Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
制約下の医療LLM Observability 〜セキュアなデータ活用と専門家による改善サイク...
Search
Sponsored
·
SiteGround - Reliable hosting with speed, security, and support you can count on.
→
KAKEHASHI
PRO
October 26, 2025
Technology
730
2
Share
Embed
Copy iframe code
Copy JS code
Copy link
Start on current slide
制約下の医療LLM Observability 〜セキュアなデータ活用と専門家による改善サイクルの実現〜
https://o11ycon.jp/
Observability Conference Tokyo 2025
での登壇資料です
KAKEHASHI
PRO
October 26, 2025
More Decks by KAKEHASHI
See All by KAKEHASHI
人を動かすのは時間ではなく、納得感 〜新任EMが入社3ヶ月、組織を2回変えた話〜
kakehashi
PRO
3
310
クラウド上のデータ復旧で見落としがちな制約: 医療系 SaaS の BCP 設計から得た教訓
kakehashi
PRO
0
4.2k
プロダクトだけじゃない、社内プロセスにおける自動化・省力化ノススメ
kakehashi
PRO
1
4.4k
「軸足」は 固定しなくていい - 熱量と強みで描く、しなやかなキャリアの形
kakehashi
PRO
1
400
Sync と Async ─ useSyncExternalStore を使う者の岐路
kakehashi
PRO
1
630
React Compiler導入の効果と運用の工夫
kakehashi
PRO
3
520
変化の激しい時代をゴキゲンに生き抜くために 〜ストレスマネジメントのススメ〜
kakehashi
PRO
5
2.6k
「SaaSの次の時代」に重要性を増すステークホルダーマネジメントの要諦 ~解像度を圧倒的に高めPdMの価値を最大化させる方法~
kakehashi
PRO
3
5.2k
プロダクトを育てるように生成AIによる開発プロセスを育てよう
kakehashi
PRO
2
2.3k
Other Decks in Technology
See All in Technology
QAと開発の両側から進める AI活用 -QAプロセスAI支援ツールキットと Inner Loop / Outer Loopの取り組み-
legalontechnologies
PRO
2
170
Power Automateアップデート情報
miyakemito
0
260
論語・武士道・産業革命から見る かわるもの、かわらないもの
ichimichi
8
1.4k
AIツールを導入しても生産性はあがらない? カオナビが直面した 3つの壁と乗り越え方。/ Overcoming 3 Barriers to AI-Driven Productivity at kaonavi
kaonavi
0
350
AWS環境のセキュリティ不安を解消した企業事例 ~よくある課題と対策を一挙公開~
asanoharuki
0
220
データエンジニアこそ組織のオントロジーに向き合うべき — 問いに答えるAIから、事業を動かすAIへ
gappy50
4
940
MCPをつなげて作る組織横断のAIエージェント基盤
tsubakimoto_s
0
200
SRENEXT_2026_Chairs__Talks_in_Tamachi.sre.pdf
srenext
1
160
AI エージェント時代のデジタルアイデンティティ
fujie
0
220
実践が先生だった— 新卒サーバーエンジニア1年目のリアル
mixi_engineers
PRO
0
150
なぜ、あなたのAPIは使われないのか? AX時代の設計原則、ガードレール、運用体制
yokawasa
1
240
DevOps Agentで運用判断をチーム資産にする~Agent InstructionsとAgent Skillを継続的に育てる~
fujioka6789
0
130
Featured
See All Featured
The B2B funnel & how to create a winning content strategy
katarinadahlin
PRO
1
430
Rails Girls Zürich Keynote
gr2m
96
14k
The Curious Case for Waylosing
cassininazir
1
440
Performance Is Good for Brains [We Love Speed 2024]
tammyeverts
12
1.7k
SEO for Brand Visibility & Recognition
aleyda
0
4.6k
The innovator’s Mindset - Leading Through an Era of Exponential Change - McGill University 2025
jdejongh
PRO
1
230
The Mindset for Success: Future Career Progression
greggifford
PRO
0
430
How Software Deployment tools have changed in the past 20 years
geshan
0
34k
RailsConf & Balkan Ruby 2019: The Past, Present, and Future of Rails at GitHub
