Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
対応時間9割削減!?入金消込業務の自動化をがんばりました / Automation of pa...
Search
yayoi_dd
April 19, 2023
Technology
0
140
対応時間9割削減!?入金消込業務の自動化をがんばりました / Automation of payment reconciliation work
弥生株式会社 もくテク
もう戻りたくない!業務効率化のあれこれ Vol.2(2022/08/18)
https://mokuteku.connpass.com/event/249454/
yayoi_dd
April 19, 2023
Tweet
Share
More Decks by yayoi_dd
See All by yayoi_dd
“お客さま視点”を手に入れろ!! / Get the Customer’s Perspective!!
yayoi_dd
0
100
プロジェクト改善、まずは“ネタ出しの文化”から / Improving Projects Starts with a Culture of Idea Generation
yayoi_dd
0
100
使いにくい仕様を改善した件 / How We Improved a Difficult-to-Use Feature
yayoi_dd
0
110
弥生のQAエンジニア 品質保証活動と今後の課題 / Yayoi QA engineers, Quality assurance activities and future challenges
yayoi_dd
0
130
【弥生】20250130_AWSマルチアカウント運用セミナー登壇資料
yayoi_dd
2
4.4k
Amazon OpenSearchのコスト最適化とZeroETLへの期待 / Amazon OpenSearch Cost Optimization and ZeroETL Expectations
yayoi_dd
1
130
フロントエンドとバックエンド非同期連携パターンのセッションを見てきた話 / Talk about seeing a session on front-end and back-end asynchronous coordination patterns
yayoi_dd
0
94
reInventで学んだWebシステム運用のBadDayへの備え方 / How to Prepare for BadDay in Web System Operations Learned at reInvent
yayoi_dd
0
73
AWS reInventで感じた世界に見る生成AIの競争 / Competition in Generative AI as Seen Around the World at AWS reInvent
yayoi_dd
0
80
Other Decks in Technology
See All in Technology
「何となくテストする」を卒業するためにプロダクトが動く仕組みを理解しよう
kawabeaver
0
440
Create Ruby native extension gem with Go
sue445
0
130
Autonomous Database - Dedicated 技術詳細 / adb-d_technical_detail_jp
oracle4engineer
PRO
4
10k
COVESA VSSによる車両データモデルの標準化とAWS IoT FleetWiseの活用
osawa
1
400
KotlinConf 2025_イベントレポート
sony
1
140
初めてAWSを使うときのセキュリティ覚書〜初心者支部編〜
cmusudakeisuke
1
280
データ分析エージェント Socrates の育て方
na0
8
2.7k
slog.Handlerのよくある実装ミス
sakiengineer
4
480
スマートファクトリーの第一歩 〜AWSマネージドサービスで 実現する予知保全と生成AI活用まで
ganota
2
320
職種の壁を溶かして開発サイクルを高速に回す~情報透明性と職種越境から考えるAIフレンドリーな職種間連携~
daitasu
0
190
DroidKaigi 2025 Androidエンジニアとしてのキャリア
mhidaka
2
390
企業の生成AIガバナンスにおけるエージェントとセキュリティ
lycorptech_jp
PRO
3
200
Featured
See All Featured
How GitHub (no longer) Works
holman
315
140k
Thoughts on Productivity
jonyablonski
70
4.8k
The Web Performance Landscape in 2024 [PerfNow 2024]
tammyeverts
9
810
JavaScript: Past, Present, and Future - NDC Porto 2020
reverentgeek
52
5.6k
Creating an realtime collaboration tool: Agile Flush - .NET Oxford
marcduiker
31
2.2k
Six Lessons from altMBA
skipperchong
28
4k
Learning to Love Humans: Emotional Interface Design
aarron
273
40k
Principles of Awesome APIs and How to Build Them.
keavy
126
17k
Performance Is Good for Brains [We Love Speed 2024]
tammyeverts
12
1.1k
We Have a Design System, Now What?
