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Datadog Live Tokyo Key Note

Datadog Live Tokyo Key Note

25年6月3日に開催された、Datadog Live Tokyo の基調講演登壇資料

弊社のレガシーからモダンへの段階的シフト戦略の中でのDatadog導入について

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タロウ

June 20, 2025
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  1. Copyright © CCC MK HOLDINGS Co.,Ltd. All Rights Reserved. 2025.06.03

    CCCMKホールディングスにおける取組み Vポイントサービスにおける Datadog導入プロジェクト
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    2 キャリアと領域 ・営業からシステムエンジニアへ ・システム運用からインフラ、開発 ・物流/ネットワーク/基幹/ポイント提携/分析基盤 これまでの取組み ・CCCグループにおけるクラウド導入 ・分析基盤のSnowflake統合とモダン化 ・SnowflakeのData SuperHeroes 2025選出 世界105人のグローバル技術リーダー これからの取り組み ・CCCMKHD全体のIT基盤モダン化 自己紹介 CCCMKホールディングス テクノロジー戦略本部 本部長 松井 太郎
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    3 TポイントからVポイントにリニューアル 1.3億人が利用する、今まで以上にお得なポイントサービスへ進化
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    4 新サービスのリリースや機能リニューアル 昨年リリースしたサービス(の一部)
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    5 本日お話すること 1.Vポイント基盤について 2.Datadogを導入した背景 3.Datadogを導入してみて 4.目指す世界
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    6 基幹システム(オンプレミス) Vポイント基盤全体像 2Cサービス(Azure) クラウドリフトA クラウドリフトB マイクロサービスC マイクロサービスD フロントエンド バックエンド Vポイントサイト ポイント基盤 BFF WEB/AP WEB/AP WEB WEB API API WEB API 提携企業様 Vポイントの各サービスは、クラウド・オンプレのハイブリッド構成で構築 多数のサービスが生まれる中で、様々な構築パターンが混在 Vポイントサービス AWS GCP OCI 運用監視 API
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    7 現在の状態 ・基幹システム(オンプレ) ・オンプレミスの堅牢性に依存した安定構成 ・2Cサービス❶クラウドリフト群 ・WebAppsやSQLDBなどの非コンテナ構成 ・2Cサービス❷マイクロサービス群 ・様々な構成による運用レベルのばらつき ・運用監視 ・システムリソース中心の監視 新サービスや機能追加により、システムの複雑性は増加の一途
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    8 見えてきた課題 ・基幹システム(オンプレ) ・オンプレミスの堅牢性に依存した安定構成 ・2Cサービス❶クラウドリフト群 ・WebAppsやSQLDBなどの非コンテナ構成 ・2Cサービス❷マイクロサービス群 ・様々な構成による運用レベルのばらつき ・運用監視 ・システムリソース中心の監視 ❶来たるべき基幹システムのクラウド化 ・クラウドシフトと高SLAの実現 ❷Paasベースによる柔軟性の限界 ・クラウドの柔軟性や効率性を活かせない ❸アーキテクチャ不統一による弊害 ・バラバラな監視運用による習熟コスト増 ❹リソースベース監視の限界 ・特定画面だけ遅い、API層の遅延などの把握困難
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    9 見えてきた課題 ・基幹システム(オンプレ) ・オンプレミスの堅牢性に依存した安定構成 ・2Cサービス❶クラウドリフト群 ・WebAppsやSQLDBなどの非コンテナ構成 ・2Cサービス❷マイクロサービス群 ・様々な構成による運用レベルのばらつき ・運用監視 ・システムリソース中心の監視 ❶来たるべき基幹システムのクラウド化 ・クラウドシフトと高SLAの実現 ❷Paasベースによる柔軟性の限界 ・クラウドの柔軟性や効率性を活かせない ❸アーキテクチャ不統一による弊害 ・バラバラな監視運用による習熟コスト増 ❹リソースベース監視の限界 ・特定画面だけ遅い、API層の遅延などの把握困難 監視方法の見直しやアーキテクチャの最適化が必要 基幹システムのクラウド化も今のままではハイリスク
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    10 課題へのアクション ❶来たるべき基幹システムのクラウド化 ・クラウドシフトと高SLAの実現 ❷Paasベースによる柔軟性の限界 ・クラウドの柔軟性や効率性を活かせない ❸アーキテクチャ不統一による弊害 ・バラバラな監視運用による習熟コスト増 ❹リソースベース監視の限界 ・特定画面だけ遅い、API層の遅延などの把握困難
