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属人化を叩き割れ!「制作加速」と「安定化」の矛盾を打破する:8年目プロダクトが辿り着いた「ミス...
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August 19, 2026
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属人化を叩き割れ!「制作加速」と「安定化」の矛盾を打破する:8年目プロダクトが辿り着いた「ミスが起こり得ない」アセット制作フローの全貌
CEDEC2026で発表された資料です。
https://cedec.cesa.or.jp/2026/timetable/detail/s6985879736774/
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August 19, 2026
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Transcript
属⼈化を叩き割れ! 「制作加速」と「安定化」の⽭盾を打破する: 8年⽬プロダクトが辿り着いた「ミスが起こり得ない」 アセット制作フローの全貌 CEDEC2026 REALITY株式会社 池⾕ 駿弥
本セッションについて • 写真撮影OK、SNS投稿OK • 本スライドは後⽇、CEDiLにて公開予定です 2
⾃⼰紹介 池⾕ 駿弥 (Shunya Iketani) / IKEP(@CreativeIKEP) REALITY株式会社 テクニカルアーティスト •
2022年、グリー株式会社(現 グリーホールディングス株式会社)へ 新卒⼊社し、REALITY株式会社に配属 Unityエンジニアとしてアバター機能の開発やアセット運⽤を担当 • 約1年半の社内プロジェクトを経て、2025年7⽉のTechnical Artチーム 発⾜に寄与 • 現在はTAとして、アセット制作パイプラインの整備からアプリ機能の 開発まで幅広く担当 3
アジェンダ • アプリ「REALITY」と、REALITYのアセット • アセット制作における問題 • 制作パイプラインの改善(品質担保の安定化) • ◦ 2D制作
◦ 3D制作 ◦ Unity組み込み 制作パイプラインの改善(管理の安定化) • ◦ マスターデータ⼊稿 ◦ ビルド‧実機確認 ◦ PRレビュー ◦ リリース まとめ 4
アプリ「REALITY」 5
⾃分好みのアバターで ライブ配信 REALITY(リアリティ)は、 誰でもスマホ1台でアバターの姿になり、 顔出しナシでライブ配信、ゲームやチャットなど コミュニケーションを楽しむことができるアプリです。 2018年8⽉リリース 今年、8周年を迎えます🎉
楽しみは盛りだくさん! 7
膨⼤なアセット制作 Unityを⽤いて開発されており、アバター‧家具ア イテム合わせて • 毎⽉340以上の新規アイテム、 2800以上の新規ファイルを制作 • ⽉10本前後の新規ガチャがリリースされ、 平均 1ガチャ/3⽇ペースで新作ガチャが登場
毎週アセットリリースが⾏われる体制 8
アセット制作における問題 9
急激な制作加速... 事業方針の変化に伴い、アセット制作数が爆発的に増加し、現在では過去の約5倍の制作量 へ 過去3年は⽉1~2本で推移 家具ガチャ開始 新たなアバターアイテム 制作チーム発⾜ 新シリーズの アバターガチャ開始 10
急激な制作加速... 事業方針に伴い、アセット制作数が爆発的に増加し、現在では過去の約5倍の制作量 へ 当時の制作フローでは限界を迎え、 アセット制作現場から悲鳴 家具ガチャ開始 新たなアバター制作 チーム発⾜ 新シリーズの アバターガチャ開始
11
REALITYアバターアイテム制作パイプライン 企画 2D (Photoshop) 3D (Maya) マスタ データ入稿 Unity 組み込み
ビルド 実機確認 PR レビュー • パイプライン / 各⼯程の具体的なフローともに、リリース当初から5年の間に⼤きな変化なし • ⼯程によっては、⻑期運⽤に伴って属⼈化が発⽣し、制作加速のボトルネックに... リリース 12
