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複数事象の比較を通した仮説設定の段階的指導の効果 ―中学校理科「電流とその利用」の単元における...
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佐久間直也
December 19, 2021
Education
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複数事象の比較を通した仮説設定の段階的指導の効果 ―中学校理科「電流とその利用」の単元における継続指導を例に―
2021年12月19日(日)
日本科学教育学会2021年度第2回研究会(若手活性化委員会開催)
ポスター発表
佐久間直也
December 19, 2021
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Transcript
〇佐久間 直也 筑波大学附属中学校 問題の所在 • 仮説設定をいくつかの段階に分割した指導 • 学級内で仮説を共有する指導 提案する指導法 提示した事象
方 法 研究デザイン 中村 大輝 広島大学大学院 仮説設定の質の評価基準 (Arnold et al., 2018; 中村, 2018を参考に作成) これまでの効果検証(佐久間・中村,2021)での実験群2 学級と統制群2学級で同様に提案する指導法を実践する. 仮説設定の質の得点と自由記述式のアンケートを分析. 0点 1点(2点) 独立 変数 独立変数が不明確 or 記述されていない. 独立変数が明確に特定され ている. 従属 変数 従属変数が不明確 or 記述されていない. 従属変数が明確に特定され ている. 変数間 の 関連性 独立変数をどのように 変化させたときに従属 変数がどのように変化 するかの関係性が記述 されていない. 独立変数をどのように変化 させたときに従属変数がど のように変化するかの関係 性が明確に示されている. 原理 変数間の関係性がなぜ 成り立つのか説明でき ていない. 変数間の関係性がなぜ成り 立つのかの説明に飛躍や破 綻がある(1点). 変数間の関係性を論理的に 説明できている(2点). 代替 仮説 複数の仮説を検討して いない. 複数の仮説を検討している. ➢ 学習者の思考過程からの乖離などといった 複数の課題が指摘されている. ① 結果の違い(従属変数)への気付き ➢ 事象間で水の上昇温度の大きさが異なる 結果と考察 ② 原因(独立変数)への気付き ➢ 電熱線の電圧,電流,長さが違う 事象A 事象B 仮説設定の思考過程(中村・松浦,2018をもとに作成) 群 元実験群(n = 77) 元統制群(n = 77) 前回 本実践 前回 本実践 独立変数 0.96 (0.19) 1.00 (0.00) 0.74 (0.44) 1.00 (0.00) 従属変数 0.94 (0.24) 0.96 (0.19) 0.73 (0.45) 0.96 (0.19) 変数間の関連 0.95 (0.22) 0.97 (0.16) 0.38 (0.49) 0.99 (0.11) 原理 1.70 (0.49) 1.48 (0.64) 0.35 (0.74) 1.57 (0.55) 代替仮説 0.99 (0.11) 0.86 (0.35) 0.67 (0.47) 0.87 (0.34) 合計 (6点満点) 5.54 (0.79) 5.29 (0.89) 2.87 (1.80) 5.39 (0.63) 仮説設定の質の平均点(標準偏差) 1.元実験群のわずかな得点減少 ・ 因果関係の検討で躓きが見られた ➢ 前回から一貫して高い得点を示している 2.元統制群の大きな得点向上 ➢ 前回より平均点が大きく向上(g = 1.76) ➢ 単元を超えて一貫した効果を持つ。 ➢「仮説を立てやすくなった」と記述 3.全体に共通した課題 ・ 仮説設定を難しいと感じている。 ・ 仮説を一つに選択する際の根拠(原理) ➢ 苦手意識の軽減,題材の工夫 ・ 代替仮説の得点の減少 ➢ ワークシート及び評価方法の改善 ・ 仮説と予想の混同 仮説設定の研究動向(中村・雲財・松浦,2018) 指導法の開発と効果検証(佐久間・中村,2021) 〇 学習の理解度及び仮説設定の質に有効 × 生徒の記述負担の増加など複数の課題 2種類の電熱線と水温の上昇