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20240805富山国際大学DX講座「ふくしDXのその先へ」
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noriaki_koshiba
August 04, 2024
Education
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46
20240805富山国際大学DX講座「ふくしDXのその先へ」
SMARTふくしラボが取り組むふくしDX、移動課題解決、CDPJ(コミュニティ・ドライブ・プロジェクト)などを紹介
noriaki_koshiba
August 04, 2024
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Transcript
ふくしDXからその先へ ~持続可能な地域づくり~ 本日の資料はこちらから https://speakerdeck.com/koshiba_noriaki 20240805@富山国際大学DX研修 社会福祉法人黒部市社会福祉協議会総務課 課長補佐/経営戦略係 一般社団法人SMARTふくしラボプロジェクトマネージャー 小柴 徳明
本日の資料はこちらから https://speakerdeck.com/koshiba_noriaki
本日のお話し ◦今、福祉の現場で起こっていること(現状と課題と前提) ◦一般社団法人SMARTふくしラボについて ◦全横断的な地域課題への取り組み
4 【仕 事】 ◦社会福祉法人黒部市社会福祉協議会 総務課長補佐 経営戦略係 〇一般社団法人SMARTふくしラボ 研究員/プロジェクトマネージャー ◦国立研究開発法人情報通信研究機構 ソーシャルICTシステム研究室
協力研究員 〇一般財団法人CSOネットワーク リサーチフェロー 【志 事】 ◦NPO法人明日育(あすいく) ◦LINEWORKSアンバサダー 〇CI-labo(community indicators labo)
黒部市社会福祉協議会の経営理念 「誰もが安心して暮らせるやさしい福祉のまちづくり」の推進 経営戦略係の仕事 10歩先を見て考える 5つの概念で物事を考えていく 人・物・金・時・情報
6 地域福祉の未来は、誰が描くのか? 10年後にどんな地域になってるのか? どんな地域にしたいのか? 本当はみんな分かってる、どうにかしなきゃいけないことを。 今も時間は進んでいる、時代は変化している。 どうする僕ら、どうする社協…
職業:地域福祉の推進 7 プライド
8 ICTや新しい技術革新を活かした地域福祉の推進へ shakyo3.0 スマート社協3.0構想 【ビジネスチャット】 コミュニケーションツールで働く人がより働きやすくする。 【地域福祉分野におけるICT利活用実証実験】 支援する人が支援しやすい環境づくり ICTリテラシーが低い、後期高齢者を支える 官民協働のプラットフォーム
※国立研究開発法人情報通信研究機構、株式会 社日新システムズ、黒部市社協の三者協定 【LINE botによる相談窓口】 相談のハードルを下げ、早くからの リーチをつなげるしくみ将来的な 情報発信のキーとなるしくみ 【ふくしDX】 業務効率改善を行い福祉 現場での人材不足を解消 民間企業との共同研究PJ 【5goals for 黒部】 市民に分かりやすく伝え、みんな の目指すべきgoalを示す。 【個人活動の可視化】 社会にどう貢献したか、自分自身の活動 ログが見えるようにする。 【ふくしDXの推進基盤】 社団法人を立ち上げふくし全体のデジタ ル化、DX推進を図る組織の立ち上げ。 【SW-MaaSの開発】 トヨタモビリティ基金と福祉版移動シェア サービスの研究開発 一般社団法人 SMARTふくしラボの設立 福祉版移動シェアサービス SW-MaaS Social welfare Mobility as a service
None
僕のIT履歴書 10
11 1997年 携帯電話を手に入れた 初回通信料32,000円 1998年 ワープロを覚えた 1999年 データは偽物と言われた 2005年 差し込み印刷に感動
2010年 メールアドレスの設定ができようになった。 (社内ではITボーイと言われた) 2017年 シンクタンク事業を立ち上げ 仮説を立てるようになった。 2019年 データ活用と見える化の研究 2023年 しあわせって見える化「LWCI」の活用
持続可能 市民参加 今、熱いと思っているテーマ (個人的主観)
福祉の現場 福祉って持続可能なんですか? 13
【社会背景と現状】 〇福祉人材の不足 全業界の人手不足、福祉(介護分野)に至っては増え続けるニーズに対して、キャパシティは大幅 に足りていない。 〇福祉の連携強化 国も社会福祉連携推進法人制度や小規模法人ネットワーク化事業などを展開し、法人連携の強 化や事業統合、一元化などを進めている。 〇データの活用 EBPMを重視した政策立案が必須。介護分野においても「ライフ」による支援データの蓄積をス タートしている。
簡単に言うと、人もいない、お金もない、余裕もない
人不足は本当か? 15
パーソル総合研究所・中央大学「労働市場の未来推計 2030」
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パーソル総合研究所・中央大学「労働市場の未来推計 2030」
不足する前提での対策 パーソル総合研究所・中央大学「労働市場の未来推計 2030」
20 介護分野は全職種と比べて人材不足 介護・福祉業界の概況 【介護需要の予測】 【有効求人倍率】 2030年まで需要増が続く 出典:日本医師会 地域医療情報システムhttp://jmap.jp/ 、厚生労働省 ▪全国平均
▪黒部市 2030年予測 2035年予測 2040年予測 2045年予測 2025年予測 2020年予測 2015年国勢調査
福祉サービスの提供を受けるには? 3択 施設に行く デイサービス 自宅に行く 訪問介護/看護 入所する 入居型施設 国は、在宅へ ニーズは、入所へ
単独経営(小規模模法人)では、 不採算、人材不足が起こりやすい。 複数経営(大規模模法人)では、 不採算部門からの撤退。人材確保も重なり、入 居施設に力をシフトしている 福祉人材の不足・経営難
根本的な問い① なぜ、福祉分野の人材不足が起こっているのか? 施設に行く デイサービス 自宅に行く 訪問介護/看護 入所する 入居型施設 職場環境こそが人材不足の切り札 福祉人材の不足
深刻度 有効求人倍率 14.92倍 2020年度ヘルパー 働きやすい職場・やりがいのある仕事 人材の定着・スキルアップ サービスの質の向上 福祉サービスの持続可能な供給を行うためには、 働きやすい職場づくりを軸に考えていく必要がある。 全分野の有効求人倍率 1.31倍 2023年5月 有効求人倍率 3.90倍 2020年度施設介護員
根本的な問い なぜ、福祉分野の人材不足が起こっているのか? 施設に行く デイサービス 自宅に行く 訪問介護/看護 入所する 入居型施設 国の方針 施設から在宅へ
規制緩和 小規模多機能型施設 小さな拠点には、それぞれ「人、モノ、金」を 揃え、管理する体制が必要になる。 サービス付き高齢者 住宅 集約すれば、一緒にできることもある。 エリア単位での連携や集約、最適化が必要である。 専門職の力が福祉サービスの提供以外で割 かれている可能性
高齢福祉に投下されてきた予算が・・・ 24 危機感
お金払ってもサービスは買えない 25 危機感
健康でいることの価値がより高まる 26 ピンチ(チャンスとも言う) 健康じゃないと損する
支援する人を支援する 27 キーワード①
28 神シフト!