運⽤期間が⻑いと、なぜ属⼈化するのか 多くの機能開発‧アセット制作により、アセット仕様‧データが複雑化‧多様化 全ての仕様‧機能を詳細に把握した上で、アセットの制作とチェックが必要 他開発環境‧他アセットへの影響を回避しながら、 制作物がデータ格納‧ビルド‧リリースされる 「運⽤事故を回避し安定的な制作を⾏うこと」が⽬的 13
⽭盾する⼆⼤命題への直⾯ 制作加速 効率的にアセットを作り続け、 量産する 安定化 VS 運用事故を起こさず アセットを制作する REALITYでは効率化による制作加速を⾏ってきたが、制作現場は限界を迎えた ⽭盾する2つを⾼い次元で両⽴させる必要がある
14
効率性を維持しながら、安定性を実現するためのアプローチ 制作加速 効率的にアセットを作り続け、 量産する 安定化 VS 運用事故を起こさず アセットを制作する 効率化はすでに⾏ってきたので、済み 品質担保の安定化
誰もが高水準なアセット制作が可能で、 「必然的な」 安定性を醸成させる 管理の安定化 「ミスが起こり得ない」管理体制 の実現 15
制作パイプラインへの反映 2つに分離してアプローチできることが、制作パイプラインからもわかる • アセットそのものを作る⼯程に対して、品質担保の側⾯から • 制作したアセット‧メタ情報の共有‧ビルド‧リリースなどの⼯程に対して、管理の側⾯から 企画 2D (Photoshop) 3D
(Maya) マスタ データ入稿 品質担保の安定化 誰もが高水準なアセット制作が可能で、 「必然的な」 安定性を醸成させる Unity 組み込み ビルド 実機確認 PR レビュー リリース 管理の安定化 「ミスが起こり得ない」管理体制 の実現 16
2つの「安定化」の側⾯から各⼯程の改善を実施 品質担保の安定化 誰もが高水準なアセット制作が可能で、 「必然的な」 安定性を醸成させる 管理の安定化 「ミスが起こり得ない」管理体制 の実現 効率的なアセット制作を維持しながら 「事故のない安定的な制作」を実現する!
17
品質担保の安定化 18
品質担保の安定化 「品質担保の安定化」におけるポイント 確信度の向上 100%正しく動く・見える状態へ近づけ、パイプラインの各工程ごとの品質向上と手戻り防止 思考の単純化 複雑・多様な仕様を隠蔽し、「思考の単純化」を図り、本来の「創造的作業」に専念させる システムからルールを作る 暗黙知・ノウハウまで含めた総合システムにより、システムに従えば「必然的に」ルール通りに 19
2Dデータにおける事例 企画 2D (Photoshop) 3D (Maya) マスタ データ入稿 Unity 組み込み
ビルド 実機確認 PR レビュー リリース
品質担保の安定化 - 2Dにおける事例 2Dデータ制作の内容 • Photoshopを使って、三⾯図‧テクスチャを作成 • 1アバターアイテムの中に「カラバリ」が存在し、三⾯図‧テクスチャともにカラバリの数だけデザイ ン 21
品質担保の安定化 - 2Dにおける事例 テクスチャPSD 内製プラグインツールによって、マスクテクスチャ‧カラー情報を⽣成している → グループ‧レイヤー構造や⾊の塗り⽅を指定の⽅法で⾏う必要性 22
品質担保の安定化 - 2Dにおける事例 以前のテクスチャPSD制作体制 アイテム種別や、Unityのシェーダ設定の予定に応じて、構造も⼤きく変化 → グループ‧レイヤー構造や⾊の塗り⽅指定などを全てシニアアーティストによる⽬視確認に依存 「グループ×レイヤー」の数分 描画仕様‧不透明度などを確認 カラバリの数分
存在するかを確認 シェーダ設定に合わせた マスク設定‧⾊かを確認 23
品質担保の安定化 - 2Dにおける事例 テクスチャPSD制作体制の改善 • 仕様通りの構造になっているかをチェックす るツールを開発 • 従来のExtendScriptよりも、「保守性‧安全 性⾼く、リッチなUI表現」を⾏うため、
Adobe UXPによるモダンな開発体制を導⼊ ヒューマンエラーがゼロとなり、 圧倒的な品質保証改善 24
3Dデータにおける事例 企画 2D (Photoshop) 3D (Maya) マスタ データ入稿 Unity 組み込み
