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スタートアップ・フィット・ジャーニー Version 2

スタートアップ・フィット・ジャーニー Version 2

スタートアップが PMF (Product/Market Fit) に到るまでの段階を細分化し、それぞれの段階で何をするべきなのかの指針をまとめました。Version 1 に比べて、特に初期の市場選定や戦略策定のところを大きく追加してます。
チームでの認識合わせなどにお使いください。

Version 1 はこちらです。
https://speakerdeck.com/tumada/pmf-nidao-rumadefalsesutezibie-zhi-zhen-ji

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Transcript

  1. PMF している状態とは 製品を求める顧客が殺到して、会社のほうが事業成長の律速に なっている状況が Product-Market Fit の状態と言える。 4 顧客 顧客からの「買いたい」という

    問い合わせで圧倒される サーバーを増強してもすぐに サーバーが止まる 人を採用しないと処理できないが、 採用が追いつかない 顧客からの機能要望などの リクエストに追いつけない 殺到 会社内部では問題が次々に起こる が、売上自体は急成長している
  2. PMF 前後の状況の違い PMF に至るまでは岩を押し上げ、至ってからは転がっていく岩 を追いかける、それが PMF の前後で起こることです。 https://openmoji.org/ (CC BY-SA

    4.0) 7 PMF PMF 後の状況 • 顧客の機能リクエス トや問い合わせに圧 倒される • 人を雇わなければ追 いつけないけれど人 を雇うスピードも追 いついていない • 週次 10% 成長達成 PMF 前の状況 • 必死に頑張るが手 ごたえがない • 偽の希望で右往左 往する • 週次 1% 成長
  3. ③ Strategy/Customer Fit (戦略/顧客フィット) 14 Market Market Strategy Fit Strategy

    Customer Fit その戦略を実現するための 最初の顧客は誰か?
  4. ④ Customer/Problem Fit (顧客/課題フィット) 16 Market Market Strategy Fit Strategy

    Customer Fit Customer Problem Fit その顧客が 必死になっている 課題はあるか? Customer
  5. ⑤ Problem/Solution Fit (課題/解決策フィット) 17 Market Market Strategy Fit Strategy

    Customer Fit Customer Problem Fit Problem Solution Fit その課題は 何かの解決策で 解決できるのか? Customer
  6. ⑥ Solution/Product Fit (解決策/製品フィット) 18 Market Market Strategy Fit Strategy

    Customer Fit Customer Problem Fit Problem Solution Fit Solution Product Fit その解決策は 製品やサービスに 十分にできるか? Customer
  7. ⑦ Product/Market Fit (製品/市場フィット) 19 Market Market Strategy Fit Strategy

    Customer Fit Customer Problem Fit Problem Solution Fit Solution Product Fit Product Market Fit その製品は 大きな市場から強く 求められているか? Customer
  8. この製品でのスケールアップと、戦略の次の段階へ 20 Market Market Strategy Fit Strategy Customer Fit Customer

    Problem Fit Problem Solution Fit Solution Product Fit Product Market Fit 戦略の次の段階へ Customer この製品での スケールアップへ
  9. フィット・ジャーニー = 一般的な仮説検証の順序 仮説を重要度順に並べたときの、一般的にやるべき仮説検証の 順序となっています(順番が異なる事業もあります) GTM = Go to Market

    の略です 22 順番 固定軸 検証対象 やること ① Market 市場の選定 ② Market Strategy 戦略の構築 ③ Strategy Customer 顧客の選定 ④ Customer Problem 課題の検証 ⑤ Problem Solution 解決策の検証 ⑥ Solution Product 製品化 ⑦ Product Market GTM の検証 重要な仮説から 順に検証していく
  10. 実際は行ったり来たりしながら進んでいきます この順序でまっすぐ進むわけではなく、各フィットは行ったり 来たりを繰り返しながら進んでいきます。 GTM = Go to Market の略です 24

    順番 固定軸 検証対象 やること ① Market 市場の選定 ② Market Strategy 戦略の構築 ③ Strategy Customer 顧客の選定 ④ Customer Problem 課題の検証 ⑤ Problem Solution 解決策の検証 ⑥ Solution Product 製品化 ⑦ Product Market GTM の検証 課題がなかったから 顧客を変えよう GTM がうまくいかない から顧客を変えて やり直そう 技術がまだ成熟してない から市場から考え直そう 課題が解決できないから 課題を考え直そう
  11. スタートアップ・フィット・ジャーニーの version 1 ジャーニーの version 1 では、顧客から始まり、市場や戦略は 重視していませんでした(なくても IT 市場なら何とかなる時代でした)