morganepeng
53
7.8k
For a Future-Friendly Web
brad_frost
180
9.9k
RailsConf & Balkan Ruby 2019: The Past, Present, and Future of Rails at GitHub
eileencodes
139
34k
Transcript
対応時間9割削減!? 入金消込業務の自動化をがんばりました いっしー
自己紹介 • いっしー • エンジニア歴10年目 • 情報システム部 新課金チーム • 課金システムの開発・運用・保守
課金システムとは? • クラウドサービスの販売管理を行うシステム • 契約 • 請求 • 回収 •
支払方法
入金消込業務とは? • お客さまからの入金により回収できた請求書を消し込む業務 • お客さまを特定する • 請求書(売掛金)の残高を0にする • 請求書のステータスを「入金済み」にする 【お客さま】
••さんですね 請求書Aに対する入金 を確認しました
入金消込業務のツラさ • ユーザー数が増えるほどに煩雑になる • 請求データと入金データの紐づけに手間がかかる
弥生での入金消込業務
これまで(1年半ほど前) ①弥生の銀振用口座に入金 【お客さま】 【CS本部】 ③対象のお客さま を特定し、 入金明細リスト (Excel)を作成 課金システム ④依頼をもとに、
各システムを手動で データメンテナンス 【開発本部】 関連システム ②入金情報 を手動取得 ④チケットを起票し、 開発本部へ消込依頼
問題点 • ユーザー数の増加に伴い、他の業務をひっ迫 • そしてこれからもどんどん増える・・・ • 手動での作業が多いため、ミスをするリスクが常にある • なにそれこわい・・・ •
データメンテナンス時に個人情報に触れざるを得ない • 自動化されてれば負わなくてもいいリスクを負っていてこわい・・・
いま ①弥生の仮想口座に入金 【お客さま】 【CS本部】 課金システム 関連システム ②入金情報ファイル をダウンロード 【課金システム】 入金情報
③入金情報ファイル を手動配置 ④入金情報 を自動取得 ⑤入金情報をもとに自動消込 ⑥エラーになったものだけ確認・対応
1件あたりの対応時間が50分→5分に! CS本部 30分 開発本部 20分 5分 Before After
1件あたりの対応時間が50分→5分に! CS本部 30分 開発本部 20分 5分 Before After
自動化するとき 意識した3つのポイント
全体最適をめざす 開発メンバーのデータメンテナンス負荷だけでなく CS本部メンバーの負荷も下げる 大前提
これまで(1年半ほど前) ※再掲 ①弥生の銀振用口座に入金 【お客さま】 【CS本部】 ③対象のお客さま を特定し、 入金明細リスト (Excel)を作成 新課金
④依頼をもとに、 各システムを手動で データメンテナンス 【開発本部】 ⑤対応結果を連絡 関連システム ②入金情報 を手動取得 ④チケットを起票し、 開発本部へ消込依頼
これまで(1年半ほど前) ※再掲 ①弥生の銀振用口座に入金 【お客さま】 【CS本部】 ③対象のお客さま を特定し、 入金明細リスト (Excel)を作成 新課金
④依頼をもとに、 各システムを手動で データメンテナンス 【開発本部】 ⑤対応結果を連絡 関連システム ②入金情報 を手動取得 ④チケットを起票し、 開発本部へ消込依頼 ?
1. 丁寧なヒアリングでAS-ISを明確に • 開発に消込依頼がくるまで、CS本部の方は何をしているのか? • どんな作業があるのか? • どこに時間がかかっているのか? • すぐになくせる作業はないか?
• 方法 • 実際に作業を見せてもらう • 運用手順書を確認させてもらう • 対面でヒアリングをする
1. 丁寧なヒアリングでAS-ISを明確に • 開発に消込依頼がくるまで、CS本部の方は何をしているのか? • どんな作業があるのか? • どこに時間がかかっているのか? • すぐになくせる作業はないか?
• 方法 • 実際に作業を見せてもらう • 運用手順書を確認させてもらう • 対面でヒアリングをする 明確にするだけで システムに依らない改善点が見つかるかも
2. できる範囲からすこしずつ • カスタマーセンターの繁忙期(1~3月) • この時期は業務フローの変更はできない • この時期までにはできるだけ負荷を減らしたい • 日々のデータメンテナンスに時間が奪われて開発が進まない
今回は段階を分けてリリースしよう!
2. できる範囲からすこしずつ • STEP1(2021年1月) • 入金消込ツールを作成し、消込を実行(一部消込できないデータ有り) • 【CS本部】チケット起票がなくなる • 【開発本部】手動でのデータメンテナンスが減る
• STEP2(2021年4月) • STEP1で消込できなかったデータを消込できるようにする • 【CS本部】あらゆる入金情報を、入金消込ツールで消込できるようになる • 【開発本部】手動でのデータメンテナンスがなくなる • STEP3(2022年1月) • バーチャル口座を導入し、自動消込がエラーになった入金のみ確認・対応 • 【CS本部】お客さま特定作業が減る
3. システムに苦手なことはさせない • 入金消込エラーとなった場合の原因調査は人間の方が得意 • 設計や実装が複雑になり、保守しにくくなる懸念もある どこまでをシステムで対応し、 どこからを人間が対応するのかを明確にする
まとめ • 入金消込業務を自動化して、対応工数を9割削減! • 自動化するときに意識したポイント 前提 全体最適をめざす 1. 丁寧なヒアリングでAS-ISを明確に 2.
できる範囲からすこしずつ 3. システムに苦手なことはさせない
おまけ:役に立った書籍 • ITエンジニアのための【業務知識】がわかる本 • https://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784798157382 • 運用設計の教科書~現場で困らないITサービスマネジメントの 実践ノウハウ~ • https://gihyo.jp/book/2019/978-4-297-10793-2