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戦略からUIまで伴走するUXリサーチ
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mihozono
September 12, 2020
Research
27
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戦略からUIまで伴走するUXリサーチ
UX MILK All Night 登壇資料
mihozono
September 12, 2020
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Transcript
© Merpay, Inc. 1 戦略からUIまで伴走する UXリサーチ @mihozono
© Merpay, Inc. 2 自己紹介 松薗 美帆 @mihozono 株式会社メルペイ デザインチーム/UXリサーチャー
・ICUで文化人類学を専攻、日本の限界集落でエスノグラフィ 調査を行う ・リクルートでデジタルマーケティング/プロダクトマネー ジャー/UXデザイナーを経験ののち、UXリサーチチーム を立ち上げ ・2019年1月よりメルペイにUXリサーチャーとしてジョイン ・2020年4月からJAIST博士前期課程社会人コースに進学 し、ビジネスエスノグラフィの研究室所属 ・現在UXリサーチの実践本を執筆中 @mihozono https://note.com/mihozono
© Merpay, Inc. 3 メルペイについて
© Merpay, Inc. Mission 4
© Merpay, Inc. 5 メルペイについて 日本最大のフリマアプリを提供する株式会 社メルカリのグループ会社である、株式会 社メルペイが運営するスマホ決済サービ ス。 使わなくなったものをメルカリで売って得た
売上金や、銀行口座からチャージしたお 金、また「メルペイスマート払い」を利用し て、「メルカリ」や全国161万か所のメルペイ 加盟店でのお支払いにご利用いただけま す。
© Merpay, Inc. 6 メルペイについて スマホ決済 顧客満足度 第1位 総合、アプリの使いやすさ、ともに第1位
【初調査】2020年 満足度の高い『スマホ決済サービス』ランキング発表 オリコン顧客満足度®調査
© Merpay, Inc. 7 UXリサーチチームについて JP/US/UK事業でPMやデザイナーが UXリサーチを実践し効果を体感してき た流れを大きく受けている 「6,000万DLのメルカリがユーザビリティテストを大事にする理由」
「UK版メルカリは、僕らの中で生きている」サービス立ち上げメンバーの今
© Merpay, Inc. 8 UXリサーチチームについて 2017年11月 PMが毎週の ペースでUXリ サーチを実行
会社設立 現在に至る 11月 PMから引き継ぎ オペレーションを 設計・実施 チーム設立 2018年6月 社内でチーム立 ち上げを検討の 末、採用を開始 検討開始 2019年1月 リサーチ活用幅 の拡大に取り組 む 2人体制に メルペイ ローンチ 2月
© Merpay, Inc. 9 UXリサーチチームについて UX Researcher Design Team Product
Designer 専任がいるのは業界でもまだ珍しく、横断組織であるのも特徴 Other Team Product Team Project Project Project Project Project Marketing CMやキャンペーンのリサーチ BizDev 新規事業のリサーチ Data Analyst 定量データと組み合わせて分析 PdM PdM PdM
© Merpay, Inc. 10 UXリサーチについて
© Merpay, Inc. 11 UXリサーチとは UX Design UX Research メルペイの業務においては、UXデザインの一手法・手段としてUXリサーチを行う。つまり、UXリサーチの範囲
はUXデザインの範囲に準拠するといえる for
© Merpay, Inc. 12 UXリサーチの抽象軸 「UXの5段階モデルにおける各段階での具体的なデザイン手法とは?」Goodpatch Blog
© Merpay, Inc. 13 UXリサーチの時間軸 「UXデザイナーに求められる2つの共感力」UX MILK
14 UXリサーチの対象 利用前 利用中 利用後 利用時間全体 戦略 目的目標設定
要件 要件定義 構造 モデリング 骨格 レイアウト 表層 ビジュアル 抽象 具象 時間軸 © Merpay, Inc. UXリサーチの対象は抽象軸と時間軸の2つの掛け合わせでマトリクスに整理できる
15 UXリサーチの対象 利用前 利用中 利用後 利用時間全体 戦略 目的目標設定
