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組織を AI との協働に最適化する ~ AI と人が補完しあって成長し続ける組織の作り方 ~

組織を AI との協働に最適化する ~ AI と人が補完しあって成長し続ける組織の作り方 ~

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Ryosuke Yoshizaki

June 25, 2025
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  1. @2024-2025, Wadan inc. copyright All Rights Reserved 2 吉崎 亮介

    よしざき りょうすけ エンジニア 起業家 その他 2007~2014 2014~2016 舞鶴高専 京都大学大学院 2017~2023 2024~ 株式会社キカガク 代表取締役 株式会社和談 代表取締役社長 2022~2024 2024~ 株式会社エイチーム 社外取締役 株式会社RY Capital 代表取締役 2024~ 文部科学省アントレプレナーシップ推進大使 自己紹介・経歴 Profile 創業者 1人→80人 和やかなコミュニケーションを作りたい 東証プライム上場企業役員 ベンチャー投資家 日本を代表する 55人が任命
  2. @2024 wadan inc. copyright All Rights Reserved 3 組織を AI

    との協働に最適化する AI はチャット UI という誰でも使いやすい皮を被った本当は『超高度な技術』 AI と働くありたい組織の姿を考えていく前に前提のすり合わせ 技術をビジネスに寄せるよりも『ビジネスを技術に寄せる』方が合理的 個人的なスタンス
  3. 4 @2024-2025 Wadan, inc. copyright All Rights Reserved 新しい技術であっても「問題設定」の質を高めることが先が鉄則で、解の質を高めることは後! ありたい姿に向かう時に解(ツール)から考えてはならない

    イシュー度 高 解の質 高 解の質 低 イシュー度 低 正 し い ル ー ト イシュー度を高めて から解の質を高める 間違ったルート イシューを深掘りする 前に解の質を高める 課題 解決 人事領域の課題解決 正しいルート 間違ったルート 少子化社会でも さらに価値を出す 人材戦略を練る AI のツールを導入 することで時代に ついていく AI を人と協働する 人事戦略の一環と 位置付けることで 最適な組織を構築 個別最適された ツールばかり枝葉で 導入されて整合性が 一切取れない 組織を AI との協働に最適化する
  4. @2024-2025 Wadan, inc. copyright All Rights Reserved 5 AI はツールにあらず、

    調達可能なリソースである AI が変えるものはツールか? No!! イメージとしては「鎖国」。 鎖国の解放で調達が不可能 だったリソースが使えるように なったように外部環境が 大きく変化している 人事にとっては調達リソースと捉えて 組織の最適化が迫られているが ここが全然認識されていない。 AI 人間 候補者 従業員 鎖国の外側 鎖国の内側 調達可能な領域 実際に扱う領域 人間と働く前提で「無意識の制約」がかかっている AI でも働きやすい会社にしていくのも人事の仕事では? * 人を物のようにリソースと表現するのは抵抗があり本望ではないが、便宜上容赦してほしい
  5. STEP 01 STEP 02 STEP 03 STEP 04 @2024-2025 Wadan,

    inc. copyright All Rights Reserved 6 コスト構造の大変革こそ、AI の導入が不可欠な理由 組織を AI との協働に最適化する AI は性能で語らず、ビジネスに必要なことは「費用対効果」 性能が足りない 性能は足りるが 費用が高い 性能に対する 投資効果が見合う 費用が下がり 費用対効果に納得 AI に関しては自社開発が難しいため外部要因が大きかった 【現時点がここの印象】最新のモデルを全員で使うのは難しい 最重要かつ努力が不可欠なパート。ここに注力しないと恩恵なし あらゆる仕事に消費するように大量の AI が使えるようになる
  6. 1 2 3 @2024-2025 Wadan, inc. copyright All Rights Reserved

    7 掃除機を前提に作られた空間ではルンバがどれだけ高性能でも通ることができない。 ルンバブルの観点で AI も取り組まないと性能を活かしきれない 個別最適した結果、整合性が取れない 時間経過とともにどんどん変えにくくなる 障害(中):高性能が必要な構造 障害(大):通れない構造 性能が向上すればある程度クリアできる ただし、その高性能なものを買うのは高い 障害(小):たまに失敗する構造 普段は現れないエッジケースによって ほぼ全自動で問題ないが不定期に止まる 1 2 3 組織を AI との協働に最適化する
  7. STEP 01 STEP 02 STEP 03 STEP 04 @2024-2025 Wadan,

    inc. copyright All Rights Reserved 8 個別最適が進む人事のプロセス 採用 育成 配置 評価 それぞれのステップに向き合うも「正しい行動」とは何か?の正体が言語化できない 正しい行動とは何か?「正しい人事」とは? 組織を AI との協働に最適化する そもそも、人事のスコープだけで「最適な人事」を議論できるのか?
  8. @2024-2025 Wadan, inc. copyright All Rights Reserved 9 △ 権限に依存