次なる課題に先手を打つ 29 キーワード②
30 データは石油ではなく、新たな「土壌」だ。デジタル社会をつくる 上で様々なサービスを生み出し、育てるための基盤となる。 「Data is the new soil.」
チャレンジできる環境 31 キーワード③
今のIT環境 職場 < 家庭 昔のIT環境 職場 > 家庭
じゃあ、誰がやるんですか? SMARTふくしラボがやります。 33
福祉分野のDXを加速させるための組織 mission 3年間で福祉分野のデジタル化とDXを急加速させるための エンジンになる。 vision 福祉の現場でICT利活用やDXが進み、より本来の仕事に注力できるようになり、 働きやすさと共にやりがいが生まれる。 黒部市社会福祉協議会から派生し、2022年4月に設立した団体として、広域的な活動と調査研究機能の強化と独立を目指している。
【福祉分野を「smartふくし」に押し上げるエンジンに】 3年間で一気に、福祉分野をsmart化する。 ※smart(スマート):賢い デジタルやDXを理解し、上手く活かすことのできる状態 福祉団体・組織・法人 Smartふくし 【フェーズ①】 ネットワーク化 課題の棚卸し、整理と集約 【フェーズ②】
デジタル化 紙からデジタルへの置き換え 【フェーズ③】 DX (デジタルトランスフォーメーション) 業務改革 【フェーズ④】 全体最適化 持続可能な地域・体制整備 Smartふくし Engine 機能強化 【シンクタンク】 データ活用 データの見える化・EBPM 機能強化 【シビックテック】 人材育成・場 活動の担い手、場づくり 【市民参加】 住民主体のまちづくり じぶんのまちを自分たちで良くしていく
【SMARTふくしラボのポジション】 簡単に言うと、 福祉団体と民間企業・研究機関の間にはコーディネートがいる 福祉団体・組織・法人 SMARTふくしラボ 民間企業・研究機関 困りごとの整理 課題発見 組織内の合意形成 業務改善
DX支援 福祉ニーズへのマッチング 商品開発 実証実験 販路拡大 ICT※ リテラシー推進 ※福祉寄りに伴走支援していくことが強み 最終目標:smartにつながる状態 ※smart(スマート):賢い デジタルやDXを理解し、上手く活かすことのできる状態 ※ リテラシー:「(何らかのカタチで表現されたものを)適切に 理解・解釈・分析し、改めて記述・表現する」
SMART ふくしラボ 学び合う場 learning 実験する場 experiment 研究する場 laboratory ビックデータ 蓄積/利活用
福祉分野の デジタル化・DX 研究 民間企業との 共同研究 地域での 実証実験 フォーラム 開催 リテラシー 向上 ビジネスモデル 事業化 プログラム 開発 セミナー 勉強会 ローカライズ 他地域への 展開 福祉団体支援 【3つの場づくり】Core competenceからの事業展開
ふくしDXconsulting
ふくしモビリティPJ 送迎のデジタル化 福祉Mover導入支援 新しい福祉サービス 総合事業メニュー開発 大規模法人コンサル ティング事業の開発 シェアリングPJ 食料支援ネットワーク WAWAWAネット
組織化・法人化 事務局運営 福祉送迎網の活用 SW-MaaS デジふくネットPJ ネットワーク構築 デジタルふくし推進 ネットワーク DX推進PJ 相談支援 デジタル化、DX相談 DX推進・研修 フォーラム、セミナー コンサルタント シンクタンクPJ 調査・研究 データ活用 見える化 福祉分野のデジタル化・DX シェアリング モビリティ 事業構築 支援・コンサル シンクタンク SMARTふくしラボ 全体事業 情報連携 社協連携事業 TMF助成事業 ラボ単独事業 コンサル 調査・研究
【連携・共同研究パートナー】 社会福祉法人 黒部市社会福祉協議会
41 目指すところ デジタル化とDXを推進して、持続可能な福祉へ
外向き 内向き ふくしDXの2つの軸 ・みまもりDX「くろべネットボタン」 ・相談支援DX「くろべふくし知恵袋」 ・活動計画DX「5GOALS for黒部」 ・福祉車両の共有「SW-MaaS」 ・情報共有DX:LINE WORKSアプリ
・総務DX:jinjerアプリ ・研修DX:LMSの開発 ・車両管理DX:トヨタモビリティ富山
43 ICTや新しい技術革新を活かした地域福祉の推進へ shakyo3.0 スマート社協3.0構想 【ビジネスチャット】 コミュニケーションツールで働く人がより働きやすくする。 【地域福祉分野におけるICT利活用実証実験】 支援する人が支援しやすい環境づくり ICTリテラシーが低い、後期高齢者を支える 官民協働のプラットフォーム
※国立研究開発法人情報通信研究機構、株式会 社日新システムズ、黒部市社協の三者協定 【LINE botによる相談窓口】 相談のハードルを下げ、早くからの リーチをつなげるしくみ将来的な 情報発信のキーとなるしくみ 【ふくしDX】 業務効率改善を行い福祉 現場での人材不足を解消 民間企業との共同研究PJ 【5goals for 黒部】 市民に分かりやすく伝え、みんな の目指すべきgoalを示す。 【個人活動の可視化】 社会にどう貢献したか、自分自身の活動 ログが見えるようにする。 【ふくしDXの推進基盤】 社団法人を立ち上げふくし全体のデジタ ル化、DX推進を図る組織の立ち上げ。 【SW-MaaSの開発】 トヨタモビリティ基金と福祉版移動シェア サービスの研究開発 一般社団法人 SMARTふくしラボの設立 福祉版移動シェアサービス SW-MaaS Social welfare Mobility as a service
44 地域課題解決の取り組み
地域の現状は… 担い手を育てるし、自分もやる。 (社協・地域も思いは同じ) 地域には、仕事と志事が必要。 (社協職員とNPOもやる@個人) 無いものはつくる。 (できることをやる、つくる) みんなでやるしかない。 (ALL黒部:行政・社協・企業・社会福祉法人・NPO法人・ボランティア・市民 etc.)