ビルド 実機確認 PR レビュー リリース
品質担保の安定化 - 3Dにおける事例 3Dデータ制作の内容 Mayaを使って、3Dモデルを作成 26
品質担保の安定化 - 3Dにおける事例 3Dデータ制作における改善 • Maya上で「Unityの⾒た⽬」を再現① • Maya上で「Unityの⾒た⽬」を再現② • Maya
× Unity双⽅向連携 27
品質担保の安定化 - 3Dにおける事例 - Maya上で「Unityの⾒た⽬」を再現① ※別途動画ファイルあり Maya上で「Unityの⾒た⽬」を再現① アバター体型変更機能の⼤規模アップデート 『REALITY Avatar
2.0』プロジェクト 突き抜け回避などの調整がより困難となり、 Unity組み込み後に破綻が判明し、 Maya ⇔ Unityの往復作業に... アバター体型変更機能の技術詳細については、以下の資料を参照 『“なりたい⾃分“をアップデート! 「REALITY Avatar 2.0」の開発秘話』 28
品質担保の安定化 - 3Dにおける事例 - Maya上で「Unityの⾒た⽬」を再現① Maya上で「Unityの⾒た⽬」を再現① Unity上の体型変更機能と同等機能を、Maya上に実装 → 破綻をMaya上で再現でき、即座に修正可能に ※別途動画ファイルあり
29
品質担保の安定化 - 3Dにおける事例 - Maya上で「Unityの⾒た⽬」を再現① Maya上で「Unityの⾒た⽬」を再現① Unity上の体型変更機能と同等機能を、Maya上に実装 ※別途動画ファイルあり → 破綻をMaya上で再現でき、即座に修正可能に
突き抜けが発⽣しているメッシュが ⾚くハイライトされる機能 30
品質担保の安定化 - 3Dにおける事例 - Maya上で「Unityの⾒た⽬」を再現① Maya上で「Unityの⾒た⽬」を再現① • Unity • 各ボーンをスケールすることで実現しており、「親のスケールを打ち消すオブジェクトを挿
⼊」することで、親のスケールが⼦に影響しないように Maya ◦ ◦ セグメントスケール補正を利⽤ 31
品質担保の安定化 - 3Dにおける事例 - Maya上で「Unityの⾒た⽬」を再現① Maya上で「Unityの⾒た⽬」を再現① • Unity • 各カスタマイズ項⽬に対するボーンのス
ケールオフセット値を加算し、最終的な スケール値を算出 Maya ◦ ◦ アニメーションレイヤを利⽤ 32
品質担保の安定化 - 3Dにおける事例 - Maya上で「Unityの⾒た⽬」を再現② Maya上で「Unityの⾒た⽬」を再現② REALITYのアバターアイテムは頂点カラーによってアウトラインの太さを調整可能 → Unity組み込みまでルックが確定せず、⼿戻りが発⽣する... 先端だけR値が⼩さい
髪アイテムのMaya上の頂点カラー R値によりアウトラインの太さが変化 Unity上の髪アイテムの⾒た⽬ 33
品質担保の安定化 - 3Dにおける事例 - Maya上で「Unityの⾒た⽬」を再現② Maya上で「Unityの⾒た⽬」を再現② Unity上と同等内容のMaya⽤シェーダ(.fx形式)を実装し、Maya上でルック確認が完結可能に Maya上でテクスチャを貼っただけ Maya上でのUnityアウトラインシェーダ再現 Unity上のREALITYアバター
34
品質担保の安定化 - 3Dにおける事例 - Maya上で「Unityの⾒た⽬」を再現② Maya上で「Unityの⾒た⽬」を再現② Unity上と同等内容のMaya⽤シェーダ(.fx形式)を実装し、Maya上でルック確認が完結可能に Maya上でテクスチャを貼っただけ Maya上でのUnityアウトラインシェーダ再現 Unity上のREALITYアバター
35
品質担保の安定化 - 3Dにおける事例 - Maya × Unity双⽅向連携 ※別途動画ファイルあり Maya ×
Unity双⽅向連携 Unity上のアプリケーションロジックによって発⽣するメッ シュのめり込みや破綻は、静的なMaya上では確認できず、 ⼿戻りが発⽣しMaya ⇔ Unityの往復作業となっていた... • モーション機能による動き • フェイストラッキングシステムによる動き REALITYのフェイストラッキング ⾃分の顔を動かすと、アバターも動く 36
