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【ServiceNow SNUG Meetup LT deck】ServiceNow「検索性の...

NIWATO
March 18, 2025

【ServiceNow SNUG Meetup LT deck】ServiceNow「検索性の進化」ZingからNow Assistまで

2025年3月18日(火)に開催されたServiceNowユーザー会(SNUG)で発表されたLTの資料です。 ServiceNowの検索にまつわる機能である、Zing search engine、 AI Search、そしてNow Assist in AI Searchの概要とアーキテクチャを説明するとともに、Yokohamaバージョンでの検索に関するアップデート情報をまとめています。

NIWATO

March 18, 2025
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Transcript

  1. 1 ©NIWATO 2025 ServiceNow Developer Meet up in Yokohama 2025/03/18

    ServiceNow 「検索性の進化」ZingからNow Assistまで Yokohama新機能触ってみた ライトニングトーク大会
  2. 7 ©NIWATO 2025 ユーザーのセルフサービスが機能しない主な要因 検索機能の問題の中でも、検索エンジンであるZing、AI Searchを調整することは、検索性を上げることに 対して有効である。 KM自体の 設計や機能に 起因する問題

    書き方を見直す Zing / AI Search Genius Result / Live Agent 検索機能の問題 検索される記事の書き方 提供形式の拡大 検索エンジンの調整 問題 ナレッジ記事 を探して見つける ことができる 目指したい状態 解決のポイント ServiceNowで出来ること
  3. 8 ©NIWATO 2025 目的:ユーザーからの問い合わせ件数を削減 よくある例:ナレッジを作ることに集中しすぎる 結論:検索性が上がらなければユーザーのセルフサービス化を実現しないため。 ユーザー自身がナレッジ記事を見て自己解決すること よくあるKnowledge Management(KM)実装のシナリオ 課題:ユーザーからの問い合わせ件数が多い

    目標:KMを実装してユーザーに自己解決してもらう Incident Management Knowledge Management Agent User 問い合わせ 自己解決 対応 作成 よく分からない 検索 分かった! 確認 黄色のルートを増やして、 ユーザーの自己解決率を増やす
  4. 11 ©NIWATO 2025 Zing search engine AI Search Now Assist

    in AI Search Single character Search NLU & ML Search RAG & LLM Search Now platform内のレコードを 検索する。 ServiceNowにおけるデフォ ルトの検索エンジン。 Now platform & 外部コンテンツ を検索する。 ユーザーの行動と意図を理解して、 関連性の高い結果を提供する検索 エンジン。 より強化されたAIによる最も関 連性の高い検索結果の提供と要 約文を生成する。 AI Searchが生成AIによって強 化された検索エンジン。 検索エンジンの変化 検索エンジンの強化 ServiceNowにおける”検索エンジン”の進化 検索エンジンはZingとAI Searchの2つ、Now AssistはAI Searchをより強化する位置づけである。
  5. 12 ©NIWATO 2025 Free License ServiceNowを利用している ユーザー全員が利用可能の デフォルト検索エンジン。 AI Search

    Pro License 各プロダクトのPro以上のラ イセンスを持っている場合 に利用可能な検索エンジン。 Now Assist in AI Search Pro Plus License 各プロダクトのPro Plus以上 の ラ イ セン スを 持 っ てい る 場合にAI SearchにNow Assist の機能を利用可能。 ※ここでのライセンスの説明は理解のために簡単に表現されているものであり、ご利用の契約によっては実際の利用範囲や制限がある可能性があります。 詳細はご担当の営業の方にご確認ください。 それぞれの検索エンジンはライセンスは? AI Search以上の機能を使用するにはPro以上の有償ライセンスが必要である。 Zing search engine
  6. 14 ©NIWATO 2025 Zing search engine Zingは、ServiceNowプラットフォームに長年組み込まれて いる従来型の検索エンジン。主にキーワードベースの検索を 提供し、プラットフォーム内のデータを効率的に見つけるた めの基盤として機能してきました。