社会関係資本(social capital) をフル活用するしかない 地域の力
46 連携、協力、協働と人は言うけれど・・・ いろんなhappyがある、それぞれのhappyがある 営利・非営利・中立・公平・平等・ボランティア・ビジネスetc.
47 全横断的にかかわる 移動課題 もし移動ということを考える必要が無くなったら・・・
48 路線バスを見て、 僕はいつも思う…
49 スクールバスを見 て、 僕はいつも思う…
50 駐車場を見て、 僕はいつも思う…
51 それでも思う、 自家用車は最強! という前提を忘れてはいけない@地方都市において
52 もし、移動の自由が あったらなら…
53
54 移 動 mobility
「地域の移動手段を総動員+最適化し、ふくしで人々を繋ぐ共創モデル」 CROSS MOBILITY PROJECT 福祉×交通×共創×連携 55
【年間維持費】 年間1台あたり 合計332,000円 【内訳】 ・燃料費 152,000円 ・保険代 50,000円 ・車検代 53,000円
・自動車税 11,000円 ・修理費 53,000円 ・消耗品 13,000円 【市内全車両に係る年間総額】 (年間維持費+人件費+車両購入代)×210台 ①専従運転手あり 220,500,000円 ②専従運転手なし 149,520,000円 移動リソースの試算とシュミレーション 「集約して一元化すればビジネスになる」 市内の福祉関係施設等が持つ移動リソースを調べ、 集約することで、効率化もしくは車両管理業務 自体をアウトソーシングできるかどうかの調査 + Step1: 4月~7月 黒部市内福祉事業所へ車両状況調査を実施 市内全94事業所 車両見込み台数 全210台 【人件費】 年間1台あたり ①専従運転手あり ②専従運転手なし 合計468,000円 / 合計130,000円 a. 運転手以外で送迎に携わている職員 一人あたりの業務時間 116.6時間/年 1台あたりに係る人件費 116,000円/年 b. 車両1台あたりの事務業務時間 一人あたりの業務時間 14.5時間/年 1台あたりに係る人件費 14,000円/年 c. 専従運転手人件費 235,000円/年 運転従事者その他経費 103,000円/年 【車両購入費】 ハイエース中古車の 相場平均250万 10年使用 年間1台あたり 250,000円 + × 黒部市内福祉事業所における車両管理・車両運行に関する調査 Step2: 実証実験協力事業所(3法人)の車両保険一括管理における金額の試算や新サービス開発についての研究(品川グループと連携) ※送迎業務、車両管理、車両運 行に係る経費に対しての負担感 「非常にそう思う」、「そう思う」 と回答した事業所 約5割 移動にかかる 業務一元化 ※SW-MaaS実証実験に向けての事前アンケート調査結果を基に試算 56
それぞれの地域(市町村)が移動で抱える課題は、ほぼ同じ。 点ではなく面で取り組むことで、課題解決のスピードとインパクトを高める 黒部市エリア 資金面(実証実験)・ノウハウ プロジェクトサポート・連携サポート CROSS MOBILITY PROJECT 魚津市エリア 滑川市エリア
それぞれのエリアの特性を生かしたしくみづくりノウハウや結果の共有、エビデンスの蓄積 様々な実証実験と実装化に向けての研究 協力・事業所のチャレンジ 本プロジェクトの理念 57 新川介護保険組合エリア 朝日町エリア 入善町エリア 富山市内事業所 南砺市内事業所 協力・事業所のチャレンジ 協力・事業所のチャレンジ 医療・介護事業の送 迎一元管理と外部委 託のしくみづくり 地域の移動支援と福 祉車両の活用 福祉現場の効率化・負担軽減(実態調査・送迎のデジタル化チャレンジ) 新しい福祉サービスの開発(黒部市と市社協と介護保険組合)
トヨタモビリティ基金とSMARTふくしラボの支援体制 CROSS MOBILITY PROJECT 58 実証実験 参画したエリア 実証実験での検証結果共有 事業化(実装)への検討 エリア連携への参画
支援体制 福祉Moverの提供と導入支援(費用面含む) 実証実験のサポート(企画・マンパワー) 参画エリアの連携の場づくり その他実証実験に係る経費(直接支出) 大学、研究機関 データ分析・検証 実証実験でのデータ分析 事業化への設計 効果検証 ソーシャル アクション機構 福祉Moverの提供
クロスモビリティプロジェクト① 福祉現場の効率化・負担軽減 59
プロジェクトの柱となる 2つのプログラムを各エリアで取り組む (2023年度) ふくしDX(送迎のデジタル化・共同化等)でデイサー ビス業務の約3割と言われる送迎の負担を軽減し、 業務効率を上げ、働きやすい職場、人材の確保に貢 献する。 福祉現場の効率化・負担軽減 効果的な介護予防総合事業のメニュー開発で、 「移動困難となる人≒要支援1.2、要介護1」の
対象者へ移動手段となるサービスを提供する。 新しい福祉サービスの開発 60 福祉Mover(アプリケーション) を活用した 送迎のデジタル化 20事業所の導入実証実験(予定) 一般社団法人ソーシャルアクション機構HP https://socialaction.net/ ←こちらから福祉Moverの紹介動画がご覧いただけます。
61 SMARTふくしラボが目指す状態 介護需要のピークである2030年までに福祉分野の 人材不足を解消する。 送迎にかかる時間と経費が抑えられ、 福祉人材が現場での仕事に、より多くの時間をかけることができる。 働きやすい職場・ 人員増だけではなく、効率化による労働力確保 福祉Mover(アプリケーション) を活用した
送迎のデジタル化
62
福祉Moverとは… 利用者宅の地図のコピー ホワイトボード送迎表 送迎業務をデジタル化し、送迎担当者、車両担当者、施設管理者、利用者のストレスを 軽減するアプリサービスです。 送迎担当者スケジュール 簡単作成機能 送迎ナビシステム 土地勘がなく、 道順把握が大変…
手作業が多くて 工数がかかる… 車両の稼働状況が 分からない… ナビに従うだけで 楽に目的地へ! 工数大幅削減で 業務効率化! 車両の稼働状況を リアルタイム管理! 従来のアナログ管理 福祉Moverによるデジタル管理 63
送迎業務をすべて委託(タクシー等交通事業者) 送迎業務の一部を委託(タクシー等交通事業者) 「福祉Mover」を導入した事業所の送迎網をデジタル連結 事業所間で共同運行 事業所間で一部を共同運行 二つの方向性を検討 送迎委託モデル 事業所間連携モデル 事業所間で共同運行 同一法人間の送迎マージ