    28 Customer Customer Problem Fit Problem Solution Fit Solution Product Fit Product Market Fit Market Market Strategy Fit Strategy Customer Fit ここがなかった (なくてもなんとかなった)
  12. 1. Market 33 Market Market Strategy Fit Strategy Customer Fit

    Customer Problem Fit Problem Solution Fit Solution Product Fit Product Market Fit Customer
  13. Market (市場) 選定でやること 34 達成目標 • 大きな市場、もしくは急激に成長しそ うな市場の特定 推奨される活動 •

    有識者や投資家へのヒアリング • 足元の急激な変化の予兆の探索 • 海外のシード段階のスタートアップの 調査 Market 選定 ステージ 自己資金 売上達成目安 0 従業員数目安 共同創業者のみ ビジネス上の 達成目標 • 市場の特定 メトリクス (アウトカム) なし 製品開発 なし 推奨される 活動例 • 有識者や投資家への ヒアリング • 足元の変化の探索 • 海外のシード段階の スタートアップ調査
  14. 市場の「大きさ」「課題」「不確実性」を把握する 最初のステップでは市場を決めるための情報を集めるところか ら始める。特に以下のような 37 市場の大きさ 十分に大きな市場か & これから大きくなる市 場かどうかを考える。 ただし、抽象的すぎる

    市場の切り取り方をし ないこと(例: 『製造 業』など) 市場レベルでの課題 市場レベルでの課題 (症状)を特定し、 • 課題の構造 • 起こっている理由 • 今後起こりうること などを把握する。 市場の不確実性 不確実性が高いからこ そ参入や成長が可能。 そのため、 • 短期的に過小評価さ れている可能性 • 大きく変化する可能 性 等の仮説を作る。
  15. 「短期」「長期」の両方を考える 市場選定には「短期」「長期」の両方の市場の変化を見た上で、 これらを行き来しながら市場を選定します。 40 短期的な市場変化 長期的な市場変化 短期的な変化に目を向ける。 • 参入戦略において重要 •

    ただしこれだけだとスモール ビジネスに留まりがち 長期的な変化に目を向ける。 • 事業の最大値を決める • ただしこれだけだと足元の事 業の土台が作りづらい
  16. 短期的な市場変化を見る方法 短期的で急激な変化や兆しを理解する方法として、以下のよう な活動があります。 42 ① 市場の調査 各市場の概況やプレイ ヤーを調査する。 • 広い視野で見ている

    投資家等におすすめ の市場を聞く • 海外のスタートアッ プの具体例を調べる • 規制等の変化を見る ② 体験や見聞 一部の人しか知らない ようなことから、市場 の変化の予兆を掴む。 • 自分のいた領域での 急激な変化 • 最先端にいる人たち がしていること ③ 不確実性 新規性が高く、不確実 性が極端に高い市場や 技術を選ぶ。 • 2010 年前後の スマートフォン • 2025 年だと AI の 応用など
  17. 長期的な変化の方向性見る方法 長期的な市場変化を捉えるための考え方の一例は以下の通りで す。 43 ① 大きな方向性 長期的な変化や、既に ある未来(人口動態) などを調べる。 •

    政府資料を調べる • 長期で物事を考えて いる人の話を聞く • 長期で起こりうるこ とを議論する ② 不変性 人の不変的な性質に目 を向ける。 • 安く早く欲しい • 欲望の模倣 ③ あるべき姿 社会はあるべき姿に落 ちていくと考え、その 姿を考える。 • 理想的な視点 • 公益的な視点 • 長期的な視点
  18. 市場の「調査」の悪いパターン、良いパターン 44 悪い活動例 ✖ 一人で考える(行動もしない) ✖ 深いデスクトップリサーチをし ていない ✖ 市場構造の理解に努めない

