも一般論に留まる © 2026 Dynatrace, LLC. テレメトリーデータ Deployment Kubernetes • Cluster • Node • Namespace • Pod • etc.. 3
  2. 依存関係もコンテキストとして扱う 障害発生時に見えるものと、実際の構造 Service A 応答遅延 Service B 応答遅延 Service C

    応答遅延 3件のアラート: 別々の障害に見える Service A Service B Service C Dynatrace が扱うコンテキスト 横方向:呼び出し関係 どのサービスから呼ばれ、どのサービスを呼んでいるか。影響が どこから伝わり、どこまで広がっているのかを判断 縦方向:実行基盤 どのホストのどのプロセス・コンテナが動いているか。同じ基盤 を共有するサービスや、インフラ起因の障害を切り分け メタ情報 Process A Process B Process C 各エンティティのidやバージョン、環境などの情報。システムの 構成要素の把握 Host (CPU 使用率100%) 根本原因は1つ: 同じ実行基盤を共有 © 2026 Dynatrace, LLC. コンテキストが欠けると事象から 原因に辿るのが困難になる。AIも推測に頼ることに 4
  3. なぜ「コンテキスト」が AI の品質を決めるのか AIグラウンディングとは 論文引用 AIシステムが抽象的なシンボル(単語・ データ)を現実世界の意味・文脈に結びつ けるプロセス。人間とAIの間のギャップを 埋め、精度と信頼性を高める根本的なアプ ローチ

    「グラウンディングはLLMをドメイン固有データに 整合させ、幻覚を低減し信頼性の高い応答を実現す る。Forrester調査:60%以上の企業が2025年まで に実装予定。」 Grounding = コンテキスト × 正確性 × 最新性 正確性 出典: wizr.ai — LLM Grounding Techniques for Enterprise AI (2025/3)​ 文脈適合性 ハルシネーション・誤情報を削減し、事実に ユーザー・業務・環境に固有の文脈を組み 基づく回答を実現 込む © 2026 Dynatrace, LLC. コンプライアンス 規制・ポリシーをAI判断に直接組み込める 5
  4. 依存関係とコンテキストをクエリ可能なデータとして扱う • 依存関係もコンテキストもクエリ できるデータになっている • Dynatraceは各Nodeに固有のidを 割り当てており、Edgeはその関係 性を表す Nodeのメタ情報 •

    AIがこの情報を辿って障害の根本 原因の分析に活用できるデータ構 造となっている Edgeの種類(Node間の関係性を示すラベル) © 2026 Dynatrace, LLC. 8
  5. Causal AI (因果AI)を用いた根本原因分析 【相関】一緒に動いたことは分かるが、向きがわからない A B A が B を起こした?B

    が A を? それとも共通の原因がある? 【因果】向きの決まった構造の上で判断する A B C C が B に、B が A に影響している → 対処すべきは C 相関ではなく因果で判断 同じ時間帯に起きた異常を並べるだけでは、どれが原因で どれが影響かは決まらない 因果推論の難しさはグラフの作成 一般的には因果関係のグラフをデータから推定するが、同じ データから複数の異なるグラフが作れてしまう Dynatrace はグラフを観測で得る Node と Edge が、そのまま因果関係のグラフになる。一意 に決定されたグラフに基づくデータから分析結果を得る Causal AI = 観測された依存関係のグラフの上で原因を推論する AI © 2026 Dynatrace, LLC. 9
  6. 故障の木解析による根本原因分析の仕組み ③今回の障害の根本原因と なっているエンティティ 故障の木解析 (FTA: Fault Tree Analysis) 望ましくない事象(頂上事象)から、そ の原因を下位へ展開していく信頼性・安

    全工学の手法。JIS C 5750-4-4 / IEC 61025 として規格化 ①頂上事象:ユーザー側 でエラー率の増加が発生 FTAを支えるコンテキスト • 木の骨格:NodeとEdgeによる依存 関係 ②Edgeに沿って下流に展開 • 異常の判定:各Nodeに紐づくテレメ トリーデータ • 統合の判断:異常の発生タイミング ④関連イベントの発生タイミング 依存関係・状態・時間というコンテキストがあるから、Causal AI は FTA で原因を特定できる © 2026 Dynatrace, LLC. 10
  7. 全体像:コンテキストを基盤にした AI アーキテクチャ AI Causal AI 結論 活用 生成AI 活用

    コンテキストをデータとして扱う基盤 データとしての 扱い コンテキスト化 観測 © 2026 Dynatrace, LLC. クエリできるデータとして保持 テレメトリーデータも依存関係も、クエリで参照可能 エンティティグラフ Node と Edge による依存関係+メタ情報を観測された事実として付与 テレメトリーデータ 12
  8. まとめ:AI を活用するにはコンテキストが必要 テレメトリーデータ コンテキスト AI の判断材料 テレメトリーデータ だけでは判断できない コンテキストは欠けなく 観測された事実で

    判断材料を、AI が 役割ごとに使う 何が起きたかは分かっても、ど こで動き、何とつながっている かがなければ、原因と影響は決 まらない 横方向・縦方向・メタ情報が欠 けると、AI は推測に頼る。推定 ではなく観測で得ることで、判 断の根拠になる Causal AI は原因の判定に、生 成AIは説明と対処の提案に、同 じテレメトリーデータとコンテ キストを使う AI の判断の正しさは、テレメトリーデータに結びついたコンテキストで決まる © 2026 Dynatrace, LLC. 13