デイサービス事業 デイリハ事業 「福祉Mover」を導入した事業所の送迎業務のデジタル化 送迎業務の負担軽減・効率化(送迎業務・運行記録) 送迎担当者の負担軽減・効率化(シフト管理・運行管理) 二つの効果 法人内マージモデル デジタル化による業務効率化モデル 福祉現場の効率化・負担軽減のモデル (デジタル連携基盤を活かした、その先の展開) 64
65 送迎委託モデル(案) 送迎網をデジタル化することで、 一部委託による負担削減と利用者増 新規利用者 介護度の低い利用者 事業所の送迎網 既存の送迎ルートで新規利用者 を受け入れることができる。 タクシーへ委託(可能性)で新規利用者の増
介護度が高い=事業所送迎 介護度が低い=タクシー委託で共同運行 デジタル送迎 マッチング・調整 事業所A B C 事業所A/B/C
福祉施設が福祉送迎網のハブになる プラットフォーム(駅) 人・モノ・〇〇を運ぶ ふくしモビリティネットの構築 「SW-Mobility_NET」 コース最適化・マッチング 送迎業務デジタル化 【キーワード】 福祉施設がコミュニティの要 福祉施設を中心としたコミュニティづくり
社会福祉法人の地域貢献(義務) 地域リソースの活用 省エネルギー シェア、統合、一本化 持続可能なまちづくり 地域最適化 末端配送 福祉的視点での移動支援 ふくしネットワーク構築とデジタル化 「SW-MaaS実証実験」 目指すべきあり方_福祉送迎網の構築 66
クロスモビリティプロジェクト② 新しい福祉サービスの開発 【中間報告】 67
プロジェクトの柱となる 2つのプログラムを各エリアで取り組む (2023年度) ふくしDX(送迎のデジタル化・共同化等)でデイサー ビス業務の約3割と言われる送迎の負担を軽減し、 業務効率を上げ、働きやすい職場、人材の確保に貢 献する。 福祉現場の効率化・負担軽減 効果的な介護予防総合事業のメニュー開発で、 「移動困難となる人≒要支援1.2、要介護1」の
対象者へ移動手段となるサービスを提供する。 新しい福祉サービスの開発 68 福祉Mover(アプリケーション) を活用した 送迎のデジタル化 20事業所の導入実証実験(予定)
外出=介護予防につながる 新しい福祉サービス:外出自主トレーニングプログラム 「Goトレ」の開発 社会福祉法人 黒部市社会福祉協議会 69 共創モデル実証プロジェクト事業採択 地域づくり加速化事業
70 基本的に移動は、手段。 でも、Goトレは、移動を目的して考えてみる。 移動「Go」すれば、何かが起こる。 いろんな「コト」が生まれる。 移動により、新しい「価値」が生まれる。
課 題 感 〇2030年介護需要がピーク 介護予防総合事業への効果的なメニューの不足(市町村裁量) 〇移動手段の縮小 バスの減便、タクシーの減少、福祉送迎の運転手確保 〇移動財源の確保 どのような財源を使うか。助成金では継続性に課題 71
「介護予防=外出」の概念を定着させることで、 高齢者の移動支援と効果的な介護予防プログラムを実現する。 72 地域内の移動資源をフル活用し、組み合わせた新たな移動の しくみを構築することで地域交通の持続可能な体制を実現する。 目指すところ ハイブリットに解決 公共交通も持続可能にするし、ウェルビーイングも生み出す
PRODUCT バス・タクシー 公共交通バス 公共交通鉄 道 「地域のありとあらゆるもの」 【福祉センター】 介護予防拠点・介護予防教室 【モビリティトレーニング】 様々な移動手段を体験する
【外出先が自主トレーニングの場所になる】 さまざまな外出スポット 「デジタル」 と 地域丸ごとデイサービス化 を活用してつくる Goトレとは
地域丸ごとデイサービス化による「移動」を中心とした 高齢者の心身共に健康な状態を目指す介護予防・外出自主トレーニングです 地域丸ごとデイサービス化のGoトレとは 01. 移動 02. コト 03. 価値 歩く
乗る 話す 乗り物に乗る 買い物をする コミュニティ醸成 社会への順応 経済の活性化 健康 Goトレで実現すること 体験する
サービスの全体像 バス・タクシー 公共交通バス 公共交通鉄道 【福祉センター】 介護予防拠点・介護予防教室 【モビリティトレーニング】 様々な移動手段を体験する 【外出先が自主トレーニングの場所になる】 さまざまな外出スポット
サービスの流れ(1) 介護予防拠点や介護予防教室に自助・互助で集まる ①集まる先 ・地区公民館 ・デイサービス(非通所日)など ②手段 ・自助(自ら徒歩で行く、 家族に送迎してもらう) ・互助(友達と一緒に行く 空いている送迎車で送迎)
③集まった先を送迎バス網で周り Goトレ参加者を集める ① ② ③ 介護予防拠点や介護予防教室に自助・互助で集まる 元々の集まりの力をつかう
サービスの流れ(2) モビリティトレーニング:さまざまな移動手段を体験し外出 Goトレ参加者を集めるために利用した 送迎バスなどではなく、地域の公共交通機関を 利用して外出先に行きトレーニングを行う バス・タクシー 公共交通バス 電車 モビリティトレーニングの効果 【利用者】
・利用するための方法を学ぶことができる ・日頃から地域の公共交通機関を 利用するようになる 【交通事業者】 ・交通利用者が増加する 元々ある 地域の移動リソースをつかう
サービスの流れ(3) 地域のさまざまな場所へ外出する 【行き先】 ・地域のショッピングモール ・道の駅 ・地域の観光地 ・商店街などの商業圏 ・温泉などの施設 【効果】 ・商業施設で買い物するトレーニングができる
タッチパネルでの注文やセルフサービスへの順応 ・外出する楽しさの実感 ・地域の店舗やサービス利用による地域経済循環 地域にある様々なスポットでGoトレを実施する 地域のあるものをつかう
79 自助:自分で、家族が 互助:友達が・地域で 共助:介護予防事業で 公助:公共交通で 民間:ビジネスで
01. インフラの維持 02. 介護予防 03. 経済活性化 Goトレ提供することによる複数の課題に関して同時に解決していきます Goトレが生み出す価値とは
課題 Goトレで解決 大都市以外の過疎化が進んでおり、 公共交通機関の利用者が減少し 公共交通機関は減便や路線見直しなど 縮小の一途を辿っている 01. インフラの維持 Goトレが生み出す価値とは これまで車社会の人たちが免許返納などで公
共交通機関を利用する人が増えるはずが 乗り方がわからないなどで利用者が 増加していない傾向にある 地域の公共交通機関を基軸とした トレーニングのため、 公共交通機関利用者が増加し売り上げ などの増加によるインフラ維持にも 貢献する
2030年問題が近づいており、2030年に は 65歳以上の高齢者が3,716万人となり、 全人口の30%に達する見込みである そのため、介護・医療費が2020年度 10.5兆円から2030年度13.4兆円に 増加する見通しとなっている 02. 介護予防 Goトレが生み出す価値とは