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    11 課題へのアクション ❶基幹システムのクラウド化に向けた準備 ・脱オンプレでありながら高SLAも実現する基盤 ❷柔軟で拡張性が高い基盤の構築 ・コンテナ基盤によるリソース効率化、柔軟性向上 ❸よりクラウドネイティブなシステム構成 ・アーキテクチャの集約と統合監視の構築 ❹エンドツーエンドの監視への移行 ・早期発見、未然防止、迅速復旧の向上 ❶来たるべき基幹システムのクラウド化 ・クラウドシフトと高SLAの実現 ❷Paasベースによる柔軟性の限界 ・クラウドの柔軟性や効率性を活かせない ❸アーキテクチャ不統一による弊害 ・バラバラな監視運用による習熟コスト増 ❹リソースベース監視の限界 ・特定画面だけ遅い、API層の遅延などの把握困難
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    12 課題へのアクション ❶基幹システムのクラウド化に向けた準備 ・脱オンプレでありながら高SLAも実現する基盤 ❷柔軟で拡張性が高い基盤の構築 ・コンテナ基盤によるリソース効率化、柔軟性向上 ❸よりクラウドネイティブなシステム構成 ・アーキテクチャの集約と統合監視の構築 ❹エンドツーエンドの監視への移行 ・早期発見、未然防止、迅速復旧の向上 基幹システム移行に向けたクラウドネイティブな基盤構築が課題 ❶来たるべき基幹システムのクラウド化 ・クラウドシフトと高SLAの実現 ❷Paasベースによる柔軟性の限界 ・クラウドの柔軟性や効率性を活かせない ❸アーキテクチャ不統一による弊害 ・バラバラな監視運用による習熟コスト増 ❹リソースベース監視の限界 ・特定画面だけ遅い、API層の遅延などの把握困難
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    13 ロードマップ 基幹システムのEOSL(2030年)に向けた逆算スケジュール まだ5年もある 2025 2026 2027 2028 2029 2030 移行期 計画期 運用期 基幹システム (クラウド移行)
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    14 ロードマップ 基幹システムのEOSL(2030年)に向けた逆算スケジュール たった5年しかない 2025 2026 2027 2028 2029 2030 移行期 計画期 運用期 基幹システム (クラウド移行)
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    15 未来予想図① バッドシナリオ① 検討遅れによる時間切れ= ストレートクラウドリフト(単純コンバージョン) 2025 2026 2027 2028 2029 2030 開発期 計画期 運用期 基幹システム (クラウド移行) ・クラウドリフトに留まり、レガシーなままのIaas/Paas構成 ・クラウドの柔軟性を活かせず、高コストな構成 ・従来の監視手法のまま、可観測性は低下、事後対応や問題の長期化 ・メンテナンスや仕様変更の影響をモロに受ける構成 =レガシー構成による、高コスト・低柔軟性・低安定性の三重苦 まだ先の 話♪♪ まだ時間 ある♪ もう来年 じゃん! 技術変更リスク
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    16 未来予想図② バッドシナリオ② 新基盤で技術を刷新する= ダイレクトクラウドシフト(フルコンバージョン) 2025 2026 2027 2028 2029 2030 開発期 計画期 基幹システム (クラウド移行) ・新アーキテクチャへの理解不足による運用レベルの低下 ・プロアクティブな運用経験が少なく、トラブルの事後対応に忙殺 ・リソース監視からマインドチェンジ出来ず、低い可観測性 ・組織/人材/スキルが追い付いていない =ハコだけを用意し、魂(運用)が入っていないシステム 運用期 技術変更リスク これ 良さそう 次期基盤 で採用♪ まだ先の 話♪♪
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    17 クラウド移行の選択肢 レガシーシステム ストレートクラウドリフト ダイレクトクラウドシフト レガシー構成継続 ・高コスト ・低柔軟性 ・クラウドフィットしない 構築時に刷新 ・理解不足 ・経験不足 ・組織がフィットしない
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    18 レガシーシステム ストレートクラウドリフト ダイレクトクラウドシフト 段階的クラウドシフト レガシー構成継続 ・高コスト ・低柔軟性 ・クラウドフィットしない 構築時に刷新 ・理解不足 ・経験不足 ・組織がフィットしない 運用実績を積んだ移行 ・高い習熟度 ・最適コスト・高柔軟性 ・組織と基盤がフィット クラウド移行の選択肢
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    19 段階的クラウドシフトロードマップ 安全にモダン化するための技術移行戦略ロードマップ 現クラウドリフトシステムのコンテナシフトによる習熟度の向上 2025 2026 2027 2028 2029 2030 開発期 計画期 運用期 基幹システム (クラウド移行) 25年:候補技術をPoC 26年:候補技術を新サービスに適用して稼働検証 27年:候補技術を既存サービスへ適用して習熟度を向上 28年:運用実績に基づく基幹システムの移行計画の策定 29年:次期基幹システムの移行プロジェクトの着手 30年:次期基幹システムのリリース=運用開始 移行期 先行期 検討期 各システム群 (コンテナシフト) 運用期
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    20 段階的クラウドシフトロードマップ 2025 2026 2027 2028 2029 2030 開発期 計画期 運用期 基幹システム (クラウド移行) 先行期 検討期 各システム群 (コンテナシフト) メンバー育成・組織拡大 コアメンバー育成 SRE組織育成 移行開発 次期検討 リリース 習熟度向上 技術習得 クラウド開発 次期PJ推進 次期PJ任命 次世代継承 PJ実績 PJ任命 リーダー候補 人材継承 基盤設計 基盤移行 技術だけがテクノロジー戦略ではない それを運用する組織・人材・リーダーシップ 移行期 運用期
