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SSII2025 [SS2] 横浜DeNAベイスターズの躍進を支えたAIプロダクト
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画像センシングシンポジウム
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May 26, 2025
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SSII2025 [SS2] 横浜DeNAベイスターズの躍進を支えたAIプロダクト
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May 26, 2025
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Transcript
横浜DeNAベイスターズの躍進を ⽀えたAIプロダクト 2025.5.29 ⼤⻄克典 (DeNA)
© DeNA Co., Ltd. 2 ⾃⼰紹介 • ⼤⻄克典 • 略歴
◦ 2014-2017: 東京⼤学原⽥牛久研でComputer Visionの研究 ▪ 修士時代: CVPR, ACMMM, AAAI ◦ 2017: DeNAに新卒で⼊社 ▪ 横浜DeNAベイスターズ×AIプロジェクトの新規⽴上&主導 • 現在のRole ◦ プロダクトマネージャー 1
© DeNA Co., Ltd. 3 アジェンダ • ベイスターズチーム強化 × AIプロジェクト:プロダクト具体例
◦ Catcher skill metric ◦ 投⼿コマンド ◦ スイング動作解析 • AIをユーザー価値に繋げるための⼯夫 ◦ プロダクトマネジメント ◦ アジャイル 2
© DeNA Co., Ltd. 4 プロダクト具体例 Catcher skill metric 投⼿コマンド
スイング動作解析
© DeNA Co., Ltd. 5 Catcher skill metric • キャッチャーの各スキルを定量的に評価できるように
1 Data Trackman / Hawkeye AI model Skill visualization
© DeNA Co., Ltd. 6 Catcher skill metric • 1球単位で捕逸確率を予測
◦ ブロッキングスキルをより正確に評価 1 Old stats 暴投 or 捕逸 10-0 or 0-10 ⽚⽅の責任 / 減点⽅式 / ⼀律評価 AI stats 捕球難易度を推定 2 : 8 責任割合の分解 / ⽌めたら加点 / 難易度で評価に濃淡
© DeNA Co., Ltd. 7 Catcher skill metric • 単にデータ提供だけでなく、可視化まで⼀貫して作成
◦ 詳細な分析や振り返りも可能に 1
© DeNA Co., Ltd. 8 Catcher skill metric • 現在地点と⽬標地点を明確にできるのが最も効果的だった
◦ 選⼿が漠然と練習から明確な⽬的意識を持って練習に ◦ コーチもデータがあることではっきりと選⼿に伝えやすくなる 1 もっとブロッキング 良くせんとあかんぞ 全然体⼊れられてないやん うーん…やっぱそうですか わかりました (あまりしっくりはきてない) コーチ 選⼿ ブロッキングで-4点分損してるぞ! 特に曲がり球逸らしまくってる (実際に映像⾒せながら) ほら!全然体⼊れられてないやん ほんとですね…! そこもっと重点的に勉強します コーチ 選⼿
© DeNA Co., Ltd. 9 投⼿コマンド • コマンドとは? 2 コントロール
枠の中に投げる能⼒ 四球% 今永選⼿ > ⼤貫選⼿ ≧ ⽯⽥健選⼿ コマンド 狙ったところに投げる能⼒ 実際の制球⼒ ⼤貫選⼿ ≧ 今永選⼿ > ⽯⽥健選⼿ [2023]
© DeNA Co., Ltd. 10 投⼿コマンド • コマンド能⼒を測定可能に 2 映像からミット構えた位置を推定
コマンドスコア化
© DeNA Co., Ltd. 11 投⼿コマンド • 単にデータ提供だけでなく、可視化まで⼀貫して作成 ◦ 詳細な分析や振り返りも可能に
2
© DeNA Co., Ltd. 12 投⼿コマンド • Pitcher skill metricの活⽤
◦ コマンドスキルの定量化によってPitcher版skill metricが作成可能に 2 コーチたちとデータを ⾒ながら議論する定例 選⼿へのFB
© DeNA Co., Ltd. 13 スイング動作解析 • 試合でのスイングを動作解析できるように 3 ハイスピードカメラ
600fps 4台 解析点を3D検出 関節 / バット / ボール 簡易分析ツールも作成 バイオメカニストによる動作解析
© DeNA Co., Ltd. 14 スイング動作解析 • バイオメカニストのFB件数を激増させることに成功 3
© DeNA Co., Ltd. 15 AIをユーザー価値に繋げるための⼯夫
© DeNA Co., Ltd. 16 AIをユーザー価値に繋げるための⼯夫 • キーワードはこの⼆つ ◦ プロダクトマネジメント
◦ アジャイル 1
© DeNA Co., Ltd. 17 AIをユーザー価値に繋げるための⼯夫: プロダクトマネジメント • プロダクトマネジメントって…? ◦
『⼈はドリルが欲しいのではなく⽳をあけたいのだ』 (セオドア・レビット) ◦ 『もし顧客に、彼らの望むものを聞いていたら彼らは「もっと速い⾺が欲しい」 と答えていただろう』(ヘンリー・フォード) • 投⼿コマンドの例で紹介 2
© DeNA Co., Ltd. 18 AIをユーザー価値に繋げるための⼯夫: プロダクトマネジメント • コマンドは計測できるようになったが… ◦
当初のリクエスト:1軍レベルの制球⼒を知りたい 2 2軍投⼿コーチ 制球⼒が測れなくて困ってる 1軍レベルのコマンドって どれくらい? AIチーム コマンドを計測可能にしました! でもここが1軍レベルって ライン特になかったです… いやいや! コマンド計測できるようになった だけでめっちゃありがたい ここで終わっていいのだろうか…?
