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再帰化への認知的転回/the-turn-to-recursive-system

 再帰化への認知的転回/the-turn-to-recursive-system

2022.03.11 ペパボテックカンファレンス

monochromegane

April 01, 2022
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Transcript

  1. • この系における最大の困難は、 限られたインタラクションから利用者の背景や要求を類 推しなければならない点である。 • 閲覧、コンバージョン、利用者の基本属性、文脈、アップロードした商品データ等々 • 1. インタラクションの保存 •

    インタラクションが保存されていることが系の前提。 • 2. インタラクションの解釈 • 背景や要求は利用者ごとに 多様である • この系の導入前提から 時間的な変化を考慮する必要がある 多様かつ継続的に変化する系の設計の難しさ 14 1. インタラクションの解釈
  2. • データ基盤Bigfoot[*]のススメ • インタラクションの保存と解釈のシステム基盤としては Bigfootが良いと思います(宣伝) • Google BigQueryにより、サービスの膨大な履歴を格納、検索が可能 • Google

    Vertex AIにより、集計や機械学習モデリングが実現可能 • データ処理パイプラインによりこれらの継続的な更新が実現可能 • インタラクションの個別かつ最適な解釈には機械学習の導入が有用 • 必ずしも機械学習を用いなくとも、平均のようなシンプルな集計や既知のグルーピングによる粒度 の大きい個別化から始めても大丈夫です • 最適な機械学習モデルの検討はペパ研とデータ基盤チームでもガンガンやっていきます • 興味ある方、一緒にやりましょう 多様かつ継続的に変化する系の設計の難しさ 15 1. インタラクションの解釈 [*] GMOペパボのサービスと研究開発を支えるデータ基盤の裏側
  3. • 暗黙的なフィードバックから機械学習などで利用者の背景や要求を解釈した上で、システムは 振る舞いを変更するところまでが再帰化 • 再設計した関数に即時切り替え可能か • 比較評価と自動かつ継続的な切り替えが必要 • 突発的な変化を検知可能だったとして、システムが即時振る舞いを変更できるか •

    ホスティングにおけるアクセスの急激な増加 • ECサイトにおける購買モードの変化 • オートスケーリングや導線の動的な変更、現状の状況に重み付けした挙動変更の機構が必要 多様かつ継続的に変化する系の設計の難しさ 17 3. 背景や要求にもとづき振る舞い変更する仕組みが必要
  4. • 複数の施策を正しく無駄なく比較評価するためには 統計的仮説検定が有用 • 得られたサンプル数から有用性の差がある(ない)ことを確信できるか • A/Bテストと組み合わせると効果的 • 一方でここに人手が介在すると、切り替えが自動で行われないという問題が発生する •

    統計的な判断に基づき、良さそうな施策を多く利用しつつ、全体の施策に対して最低限のサン プルを収集するような仕組みが求められる • 多腕バンディットの利用 • 導入には、多腕バンディットで始めるデータ駆動(社内資料)を参考のこと • データ基盤Bigfootではbigfoot-bandit gemを使うことでサービスへの導入が容易(宣伝) • 再帰化の要件を考慮した多腕バンディットのアルゴリズムもペパ研で絶賛研究中です 複雑な系の導入における機会損失の考慮 20 機会損失の低減に向けて
  5. Analyzer Tokenizer 23 検索における再帰化候補の列挙 minneの検索コンポーネント(再帰化) Index Char Filter(s) Token Filter(s)

    Analyzer ML Model Feature Extraction Classifier Matcher Sorter Query Doc Feedback Bigfoot Activity Controller Response なお本図は『AIアルゴリズムマーケティング』の「図4-33: マー チャンダイジング検索サービスの主要な論理的要素」をもとに minne構成ならびに「なめらかなシステム」の要素を踏まえ再構 成した
  6. • 「再帰化」の取り組みに必要な関数の設計から系の設計へという認知的転回を与えた • 「再帰化」の取り組みは、実はペパボ研究所における「 なめらかなシステム」の実現に向けた 取り組みに他ならない • 本資料の 2. 項と

    3. 項は、すべて「なめらかなシステム」の要件にもとづく • 「なめらかなシステム」は、利用者と運用者、システムを等価に扱うことが可能 • また、それらを「自律的」(外部からは入出力の関係性を類推する他ない存在)であることを前 提に、より挑戦的な課題としてシステムの実現を目指す • なめらかなシステムの見据えるもの。個人的考察 - THINKING MEGANE - まとめ 26 再帰化となめらかなシステム・個人的考察