要件 要件定義 構造 モデリング 骨格 レイアウト 表層 ビジュアル 抽象 具象 時間軸 © Merpay, Inc. サービス利用中 のビジュアルデザ インのみ? 表層×利用中の範囲を想起されやすいが、実際にはもっと広い範囲で役立つ可能性がある
© Merpay, Inc. 16 UXリサーチの対象 Before 利用前 利用中 利用後
利用時間全体 戦略 目的目標設定 要件 要件定義 構造 モデリング 骨格 レイアウト 表層 ビジュアル 抽象 時間軸 本日は「おくる・もらう」機能の具体的事例を通して、UXリサーチの貢献可能性をお伝えしたい 具象 戦略検討 プロダクト検討 マーケ ティン グ検討
© Merpay, Inc. 17 おくる・もらう
© Merpay, Inc. 18 「おくる・もらう」機能 2020年7月より「メルカリ」の売上金(メルペイ残高・有償ポイント)を1円(1ポイント)から送ることができる 「おくる ・もらう」機能の提供を開始
© Merpay, Inc. 19 「おくる・もらう」機能・メッセージカード メルカリで大切なものを売って得た売上金だからこそ、「感謝」や「労い」などの気持ちをメッセージに添えてシェ アできる体験に
© Merpay, Inc. 20 「おくる・もらう」機能・おくる側
© Merpay, Inc. 21 「おくる・もらう」機能・もらう側
© Merpay, Inc. 22 プロジェクトのフェーズ 要件からビジュアルデザインまで PdMやデザイナーと協働し、検証を繰り返し詳細化していく 戦略検討
プロダクト検討 マーケティング検討 新規事業コンテストで経営陣に提案 ロードマップ上の優先度を高めプロジェクト化が決定 プロモーションやキャンペーンの具体化 プロダクト検討と並行してマーケティングチームとも協働
© Merpay, Inc. 23 プロジェクトのフェーズ 要件からビジュアルデザインまで PdMやデザイナーと協働し、検証を繰り返し詳細化していく 戦略検討
プロダクト検討 マーケティング検討 新規事業コンテストで経営陣に提案 ロードマップ上の優先度を高めプロジェクト化が決定 プロモーションやキャンペーンの具体化 プロダクト検討と並行してマーケティングチームとも協働
24 UXリサーチの対象 利用前 利用中 利用後 利用時間全体 戦略 目的目標設定
要件 要件定義 構造 モデリング 骨格 レイアウト 表層 ビジュアル 抽象 具象 時間軸 © Merpay, Inc. 利用前のマーケティング戦略から、利用時間全体までのプロダクト戦略までを検討 戦略検討
© Merpay, Inc. 25 新規事業コンテストについて Before メルペイCEOが着任時、5年先を構想し投資や 人員計画などを描いた社外秘文書「よげんの 書」。新規事業コンテストはこの「よげんの書」や ロードマップをアップデートしていくことが目的
で、メルペイが次に手掛けるべき事業を有志の 社員がボトムアップで提案し、Execと議論を深 め、最終的には経営資源の優先度を決める。 「メルカリ経済圏構想を記した社外秘文書『よげんの書』の中身」Diamond Online
© Merpay, Inc. 26 新規事業コンテスト・送金機能検討チーム Marketing UX Researcher Product Designer
Product Manager 役員 Engineer Product Manager Business Development UX ビジネスインパクトやマーケティング プランのシミュレーション 競合含めてのUXリサーチからサー ビスフローを検討 技術的な実現可能性や開発工数の 見立て 役員リーダーの元、PdM、マーケ、デザイナー、エンジニアとチームを結成
© Merpay, Inc. 27 送金機能検討の歴史 Before 前回の新規事業コンテストでも検討 メルペイ側の別プロジェクトで一施策として検討 メルカリ側で検討 メルカリ側でリサーチを進め提案していたが、事業上のタイミング的に見送りに
とあるプロジェクトの一施策として検討が途中まで進んでいる段階だった 送金チームが組成され検討・提案したが、当時は他の提案が優先された これまで何度か検討されてきており、その度のリサーチデータは蓄積された状態だった
© Merpay, Inc. 28 実施したUXリサーチ 課題探索 ↓ デスク リサーチ 仮説検証
↓ コンセプトテ スト
© Merpay, Inc. 29 実施したUXリサーチ 課題探索 ↓ デスク リサーチ 仮説検証
↓ コンセプトテ スト
© Merpay, Inc. 30 デスクリサーチ・概要一覧 Before UXリサーチチームではこれまで実施したリサーチデータを蓄積しており、この資産を活用してデスクリサーチを 行った
© Merpay, Inc. 31 デスクリサーチ・概要一覧 Before いつ ちなみに概要一覧には以下のような情報と資料へのリンクがついている 誰に