品質担保の安定化 - 3Dにおける事例 - Maya × Unity双⽅向連携 Maya × Unity双⽅向連携
Unityで記録したポーズをMayaに転送‧再現可能に → 「破綻状態」をMaya上で即座に修正可能とし、⼀⽅通⾏だったパイプラインを「双⽅向」に変⾰ ※別途動画ファイルあり ※別途動画ファイルあり 37
品質担保の安定化 - 3Dにおける事例 - Maya × Unity双⽅向連携 Maya × Unity双⽅向連携
• Unity: 数秒間のボーンの回転値をJSONに記録して出⼒ • Maya: JSONファイルを読み込み、対象ジョイントの回転値のキーフレームを打ち再⽣ 38
Unity組み込みにおける事例 企画 2D (Photoshop) 3D (Maya) マスタ データ入稿 Unity 組み込み
ビルド 実機確認 PR レビュー リリース
品質担保の安定化 - Unity組み込みにおける事例 Unity組み込み事例全体の問題点 アバターアイテム仕様の多様性‧複雑性が⾮常に⾼く、 仕様により組み込み⽅法が⼤きく異なる! 約30のカテゴリ数、約50の種別数 シェーダの種別/マテリアルプロパティ値の違い 約30のカテゴリ REALITY独⾃の特殊効果/機能の有無
マニュアル化しても膨⼤すぎるため、組み込み対象の 仕様がどれに該当するかの照合⾃体が困難 同カテゴリにおける 装着部位などのによる種別違い 40
品質担保の安定化 - Unity組み込みにおける事例 Unity組み込みにおける改善 • 統合セットアップツール • アイコン撮影ツール • チェックツール
41
品質担保の安定化 - Unity組み込みにおける事例 - 統合セットアップツール 統合セットアップツール • 1画⾯でセットアップが完結 • 常時制作する全仕様に対応
◦ 2D/3Dアイテムなど関係なく統合的に扱える 対象アイテムを選択し、 DCCツールの出⼒物から 組み込み設定候補を⾃動補完⼊⼒ 揺れものなどのクリエイティブな作業が必要な ものに関しては、テンプレ⽣成などまでは⾏う 42
品質担保の安定化 - Unity組み込みにおける事例 - 統合セットアップツール 統合セットアップツール • 操作漏れがなくなり、仕様の多様性‧複雑性を隠蔽 • 「マテリアルやPrefab、ScriptableObjectなど作成、プロパティ設定などの⼿動操作」‧「複数
ファイル操作や画⾯遷移、ファイル間参照関係の構築」などが不要となり、アイテムの仕様により 異なる作業が1本化‧単純化 43
品質担保の安定化 - Unity組み込みにおける事例 - アイコン撮影ツール アイコン撮影ツール アプリUI上に表⽰されるアバターアイテムアイコンの作成が必要 44
品質担保の安定化 - Unity組み込みにおける事例 - アイコン撮影ツール アイコン撮影ツール • ※別途動画ファイルあり 1ボタンでアイテムアイコンの作成が完結 ◦
◦ ◦ ◦ ◦ 撮影 肌透過 ROI検出と余⽩サイズ統⼀ ⾓丸化 etc… 実際に⽣成された画像 45
品質担保の安定化 - Unity組み込みにおける事例 - アイコン撮影ツール アイコン撮影ツール • 撮影⽤シェーダを開発し、肌マスク部分を透過 • カメラを背景透過状態に設定し撮影
46
品質担保の安定化 - Unity組み込みにおける事例 - アイコン撮影ツール アイコン撮影ツール 以前は、「グリーンバッグ + 緑肌で撮影 →
Photoshopで編集」と⾔う作業だった → 定型的な作業にもかかわらず、⾮常に⼿間な作業 網⽬など、複雑な形状の肌部分を 透過させることは⾮常に困難 47
品質担保の安定化 - Unity組み込みにおける事例 - アイコン撮影ツール アイコン撮影ツール 初期アイテムの旧アイコンでは、複雑な形状部の肌透過が困難だった事例 旧⼿法では、どれだけ調整しても グリーンが残ってしまう... 誰でも再現性を持って
品質が担保できる 旧⼿法 新⼿法 48
品質担保の安定化 - Unity組み込みにおける事例 - アイコン撮影ツール アイコン撮影ツール • 服/髪/アクセサリ/デカール/2Dアイテム、など、種別ごとに全く異なる⼿法を1ボタンで実現 • ◦