    論理的思考力 全体最適のための判断材料がないために悪気なく個別最適に陥る 個別最適化 判断材料 判断力 現場の人間では経営会議や部長会議に参加できないために判断材料が少なく、判断がずれる 個別最適される判断の正体 組織を AI との協働に最適化する AI の 得意分野
  9. 10 @2024-2025 Wadan, inc. copyright All Rights Reserved 組織を AI

    との協働に最適化する 個別最適を改善するためには少なくとも自分の上の階層に関しての理解が必要 End-to-End (E2E) での組織の最適化がこれからのトレンド 経営 人事 開発 採用 育成 カリキュラム作成 → 実施 → ... 市場調査 → プロトタイプ → ... 従来は KPI などの数値に落とした指標で繋がざるを得なかったが、AI の登場により行動を規定する プロセスの手続きを文章化すれば、AI が見て全体通した最適化ができる(筆者は既に地道に改善中) 募集 → 面接 → ... 新規事業 既存事業 機能改善 → 指標計測 → ... この図の階層は便宜上のイメージであり 実際には戦略から全部署や各業務プロセスまで 深く繋いでいく 行動 数値 結果の 一部 リソースの最適化 (ケースバイケースの正体)
  10. @2024-2025 Wadan, inc. copyright All Rights Reserved 11 人間から問いかけ トリガーをどのタイミングで使うかだけ

    性能は同じ リアクティブ(受動) 多くの人が AI を使えないという正体は使えないのではなく「問い」が立てられていない 組織を AI との協働に最適化する AI Agent よりもプロアクティブな AI がトレンドになると予想 AI から問いかけ プロアクティブ(能動) 人事でコスト的に 難しかった社員の 状態把握もより鮮明に
  11. @2024-2025 Wadan, inc. copyright All Rights Reserved 12 ドキュメントのチェックは 自動で行いたい

    エンジニアの文化にはすでに根付いている 新しい提案のレビューまでに自動でテスト 部署や時間を超えた背景まで 含んだ最適化や検証は 全ての人間には到底不可能 プロアクティブな AI はリアクティブな AI と 性能は変わらない。 「どう使うか」で成果が大きく変わる。 コスト的に AI を大量消費できるならば AI に新しい提案を都度検証させることは 現実味を帯びてきている。 質の高いフィードバックを即時に 行えることは最高の教育である ユーザーは AI を使っている 意識をしなくて良い
  12. @2024-2025 Wadan, inc. copyright All Rights Reserved 13 掃除機とルンバの真の違いはリアクティブかプロアクティブか。ルンバブルな組織を目指す道筋 組織を

    AI との協働に最適化する 問題設定の質を高めることが先、解は後の正体 リアクティブ AI プロアクティブ AI コ ス ト 高 コ ス ト 低 多くの企業が使う 現在のチャットサービス ガイドラインを整備して AI が通りやすい組織作り イシューに刺さっていない AI のコストを下げようと してしまう 組織で End-to-End に 最適化された ガイドラインで仕組み化 向かっている未来 人はより新しい挑戦や 従来にない枠組みへの 挑戦に時間を使える
  13. @2024-2025 Wadan, inc. copyright All Rights Reserved 14 振り返りを行ってプロンプトを改善 行動や判断の

    ガイドライン (プロンプト) 日々の振り返りが AI のガイドラインを育てる 多くの人が年間数百チャットしても、そのプロンプトは常に消費され続けている。 最も深刻な問題は「この問題を問題と認識できていないこと」である。 今日からできるガイドラインの育て方 組織を AI との協働に最適化する 行動 成果物 * 筆者は GitHub でプロンプトを管理して、タスクを終えるごとに AI と振り返りでプロンプトを更新 ほとんどの人は ここを軽視して 毎日同じ AI と会話
  14. STEP 01 STEP 02 STEP 03 @2024-2025 Wadan, inc. copyright

    All Rights Reserved 15 今日から始めるルンバブルな組織づくりへの3つのステップ 組織を AI との協働に最適化する まとめ 現状把握 小さな実験 大きな改善 「正しい人事」の正体を恐れずに言語化してみる 人事プロセスのガイドラインを日々の仕事から振り返り育てる プロアクティブな AI を導入して人事の問題を E2E で解決