Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
GuardDutyとSysdigのランタイムセキュリティ機能を比較してみる
Search
t-kikuchi
February 15, 2024
Technology
1
1.9k
GuardDutyとSysdigのランタイムセキュリティ機能を比較してみる
GuardDutyとSysdigのランタイムセキュリティ機能を比較してみる
t-kikuchi
February 15, 2024
Tweet
Share
More Decks by t-kikuchi
See All by t-kikuchi
コンテキストエンジニアリングとは何か?〜Claude Codeを使った実践テクニックとコンテキスト設計〜
tkikuchi
0
72
バッチ処理をEKSからCodeBuildを使ったGitHub Self-hosted Runnerに変更した話
tkikuchi
1
93
Claude Code導入後の次どうする? ~初心者が知るべき便利機能~
tkikuchi
0
24
ClaudeCodeを使ってAWSの設計や構築をしてみた
tkikuchi
0
25
ClaudeCode_vs_GeminiCLI_Terraformで比較してみた
tkikuchi
1
7.7k
AWSLambdaMCPServerを使ってツールとMCPサーバを分離する
tkikuchi
1
4.5k
ネットワークの新要素ResourceGateway&Configuration関連アップデート
tkikuchi
0
2.7k
Terraform未経験の御様に対してどの ように導⼊を進めていったか
tkikuchi
4
860
塩野義製薬様のAWS統合管理戦略:Organizations設計と運用の具体例
tkikuchi
0
960
Other Decks in Technology
See All in Technology
Kotlinで型安全にバイテンポラルデータを扱いたい! ReladomoラッパーをAIと実装してみた話
itohiro73
3
270
今のコンピュータ、AI にも Web にも 向いていないので 作り直そう!!
piacerex
0
660
品質保証の取り組みを広げる仕組みづくり〜スキルの移譲と自律を支える実践知〜
tarappo
1
110
Data Engineering Guide 2025 #data_summit_findy by @Kazaneya_PR / 20251106
kazaneya
PRO
9
1.6k
AI-ready"のための"データ基盤 〜 LLMOpsで事業貢献するための基盤づくり
ismk
0
120
初海外がre:Inventだった人間の感じたこと
tommy0124
1
200
Design and implementation of "Markdown to Google Slides" / phpconfuk 2025
k1low
1
260
どうなる Remix 3
tanakahisateru
1
270
DMMの検索システムをSolrからElasticCloudに移行した話
hmaa_ryo
0
370
The Twin Mandate of Observability
charity
1
510
How Fast Is Fast Enough? [PerfNow 2025]
tammyeverts
2
270
AWSが好きすぎて、41歳でエンジニアになり、AAIを経由してAWSパートナー企業に入った話
yama3133
2
230
Featured
See All Featured
Facilitating Awesome Meetings
lara
57
6.6k
Fight the Zombie Pattern Library - RWD Summit 2016
marcelosomers
234
17k
Documentation Writing (for coders)
carmenintech
76
5.1k
Code Reviewing Like a Champion
maltzj
526
40k
4 Signs Your Business is Dying
shpigford
186
22k
How Fast Is Fast Enough? [PerfNow 2025]
tammyeverts
2
270
個人開発の失敗を避けるイケてる考え方 / tips for indie hackers
panda_program
116
20k