常時制作する全仕様に対応 ⼀部アイテムは魅⼒的な表現を可能とするため、画⾓調整も可能 ※別途動画ファイルあり これら全て1ボタンのみで⽣成可能 49
品質担保の安定化 - Unity組み込みにおける事例 - チェックツール チェックツール • 組み込み対象がどの仕様に該当するのかの照合すら難しい • ◦
→ チェック作業は、シニアアーティストやアバター担当エンジニアですら⼀苦労 ⽬視でのチェック体制だったが、膨⼤すぎて⼯数‧⼼理⾯ともに地獄だった... ◦ ◦ ガチャの場合、「⽉3~6本」 × 「約30アイテム、500ファイル」 × 「修正回数」 20営業⽇換算の単純計算で、最低でも150ファイル/⽇の⼯数が必要 50
品質担保の安定化 - Unity組み込みにおける事例 - チェックツール チェックツール • 対象を選択 するだけ 膨⼤な仕様の組み合わせによるバリエー
ション全仕様に対応 • ビジュアル的制約‧システム制約‧暗黙知 (ノウハウ)まで総合的に踏まえ実装した、 完全⾃動チェック • 仕様⾃動判別から、データ間参照、ファ イル内の詳細なパラメータに⾄るまで、⾮ ファイル間の 整合確認 常に詳細なチェックを実現 • 作業者⾃⾝でチェック • 「ツールがOKを出せば問題ない」というルール という体制へ 51
品質担保の安定化 - Unity組み込みにおける事例 「複雑な仕様の隠蔽」と「多様性」両⽴の設計思想 1つの画⾯‧ボタンから、アイテム種別ごとに分岐し、汎⽤処理セクションの組み合わせで実現 アイテム種別分岐 汎⽤的処理セクション アイテムA ファイル種別A処理 アイテムB
ファイル種別B処理 アイテムC ファイル種別C処理 シンプルUI (1画⾯/1ボタン) ▪ 対応仕様の明⽰化 ▪ 拡張性の担保 マニュアルがなくとも、コードを読めば 「どの種別がどの仕様の組み合わせか」が理解可能 ‧種別追加 → 「分岐の追加」で対応 ‧特殊仕様追加 → 「セクションの追加」で対応 52
品質担保の安定化 「品質担保の安定化」におけるポイント 確信度の向上 100%正しく動く・見える状態へ近づけ、パイプラインの各工程ごとの品質向上と手戻り防止 思考の単純化 複雑・多様な仕様を隠蔽し、「思考の単純化」を図り、本来の「創造的作業」に専念させる システムからルールを作る 暗黙知・ノウハウまで含めた総合システムにより、システムに従えば「必然的に」ルール通りに 53
管理の安定化 54
管理の安定化 「管理の安定化」におけるポイント 人に依存しない検知と、強制停止の仕組みをつくる 新規仕様や意図しない変更を後続工程に流さないゲートキーピングを行う体制 定型作業のシステム移譲と、制御部への人の集中 「制御部」を見極め分離することで、一括管理体制と分散稼働を両立可能 責任範囲の分散 属人化を徹底排除しながら適切な責任範囲分割を行うことで、独立した作業を可能に 55
マスタデータ⼊稿における事例 企画 2D (Photoshop) 3D (Maya) マスタ データ入稿 Unity 組み込み
ビルド 実機確認 PR レビュー リリース
管理の安定化 - マスタデータ⼊稿における事例 マスタデータ⼊稿⼯程の内容 「着せ替えシステム」として動作するためのメタデータを作成し、サーバに格納 ⽂字列内にアイテム種別‧体型‧ ガチャシリーズ名、などを含んだ 命名規則によって決まるID⽂字列 着せ替えによって、 体のどの部分を差し替えするかの指定
57
管理の安定化 - マスタデータ⼊稿における事例 改善後のマスタデータ⼊稿⼯程 ⼊稿後のデータチェックが存在しなかった → 全仕様に対応する着せ替え構成チェックツールを実装し、⼊稿のたびに過去データ含め全件チェック → 新規仕様などを検知可能となり、「意図しない設計」が下流パイプラインに流れない 「RightHandが存在しないセット服」は、アプリシステム上は問題ないが、
過去事例がないため新規仕様該当として処理を停⽌ 58
管理の安定化 - マスタデータ⼊稿における事例 改善後のマスタデータ⼊稿⼯程 サーバ⼊稿時に、⼊稿内容とデータベース内容の差分を算出し、意図した変更のみかを確認可能に 59