© DeNA Co., Ltd. 19 AIをユーザー価値に繋げるための⼯夫: プロダクトマネジメント プロダクトの4階層フレームワークで整理 • 2軍投⼿コーチはコマンドを知りたいのではない
◦ 1軍レベルに選⼿を引き上げたい 2
© DeNA Co., Ltd. 20 AIをユーザー価値に繋げるための⼯夫: プロダクトマネジメント • 開発⽅針をpivot ◦
1軍ラインとコマンドスコアのギャップを埋めるべき! • Pitcher版skill metricの発⾒ ◦ コマンド+他データで1軍ラインまでの距離がわかることを解明 2 コマンドスコア ??? ルーキー 1軍平均レベル 1軍レギュラー
© DeNA Co., Ltd. 21 AIをユーザー価値に繋げるための⼯夫: アジャイル • アジャイルとは? ◦
シンプルだが動くものを作って、ユーザー価値を検証しながら進めていくこと ◦ 例)⽔を貯めるバケツを作る 3 各部品をシーケンシャルに開発 • 完成系のイメージを基にそれぞれ作る • 各部品完成後に結合 最低限動くものを少しずつ作る(MVP) • スコープをギリギリまで絞る • バケツ:まずは⽔を掬える浅い桶
© DeNA Co., Ltd. 22 AIをユーザー価値に繋げるための⼯夫: アジャイル • ウォータフォールとアジャイルの違いの1例 3
メリット • 開発難易度が低い • スケールしやすい デメリット • 結合してみるまで動くかわからない • 仕様変更や障害への対応難易度⾼い デメリット • 開発難易度が⾼い • スケールしにくい メリット • 動かしてみての課題が常に把握できる • 変更や障害に柔軟に対応しやすい
© DeNA Co., Ltd. 23 AIをユーザー価値に繋げるための⼯夫: アジャイル • スイング動作解析 ◦
3D検出だが、実は皆さんが想像してるような⾼度なアルゴリズムは使ってない ◦ ベースは固定環境で2Dkeypoint検出を最後三⾓測量してるだけ • なぜか? ◦ 過去別プロダクトでの失敗を踏まえての開発プロセス ▪ 昔あれもこれも詰め込んでリリースしたが、実際にユーザーの価値にはつな がらない機能ばかりなプロダクトを作った失敗があった… ◦ なのでまずは最短でシンプルに作って、ユーザーに実際にぶつけてみた 3
© DeNA Co., Ltd. 24 AIをユーザー価値に繋げるための⼯夫: アジャイル • ユーザーの反応 ◦
関節点に関してはこれで既に精度⼗分 ▪ 600fps下では⼈の関節の移動量は⼩さい ▪ 移動平均取れば⼗⼆分な精度が出る ◦ ただバットの軌道だけは移動量が⼤きく、ここだけもっと精度欲しい ▪ バットの精度向上に注⼒することに! 3
© DeNA Co., Ltd. 25 AIをユーザー価値に繋げるための⼯夫:まとめ • プロダクトを作ることは、仮説を検証すること ◦ プロダクトマネジメント
▪ What/Howだけでなくその上のWhy/Visionまで常に考える • これを作ればいいはずはあくまで仮説 ◦ アジャイル ▪ シンプルに動くものを作ってユーザー価値を検証しながら進める • ユーザーが本当に欲しいものは誰も知らない(ユーザー⾃身含め) • 必要な精度は解決したい課題によって決まる 4
© DeNA Co., Ltd. 26