    ✖ 海外の企業調査を怠る、もしく はしない 良い活動例 ◎ VC や市場関係者にヒアリングを する ◎ 上場企業も含めて類似企業を調 査する ◎ 市場構造の調査を詳細に行う ◎ 同市場の海外のスタートアップ や上場企業の情報を徹底的に調 べる
  19. 市場の「選定」の悪いパターン、良いパターン 45 悪い活動例 ✖ 今の市場規模だけを見る(将来の市 場規模や市場の変化のほうが大事) ✖ 「自分が今できること」を考え て市場の選択肢を絞る(小さな市場 を選びがちになる)

    良い活動例 ◎ 将来の市場規模や市場の変化の 大きさを推定して選ぶ ◎ 自分ができなくとも、大きな機 会がある市場を中心に選ぶ ◎ 海外のスタートアップの動向も 把握する
  20. Market 2. Market/Strategy Fit (MSF) までにやること 49 Market Strategy Fit

    Strategy Customer Fit Customer Problem Fit Problem Solution Fit Solution Product Fit Product Market Fit MSF に至るまでに やること
  21. Market/Strategy Fit までにやること 50 達成目標 • 適切な中長期の事業目標を決める • 事業領域のルールとプレイブックを把 握する

    • 説得力のある勝ち筋の仮説を作る 推奨される活動 • 目標、価値、時間、資源の道筋をつけ るための壁打ち • 類似スタートアップの戦略調査 • 仮説リストと仮説マップを作る Market/Strategy Fit まで ステージ 自己資金 売上達成目安 0 従業員数目安 共同創業者のみ ビジネス上の 達成目標 • 中長期の事業目標の 決定 • 領域のルールとプレ イブックの仮説作成 • 勝ち筋の仮説の特定 メトリクス (アウトカム) なし 製品開発 なし 推奨される 活動例 • 壁打ち • 類似企業の戦略調査 • 仮説リスト・マップ の作成
  22. 最初の一手(事業)だけを考えるのではなく… 75 • ◦ ◦ • • • • ◦

    • この事業から 参入しよう これが現状の 市場だとして…
  23. 攻める『順序』を考えるのが戦略の重要な一要素 ある程度の妄想とある程度の合理性で、自分たちの事業や打ち 手の順序と目標達成ができるかを考えておきます。 76 • ◦ ◦ • • •

    • ◦ • この事業から 参入すると… ◦ • ◦ • ◦ • 次にこの事業が できるように なるので • • • • • • ◦ • ◦ • • • • • • • • • • • • • • ◦ • • ◦ • • • ◦ • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • 市場の重要な 位置を取れて さらにこう 展開すると… 目標が達成 できるのでは? これが現状の 市場だとして…
  24. 順序は逆算と順算との挟み撃ちをしながら検証する 常に逆算と順算との『時間的な挟み撃ち』を考えながら打ち手 を考えます。 77 • ◦ ◦ • • •

    • ◦ • 目標達成のためには 本当にこの 参入方法で OK? ◦ • ◦ • ◦ • • • • • • • ◦ • ◦ • • • • • • • • • • • • • • ◦ • • ◦ • • • ◦ • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • •
  25. 資源についての仮説を作る 資金調達の計画など、資源についての大まかな仮説を立てます。 80 調達 • どのように資金調達 をするか • どのような人を採用 していくか

    等を考えます。最初は 大まかな資本政策だけ で構いません。 適合性 • どのようなケイパビ リティを育てるか • それぞれの資源の相 乗効果はあるか 等を考えます。何を中 長期的な強みしていく のかを大まかに考えま す。 トレードオフ • 手元の資源をどこに 配分するか • 競合が模倣しづらい やり方か 等を考えます。どこか を尖らせることを考え ておくのが一つの手で す。
  26. (参考)ルールとプレイブックとは? ルールとプレイブックを調べて、長期的な勝ち筋を考える土台 を作ります。作業仮説のレベルでも構いません。 82 ゲームのルール その領域がどういったルールで動い ているかを知ります。 • 何が勝利条件なのか •

    どうすればその勝利条件を満たせ るのか といったことが把握できていないと、 「勝ち方」が分かりません。 ゲームのプレイブック その領域やスタートアップのノウハ ウ集のことです。一般的な方法論を 知っておくことで、不要な失敗を避 けることができます。 ただしプレイブックに準じすぎると、 独自性のある戦略を描きづらくなる ので、どこかでプレイブックを逸脱 することも意識します。
  27. 競合の戦略の情報収集 生成 AI などを活用しながら、類似企業の戦略をまず把握するこ とをお勧めします。 85 広めの調査 資金調達の情報や Web の記事を検索し、複数

