Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
%sの話
Search
NV
September 15, 2018
Technology
1
1.3k
%sの話
@IoTSecJP東京 Version4.0
NV
September 15, 2018
Tweet
Share
More Decks by NV
See All by NV
ゲームのボツデータを見てみよう
nvsofts
1
510
eMMCの話
nvsofts
2
2.2k
DOOMに関するあれこれ
nvsofts
0
480
よくあるバックドアの話(公開版)
nvsofts
2
530
IoTハックに使える買って良かったと思うもの
nvsofts
0
2.1k
BLEな()おもちゃを調べてみる
nvsofts
3
1.3k
Other Decks in Technology
See All in Technology
猫でもわかるS3 Tables【Apache Iceberg編】
kentapapa
2
180
DjangoCon Europe 2025 Keynote - Django for Data Science
wsvincent
0
550
OPENLOGI Company Profile for engineer
hr01
1
26k
MySQL InnoDB Data Recovery - The Last Resort
lefred
0
110
AI-in-the-Enterprise|OpenAIが公開した「AI導入7つの教訓」——ChatGPTで変わる企業の未来とは?
customercloud
PRO
0
160
Gateway H2 モジュールで スマートホーム入門
minoruinachi
0
140
使えるデータ基盤を作る技術選定の秘訣 / selecting-the-right-data-technology
pei0804
5
1k
フルカイテン株式会社 エンジニア向け採用資料
fullkaiten
0
5.5k
MCPを理解する
yudai00
14
10k
DynamoDB のデータを QuickSight で可視化する際につまづいたこと/stumbling-blocks-when-visualising-dynamodb-with-quicksight
emiki
0
150
テストって楽しい!開発を加速させるテストの魅力 / Testing is Fun! The Fascinating of Testing to Accelerate Development
aiandrox
0
170
クラウドネイティブ環境の脅威モデリング
kyohmizu
2
400
Featured
See All Featured
Code Reviewing Like a Champion
maltzj
523
40k
How to Create Impact in a Changing Tech Landscape [PerfNow 2023]
tammyeverts
52
2.5k
ReactJS: Keep Simple. Everything can be a component!
pedronauck
667
120k
Scaling GitHub
holman
459
140k
Practical Tips for Bootstrapping Information Extraction Pipelines
honnibal
PRO
19
1.2k
The Invisible Side of Design
smashingmag
299
50k
The Power of CSS Pseudo Elements
geoffreycrofte
75
5.8k
The Cost Of JavaScript in 2023
addyosmani
49
7.8k
Being A Developer After 40
akosma
91
590k
GitHub's CSS Performance
jonrohan
1031
460k
Principles of Awesome APIs and How to Build Them.
keavy
126
17k
VelocityConf: Rendering Performance Case Studies
addyosmani
329
24k
Transcript
%sの話 NV (@nvsofts)
自己紹介 名前:NV ◦ Twitter: @nvsofts 個人サークル「えぬえす工房」代表 ◦ https://www.ns-koubou.com/ ◦ 最近は市販機器をハックする同人誌を書いています
普段は都内にあるセキュリティ会社でIoTセキュリティなどをやっています
%s
お察しの通り 今回は、sprintf()などで使用する書式文字列である”%s”に関する話です
これ、IoT関係あるの??
これ、IoT関係あるの?? あります!
これ、IoT関係あるの?? あります! 実は特定の使われ方で見かけることがあるからです ◦ 何度も見かけているので、偶然ではないはずです
使われ方 1. どこかから入力を取ってくる 2. 入力と書式文字列を元にsprintf()系関数でコマンドを作成する 3. 作成したコマンドをsystem()関数で実行する
コード例 ARM Linuxで、以下のコードをコンパイルした際のアセンブリコードを見る int main(int argc, char *argv[]) { char
buf[1024]; if (argc != 2) { return 1; } snprintf(buf, sizeof(buf), "cp %s data", argv[1]); system(buf); return 0; }
アセンブリコード
アセンブリコード
アセンブリコード
プログラムの動作 引数に与えられたファイル名をdataというファイル名でコピーする 例:/etc/hoge.datをdataというファイル名でコピーする $ ./test /etc/hoge.dat
これって・・・ 脆弱性あるのでは?って思った人
これって・・・ 脆弱性あるのでは?って思った人 → 正解!
これって・・・ 脆弱性あるのでは?って思った人 → 正解! OSコマンドインジェクションの脆弱性があります
脆弱性を突く 例えば、こういうコマンドにしたら? $ ./test '; echo Hello!; /bin/true '
脆弱性を突く 例えば、こういうコマンドにしたら? $ ./test '; echo Hello!; /bin/true ' 実際に実行されるコマンドは
cp ; echo Hello!; /bin/true data となる
なんでこんなのがあるのか? (独断と偏見が多分に入っています)
なんでこんなのがあるのか? (独断と偏見が多分に入っています) → C言語を「すごいシェルスクリプト」として使っている可能性? ◦ 組み込みLinuxを「面倒なことをやってくれるやつ」的な扱いをしている? ◦ 単にコマンドを実行する用途にsystem()関数を使うあたり、そういう感じがする
なんでこんなのがあるのか? (独断と偏見が多分に入っています) → C言語を「すごいシェルスクリプト」として使っている可能性? ◦ 組み込みLinuxを「面倒なことをやってくれるやつ」的な扱いをしている? ◦ 単にコマンドを実行する用途にsystem()関数を使うあたり、そういう感じがする → sprintf()系関数は入門者でも知っているくらい有名
◦ とりあえずこれ使えばやりたいことを実現できる、的な考え?
対策 入力をサニタイズする ◦ 一般的な対策
対策 入力をサニタイズする ◦ 一般的な対策 そもそもsystem()関数を使わない ◦ system()関数はシェルを通すため、’;’などのシェルで意味を持つ文字が使える ◦ fork()してexec()するならそういうことはない ◦
もちろん、/bin/sh –c ~をexec()したらダメ ◦ 加えて、想定外の文字種が入っていないかの検査もするべき
まとめ sprintf()系関数とsystem()関数の組み合わせは、脆弱性を生む可能性 が高い 実行ファイルの文字列を”%s”などで検索すると、脆弱性が見つかるかも? ◦ 今回はこれが言いたかった