    Highlights: • テキストベースの検索(レキシカル検索) • 基本的な検索改善機能 • フィールドの重み付けを調整 • 静的なスコアリングによる検索結果の表示 Text index search engine ※ ※検索ワードとドキュメント内の単語を文字列レベルで一致させることで情報を検索する手法で、キーワードの一致を重視します。
  7. 16 ©NIWATO 2025 ServiceNowにおける検索の前提 - インデックス化の仕組み インデックス化とは、データを検索しやすくするために、 本の索引(インデックス)になぞらえて、 あらかじめ整理して特別な形にまとめておくこと データ収集

    トークン化 正規化 インデックス 作成 重み付け 保存 対象テーブルから検索可能なフィールド(テキストデータ)を抽出。 例:kb_knowledgeテーブルならtitleやtextフィールド。 テキストを単語単位(トークン)に分解。英語ではスペース区切り、日本語では形態素解析を利用する。 例:「パスワードをリセットする」→ パスワード/を/リセット/する 大文字小文字の統一や不要な記号の除去。 ただし、日本語の「サーバー」と「サーバ」のような揺れには対応しない。 トークンをキーとし、対応するレコードIDとフィールドを関連づけた逆引きインデックスを生成。 フィールドに設定されたts_weight属性をインデックスに記録し、検索時のスコア計算に利用。 インデックスはServiceNowインスタンス内に格納され、定期的に更新される。 インデックス化は定期的にスケジュールされている。手動でも実行可能。
  8. 17 ©NIWATO 2025 デフォルト設定ではどのような問題がありますか? 日本語用のインデックスが作成されていないため、クエリに 対して完全一致のみ検索を返すことにより、日本語の揺らぎ に対応できていない。 日本語トークナイザーの設定 対策:日本語のインデックスを作成するように設定する 1

    2 3 対応させたいテーブルのディクショナリーテーブルを開く タイプ=コレクションのレコードを見つける 属性「Text index tokenizer language」値「ja」を設定 ServiceNow Docs :日本語トークナイザーを使用するためのテーブルの構成 2025/03/20
  9. 18 ©NIWATO 2025 デフォルト設定ではどのような問題がありますか? 同じ意味を持つ言葉でも文字が異なれば別のワードとして 検索をするため、日本語の表現の揺らぎに対応できない。 例:「windows」と「ウィンドウズ」は別のワードとして認識す る 対策:日本語の同義語を登録する 1

    2 3 テキスト検索プロパティの[glide.ts.synonym.enabled]の値[true] 組織内の専門用語、略称、一般的なIT用語などの同義語リストを作成 同義語として登録する 同義語の設定 ServiceNow Docs : Zing で同義語による検索結果の拡張が可能 2025/03/20
  10. 19 ©NIWATO 2025 デフォルト設定ではどのような問題がありますか? 助詞や助動詞などの機能語(「は」「の」「です」「ま す」など) 単語としての出現頻度が高いが検索に 役立たない。 1 2

    一般的な日本語ストップワードリストを作成 ストップワードとして登録する ストップワードの設定 対策:日本語のストップワードを登録する ServiceNow Docs :グローバルストップワードの構成 2025/03/20
  11. 20 ©NIWATO 2025 インデックスソース 同義語 日本語トークン ストップワード ユーザートークン テーブル KB,

    Catalog, Tasks, Attachments … インデックスソース Zing search engineの検索プロセス Zingはコンテンツに書かれたタイトルや本文の文字に対して、ユーザークエリがどれだけ一致してい るかをスコアリングして、検索結果を表示する。 クエリに一致する コンテンツを特定 ユーザー クエリ スコアリング スコアが高い順 に結果を表示 ※クエリはユーザーが検索に使用するワード、検索条件のことを指します。 ※ フィールドの重み付け [ts_index_name] レキシカル
  12. 22 ©NIWATO 2025 AI Search AI Searchは自然言語理解と機械学習を使用し、より ユーザーの意図を理解して関連性の高い結果を提供する。 Highlights: •