元気な人を元気なままで いられるようにする介護予防プログラム 要介護度5の人1人分で100人がGOトレを 受けることができ介護費用の抑制も 見込まれる 健康度は上がり、医療・介護費用が下がる 課題 Goトレで解決
移動範囲が狭まることにより、 従来行っていた経済活動ができなくなり、 消費が減り地域への経済循環が鈍化する 03. 経済活性化 Goトレが生み出す価値とは 小売店や飲食店のDX化しているが、 順応できず既存サービスを受けられなく なっている 外出することで商業施設や飲食店で
消費活動を行うようになる また、コミュニティで外出することにより、 DX化されているサービスに対してやり方を教 え合うなどして順応していき、これまで 通りにサービスを受けられるようになる 課題 Goトレで解決
総合事業としてGoトレを展開します Goトレの提供方法 総合事業とは 高齢者の方が要介護状態にならないように総合的に支援するために 市町村が取り組み、サービスを作る地域包括ケアの具体的な事業の1つです 一般予防事業 【対象者】 ・65歳以上の人 【受けられるサービス】 ・介護予防把握事業
・介護予防普及啓発事業 ・地域介護予防活動支援事業 ・一般介護予防事業評価事業 ・地域リハ活動支援事業 介護予防・生活支援事業 【対象者】 ・要支援1・2 ・基本チェックリスト該当者 【受けられるサービス】 ・訪問型サービス ・通所型サービス ・その他の生活支援サービス ・介護予防ケアマネジメント 【例】 ・介護予防教室 ・体操教室 ・サークル活動 【例】 ・日常生活支援 ・機能訓練 ・栄養改善指導 行政がメニュー化をし、民間などの事業者が実施をする
85 見えてきた対象者 元気な人を、元気なままで
2030年問題に向けて、 団塊の世代の元気な人を元気なままでいられるようにGoトレを提供していく Goトレのメインターゲット 2025年 2030年 団塊の世代が 75歳以上に 約5.6人に1人が 後期高齢者 3人に1人が
高齢者へ 約3.1人に1人が 高齢者 医療費や介護サービスの需要が急増し、 生産年齢人口の減少によって 医療介護職の供給不足が見込まれる 元気な人が元気なままでいることで・・ 100人 1人 Goトレプログラムにか かる年間経費 要介護5の場合の 介護保険サービス年間利用料 介護にかかる財源やリソースなどを 大幅に削減できる先行投資となる
高齢者が外出することは、身体的、精神的、社会的な健康に多大な効果をもたらし 結果として介護予防につながる なぜ外出することが大事なのか 身体的健康の向上 身体活動を促進し筋力や バランス感覚を維持・向上 させます。 これにより転倒リスクが 減少し、日常生活の自立度 が高まります。
気分転換やストレス解消 に役立ち、うつ病や認知症 の予防にも効果的です。 自然環境や新しい刺激を 受けることで、脳の活性化 が促されます。 精神的健康の改善 他者との交流を増やし、社 会的なつながりを 強化します。 これにより社会的孤立 が防止され、心の健康が 保たれます。 社会的交流の促進 Goトレによる外出トレーニングにより、 日常的に外出の機会が増え、健康で自立した生活を送るカギとなる
利用者管理・運行管理・効果測定を一体化したアプリを開発中 Goトレアプリによる外出データの取得、送迎のデジタル化 ・安全管理 (SOS発信、位置情報、アラート) ・運動データ管理 (歩数、パルス、カロリー) ・利用者管理 ・運行管理 ・送迎シフト ・運行記録
・利用者データ ※開発中の画面のため変更する可能性もございます ※開発中の画面のため変更する可能性もございます
介護予防総合事業対象者 ≒ 後期高齢者等 移動困難者の移動支援財源 移動支援と介護予防を同時解決するしくみと公共交通機関への財源循環 Goトレプログラムの財源構成 後期高齢者等 移動困難者 【今までのしくみ】 市単独財源
単発的な助成金、 移動支援財源など 公共交通事業者 介護予防総合事業費 介護予防拠点 Goトレ事業主体 行政 交通事業者 公共交通の乗車率UP 利用料収入の増加 【新たなしくみ】 行政 Goトレ 効果測定データ フィードバックデータ 健康寿命の延伸 介護費・医療費抑制 介護予防財源 活用可能な制度 行政、交通事業者、利用者の 三方よしの好循環サイクルが生まれる 支援 支援 利用
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実現したい未来 〇あらゆる交通手段を活用できる市民 ・自主トレすることで、免許返納した際にも使いこなすこと ができ、自分で自由に移動できる。 〇デイサービスに公共交通を活用 ・介護度が低い利用者は、公共交通も活用し移動する。 〇健康寿命の延伸 ・在宅サービスが充実し、介護サービス依存度が下がる。 91
「介護予防=外出」の概念を定着させることで、 高齢者の移動支援と効果的な介護予防プログラムを実現する。 社会福祉法人 黒部市社会福祉協議会 92
介護予防プログラムとの連携に関する実証事業(富山県黒部市) 富山県黒部市 人口:39,638人 世帯数:15,238世帯 高齢化率:32.0% 面積:426km2 (R2国勢調査) ⚫ バスの減便、福祉送迎の運転手など、移動手段 の縮小が顕著になり、移動財源の確保が課題。
⚫ 福祉分野では、2030年に介護需要がピークを 迎えるなか、介護予防総合事業に関する効果的 なメニューが不足。 ⚫ 地域資源をフル活用し、地域丸ごとデイサービ ス化した福祉サービスを開発。介護予防財源を 活用しながら、公共交通の持続性向上に取組。 【交通モード】相乗りタクシー (一般乗用(貸切))<2台> ⚫ 福祉センターの外出トレーニングプ ログラムに、モビリティトレーニン グとして、公共交通を知る・学ぶ・ 体験するメニューを追加。今年度は 乗合タクシーを利用して、高齢者の 外出機会を創出。 ⚫ タクシー利用料金に、介護予防総合 事業費を充当することにより、交通 事業者の収入確保を図るとともに、 利用者の自己負担を軽減。 対象地域 背景・概要 実施内容 区分 意思決定・実施主体 実施による成果・効果 ⚫ 利用者数:187名(28回実施) 【9/19~12/15】 ⚫ 平均参加人数:6.67人/回 ⚫ 公共交通を利用することにより、日常の行動範囲外への外出 機会が生まれるなど、公共交通の利用促進に限らず、高齢者 のウェルビーイング向上の両立を実現。 今後の事業展開 ⚫ 要介護5の1人にかかる経費(年間約4.3百万円)と外出ト レーニングプログラム40名分の経費は同程度であり、自治体 が負担している介護費・医療費の抑制効果が期待されるため、 中長期的に検証を進めていく予定。また、公共交通促進費や 免許返納の推進費用についても、組み込んでいくことを検討。 A 中小都市、過疎地など 【人口10万人未満の自治体】 他分野と交通事業の相互利用促進 移動制約者の移動の足の確保 医療・介護・福祉 ×交通 実施主体 運行主体 桜井交通 外出トレーニングプログラムの設計 プラットフォーム事務局 SMARTふくしラボ 運行委託 調査・分析 実証実験の拠点 利用者・運行主体との調整 黒部市社会福祉協議会 介護予防に関する助言 公共交通利用に関する助言 黒部市 福祉課・都市計画課 お出かけスポット 道の駅 市民交流センター 牧場 ショッピングセンター 観光スポット 外出トレーニングプログラムの訪問先 優良事例として掲載
