Regional Scrum Gathering Tokyo 2025 での講演資料です。
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スクラムを実践する皆さんに「あなたのチームのリーダーは誰ですか?」と質問したとします。すると多くの人は、プロダクトオーナー(PO)もしくはスクラムマスターと答えるのではないでしょうか。
しかし、ここにプロダクトマネージャー(PdM)が絡んでくると、そのリーダーシップの構図が一気に複雑になります。
私は研究者として、PdMとスクラムチームの関係を研究してきました。そこで得られた洞察のうち特に注目しているのが「実はPdMこそがチームのリーダーとして機能しているのではないか?」という仮説です。しかもPdMとPOが別々の場合、スクラムチームのメンバーは、PdMを真のリーダーと捉え、POをチーム内のリーダー、あるいは中間管理職として見てしまう傾向にある、という初期の調査結果もあります。
このようにして考えると、スクラム界隈でよく言われる「POとPdMは同一人物であるべき」という主張は、リーダーシップの観点から見ると「真のリーダーがチーム内にいるべきかどうか」という根本的なテーマに結びつく可能性があります。
現在検証中のこの仮説を基に、この講演ではスクラムチーム内でリーダーシップがどのように機能しているのか、その実態に迫ります。
また関連して、いわゆる「フィーチャーファクトリー」のような問題がなぜ発生するのかも、リーダーシップが鍵を握っているかもしれません。検証の結果次第では、そのメカニズムについてもお話しできるかもしれません。
スクラム実践者としての視点から、PdMとスクラムチームの関係性を新たに見つめ直し、あなたのチームにどのように応用できるのかを一緒に考えてみませんか? この講演を通じて、スクラムとリーダーシップの新たな可能性を探っていきましょう。