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Rustソースコードのざっくりとした歩き方 🦀
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TaKO8Ki
August 30, 2023
Programming
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Rustソースコードのざっくりとした歩き方 🦀
https://techfeed.io/events/techfeed-experts-night-24
TaKO8Ki
August 30, 2023
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Transcript
Rustソースコードのざっくり とした歩き方 🦀 Takayuki Maeda / TaKO8Ki
• Rust committer (member of compiler contributors team and diagnostic
working group) • Rust Foundation 2023 Fellow Takayuki Maeda / TaKO8Ki @TaKO8Ki @TaKOBKi
テーマ
rustcのコードをほとんど読んだことないRustacean がコントリビュートするための ざっくり入門編
セットアップ
セットアップ 「Rust Compiler Development Guide」という素晴らしいドキュメントがある。 ref:
https://rustc-dev-guide.rust-lang.org
とりあえずgit cloneしてみる。 $ git clone https://github.com/rust-lang/rust.git $ cd rust
セットアップ rustリポジトリのbuildにはx.pyというツールを使います。これで標準ライブラリ含めて 丸っとbuildできます。 ref: https://rustc-dev-guide.rust-lang.org/building/bootstrapping.html
次にsetupしてみる。色々出てくるので最後compilerを選択する。 $ ./x.py setup
VSCodeユーザー向けに setting.jsonが自動的に追加される。 ref: Configuring rust-analyzer for rustc
その他サブコマンド (cargoと同じ感じ): $ ./x.py check $ ./x.py build $ ./x.py
test $ ./x.py fmt $ ./x.py clean
いよいよ、buildしてみる。 $ ./x.py build
buildしたcompilerをcargoやrustcで使う。 $ rustup toolchain link stage1 build/[your host]/stage1 $ cargo
+stage1 -vV $ rustc +stage1 -vV
準備が整ったのでとりあえずテストを実行してみる。 $ ./x.py test
セットアップ デバッグはどうやるのか? ref: https://rustc-dev-guide.rust-lang.org/compiler-debugging.html
backtraceが欲しい時は、 $ RUST_BACKTRACE=1 cargo +stage1 build
エラーの発生箇所が知りたい場合は、 $ RUSTFLAGS='-Z track-diagnostics' cargo +stage1 build
また、Rustではloggingにtracingというtokio organizationで開発されて いるcrateを使っている。 ref: Using tracing to debug the compiler
$ RUSTC_LOG=rustc_parse=debug cargo +stage1 build
セットアップ 基本は、修正 → UIテスト追加 → ./x.pyでテスト実行して壊れてないか確認 → プルリク の流れが多い。
コードを読んでみる
コードを読んでみる 全ては紹介しきれないので、まず、比較的優しい気がするparserを読んでみる。parse はparseがprefixとしてつくmethodやfunctionを目印に読んでいけばいい。 Rustのparserはトップダウンな再帰下降パーサー。 ref: https://rustc-dev-guide.rust-lang.org/overview.html#lexing-and-parsing
entry pointは、 - Parser::parse_crate_mod - Parser::parse_mod
parse_modを読み進めてみる。
parse_modを読み進めてみる。 上から順に見ていくと、 ここでloopでitemをparseしてそう
次にparse_itemに飛んでみる。
parse_item_を実行しているのでそっちに行ってみる。
parse_item_はこんな感じなのでそれっぽいparse_item_commonを見て みる。
parse_item_はこんな感じなのでそれっぽいparse_item_commonを見て みる。
まだコアの実装ぽいところにきて無さそうなので、parse_item_common_に ジャンプする。
まだコアの実装ぽいところにきて無さそうなので、parse_item_common_に ジャンプする。
なんかそれっぽくなってきた。 Parser::parse_item_commont_
なんかそれっぽくなってきた。 Parser::parse_item_commont_
拡大すると、なんか色々やってそうなmethodが見える。
ついにparse_item_kindに辿り着いた。
例えばここでenumをparseしてる。
せっかくなので、parse_item_enumも覗いてみる。
確かにmethodの下の方でコンマ区切りでEnum variantをparseしてそう。
では、ここで変更加えてbuildしてみる。 例えばこのエラーメッセージでリポジトリ 内を検索してみると
するとUIテスト用のファイルが見つかる。 tests/ui/structs-enums/issue-103869.rs
コードを読んでみる UIテストとは何か? > tests that check the stdout/stderr from the
compilation and/or running the resulting executable コンパイルによるstdout/stderrと 実行可能ファイルを実行した結果をチェックするためのテスト ref: https://rustc-dev-guide.rust-lang.org/tests/compiletest.html#test-suites