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Go が生み出す新たなコトと価値 ウェルビーイング 消費 経済活性化 食事 運動 外出 会話 つながり
美容院 洋服 早寝 予定 感動 喜怒哀楽 お土産 まちづくり 友達 仲間 出会い 嫉妬 思い出 助け合い 初体験 記憶 自立
99 【Goトレの予算化】 令和6年度から黒部市において、全国初で介護 予防財源を活用した介護予防お出かけ移動支 援事業「Goトレ」の予算化が実現した。
【Goトレの効果検証について】 厚生労働省地域づくり加速化事業の支援も受け黒部市、社会福祉協議会、SMARTふくしラボで協議を行ない、検討 を進めている。(現在も進行中) 〇段階での効果検証 短期的効果(1年) Point:身体的変化が大きく表れることは難しい。身体的健康以外の精神的健康、社会的つながりの変化を「見える化」 する方法を探る。(ウェルビーイング) ・変化が現れる指標設定 ・心理的変化(気持ち、目標、楽しみ) ・どのように変化することで外出しようと思うのか。そのポイントを見つける。
※要検討 一方で、絶対的な歩数の増加か見込める。歩くことによって介護予防効果は厚労省や研究などでも示されている。歩 行を調べることで認知症の発見などの研究も進んでいる。 中期的効果(2年~3年) Point:何もしない人、体操のみ参加する人、体操とGoトレに参加する人のデータの差異を調べる。Goトレ(外出)する ことの付加価値、効果が何かをあぶりだす。 ・高齢者の日常生活のデータ取得 ・Goトレ以外の生活時間の行動把握、GOトレによって前後の生活で変化した行動 長期的効果(5年~10年) Point:健康寿命延伸への効果 介護費、医療費抑制効果の検証、中長期による追跡データをもとに分析を行う。 ・公益財団法人身体教育医学研究所との連携 ・介護保険データ、医療費データなどの連携
2024年7月26日
本日の登壇者 小柴 徳明 羽鳥 達也 近藤 哲朗 こしば のりあき はとり
たつや こんどう てつろう 株式会社日建設計 群馬県高崎市出身・50歳 株式会社図解総研 東京都北区出身・37歳 一般社団法人スマートふくしラボ 富山県黒部市出身・46歳 日建設計、設計グループ部長。単体の建 築設計から大規ど都市開発まで幅広い実 績を持つ。日本建築学会賞(作品)など多 数の受賞歴を持つ一方、大規ど建築の避 難シミュレーション手法を沿岸地域の津波 避難に応用し開発した「逃げ地図」は地域 住民同士の協働で制作され、さまざまな合 意形成を促し、日本全国に広がっている。 この経験をもとに、人、モノ、水、エネル ギーなどをモビリティが混載し最適輸送す ることで人口減少社会の移動やインフラの 課題解決を試みる「モビリティ・インフラ・シ ステム」を提唱し、研究・検証を重ねている。 東京理科大学工学部建築学科卒。千葉大 学大学院工学研究科建築・都市科学専攻 修士課程修了。2018年『ビジネスモデル2.0 図鑑』が10万部のベストセラーとなり、2020 年ビジュアルシンクタンク「図解総研」を設 立。大手企業・研究機関・行政とともに環境 問題や政策、共創など社会のふくざつな情 報を可視化する図解に取り組む。共著に 「会計の地図」「パーパスモデル」「政策図 解」がある。 保 健体 育講師 から転身し、 2 0 0 3 年 黒部市 社 会 福祉協議会 に入社。ボランティアコー ディネーター、地 域 福祉、民生委員 などの 担当。 赤い羽根共同 募 金改革や広 報 改革プ ロジェクト、近隣社協との連携事 業などを 経て、 2 0 1 5 年 に新設した経営戦略係 として法 人の基 盤強 化 、経営の中 長期ビジョン策 定、シンクタンク事 業の立ち上 げなどに取 り組む。 2 0 2 2 年 に黒部市 社協からスピンア ウトした一 般社団法人SM A RTふくしラボを 立ち上 げ、福祉分 野のデジタル化 、DX推進 に取 り組んでいる。国立研究開発法人 情報 通信 研究機構(NICT)でソーシ歳ルICTシ ステム研究室の協力 研究員 も務 めている。 吉備友理恵 株式会 社日建設計 PYN T 大 阪府 岸和 田市 出 身・3 1 歳 1993年大阪生まれ。東京大学大学院新領 域創成科学研究科修了。都市におけるマ ルチステークホルダーの共創、場を通じた イノベーションについて研究・実践を行う。 共創を概念ではなく誰もが取り組めるもの にするためのツール「パーパスモデル」を 考案し、書籍化。現在は、日建設計にて共 創の場「PYNT(ピント)」を運営し、社会課 題に向き合う共創プロジェクトのインキュ ベーションに取り組む。 きび ゆりえ 102
目次 1. Community Driveプロジェクトとは - プロジェクト概要 - 黒部の福祉の現場 - トヨタモビリティ基金との調査結果
- 富山県黒部市の現状 2. 地方が直面している 移動 や インフラ の課題 - 深刻な8つの課題/官民取り組みの現状 3. 本プロジェクトが考える課題解決 - 「人材育成」「仕組み」「まちの視点」 - 参画企業やメンバー紹介 、PYNTについて - ワークショップについて 4. 今後の展開 103
104 Community Driveプロジェクトとは
105 Community Driveプロジェクトは、地域を動かす人材である 「コミュニティ・ドライバー」を育て、 「自分たちの移動を自分たちで考えていく」マインドを醸成します。 コミュニティ・ドライバーが地域住民や行政、企業など 多様なセクターをつなぎ、地域固有の移動ニーズと移動リソースを データ化して対話を促すことで、相互扶助のしくみをつくります。 Community Drive
Community Driveプロジェクトとは
プロジェクト参画組織 106