誰が 何のテーマで 何を 結果 解釈
© Merpay, Inc. 32 デスクリサーチ・協力者情報 Before 誰に 協力者情報のドキュメントでは、スクリーニング時のアンケート回答が一覧化されている
© Merpay, Inc. 33 デスクリサーチ・台本 何を 台本にはインタビュー時の質問項目が残っており、何をリサーチしたのかが細かく把握できる
© Merpay, Inc. 34 デスクリサーチ・速記録 結果 速記録は発言そのままの書き起こしで、質問に対するアンサーがわかる
© Merpay, Inc. 35 デスクリサーチ・動画 結果 動画も残っており、ユーザビリティテスト実施時の手元での操作などを見返すこともできる
© Merpay, Inc. 36 デスクリサーチ・簡易レポート Before 解釈 最も見返す頻度が高いのは簡易レポートで、結果や考察がまとまっている
© Merpay, Inc. 37 デスクリサーチ・アウトプット 論点軸 人軸 そのデータを分析・編集し、論点ごとに整理
© Merpay, Inc. 38 デスクリサーチでみえてきた課題 そもそも送金という習慣に馴染みがない メルカリのアカウントを相手に知られたくない 送金相手がメルカリをやってるかわからない
家族や親友など、身近な人に利用シーンを絞ったほうがいいのではないか メルペイの送金ならではの考慮すべきポイントが明らかになった キャンペーンで初送金のハードルを下げることはマスト 01 02 03
© Merpay, Inc. 39 デスクリサーチでみえてきた課題 そもそも送金という習慣に馴染みがない メルカリのアカウントを相手に知られたくない 送金相手がメルカリをやってるかわからない
家族や親友など、身近な人に利用シーンを絞ったほうがいいのではないか メルペイの送金ならではの考慮すべきポイントが明らかになった キャンペーンで初送金のハードルを下げることはマスト 01 02 03
© Merpay, Inc. 40 コンセプトテスト・アウトプット Before 新規事業コンテストでは体験だけではなくキャンペーン案とセットで提案を行い、実際に9月から開始した 新規事業コンテストでの提案
2020年9月から開始したキャンペーン
© Merpay, Inc. 41 実施したUXリサーチ 課題探索 ↓ デスク リサーチ 仮説検証
↓ コンセプトテ スト
© Merpay, Inc. 42 デスクリサーチでみえてきた課題 そもそも送金という習慣に馴染みがない メルカリのアカウントを相手に知られたくない 送金相手がメルカリをやってるかわからない
家族や親友など、身近な人に利用シーンを絞ったほうがいいのではないか メルペイの送金ならではの考慮すべきポイントが明らかになった キャンペーンで初送金のハードルを下げることはマスト 01 02 03
© Merpay, Inc. 43 コンセプトテスト・利用フロー Before 送金相手がメルカリをやっていない場合を想定し、複数の利用フローを検証
© Merpay, Inc. 44 コンセプトテスト・利用シーン Before 家族や近い友人をターゲットに想定し、具体的な利用シーン例を提示しながら検証
© Merpay, Inc. 45 コンセプトテスト・アウトプット Before 最終的に新規事業コンテストでは筋がよさそうな利用シーンを絞り込み提案することができた
© Merpay, Inc. 46 デスクリサーチでみえてきた課題 そもそも送金という習慣に馴染みがない メルカリのアカウントを相手に知られたくない 送金相手がメルカリをやってるかわからない
家族や親友など、身近な人に利用シーンを絞ったほうがいいのではないか メルペイの送金ならではの考慮すべきポイントが明らかになった キャンペーンで初送金のハードルを下げることはマスト 01 02 03
© Merpay, Inc. 47 デスクリサーチでみえてきた課題 新規事業コンテストの時点では課題の指摘まででとどまったが、この後プロジェクト化し詳細を検討する過程 でおくる・もらう用のアカウントを作成し、かつ友だち確認のフローを挟むことで解決した
© Merpay, Inc. 48 プロジェクトのフェーズ 要件からビジュアルデザインまで PdMやデザイナーと協働し、検証を繰り返し詳細化していく 戦略検討
プロダクト検討 マーケティング検討 新規事業コンテストで経営陣に提案 ロードマップ上の優先度を高めプロジェクト化が決定 プロモーションやキャンペーンの具体化 プロダクト検討と並行してマーケティングチームとも協働
49 UXリサーチの対象 利用前 利用中 利用後 利用時間全体 戦略 目的目標設定
要件 要件定義 構造 モデリング 骨格 レイアウト 表層 ビジュアル 抽象 具象 時間軸 © Merpay, Inc. 利用中〜利用時間全体までの要件から表層までを詳細に詰めていく プロダクト検討