Context Engineering - Making Every Token Count
addyosmani
8
340
The Art of Delivering Value - GDevCon NA Keynote
reverentgeek
16
1.7k
The MySQL Ecosystem @ GitHub 2015
samlambert
251
13k
Thoughts on Productivity
jonyablonski
72
4.9k
For a Future-Friendly Web
brad_frost
180
10k
Transcript
1 AWS事業本部 コンサルティング部 菊池 聡規 GuardDutyとSysdigのランタイムセキュリティ 機能を比較してみる
• 【名前】 菊池 聡規 • 【所属】 AWS 事業本部 コンサルティング部 •
【キャリア】 金融機関向けオンプレのインフラエンジニア10年ほど→ 自社Webサービスをもつ企業で3年ほど→ クラスメソッドにジョイン • 【Blog】 https://dev.classmethod.jp/author/tooti/ • 【好きなAWSサービス】 Amazon EventBridge, AWS Step Functions, ECS 2 自己紹介
1. はじめに 2. 通知速度 3. コスト比較 4. 検知ルールとカスタマイズ 5. セットアップの簡便さ
6. まとめ 3 アジェンダ
4 前提 • 前提 ◦ ECS Fargate環境を前提とします ◦ ランタイムセキュリティ機能に絞って話します ◦
サービスの比較になりますが、どちらかのサービスを貶す意図はないです。どちらも 良いサービスです
5 1. はじめに - ランタイムセキュリティの役割 • そもそもランタイムセキュリティとは? ◦ 実行中のコンテナを保護すること ◦
コンテナ上の怪しい振る舞いを検出する等の方法で実現 ◦ 例えば以下のような攻撃を防げる ▪ コンテナ内に含まれたマルウェアによる攻撃 ▪ コンテナイメージに含まれる脆弱性を利用した攻撃 ◦ コンテナに含まれる脆弱性はビルド時にもチェックするがゼロデイ脆弱性等、ビルド 時に洗い出せないものも→いわば最後の防衛線
6 1. はじめに - GuardDutyとSysdigの概要 • GuardDuty ◦ AWS環境に対する脅威検出サービス ◦
2023/11アップデートにてECSに対するRuntime Monitoringが追加 • Sysdig ◦ コンテナ、Kubernetes、クラウド環境向けセキュリティ
7 2. 通知速度 • GuardDutyでの通知 ◦ GuardDutyで発生したイベントは Amazon EventBridgeに送信される ◦
発見から5分以内に通知を送信 ◦ 同一ECSタスク内で複数回攻撃が発生 しても最初の5分間に発生したイベント はすべて一つの通知に集約される ◦ 異なるECSタスクで発生した場合は別イ ベントとしてカウント
8 2. 通知速度 • GuardDutyでの通知 ◦ 攻撃発生時のタイムライン例 発生時刻 内容 3:13:34
タスクAで暗号通貨関連のドメイン名に対して nslookup実施 3:13:40 タスクBで暗号通貨関連のドメイン名に対して nslookup実施 3:15:50 GuardDutyにタスクAのイベント作成 3:15:50 GuardDutyにタスクAのイベント作成 3:20:03 Amazon EventBridgeからトリガーされる処理が開始 3:20:07 Amazon EventBridgeからトリガーされる処理が開始
9 2. 通知速度 • Sysdigでの通知 ◦ Notification ChannelsとEvent Forwardingの2種類のイベント送信方 法が存在
◦ Notification Channelsはポリシーに対して設定し、指定したポリシー違反 があった際にSlack,Email,Amazon SNSなどにイベント送信 ▪ Notification Channelsは何かが起きていることを把握する目的のもの であるため同時タイミングのイベント等はミュートされる ◦ Event ForwardingはAWS等のクラウドアカウントやコンテナで発生したポ リシー違反等のセキュリティイベントをElasticsearchやAmazon SQS, Splunk等に転送する機能 ▪ こちらは発生した全イベントを送信
10 2. 通知速度 • Event Forwardingの送信イメージ