では適当なdebug用のcrateを作ってmain.rsに下記をコピペしてみる。
試しにstage1コンパイラでbuildしてみると、 $ cargo +stage1 build
こういうエラーが得られる。
こういうエラーが得られる。 さっきparse_item_enumで見つけたエ ラーがある
試しにエラーメッセージを変更してみる。 perhaps you meant to use `struct` here foobar
再度buildする。 $ ./x.py build
もう一度デバッグ用のcrateをbuildしてみると、確かにエラーが変わってる。
これであなたもRustコントリビューター 🦀
コードを読んでみる rustc_parseの他にもRustリポジトリにはさまざまなcrateがある。 - rustc_ast_lowering - rustc_ast_passes - rustc_hir - rustc_hir_typeck
- rustc_borrowck などなど。
コードを読んでみる 例えば rustc_ast_lowering はrustc_parseで作ったASTをHIRにloweringするため のcrate。lowerがprefixなmethod、functionが目印。
rustc_ast_loweringのentry pointは、 rustc_ast_lowring::lower_to_hir
同じように覗いてみると、
同じように覗いてみると、 ast_indexごとにlower_nodeを呼んでそう
lower_nodeの実装は、
ここまでくるとなんかいけそう
同じように下に読み進めていけば良さそう
コードを読んでみる 基本はこんな感じで下記のようなcrateなら読める。 - rustc_resolve - rustc_hir - rustc_hir_typeck rustc_borrwckとかは割と複雑で難しい。
実際にissueに取り組 んでみる
実際にissueに取り組んでみる 今回は自分が過去に取り組んだ比較的シンプルなissueを参考に見てみます。 “consider dereferencing here” help doesn’t account for
operator precedence of the deref operator · Issue #105429 · rust-lang/rust
issueを見ると、下記のソースコードが与えられた時に、
このようなエラーが得られるとあります。(現時点では修正済み)
正しくないのはこの箇所です。
実際はこのようにdereferenceする必要があります。
検索したり-Zフラグを使ってエラーの発生箇所を特定してみると、 ref: rustc_trait_selection/src/traits/error_reporting/suggestions.rs#L778
検索したり-Zフラグを使ってエラーの発生箇所を特定してみると、 ref: rustc_trait_selection/src/traits/error_reporting/suggestions.rs#L778
やる必要があるのは、dereferenceする対象がmethodのreceiverの際に 特別なハンドリングをすること。 ref: rustc_trait_selection/src/traits/error_reporting/suggestions.rs#L778
何から始めたらいいか分からないと仮定してまず、spanに定義ジャンプしてみ る。 ref: rustc_trait_selection/src/traits/error_reporting/suggestions.rs#L778
ありました。これがspan。ObligationCauseのspanというfieldから取れるっ ぽい。 ref: rustc_trait_selection/src/traits/error_reporting/suggestions.rs
obligationはここでも使われてる。codeという概念があるらしい。 ref: rustc_trait_selection/src/traits/error_reporting/suggestions.rs
obligation.causeのなかにエラー発生箇所のspanなどの情報が詰められて そう?なことが分かる。 今回のissueではintoなのでargはありませ んが、これは引数のことっぽい。 ref: rustc_trait_selection/src/traits/error_reporting/suggestions.rs
obligation.causeのなかにエラー発生箇所のspanなどの情報が詰められて そう?なことが分かる。 また、hir_idというのが取れると、それがどう いうNodeかチェックできるっぽい ref: rustc_trait_selection/src/traits/error_reporting/suggestions.rs
このNode enumの定義を見てみる。 ref: rustc_trait_selection/src/traits/error_reporting/suggestions.rs
このNode enumの定義を見てみる。
このNode enumの定義を見てみる。
このNode enumの定義を見てみる。
さらにExpr structに飛んでみる。
Exprはkindを持ってるので、これでmethodのreceiverかどうか判別できる のでは?
でもarg_hir_idはあるが、対象のexprがmethod callで対象がその receiverかどうか判別できないとダメそう。 試しにFunctionArgumentObligationを見に行ってみる。
それっぽいのがあるので、いけそう!
ということでこの実装をcall_hir_idを使って修正してみる。
None
call_hir_idを元にexprがmethod callかど うか判別できた
あとはmethod callでかつ対象がそのreceiverの時だけ()で 囲ってdereferenceすればいい
実際にissueに取り組んでみる あとはUIテストを書いて全てのテストにパスすることを確認して、プルリクの完成 Suggest dereferencing receiver arguments properly by TaKO8Ki
· Pull Request #105595 · rust-lang/rust
まとめ
© Money Forward, Inc. まとめ • 基本は「Rust Compiler Development Guide」を読めば大体のことが分
かる。 • 下に下に掘り下げていけば割と読める。 • 分からないことはある程度推測しながら身につけていけば、全体像が見え なくても修正を加えたりできる。
We are hiring!
None