eileencodes
141
35k
コードの90%をAIが書く世界で何が待っているのか / What awaits us in a world where 90% of the code is written by AI
rkaga
62
45k
Agile Actions for Facilitating Distributed Teams - ADO2019
mkilby
0
230
The Psychology of Web Performance [Beyond Tellerrand 2023]
tammyeverts
49
3.5k
Transcript
制約下の医療LLMオブザーバビリティ 〜セキュアなデータ活用と 専門家による改善サイクルの実現〜 Observability Conference 2025 2025.10.27 株式会社カケハシ 保坂 桂佑
自己紹介 保坂 桂佑 (@free_skier) 株式会社カケハシ データサイエンティスト データ分析コンサル → リクルートでDS/MLエンジニア/EM →
カケハシ 著書『Kaggleで勝つデータ分析の技術』 (共著) LLMを活用した機能開発において、AIワークフロー の品質担保や改善を担当しています 2 / 21
3 / 21
4 / 21
5 / 21
カケハシの生成AI活用における取り組み領域 6 / 21
なぜ医療LLMのオブザーバビリティが難しいのか? 相反する2つの要求を同時に満たす必要があるため 厳格なデータ保護 個人情報保護法、医療情報ガイドラインへの準拠 マルチモーダルなデータ(音声・画像等)の保護は更に高難度 高い出力品質の要求 医療においては患者さんの健康に影響がないよう、何よりも正確性が重視される ハルシネーション(誤った回答)のリスクを低減する必要がある 継続的な監視と改善活動が不可欠 7
/ 21
本日の内容 開発運用中の医療LLMシステムにおいて、どのようにオブザーバビリティを確保したか、どのよう にドメインエキスパートとともに改善サイクルを回せるようにしたかをご紹介します。 実現したいこと どのように実現したか ドメインエキスパートによる改善サイクル 8 / 21
システム構成 本番環境 LLMアプリケーションが稼働 調査環境(セキュア) セキュアブラウザー+VPN経由でアク セス Databricksは調査分析に必要な機能 がオールインワン 秘匿性の高いデータが必要な場面で使 用
モニタリング環境(Datadog) 定期モニタリング、分析を実施 プロトタイピング環境(Dify) 隔離環境外にあるため、本番データは 直接扱えない 9 / 21
実現したいこと 医療LLMシステムにおいて、以下の3つを両立させたい データ保護 機密情報は高セキュリティ環境から出さない セキュアブラウザー経由でのみデータにアクセス LLMの挙動監視 機密性の低い情報: トレース情報として取得し、モニタリング環境で監視 機密性の高い情報: LLM出力やマルチモーダルデータを調査環境で確認
本番相当の環境での検証 本番相当の環境でプロンプト検証、ワークフロー検証ができる ドメインエキスパートが自律的に改善サイクルを回せる 10 / 21
実現方法 以下の3つの機能を通じて実現 トレース情報の取得、連携 セキュア環境へのデータ連携 本番相当の環境でのワークフロー検証 11 / 21
トレース情報の取得、連携 LLMフレームワークに依存しない、自前の トレース情報収集 自前でトレース情報を構築して出力する仕 組みを実装 機密性の低い情報(レスポンスタイム、ト ークン数等)を収集 12 / 21
トレース情報の取得、連携(詳細) 13 / 21
セキュア環境へのデータ連 携 本番DBに影響を与えず、セキュアにデータ を連携 注意すべき点 本番DBに影響が出ない形でデータ連携 コストを意識 14 / 21
セキュア環境へのデータ連 携(詳細) DatabricksのLakehouse Federationを 使用 Databricksの権限管理の元で本番環境のDB にアクセスできる仕組み ホットスタンバイの利用により本番影響を 回避 夜間バッチで前日までのデータを同期
15 / 21
本番相当の環境でのワーク フロー検証 Difyはグラフィカルな画面でプロンプト・ ワークフローを構築できる しかし、Difyは隔離環境の外にあるた め、データを入れられない 本番環境とは挙動を厳密に一致させるこ とができない 最終的には本番環境相当のワークフロー で検証を行いたい
16 / 21
本番相当の環境でのワーク フロー検証(詳細) Databricksから本番環境のワークフロ ー実行APIをコールできるように AWS VPC Endpoint + Private Linkに
より実現 スループット制限をかけて本番環境に影 響が出ないように 17 / 21
ドメインエキスパートによる改善サイクル セキュリティを確保しつつ、生成AIサービス提供において必要な情報が参照できるように Dify, Databricks環境を使い分けつつ、エンジニア・ドメインエキスパートが協力して改善を実 施 18 / 21
課題と今後の展望 精度劣化の自動検知・アラート プロトタイピング環境と本番Workflowの乖離を減らしたい 19 / 21
まとめ 医療LLMのオブザーバビリティは難しい 厳格なデータ保護 高い出力品質の要求 データを保護しつつ、LLMの挙動監視と本番相当の環境での検証を実現したい 以下の3つの機能を通じて実現 トレース情報の取得、連携 セキュア環境へのデータ連携 本番相当の環境でのワークフロー検証 エンジニア・ドメインエキスパートが協力して改善を実施できるようになった
20 / 21
21 / 21