    社の大まかな動向を調 査する。 直接的な競合以外も含 めて 100 社程度は見た ほうが良い。上場企業 の情報も見る(最後は そこと比較される) 詳細は音声や動画 詳細な情報は CEO の インタビュー Podcast や動画のほうが詳細に 語ってくれていること が多い。 NotebookLM などで各 社の情報をまとめると 便利。 知財や補助金資料 技術情報は表に出づら いので、Lens などで競 合の知財を調べて知財 戦略を大まかに把握。 政府補助金の報告資料 等に詳細な技術が欠い てあることも多いため、 それもチェックする。
  28. テンプレート提供中 疑問・仮説リストと仮説マップを作る このビジネスをやるために「正解である必要がある」仮説を見 定め、その仮説を検証するための準備を行います。 https://review.foundx.jp/entry/hypothesis-list-template 86 疑問・仮説リストを作る 自分の持っている疑問と仮説をとに かく書き出し、疑問は検索や生成 AI

    で調査、仮説は重要なものを選 んで検証する。 棄却した仮説も含めて残しておくと、 これからの社員の参考にもなるので 便利。 仮説マップを作る 仮説の関係性をマップ化し、整理す るとともに「どの仮説がクリティカ ルなのか」「どの仮説を正解にすれ ば勝ちなのか」を整理する。
  29. Market 3. Strategy/Customer Fit (SCF) までにやること 90 Market Strategy Fit

    Strategy Customer Fit Customer Problem Fit Problem Solution Fit Solution Product Fit Product Market Fit SCF に至るまでに やること
  30. Strategy/Customer Fit までにでやること 91 達成目標 • 長期戦略に合致した、参入戦略の策定 推奨される活動 • 参入事業の戦略の仮説を作る

    • 顧客リストを作る Strategy/Customer Fit まで ステージ 自己資金 売上達成目安 0 従業員数目安 共同創業者のみ ビジネス上の 達成目標 • 長期戦略に合致した、 参入戦略 メトリクス (アウトカム) なし 製品開発 なし 推奨される 活動例 • 参入事業の戦略の仮 説を作る • 顧客リストを作る
  31. Market 4. Customer/Problem Fit までにやること 102 Market Strategy Fit Strategy

    Customer Fit Customer Problem Fit Problem Solution Fit Solution Product Fit Product Market Fit 次のフィット に至るまでに やること
  32. Customer/Problem Fit までにやること 103 達成目標 • 顧客ニーズの発見と検証 • 創業チームの組成準備 推奨される活動

    • 顧客インタビュー 50 件以上、顧客の 行動の写真撮影 500 枚以上 • 共同創業者候補との壁打ち、巻き込み • 受託やコンサルで課題探索など • 現場に 100 回行って顧客を知る、現 場で働く Customer/Problem Fit まで ステージ 自己資金 売上達成目安 0 従業員数目安 共同創業者のみ ビジネス上の 達成目標 • 顧客ニーズの発見と 検証 • 創業チームの組成 メトリクス (アウトカム) なし 製品開発 なし or MVP (LP 等) 推奨される 活動例 • 顧客インタビュー 50 件以上 • 共同創業者候補との 壁打ち&巻き込み • 受託開発で課題探索
  33. 112

  34. Market 5. Problem/Solution Fit (PSF) までにやること 121 Market Strategy Fit

    Strategy Customer Fit Customer Problem Fit Problem Solution Fit Solution Product Fit Product Market Fit PSF に至るまでに やること
  35. Problem/Solution Fit に到るまでにやること 122 達成目標 • 課題を解決できる解決策の検証 • 課題解決価値(お金を払ってくれる か)の検証

    推奨される活動 • MVP の作成 • インタビューとセールスの繰り返し Problem/Solution Fit まで ステージ 自己資金 (or エンジェ ル、プレシード) 売上達成目安 0 従業員数目安 共同創業者のみ ビジネス上の 達成目標 • 課題を解決できるか の検証(製品以外の 手段でも検証可) • 課題解決価値の検証 メトリクス (アウトカム) • 熱狂的な顧客を複数 人 製品開発 MVP (コンシェルジュ 型MVP 等) 推奨される 活動例 • MVP の継続的なリ リース • 顧客インタビューと セールスの繰り返し • 現場 100 回
  36. ロジックモデルの詳細 ロジックモデルのそれぞれの段階では以下のようなものが当て はまる。 129 インプット/ リソース インパクト アクティビ ティ アウトプッ