© Merpay, Inc. 50 おくる・もらうプロジェクト始動 Before UX Researcher Design Team
Product Designer Other Team Product Team Project Project Project Project Project Marketing CMやキャンペーンのリサーチ BizDev 新規事業のリサーチ Data Analyst 定量データと組み合わせて分析 PdM PdM PdM
© Merpay, Inc. 51 おくる・もらうプロジェクト始動 Before UX Researcher Design Team
Product Designer Other Team Product Team Project Project Project Project Project Marketing CMやキャンペーンのリサーチ BizDev 新規事業のリサーチ Data Analyst 定量データと組み合わせて分析 PdM PdM PdM おくる・もらう
© Merpay, Inc. 52 実施したUXリサーチ 課題探索 ↓ 仮説検証
↓ ユーザビリティテスト
© Merpay, Inc. 53 ユーザビリティテスト Before プロトタイプで検証しては改善を繰り返す
© Merpay, Inc. 54 プロジェクトのフェーズ 要件からビジュアルデザインまで PdMやデザイナーと協働し、検証を繰り返し詳細化していく 戦略検討
プロダクト検討 マーケティング検討 新規事業コンテストで経営陣に提案 ロードマップ上の優先度を高めプロジェクト化が決定 プロモーションやキャンペーンの具体化 プロダクト検討と並行してマーケティングチームとも協働
55 UXリサーチの対象 利用前 利用中 利用後 利用時間全体 戦略 目的目標設定
要件 要件定義 構造 モデリング 骨格 レイアウト 表層 ビジュアル 抽象 具象 時間軸 © Merpay, Inc. 利用前の認知やイメージ獲得のために、マーケティング戦略から細部までを検討する マーケ ティン グ検討
© Merpay, Inc. 56 UXリサーチの種類 課題探索 ↓ なし 仮説検証 ↓
アンケート コンセプトテ スト
© Merpay, Inc. 57 アンケート・マーケティング戦略 マーケティングチームからの依頼でアンケート調査を実施。改めて家族間の送金にフォーカスする方向でマー ケティング戦略を策定し経営上の投資判断を得た
© Merpay, Inc. 58 アンケート・CM 家族間でのおこづかい送金シーンにフォーカスしたCMを制作 「メルカリ20年TVCM_「おくる・もらう/使う篇」篇_字幕なし-15秒【メルカリ公式】
© Merpay, Inc. 59 アンケート・PR PR主催の「おくる・もらう」機能発表会でアンケートデータが活用された
© Merpay, Inc. 60 アンケート・PR PR主催の「おくる・もらう」機能発表会でインタビューデータも活用された
© Merpay, Inc. 61 アンケート・PR 結果、各種メディアでも取り上げていただいた 「メルカリの売上金が送金可能に メッセージカードで気持ちを伝える工夫も」It
Media Mobile 「メルカリが個人間送金サービス、ギフト用と打ち出しLINEやPayPayと差異化」日経X TECH
© Merpay, Inc. 62 コンセプトテスト・キャンペーン キャンペーンのコンセプトを複数比較し検証
© Merpay, Inc. 63 コンセプトテスト・キャンペーン メッセージカードでコラボするキャラクターやイラストレーターを絞り込み
© Merpay, Inc. 64 キャンペーン キャンペーンプランやキャラクター登用時の参考資料となった
© Merpay, Inc. 65 まとめ Before 利用前 利用中 利用後
利用時間全体 戦略 目的目標設定 要件 要件定義 構造 モデリング 骨格 レイアウト 表層 ビジュアル 抽象 時間軸 最終的にこの「おくる・もらう」のUXリサーチではすべてのマトリクスに伴走することができた 具象 戦略検討 プロダクト検討 マーケ ティン グ検討
© Merpay, Inc. 66 まとめ 戦略検討 プロダクト検討 マーケティング検討 戦略からUIまで、さらにはプロダ クトからマーケティング・PRまで、
お客さまとサービスのあらゆるイ ンタラクションにUXリサーチで伴 走することで、利用前から利用全 体まで一貫した体験を実現する ことが出来る
© Merpay, Inc. 67 Thanks!
© Merpay, Inc. 68 Meta UXR Project マーケティング検討 UXリサーチ実践者をリサーチ しながら本を共創していくプロ
ジェクト。プロトタイプに皆様か らフィードバックをもらいながら 良い本を作るべく、編集会議を stand.fmで配信したり、slackコ ミュニティでクローズドなイベン トを不定期開催中。