    コンテンツのサジェスト • ユーザー行動に合わせた動的なスコアリングに よる検索の表示 • 自然言語によるユーザーの意図を理解した検索 (セマンティック検索) • 外部コンテンツの検索 Provide consumer-grade search experiences Genius Results
  13. 23 ©NIWATO 2025 ユーザーに関連した情報を『提供する』 - AI Searchの特徴 AI SearchはNow Platformと外部コンテンツのインデックスを作成し、各検索機能に適用する。

    AI Search index Now Platform Table ナレッジ記事, カタログ, タスク etc Global search Service Portal Now mobile Virtual Agent Workspace search Machine Learning NLU & NLP Analytics External contents
  14. 24 ©NIWATO 2025 ユーザーに関連した情報を『提供する』 - AI Searchの特徴 AI Searchはユーザーの行動を機械学習し、検索結果を動的に表示することで、ユーザーの意図に合わ せた関連性の高い検索結果を表示する。

    AI Search 結果改善ルール (検索結果の意図的な調整) ストップワード 同義語 検索プロファイル Configuration Options インデックス化&レキシカル検索 Search Logic タイポグラフィー ※1NLUモデルによるセマンティック検索はGenius Resultのみ機能する。 User Experience NLU&セマンティック検索 MLによりユーザークリック履歴に 基づく関連性スコアリング Genius Result 多言語サポート 様々な検索アプリケーションに適用可能 添付ファイル検索 ※1 ※2セマンティック検索は、言葉の意味や文脈を理解してユーザーの意図に沿った検索結果を提供する検索。 ※2
  15. 25 ©NIWATO 2025 AI Searchを設定する際の流れ 4つの設定を経て、検索アプリケーションごとに詳細な設定をすることが可能。 Indexed Source Search Source

    Search Profile Search Application Application 検索可能なデータベー スやテーブルの「デー タソース」を定義しま す。たとえば、インシ デ ン ト テ ー ブルや ナ レッジベース記事など を指定し、AI Search がインデックス化する 対象を決めます 特 定 の 条 件 やフィ ル ターを適用して「検索 可能なコンテンツ」を 設定します。たとえば、 「ポータルで表示可能 なカタログアイテムの み」といった絞り込み を行います。 複数のSearch Source を組み合わせ、検索の 「動作や優先順位」を 定義します。ユーザー ごとの検索体験をカス タマイズし、どのソー スからどの順番で結果 を表示するかを決めま す。 Search Profileを具体 的なアプリケーション (例: サービスポータ ル、モバイルアプリ) に適用し、「検索の表 示 や イ ン タ ラクシ ョ ン 」 を 設 定 します 。 ファセットやソートオ プションなどもここで 構成されます。 Knowledge Table Service Catalog Task table All Knowledge Articles Service Portal Catalogs All Incidents Workspace profile Portal profile Workspace application Portal application Service Operation Workspace Employee center Virtual Agent インデックス 検索エクスペリエンス 検索アプリケーション
  16. 26 ©NIWATO 2025 AI Searchの検索プロセス AI Searchはクエリに対してコンテンツの内容がどれだけ一致するかを表示するレキシカル検索と、 Genius Resultによる関連度によってカード表示するセマンティック検索がある。 クエリの処理