    ト/実装 アウトカム 開発された 製品や機能 製品によっ て顧客が得 る成果 (例: 時間削 減、省力化、 楽しみ) 社会的なイ ンパクト 製品開発の 作業 時間やお金、 人など
  37. 製品と同じアウトカムを手作業で提供する例 少し頭をひねれば、同じアウトカムを手作業で提供できる。 133 機械学習での推薦 自分たちで推薦してみる。 実践例) Magic レビューサイト レビューを集めてきて提供 する。ニュースレターなど

    で情報を送る。 実践例)Product Hunt マッチング 自分たちでマッチングして みる。あるいは自分たちが マッチングを受けた体で働 く。 実践例)Doordash、 HomeJoy、Lugg ロボット ロボットの代わりに人間が やってみる。 機械翻訳 コンピュータの代わりに人 間が翻訳する。 実践例)IBM
  38. Photo by Dave Thomas, released under the Attribution Creative Commons

    license. http://www.paulgraham.com/bio.html 136 「今すぐこれを欲しがるのは 誰だ?」 「誰も聞いたことのない二人 だけのスタートアップが作っ たクソみたいなバージョン 1 でさえ使うほどに、これを欲 しているのは誰だ?」 もし答えられないのなら、そ れはおそらく悪いアイデアだ。 Paul Graham “How to Get Startup Ideas” 参考 Masa Kakinoki さん訳『スタートアップのアイデア を得る方法』
  39. Market 6. Solution/Product Fit (SPF) までにやること 142 Market Strategy Fit

    Strategy Customer Fit Customer Problem Fit Problem Solution Fit Solution Product Fit Product Market Fit SPF に至るまでに やること
  40. Solution/Product Fit に到るまでにやること 143 達成目標 • 製品開発可能性検証 • 製品体験全体の検証 •

    セールス方法の検証 推奨される活動 • コア機能を素早くローンチ • 顧客と話す(セールスする、サポート する) Solution/Product Fit まで ステージ シード資金調達前後 売上達成目安 0 ~ 2,000 万円(年) 従業員数目安 共同創業者のみ ビジネス上の 達成目標 • 製品開発可能性検証 • 製品体験全体の検証 • セールス方法の検証 メトリクス (アウトカム) • 売上 (LOI) や DAU • その他の先行指標 製品開発 少人数の顧客に愛され る Working Prototype 推奨される 活動例 • 素早くローンチ • 顧客と話す(セール ス、サポート)
  41. Market 6. Solution/Product Fit (SPF) までにやること 150 Market Strategy Fit

    Strategy Customer Fit Customer Problem Fit Problem Solution Fit Solution Product Fit Product Market Fit PMF に至るまでに やること
  42. Product/Market Fit に到るまでにやること 151 達成目標 • 価格の検証 • 市場の規模の検証 •

    成長チャネルの検証 • ビジネスモデル検証 推奨される活動 • ローンチ(何度も) • チャーンの削減 • チャネルの実験と最適化 Product/Market Fit まで ステージ シリーズ A 前 売上達成目安 1 ~ 1.5 億円(年) 従業員数目安 できる限り少なく ビジネス上の 達成目標 • 価格の検証 • 市場の規模の検証 • 成長チャネルの検証 • ビジネスモデル検証 メトリクス (アウトカム) • LTV と CAC • 製品独自の KPI 製品開発 顧客に愛されて口コミ が起こる製品 推奨される 活動例 • ローンチ(何度も) • チャーンの削減 • チャネルの実験と最 適化
  43. 顧客開発のジャーニー (Steve Blank) リーンスタートアップの前身となった顧客開発のプロセスは PMF 後ぐらいまでをカバーするモデル。 アントレプレナーの教科書[新装版] 161 顧客実証 Customer