ビルド‧実機確認における事例 企画 2D (Photoshop) 3D (Maya) マスタ データ入稿 Unity 組み込み
ビルド 実機確認 PR レビュー リリース
管理の安定化 - ビルド‧実機確認における事例 ビルド‧実機確認⼯程の内容 • Unity Editorで組み込んだ内容を、開発環境AssetBundleとしてビルド • 開発環境アプリを使って、iOS /
Android実機での動作確認 61
管理の安定化 - ビルド‧実機確認における事例 ブランチ構成について • REALITYでは、Git, GitHubによってバージョン管理。リリース単位ごとにブランチ作成 • アセット確認者がAssetBundleのバージョンを意識しなくとも済むように、後⽅互換性を保つブラ ンチツリー構成が組まれており、専⽤ブランチまで順番にマージしてビルドする必要性
メインブランチ 次にリリースのアバターガチャ その次にリリースのアバターガチャ シリーズごとのツリー (アバターショップ, 家具ガチャ, ギフトアセット, etc…) 開発環境ABビルド⽤ブランチ 順番にマージを⾏い、 マージ後のブランチでABビルド 合計約30以上のブランチで 並⾏的に制作されている 62
管理の安定化 - ビルド‧実機確認における事例 以前の開発環境ABビルド体制 • • 各ガチャシリーズの責任Art担当者から、アセット担当エンジニアへビルド依頼 アセット担当エンジニアが順番に⼿動マージした上で、ビルドを実施 なぜエンジニアがマージ? 課題‧リスク
• 約30以上のブランチ全てを把握し、適切に制御する必要性 • ブランチ間マージ時におけるコンフリクト解消対応 • マージ順のミスによるチーム全体成果の消失リスクの回避 63
管理の安定化 - ビルド‧実機確認における事例 開発環境ABビルド体制の改善 • Art: Slack Botを使い、⾃⾝でABビルドが可能な体制へ • エンジニア:
アセット制作開始時にマージ順をNotionに定義するだけ 64
管理の安定化 - ビルド‧実機確認における事例 開発環境ABビルドのシステム構成 ビルド依頼 Slack Bot Art GitHub Actions
API経由で起動 develop asset/gacha-kamikoma ブランチツリーを定義 asset/gacha-love-illumination エンジニア assetbundle-lab API経由でマージ順を提供 マージ後のブランチで ABビルド
管理の安定化 - ビルド‧実機確認における事例 開発環境ABビルドのシステム構成 GitHub Actions Slack Bot Art develop
asset/gacha-kamikoma エンジニア asset/gacha-love-illumination assetbundle-lab 定型作業のみをシステム移譲し、 本来⼈間が⾏うべき制御部のみを分離
管理の安定化 - ビルド‧実機確認における事例 マージ時における⾃動コンフリクト解消 • コンフリクトの⾃動検出スクリプトを実装し、GitHub Actions上で検知させる • 対象ファイルごとにコンフリクト⾃動解消処理を実装しておき、Unity Editorをバッチモードで
CLIから起動し実⾏ コンフリクト検出したファイル⼀覧のログ Botによってコンフリクト⾃動解消し、マージコミットされる 67
PRレビューにおける事例 企画 2D (Photoshop) 3D (Maya) マスタ データ入稿 Unity 組み込み
ビルド 実機確認 PR レビュー リリース
管理の安定化 - PRレビューにおける事例 PRレビュー⼯程における内容 • Artからエンジニアに対して、実装アセット内容をGitHub PRで提出 • エンジニアは、PRレビューを実施し、「REALITYアプリの仕様に沿って制作されているか」を確認 69
管理の安定化 - PRレビューにおける事例 以前のPRレビュー体制 • Unity組み込み時と同様、どの仕様に該当するのかの照合すら難しい • Unity Editorで1ファイルずつ詳細に⽬視でチェックする体制だったが、膨⼤すぎて⼯数‧⼼理⾯と もに地獄だった...
