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実践、マルチクラウド環境でのコスト管理の現状と未来

 実践、マルチクラウド環境でのコスト管理の現状と未来

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Kenichi Takahashi

June 03, 2025
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  1. 自己紹介 高橋 健一 (@kenchan) GMOペパボ株式会社 技術責任者 兼 技術部 部長 2014年にソフトウェアエンジニアとしてGMOペ

    パボ株式会社に入社。 2016年からはEC事業部 事業部CTOとして「カラ ーミーショップbyGMOペパボ」の技術課題の解 決に従事。現在は技術責任者として全社のエンジ ニア組織のマネジメントに取り組んでいる。地域 Rubyコミュニティ「Shibuya.rb」の運営係。 https://kenchankusan.com https://scrapbox.io/kenchan 2
  2. 3

  3. 1. クラウド移行とマルチクラウド戦略の現状 国内におけるマルチクラウド戦略推進の主要因は「コスト最適化」 マルチクラウド戦略を推進する企業においては、「データ主権」と「コスト最適 化」が主要因という調査があり、かつ日本国内の企業においては「コスト最適化」 が1位である。 グローバル 日本 1 データ主権/データの局所性

    (41%) コストの最適化 (44%) 2 コストの最適化 (40%) データ主権/データの局所性 (33%) 3 ビジネスの俊敏性とイノベーション (30%) ビジネスの俊敏性とイノベーション (28%) 4 ベスト・オブ・ブリードのクラウド・サービス(25%) ベスト・オブ・ブリードのクラウド・サービス (28%) 5 クラウドベンダー・ロックインの懸念 (25%) 規制対応 (28%) ※ パブリック・クラウドを利用する企業の98%がマルチクラウド・インフラストラクチャ・プロバイダー戦略を採用 | Oracle 日本 7
  4. 2. GMOペパボにおけるクラウドコスト管理の現状 コスト管理のプロセスの構築 はじめは自動化やシステム化はせず、スプレッドシートでプロセスを構築した。 1. コスト構造の明確化と分類 利用クラウド環境と課金体系従量or固定)等のコスト構造を把握する 2. 予算と実績の可視化 現状の予算と実績をコスト構造毎に把握し、現状の予実差異を把握する

    3. 実績を踏まえた見通しの反映 為替や季節要因等の反映方法を決定し、期末までの見通し作成 4. コスト削減目標の設定を見通しへの反映 金額や予実差異の大きいものからコスト施策を検討し見通しに反映する 5. 2~4を継続的に行う体制作り 事業責任者や部門経営メンバーを含めた継続的なコスト把握体制を構築する 13
  5. 2. GMOペパボにおけるクラウドコスト管理の現状 コスト管理のプロセスの構築: ふりかえり コスト削減の実行 半年で12個、当期内で約600万円のインフラコスト削減 例: マシンタイプの変更、余剰リソースの削除等 コスト構造の可視化の実現 プライベートクラウド(固定費)とパブリッククラウド(変動・固定)のコスト構

    造の違いを反映した可視化方法の確立 エンジニアのコスト意識の向上 マルチクラウド環境におけるコストの一元管理の難しさ 請求代行等によるディスカウント、為替等による影響の加味 属人化の解消と運用コストの削減 自動化、AI活用等による運用コストの削減と質の向上 17
  6. 26