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急成長プロダクトを支える「組織の検査と適応」—— SmartHR 労務ドメイン Scrum@S...

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January 18, 2026

急成長プロダクトを支える「組織の検査と適応」—— SmartHR 労務ドメイン Scrum@Scale 導入半年間のリアルと展望

SmartHR最大のプロダクト部門である労務ドメインは、16チーム・5エリアへと急拡大する中で、「チーム間の連携不足」や「機能開発と技術的負債解消のバランス」といった成長痛に直面しました。これらを解決し、人的資本プラットフォームとしての進化を加速させるため、半年前に「Scrum@Scale(S@S)」を導入しました。

RSGT2026では、先日ドメインのリーダーを中心に実施した、S@S導入から半年間の「大ふりかえり」で見えてきた"リアルな現在地"を共有しました。

多くのリーダーが、S@S導入により進捗の可視化や障害物の発見に確かな手応えを感じています。一方で、POを中心としたスケールドイベント「メタスクラム」が報告中心の場となり戦略議論が不足していること、また、チームから上がった障害物のうち中長期的な技術的負債の解消が停滞していることなど、まだまだ伸びしろがたくさんある状況です。

しかし、最大の成果はS@Sのフレームワークそのものではなく、職能横断のリーダーたちが一丸となり、「組織運営そのものを検査と適応し続ける型」を確立できたことにあります。

SmartHRのプロダクト部門が目指すのは、「歴史に残る模範的なソフトウェアを作る」日本有数のアジャイル組織です。教科書通りの成功譚ではなく、現場で起きている泥臭い課題と、それを高速にアップデートし続けるエンジニア組織の挑戦をお話しします。大規模な組織変革やS@Sの実践知に興味がある方へのヒントとなれば幸いです。

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January 18, 2026
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Transcript

  1. 4 2025年3⽉、変⾰に向けた初回MTG 労務ドメインの課題 ズレ • 各チームの判断は的確でも、全体の⽅向 性とずれ、プロダクト間の連携が不⾜ • リリース優先の判断を続け、技術的負債 が蓄積し、⽣産性が徐々に低下

    情報の氾濫 • 必要な情報が⾒つからない • 会話や会議が多すぎて開発に集中でき ない 労務ドメインの組織変革のゴール チームの自律性により生じる … チームの働き⽅ • ユーザーやドメインを業務カットで理解し たプロダクトづくり チーム間のコラボレーション • 効果的なコミュニケーションの確立 戦略とチームのアラインメント • トップダウンとボトムアップを両立する意 思決定のしくみ • プロダクト戦略と技術戦略の整合性をと るしくみ
  2. 8 結論 = ⼀⻫に始めました(2025年7⽉〜) フロントシステム ⼈事マスタ 給与計算 労務 ドメイン 勤怠管理

    Scalability EM PO エ リ ア チーム チーム チーム チーム チーム チーム チーム チーム チーム チーム チーム チーム チーム チーム チーム チーム PO PO PO PO PO EM EM EM EM EM
  3. 9 新たな組織運営のゴールと特徴 フラクタル構造 POサイクル EMサイクル 労務ドメインの組織変革のゴール チームの働き⽅ • ユーザーやドメインを業務カットで理解した プロダクトづくり

    チーム間のコラボレーション • 効果的なコミュニケーションの確立 戦略とチームのアラインメント • トップダウンとボトムアップを両立する意思 決定のしくみ • プロダクト戦略と技術戦略の整合性をとる しくみ Scrum@Scaleをベースとした SmartHR流組織運営の特徴
  4. 10 価値‧機能を単位にしたフラクタルな組織構造 PO EM スクラムチーム エリア PO EM PO EM

    PO EM エリア PO エリア EM PO EM PO EM PO EM PO EM PO EM エリア PO エリア EM ドメイン PO EM PO EM PO EM PO EM PO EM エリア PO エリア EM PO EM PO EM PO EM PO EM PO EM エリア PO エリア EM ドメイン PO ドメイン EM EMがスクラムマスターの役割を担うとし、 EMとSMを統合
  5. 12 POサイクルの確⽴ NEW ドメインの 優先順位 (ロードマップ) エリアの 優先順位 (フィーチャー) チームの

    優先順位 (チケット) ドメイン メタスクラム エリア メタスクラム プロダクト 定例 ビジネスとの連携をチームレベルからエリア・ドメインに拡大
  6. EMサイクルの確⽴ チームの 障害物リスト エリア レトロスペクティブ レトロスペクティブ エリアの障害物リスト ドメインの 障害物リスト ドメイン

    レトロスペクティブ 新たな知⾒や 改善の取り組みを ドメイン全体へ共有 技術戦略pj 技術戦略を POサイクルへ 統合 中長期の技術施策の策定と実行管理を担う技術戦略 pjとEMサイクルを連携 ※ S@Sガイド的にはSMサイクル
  7. 半年間のふりかえり:Try 16 ① POサイクルの進化 ー「報告」から「議論・意思決定の場」へ • 進捗共有と議論の時間を分離 • メタスクラムを、戦略とアウトカムを議論する場へ ②

    EMサイクルによる技術的負債マネジメント • 中長期の技術的負債に計画的に投資できる仕組み • 緊急度の高い負債は専門チーム( Scalabilityエリア)で可視化・対応 • チームの技術的負債対応を20%ルールとして明確化