◦ ◦ ガチャの場合、「⽉3~6本」 × 「約30アイテム、500ファイル」 × 「修正回数」 1回あたり5時間以上の⼯数をかけることも多々あり ⾟すぎて、どうにかしたいとぼやいていた図 70
管理の安定化 - PRレビューにおける事例 PRレビュー体制の改善 • Unity組み込み時のチェックツールを流⽤ PRに特定ラベルをつけるだけ し、GitHub ActionsでPRレビューを⾃動化 •
ビジュアル的制約‧システム制約‧暗黙知(ノ ウハウ)まで総合的に踏まえ、全仕様に対応 アイテムごとに レビュー結果が確認可能 5時間以上の⼯数が5分に! 71
管理の安定化 - PRレビューにおける事例 ファイルごとの詳細なチェック結果もPR上で確認可能 Unity Editorでのチェックと同じ内容 GitHubで確認困難なバイナリデータやデータ間参照なども問題なし! 72
管理の安定化 - PRレビューにおける事例 GitHub Actionsでのチェック処理について • ブランチ間ファイル差分⼀覧を取得し、チェック対象アイテム⼀覧を算出 • Unity EditorをバッチモードでCLIから起動し、チェックを実⾏
• チェック結果を所定のフォーマットに変換し、GitHub PRにコメント記載 73
管理の安定化 - PRレビューにおける事例 変更差分全てに対するチェックの恩恵 • 変更差分全てを調べている & 全仕様対応ツールなので、不要データの混⼊を検知可能 • アイテムごとの結果をアセット制作⽬的と⽐べることで、意図しない変更を検知可能
不要データ混⼊ 制作企画として、 追加予定のものでないなら、 意図しない変更発⽣と判断可能 74
管理の安定化 - PRレビューにおける事例 変更差分全てに対するチェックの恩恵 • 変更差分全てを調べている & 全仕様対応ツールなので、不要データの混⼊を検知可能 • アイテムごと結果をアセット制作⽬的と⽐べることで、意図しない変更を検知可能
リリース前の最後の⼯程として、 絶対に壊れたアセットを「リリースできない」 ゲートキーピング体制を実現 75
リリースにおける事例 企画 2D (Photoshop) 3D (Maya) マスタ データ入稿 Unity 組み込み
ビルド 実機確認 PR レビュー リリース
管理の安定化 - リリースにおける事例 リリース⼯程における内容 • リリースに必要なGitHub PRをマージし、デフォルトブランチでAssetBundleをビルド後、ユーザ への配布設定を⾏う • 毎週リリースを⾏っている
77
管理の安定化 - リリースにおける事例 以前のリリース体制 アバター‧ルーム‧ワールド‧ギフトなどの各領域担当エンジニアが、PdM定義のスケジュールと、 Art提出のPRを⼿動照合し、リリースビルド前にマージを⾏う 4/13にガチャリリースしたいらしいので、 該当のPRを探して4/8にマージして、 4/10のABリリースに載せる 78
管理の安定化 - リリースにおける事例 以前のリリース体制 リリース作業担当エンジニアが、各領域担当エンジニアにマージ済みかを確認してからビルドする リリースReady? OK! アバター担当 エンジニア リリースReady?
No… リリース作業 エンジニア ルーム担当 エンジニア アセット進捗いかがでしょう? ルーム担当 Art リリースReady? OK! ギフト担当 エンジニア 79
管理の安定化 - リリースにおける事例 リリース体制の改善 ArtからGitHub PRが提出されたら、 • PdMは、リリース希望⽇をNotionに登録するだけ • エンジニアは、PRレビューを実施するだけ
エンジニア レビュー リリース⽇ 対象のPR PdM判断のリリース可否 80
管理の安定化 - リリースにおける事例 リリースを⽀えるシステム構成 リリース前⽇にNotionの登録情報から、リリース可否状態チェック‧マージ実⾏‧ビルド開始を Jenkinsで全⾃動化 (PdM) READY! (エンジニア) Approve!