プロジェクトメンバー 小柴 徳明 こしば のりあき 一般社団法人 SMARTふくしラボ 近藤 哲朗 こんどう
てつろう 株式会社 図解総研 坂口 友紀 さかぐちとものり 一般社団法人 SMARTふくしラボ 田中 大我 たなか たいが 株式会社 日建設計 舘 景士郎 たち けいしろう 畑野 了 はたの りょう 沖山 誠 おきやま まこと 株式会社 図解総研 森木田 剛 もりきだ つよし 株式会社 はこぶん 株式会社 日建設計 株式会社 日建設計 安藤 章 あんどう あきら 株式会社 日建設計総合研究所 今枝 秀二郞 いまえだしゅうじろう 株式会社 日建設計総合研究所 羽鳥 達也 はとり たつや 株式会社 日建設計 加藤 万貴 かとう まき 株式会社 日建設計 平井 紋子 ひらい あやこ 株式会社 はこぶん 佐藤 弘樹 さとう ひろき 横田 和明 よこた かずあき 株式会社 日本パブリック リレーションズ研究所 株式会社 日本パブリック リレーションズ研究所 吉備友理恵 きび ゆりえ 株式会社 日建設計 五十嵐 達海 いがらし たつみ 株式会社 図解総研 高村 千恵美 たかむら ちえみ 一般社団法人 SMARTふくしラボ 鵜飼 七緒子 うかい なおこ 株式会社 図解総研 黒﨑 美穂 くろさき みほ 株式会社 日本パブリック リレーションズ研究所 渡邉 和子 わたなべ かずこ 株式会社 日本パブリック リレーションズ研究所 他多数 107 西 勇 にし おさむ 株式会社 日建設計
108 プロジェクト始動のきっかけ 黒部の福祉の現場から
専門職の力が福祉サービスの提供以外で割かれている! 移動をなんとかしないといけない 福祉人材が1日の業務のうち送迎に 3時間をとられてしまうこともある 黒部の福祉の現場から見る課題 人材採用するにしても送迎業務が ないことで人材が確保しやすい 移動が伴うサービス 移動が伴わないサービス 自宅に行く
訪問介護/看護 施設に行く デイサービス 入所する 入居型施設
送迎の問題を解決するためには 協力するしかない 協力するためには誰がやるのか? どうやって進めるか?そのための技術はどうするか? 福祉の領域だけではなく、 地域全体で考えていく必要がある 地域全体でどう協力できるか?
地域全体としてみたら移動リソースはある 111 乗客の少ないバス 空白の多い時刻表 駐車時間の長い介護車両 移動リソース(資源)は偏在している
Community Drive プロジェクトの前身 地域の移動課題についての調査研究から生まれた 112 2022年4月設立。福祉分野のデジタル 化ならびにDXの推進を目指し、黒部市社 会福祉協議会で進めてきたシンクタンク 事業の発展強化と広域的な活動を行う。 2021年度から地域の移動課題に注目し、
トヨタモビリティ基金の助成を受け、 3年間調査研究と実証実験などを実施。
黒部市に関する調査結果 (2021年〜2024年:トヨタモビリティ基金と共同実施) 人口 4万 人 高齢化率 32 % 福祉車両 210
台 維持費は年間2億円、地域の移動手段は遍在 移動リソースを集約・一元化し、地域で利活用すべき 113
日本・地方が直面している 「移動」「インフラ」の課題
「人手不足」「後期高齢者の増加」を背景に、急速に浮き彫りに 深刻な物流の人手不足 https://giwiz-tpc.c.yimg.jp/q/iwiz-tpc/images/story/2020/1/31/1580464198_1580464173_MAY_1037.JPG 115 移動に関する課題 運輸業の7割以上が人手不足の 回答。高齢化が進むと7年後に は24万人のドライバーが不足。 高齢化、免許返納 自力で移動できない交通弱者は
年々増加。 買い物難民 店舗までの直線距離が500m以上 かつ、65歳以上で自動車を利用で きない人が急増。高齢者の25%が 買い物弱者と推定されている。 鉄道の廃線、バス事業が赤字 鉄道の廃線が始まる。また、全国の 7割のバス事業は赤字。
「老朽化」「災害の増加」により、地域社会へのリスクが高まる 水道管の老朽化問題 116 インフラに関する課題 全国の更新時期の水道管をすべ て更新するには143年かかると の試算されている。 工事・修繕料金の値上げ 耐震化の条件が上がり、水道管 更新に多大なコストがかかる。料
金値上げが予想されている。 エネルギーの取り扱い LPガス取り扱いは重労働により、 配送車ドライバーの高齢化や人 手不足が大きく影響。 電柱の倒壊リスク 東日本大震災では28,000本の 電柱が倒壊。
なぜ実証実験が地域に根付きにくいのか? 117 など、将来にわたって持続的な移動手段の導入には課題が大きい。 一方で、必ずしも地域の移動実態が利用者側である住民の課題意識醸成や 行動変容につながっておらず、地域に定着しにくい。 自動運転やAIオンデマンド交通など様々な実証実験が行われているが、 深刻な ドライバー不足 都心でも運転手不足で バスの減便が始まっている
地元交通事業者・ 自治体の連携が不足 新たな交通の導入や 本格運行に課題あり ビジネスモデル構築の 難しさ 交通事業単体で 黒字にすることは難しい
移動課題を解決するサービス開発から始めるのではなく、 「コミュニティをドライブする」ことから始める。 118 技術 プロセス 人
119 合意形成 データ分析 まちづくり 整理・構造化 課題の可視化 デザイン 課題の当事者 地域のつながり 財源の循環
「コミュニティをドライブする」知見を持つ3社がタッグ
プロジェクトが生まれたキッカケ “PYNT(ピント)”は2023年4月にオープンした 日建設計が運営する共創の場。 まちの暮らしに関する様々な課題意識をもつ個人と建築や都市の専門家を繋 ぎ、「まちの未来に新しい選択肢をつくる共創のプラットフォーム」として、社 内だけでなく、企業や大学、行政、NPOといった社外の共創パートナーも巻き 込み、マッチングから社会実装までを支援することで、複雑な社会課題の解決 を目指す。 現在PYNTでは「次世代インフラとモビリティ」「ネイチャーポジティブな都市」 「市民自らが意志決定する自律分散型まちづくり」など10個のテーマを掲げ、
独自の共創プロセスのデザインによりプロジェクトを生み出している。
各社の取り組み実績 スマートふくしラボ 121 SMARTふくしラボは、黒部市の福祉協議会のシンクタ ンク部門から独立した福祉分野のデジタル化、DX推進、 新規事業創発を行う組織です。地域の大きな課題である 移動にフォーカスし調査研究を進め、2023年度には国 交省の共創モデル実証の採択を受け、介護予防、外出支 援、公共交通の活性化をハイブリッドに解決する『地域丸 ごとデイサービス「Goトレ」』を開発するなど持続可能な