11 2. 通知速度 • Sysdigでの通知 ◦ 攻撃発生時のタイムライン例(Event Forwarding) 発生時刻 内容
19:53:18 タスクAで不審なネットワークツール (ncat)実行(※1) 19:53:23 タスクAで不審なネットワークツール (ncat)実行(※2) 19:53:42 SQSからLambdaが起動(※1) 19:54:08 SQSからLambdaが起動(※2)
12 3. コスト比較 • GuardDuty ランタイムモニタリングの価格モデル※ ◦ エージェントが保護するタスクのvCPU数に応じて課金 ▪ 月最初の500vCPUまで:1vCPUあたり2.00USD/月
▪ 500vCPU以上、4500vCPUまで:1vCPUあたり1.00USD/月 ▪ GuardDutyのVPCエンドポイントが作成されるがこちらは無料 ▪ 2vCPU使うタスクが10個の条件で試算すると ➢ 2vCPU * 10台 * 2USD = 40USD/月 ※最新の情報や詳細についてはAWS公式ページをご参照ください https://aws.amazon.com/jp/guardduty/pricing/
13 3. コスト比較 • Sysdigの価格モデル※ ◦ ECS Fargateでランタイムセキュリティを使いたいときは「Secure Workload Sec
CaaS」ライセンスを購入すればOK ◦ ECS Fargateの1タスク毎に月額12USD ◦ 1タスク毎に1ヶ月あたり720時間を超えて使用すると追加で料金がかかる ▪ Additional usage fee for Secure Workload Security CaaS:0.03USD/h ◦ その他、オーケストレータ(ECS,NLB)の料金がかかる ▪ おおよそ、月200USD~250USD程度 ▪ 2vCPU使うタスクが10個の条件で試算すると ➢ 10タスク * 12USD + 250USD = 370USD ※最新の情報や詳細については 以下ページをご参照ください https://aws.amazon.com/marketplace/pp/prodview-p4hagtkrkpgbw?sr=0-1&ref_=beagle&applicationId=AWSMPContes sa
14 4. 検知ルールとカスタマイズ • GuardDutyランタイムモニタリングの検知ルール ◦ ルール数は2/16時点で31 ▪ 暗号通貨関連や既知のC&Cサーバへの通信 ▪
Torネットワークへの接続 ▪ 既知の悪用ドメインへの通信 ▪ リバースシェルなどなど ◦ カスタマイズは不可 ◦ 不要なルールは基本的には抑制ルール(属性名と値の組み 合わせでフィルタ)で制御 ◦ 詳細な検知条件はブラックボックス(例えば既知の悪用ドメイ ンが何かまでは分からない)
15 4. 検知ルールとカスタマイズ • Sysdigの検知ルール ◦ ルール数は2/16時点でWorkloadカテゴリだけでも100以上 ▪ 各ルールには種別を示すタグが複数ついている ➢
例えばCISベンチマークやMITRE ATT&CKになどのセキュリティ標準に準 拠したルールにはそれを示すタグがつく ➢ その他のタグとしてはnetwork, fileなど挙動を表すタグ等 ◦ カスタマイズが柔軟 ▪ 複数ルールを束ねたものがポリシーとして存在、ポリシー内の各ルール毎に有 効無効を設定可能 ▪ 3種類のポリシー種別がありカスタムポリシーという種別ではルールの組み合 わせを自由に設定、マネージドポリシーでは自動でルールがupdate ▪ 各ルールはFalcoルールという書式で書かれており、ユーザが独自のルールを 作ることも可能 ◦ 詳細な検知条件までわかる
16 4. 検知ルールとカスタマイズ • Sysdigの検知ルール
17 4. 検知ルールとカスタマイズ • Sysdigの検知ルール
18 5. セットアップの簡便さ • GuardDutyのセットアップ ◦ めちゃくちゃ簡単
19 5. セットアップの簡便さ • GuardDutyのセットアップ
20 5. セットアップの簡便さ • Sysdigのセットアップ ◦ オーケストレータエージェントとワークロードエージェントを作る 必要あり ◦ それぞれTerraformとCloudFormationが用意されている
21 簡単、簡単☆ミ
22 5. セットアップの簡便さ
23 6. まとめ • まとめ ◦ それぞれに特徴があるので要件に合ったものを使おう! 項目 GuardDuty Sysdig
検知速度 △ ◯ コスト ◎ ◯ ルール数とカスタマイズ ◯ ◎ セットアップの容易さ ◎ ◯
24