    Validation (有償販売と拡張性の確認) 顧客発見 Customer Discovery (ニーズの確認) 組織構築 Company Building (本格販売) 顧客開拓 Customer Creation (市場参入、需要開拓) ピボット 自分という仮説が顧客の 課題を解決するかどうか を検証するフェーズ • 仮説の記述 • 仮説の検証と洗練 • 製品コンセプトの検 証と洗練 • 確認 顧客発見で検証されたア イデアで成長できるかを 検証するステージ • 販売の準備 • エバンジェリスト ユーザーへの販売 • 企業と製品のポジ ショニング 実証したビジネスモデル を実行して需要を開拓、 顧客を獲得する • 市場投入の準備 • 企業と製品のポジ ショニング • 製品の市場参入 • 需要開拓 ビジネスモデルを本格的 に展開していくために組 織化するステージ • メインストリーム顧 客基盤の構築 • 文化の課題 • 機能別部門への移行 • 即応性の向上 1 2 3 4
  44. MIT の Disciplined Entrepreneurship MVP ぐらいまでのビジネス寄りの考え方をステップで紹介して いる。ただし直線的なプロセスではないので注意。 ビジネス・クリエーション 163 1.

    市場を細分化する 2. 足がかり市場を決める 3. エンドユーザーとは? 4. 足がかり市場の規模 は? 5. 潜在顧客をイメージす る 6. 製品のフルライフサイ クルを知る 7. 製品仕様を視覚化する 8. 製品価値を数量化する 9. 見込み客10人を見つ けよう 10. 事業のコアを定義する 11. 戦略的ポジショニング とは? 12. 意思決定者の調査 13. 顧客の獲得プロセス は? 14. 次の市場規模を算出す る 15. ビジネスモデルを設計 する 16. 価格体系を決める 17. 足がかり市場の収益を よむ 18. 顧客への販売プロセス を見直す 19. 顧客獲得コストを算出 する 20. 新ビジネスの仮説と は? 21. 主要な仮説を検証する 22. 製品・サービスは実用 最小限に 23. 顧客が代金を払ってく れるか再検証 24. 製品の成長戦略を練る
  45. 更なる文献 • スタートアッププレイブック • スケールしないことをしよう • スケールしないことをしよう、PRの方法 • 東京工業大学 EDP

    Toolkit • PMF(プロダクトマーケットフィット)の大切さと実例、はか り方、見つけ方: 基礎編 • FoundX Review の PMF タグ 166
  46. FoundX とは 168 東京大学 FoundX は東京大学 産学協創推進本部の下部組 織です。東京大学 本郷キャンパスの近くに 3

    つの施設を構 え、起業志望者向けのプログラムを複数提供しています。 投資は行いませんが、無償での個室貸与やプログラムの提 供、起業家コミュニティへの参加を支援します。 興味 情熱 Fellows (6 か月) Pre-Founders (6 か月) Founders (9 か月) 共同創業者 の説得 有利な 資金調達 フル コミット ビジネス 実績 初契約 初売上 製品開発 と改善 助成金や コンテス ト 賞金の獲 得 Review, Resource, School 試行 錯誤 アイデア の種 検証された アイデア 起業家の 基礎知識 &スキル プロト タイプ 顧客イン タビュー
  47. FoundX の提供する起業家支援プログラム & リソース 主に東京大学の卒業生向けに、無償のスタートアップ支援プロ グラムや学習リソースを提供。 169 チーム向け Founders Program

    事業と起業家の成長を、コ ミュニティを通して達成す るプログラム。個室を無償 で最大 9 か月間貸与。 個人向け Studio Program 特定の領域のアイデアでア イデアを育てるためのプロ グラム。 学習リソース FoundX Review 平日ほぼ毎日更新し、ス タートアップのノウハウ情 報を提供。カテゴリ別のま とめは FoundX Resource。 FoundX Online School 動画形式でスタートアップ の基礎を学べる。
  48. スライド著者 & FoundX 運営 馬田隆明 (東京大学 FoundX ディレクター) University of

    Toronto 卒業後、日本マイクロソフトでの Visual Studio のプロダクトマネージャーを経て、テクニカルエバンジェリス トとしてスタートアップ支援を行う。スタートアップ向けのスライド、 ブログなどの情報提供を行う。 サイト: https://takaumada.com/ 170 スタートアップの 方法論の基礎 Amazon (2017年3月) 起業環境の重要性と アクセラレーター の設計方法 Amazon (2019年4月) スタートアップの 公共や規制との 付き合い方 Amazon (2021年1月) スタートアップに ついてのスライド Slideshare SpeakerDeck