地域づくりに取り組んでいます。 「外出自主トレーニングプログラムGoトレ」 (https://smartfukushilab.org/go- training/)
各社の取り組み実績 日建設計 122 日建設計は建築・土木の設計監理、都市デザインを行う組 織設計事務所である。これまで、大規模建築の避難シミュ レーション手法を沿岸地域の津波避難に応用し開発した 「逃げ地図」は地域住民同士の協働で制作され、さまざま な合意形成を促し、日本全国に広がっている。 この経験をもとに、人、モノ、水、エネルギーなどをモビリ ティが混載し最適輸送することで人口減少社会の移動や
インフラの課題解決を試みる「モビリティ・インフラ・システ ム」を提唱し、研究・検証を重ねている。 逃げ地図 モビリティ・インフラ・システム
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各社の取り組み実績 図解総研 124 図解総研は、様々な社会課題を可視化し、より多くの市民 が地域の課題解決の参画しやすい環境を目指します。同 じ業界や地域の課題といっても、個々人や立場によって 見え方が異なります。そうした多様な目線からの課題を 図解という手法によって可視化することによって、認識を 共有し、違いを乗り越えて建設的に議論するための土台 作りに取り組んでいきます。
課題デザインマップ
125 https://zukai.co/action/zyggm4dwpxemexm5tb28mlznj8pfgz 介護課題 デザインマップ 課題間の関係性 を明らかにして 解決の糸口を 見つけられる
126 地域の 移動実態の把握 地域の潜在的な “移動力”の把握 ニーズ リソース 需要と供給を把握し、マッチングすることで課題を解決する 需要 供給
人、モノ、生活資源 がどこからどこに 移動しているか 地域において、 いつどこで車両が 余っているか
127 それぞれが持つ 移動課題と未来予想 公的な セクター 国・行政・専門職 地域住民 様々な世代・人 企業・民間 サービス提供者
地域の未来の移動を みんなで話し合う 公的な セクター 国・行政・専門職 地域住民 様々な世代・人 企業・民間 サービス提供者 「ミライドライブ」 ワークショップ 今日はここ! みんなで「データ」と「対話」で、 新しいしくみを考えていく 課題整理・可視化 データ化・分析 皆さんの情 報をデータ に! コミュニティ•ドライブ! 自分たちのまちを 自分たちで良くしていく
7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 2024 3月
2025 128 リサーチWS 1.市民向け 2.公共向け 3.事業者向け 7月26日 2024年度の事業スケジュール フィールド ワーク 地域の移動実態を知る 9月某日 ミライドライブ WS 地域の移動の未来を考える 11月末日 ミライドライブ WS 地域の移動の未来を考える 1月16日・17日 ミライドライブ フォーラム 報告会 2月12日 コミュニティ・ドライブツールの開発 「地域の移動のリソースとニーズのデータ化」 コミュニティ・ドライバー育成 プログラム&ツールプロトタイプ完成
129 市民 行政 企業 地域住民の移動パターン を集めて地域の移動を データ化する 公的セクターが認識 している移動課題を 可視化する
地域の事業者が持ってい る移動リソースを 調査する 目的 「地域の移動実態」と「地域の潜在的な“移動力”」 を把握するための仮説をつくる。 7/26-27のリサーチWSの意図
130 市民向けWSの概要 ・個人の「◦◦な一日」の移動履歴をシートに記入 ・シートと、同時に記載する基本情報を活用して、 地域が持つ移動パターンや、世代別・地域別の移 動課題を見つけるための手がかりに。 ・この情報に加えて、地域がもつ移動のリソース (余っている施設の車両などの情報)をうまく マッチングさせ、地域の移動課題解決の糸口を 見つける。
公開住民ワークショップ を開催します! 移動課題解決に向けて話し合う 「移動の未来を考えるWS」:市民編 ▪日 時:2024年7月26日(金)18:00~20:00(17:30開場) ▪会 場:黒部市国際文化センターコラーレ マルチホール( 富山県黒部市三日市20)
▪主催者:SMARTふくしラボ/日建設計/図解総研 ▪参加者:地域住民(児童生徒、学生、若者、子育て世代、共働き、市 外在住者、障がい者、一人暮らし、後期高齢者、免許返納者)30名 ~50名予定 131
132 公共セクター向けWSの概要 国 民間 住民 地方自治体 (都道府県) 地方自治体 (市区町村) 3ステップでワークを実施します。
1. 地域の移動の課題をできるだけ多く洗い出し 2. 以下の2軸で課題を分類し、課題同士の因果関係を検討 課題の緊急度と重要度 国や自治体、企業といった関係者の レベル 3. 本ワークショップで得た情報をもとに課題マップを作成
133 事業者向けヒアリングの概要 黒部の地域企業が60社以上出展する機会である「黒部フェア」に てヒアリングを実施。 事業の者の持っている移動リソース(社用車・自転車・バイクなど) 数や利用頻度を伺い、 • 利用頻度・移動で困っていること、大変だと思うこと • これから移動でこまりそうなこと
• こんなことできるかも、出来たらいいなと思うこと などを伺います。
本事業は 国土交通省 モビリティ 人材育成事業 で採択 134 https : / /
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黒部市と同様の移動課題を抱えていると 考えられる自治体の割合 (人口10万人以下で高齢化率が全国平均より高い自治体割合) ※令和2年国勢調査より日建設計総合研究所作成 黒部市から全国への展開可能性 黒部市は人口約4万人、 高齢化率約32%(全国平均29%)の自治体です。 全国にある1,718の市町村の中で、 人口が10万人以下の自治体は約1,400、 うち高齢化率が全国平均以上の自治体は
約1,200(約7割)あります。 Community Drive プロジェクトは、 他の地域に適応可能なモデルを 目指します。 135
黒部での実践 他地域での実践 地域で発掘した知恵 知見の共有 それぞれの専門性を活かし、黒部での実践から Community Drive プロジェクトの知見を他の地域の知恵につなげ る。 136
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