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    21 段階的クラウドシフトロードマップ 2025 2026 2027 2028 2029 2030 開発期 計画期 運用期 基幹システム (クラウド移行) 先行期 検討期 各システム群 (コンテナシフト) メンバー育成・組織拡大 コアメンバー育成 SRE組織育成 移行開発 次期検討 リリース 習熟度向上 技術習得 クラウド開発 次期PJ推進 次期PJ任命 次世代継承 PJ実績 PJ任命 リーダー候補 人材継承 基盤設計 基盤移行 技術変革には大きな痛みが伴う その実現を後押しし、かつクッションとなる存在が必要 移行期 運用期
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    22 段階的クラウドシフトロードマップ 2025 2026 2027 2028 2029 2030 開発期 計画期 運用期 基幹システム (クラウド移行) 先行期 検討期 各システム群 (コンテナシフト) メンバー育成・組織拡大 コアメンバー育成 SRE組織育成 移行開発 次期検討 リリース 習熟度向上 技術習得 クラウド開発 次期PJ推進 次期PJ任命 次世代継承 PJ実績 PJ任命 リーダー候補 人材継承 基盤設計 基盤移行 変更に最も時間がかかり、最も長く続く工程=システムの運用 運用からモダン化し、運用の高度化と人材育成の受け皿を用意する 習熟度向上 ツール導入 可観測性の向上 可観測性設計 運用開始 拡大期 移行期 運用期
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    23 段階的クラウドシフトロードマップ 2025 2026 2027 2028 2029 2030 開発期 計画期 運用期 基幹システム (クラウド移行) 先行期 検討期 各システム群 (コンテナシフト) メンバー育成・組織拡大 コアメンバー育成 SRE組織育成 移行開発 次期検討 リリース 習熟度向上 技術習得 クラウド開発 次期PJ推進 次期PJ任命 次世代継承 PJ実績 PJ任命 リーダー候補 人材継承 基盤設計 基盤移行 習熟度向上 ツール導入 可観測性の向上 可観測性設計 運用開始 拡大期 技術変更リスク Datadog導入=アーキテクチャと組織を変えるハブ 技術変更リスクを減らし、安全にモダン化するためのキーファクター 移行期 運用期
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    24 Vポイントシステム群の安全なモダン化 ストレートクラウドリフトの限界 ・クラウドリフトによるコスト増大と柔軟性の少ないインフラ ・従来型手法のままのクラウドインフラ監視による安定性の低下 ダイレクトクラウドシフトのリスク ・新アーキテクチャへの理解不足/経験不足 ・新しいアーキテクチャに対するモダンな運用体制構築不足 段階的クラウドシフトによる安全な移行★ ・クラウドネイティブアーキテクチャによるコスト最適化、柔軟性の実現 ・サービス監視への移行と習熟度を高め、より確実により安全なクラウドシフトを実現 コスト最適化・事業変化への柔軟性・運用安定性の向上 経営命題となるテーマ
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    25 では、なぜDatadogなのか 基幹システムも含めた運用監視の統合 → エンタープライズでの多数実績 日本最大級のポイントサービス → APM+セキュリティや豊富な機能 HD/事業IT/ベンダーのメッシュ組織 → リソース課金体系が組織にフィット レガシーからのシフト → PoCフェーズからの手厚いサポート スモールフェーズではなく、将来を見据えた製品選定
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    26 Datadogを導入してみて メトリック監視、APM、ログ監視から利用を開始 私自身も実際に操作し、 Datadogの必要性や導入意義を繰り返し説明 リーダー陣が徐々に行動変容し、組織全体のマインドチェンジの兆し 障害の原因調査時にダッシュボードで俯瞰した状況把握が出来る事に感動 R&Dフェーズの「AI領域」へのセキュリティ監視や可観測性向上は効果を実感 導入したてなので、まだまだこれからの取組みばかりです
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    27 Datadogで目指すオブザーバビリティの世界 従来のリソース中心監視からサービス中心監視へのシフト 分散システムにおける相関関係の可視化による俯瞰した状態把握 プロアクティブな対応によるSLAの向上 データドリブン・AI監視による継続的改善サイクルの実現 CCCグループ全体でのクラウドシフトの統一運用基盤を目指す 我々の技術変革へのチャレンジ Datadogを使いこなし、さらに安定したサービスの実現
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    28 まとめ 1.3億人が利用するVポイントサービス群へ段階的にDatadogを導入 これは最初の一歩、いずれ来る基幹システムのクラウド化に備える クラウドシステム群のモダン化を進め、習熟度を上げていく コスト最適化・柔軟性・運用性の向上 + 組織の在り方も変えていく つまり、Datadog導入が、技術・組織両面での変革のハブとなる まだスタートに立ったばかり、これからどんどん使いこなしたい モダン化の取組みを通じて、さらにより良いサービスを顧客に届けていく
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    29 皆さまの先進的な取り組みに刺激を受けながら 私たちも挑戦し続けます!
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    30 ご清聴ありがとうございました