    ユーザー クエリ 機械学習による関連性も含めた スコアリング Application Search Profile Search Application クエリ検索 同義語 レキシカル ストップワード タイポ 結果改善ルール NLU セマンティック ServiceNow Tables External Contents Search Source Indexed Source スコアが高い順 に結果を表示 Genius Result用の カードを生成し結果表示 [ais_datasource]
  17. 28 ©NIWATO 2025 Now Assist in AI Search Now Assist

    in AI Search は、ユーザーの質問に対して、 Q&A – Genius Resultsによる要約文の生成とAction Genius Resultsによるカード形式の最も関連性の高い検 索結果で回答します。 Highlights: • Retrieval Augmented Generation(RAG)検索によ る強化されたGenius result • モデルのトレーニングや調整は必要なし Next evolution of Search from ServiceNow Q&A – Genius Results Action Genius Results AI Search
  18. 29 ©NIWATO 2025 Now Assist in AI Searchによる検索のプロセス ユーザーが質問を入力すると、AIが言葉を整理して意味を理解し、キーワードと内容の両方で検索、 関連性の高い情報を絞り込み、わかりやすい回答や提案として返してくれる仕組みです。

    ユーザー クエリ クエリの 置き換え 埋め込み モデル 関係性の ランク付け Now LLM 回答の 組み合わせ VA/Catalog/KB データソース ハイブリッド 検索 セマンティック キーワード 検索ワードの入力 AIが理解できる オブジェクトに変換 よりシンプルな数値 に変換 2つの方法で検索を 実施 ベクター化した データソース 検索結果の順位を調整 上位のKB記事をもとに 回答の生成と提案 Augmented Generation チャンク データストア データを小さく 分割した塊
  19. 31 ©NIWATO 2025 Yokohama Release Update Yokohamaにおける検索系のアップデートには大きな変化ない印象ですが、中でも重要なポイントをピッ クアップ。Workflow Data Fabricの登場により外部コンテンツとの連携は今後注目したいところ。

    数値あいまい検索 ナレッジブロックを 検索可能にする 外部コンテンツ連携の 新連携方法が登場 AI Searchによる数値あいまい検索が可能になる。 たとえば、”23583” を検索すると、ナレッジ記事”KB00023583”と 問題”PRB00023583”が検索結果として返される。 ServiceNow Docs : Yokohama の新機能と製品 – AI検索 2025/03/20 ServiceNow Docs : 数値のあいまい検索 AI 検索 2025/03/20 23583 AI Search KB00023583 PRB00023583
  20. 32 ©NIWATO 2025 Yokohama Release Update Yokohamaにおける検索系のアップデートには大きな変化ない印象ですが、中でも重要なポイントをピッ クアップ。Workflow Data Fabricの登場により外部コンテンツとの連携は今後注目したいところ。

    数値あいまい検索 ナレッジブロックを 検索可能にする 外部コンテンツ連携の 新連携方法が登場 ナレッジブロックは、共通して利用さ れる記事をモジュール化し、複数のナ レッジ記事で使い回せるようにする機 能です。 このナレッジブロック内の記事も含め てAI Search / Now Assistで検索可能に なるため、別のナレッジを参照するよ うな記事でも、その記事を含めて、検 索と要約ができるようになります。 ServiceNow Docs : Yokohama の新機能と製品 – AI検索 2025/03/20 KB0010022 製品マニュアル記事 問い合わせ先
  21. 33 ©NIWATO 2025 Yokohama Release Update Yokohamaにおける検索系のアップデートには大きな変化はない印象だが、中でも重要なポイントをピッ クアップ。Workflow Data Fabricの登場により外部コンテンツとの連携は今後注目したいところ。

    数値あいまい検索 ナレッジブロックを 検索可能にする 外部コンテンツ連携の 新連携方法が登場 新登場したWorkflow Data Fabricの機能であるExternal Content Connector によりAI Searchと外部コンテンツの連携が以前よりも簡単になって登場。 ServiceNow Docs : Yokohama の新機能と製品 – AI検索 2025/03/20 Workflow Data Fabricは、ServiceNowが 提供する新しい仕組みで、企業の中でバラ バラに存在するデータを一つにまとめて、 リアルタイムで使えるようにする。 以前の外部コンテンツ連携は廃止の傾向に 入るので、今後はコチラを利用すること。 ServiceNow community : Workflow Data Fabric – External Content Connector 2025/03/20