全てのリリース物でOKなら、 マージ実⾏し、ビルド開始 81
管理の安定化 - リリースにおける事例 リリースを⽀えるシステム構成 Notion, GitHub PR、どちらかのステータスが不正の場合は、マージ & リリースが強制ストップ (PdM)
確認中... (エンジニア) Approve! ビルド前⽇なのに、 リリース準備できてない! PRはApproveされているが、NotionでWIPがついてるのでストップ 82
管理の安定化 - リリースにおける事例 リリースを⽀えるシステム構成 Notion, GitHub PR、どちらかのステータスが不正の場合は、マージおよびリリースが強制ストップ (PdM) READY! (エンジニア)
RequestChanges! ビルド前⽇なのに、 リリース準備できてない! NotionはReadyだが、PRがApproveされてないのでストップ 83
管理の安定化 - リリースにおける事例 リリース体制改善による効果 • マージ‧取りまとめ‧リリース意思確認など、定型作業をシステム移譲し、本来⼈間が⾏うべき判 断部分のみを分離 • 各領域担当、PdM‧エンジニアそれぞれが、Notion /
GitHubを通じて独⽴してリリース可否判断 が⾏え、本来の⾃⾝の責任範囲のみに注⼒できる体制に 84
管理の安定化 「管理の安定化」におけるポイント 人に依存しない検知と、強制停止の仕組みをつくる 新規仕様や意図しない変更を後続工程に流さないゲートキーピングを行う体制 定型作業のシステム移譲と、制御部への人の集中 「制御部」を見極め分離することで、一括管理体制と分散稼働を両立可能 責任範囲の分散 属人化を徹底排除しながら適切な責任範囲分割を行うことで、独立した作業を可能に 85
まとめ 86
以前のREALITYアバターアセット制作パイプライン 2D (PhotoShop) 3D (Maya) 仕様複雑化に 未対応 シニア アーティストに よる目視確認
最終ルックが 確定しない マスタ データ入稿 エンジニアに よる手動入稿 Unity 組み込み 複数手法に よる作業分岐 シニアによる 目視確認 実機確認 PR レビュー リリース エンジニアへ 作業依頼 エンジニアに よる手動チェッ ク 全社のリリース 内容を把握し 作業 属人化 ... 確認工程の 過多 ... 属人化 ... ヒューマン エラー ... × × 破綻による 手戻り ... 属人化 ... 属人化 ... データ不整合 の危険性 ... マニュアルの 複雑化 ... 定型作業の 繰り返し ... 5時間 × N回の 莫大なコスト ... × 87
現在のREALITYアバターアセット制作パイプライン 2D (PhotoShop) ツールの 最新仕様追従 自動チェック ツール導入 マスタ データ入稿 Unity
組み込み 全仕様対応の 自動チェック 導入 ツール 1本化 3D (Maya) Maya上での Unity表現 属人化排除 手戻りゼロへ ヒューマン エラーゼロ ✔ ✔ 新規仕様の 強制検知 完全自動 チェック (50種以上 ) 「ツール OK =問題なし」の 体制 実機確認 SlackBotから 自身でビルド ブランチ マージ自動化 定型作業は ツールで、 制御を人管理 PR レビュー リリース CI/CDで 全自動詳細 チェック リリース物の 自動マージ & ビルド 壊れた アセットを 阻止 職種間の、 責任分離 & 独立制御体制 ✔ 品質担保の安定化 誰もが高水準なアセット制作が可能で、 「必然的な」 安定性を醸成させる 管理の安定化 「ミスが起こり得ない」管理体制 の実現 88
⽭盾する⼆⼤命題を⾼い次元で両⽴! 制作加速 安定化 効率的にアセットを作り続け、 量産する 運用事故を起こさず アセットを制作する 効率的なアセット制作を維持しながら 「事故のない安定的な制作」が可能に! 89
改善効果の事例(以前) 海外の新規外注先との取引開始 & 新アバター制作チームを新たに発⾜ → エラーアセットやトラブルが発⽣しまくり... 90
改善効果の事例(改善後) 紹介した事例を実現していくことで、問題だらけだった制作チームからのエラーアセットが0に! 91
改善効果の事例(改善後) • 新たなガチャシリーズの制作を新規外注先で実施 • 初の制作物PRレビューにおいて、約30アイテム‧1000件のチェック項⽬中、2件のエラーのみ 92
まとめ 「人」に依存しないことが、最大の「人を活かす」道 個人の経験や知識をシステムに移植し、チェック・管理から解放。 本来の「創造的作業」に集中でき、責任と作業負荷を適切に分散できる。 「システムからルール」を作り、思考の単純化を図る 暗黙知まで含めた広範な知見のシステム組み込みと、システム自体をルールとする 運用により、複雑・多様な仕様を隠蔽し、スケーラブルで長期的な安定性を支える基盤へ アセット制作の加速と安定は、両立できる 矛盾しトレードオフとされる効率化と安定性は、適切なプロセス設計により高い次元で統合可能 スケール可能なチーム体制を実現し、⻑期運⽤も問題なし!
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ご案内 改善に⾄った組織としての経緯などは別セッションにて発表しています 課題発⾒から始めるプロダクト密着型TA組織⽴ち上げ 〜⼩規模TAチームが3Dアセットの⽣産性を倍にした⽅法〜 CEDEC2026 | 7/22 18:00〜 第8会場 94
ご清聴ありがとうございました! 95