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Project Sprint 学生版(入門編)
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COPILOT Inc.
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March 14, 2024
Education
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Project Sprint 学生版(入門編)
立教大学経営学部で、「知識創造理論」を扱っている西原ゼミの学生インターンの皆さんが再構築した「Project Sprint」の学生版です。
COPILOT Inc.
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March 14, 2024
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Transcript
Project Sprintについて 作成:コパイロツト学生インターンチーム1 学生版入門編
1. Project Sprintができた経緯 2. Project Sprintが目指す状態 3. Project Sprintのシステム・仕組み 2
Agenda
3 01 Project Sprintができた経緯
プロジェクトは予測できなくなった 変化が激しい社会になり、プロジェクトの状況も刻一刻と変わっていくため プロジェクトを 小さく繰り返す実験・長期的に予測できないもの として捉える Point:プロジェクト少人数で定期的に繰り返し行うことで成果を出し続ける プロジェクトメンバーが自律的に活動することうまくいく ❶多様・ユニークな専門性を持ったメンバーが状況に合わせて決める ❷承認プロセスを最低限とし、チームで決めて素早い検証を繰り返す 4
Project Sprint(PJS)を提案している時代的な背景
とりあえず始まったプロジェクトは、上手くいけば行くほど、 プロジェクトリーダーが、さらに頑張るしかない状況になっていく... プロジェクトをリードするチームを作ること Issue2 リーダー/マネージャ ーの2つの人格を往復 する Issue1 対応する業務領域が 徐々に
幅広くなる Issue3 プロジェクトリーダー の稼働が事前に見積も りしづらい 解決策 5 プロジェクトが進むとプロジェクトリーダーが抱える問題が増える
リーダーが一方的にメ ンバーに影響を及ぼす リーダーとメンバーの双方 向で影響力を及ぼし合う リーダー・メンバー同士で 双方向の影響力を及ぼし合 う A E C
B D A E C B D A E C B D 6 リーダーシップの3タイプ
リーダーが一方的にメ ンバーに影響を及ぼす リーダーとメンバーの双方 向で影響力を及ぼし合う リーダー・メンバー同士で 双方向の影響力を及ぼし合 う A E C
B D A E C B D A E C B D 7 リーダーシップの3タイプ
プロジェクトや各メンバーの状況に合わせ、 各メンバーがリーダーシップを発揮している状態 A E C B D A E C
B D A E C B D 8 リーダーシップがシェアされている状態とは
シェアドリーダーシップの状態には 「分化」と「統合」を同時に達成することが必要 分化 構成要素のそれぞれが自らの目標に向けて 自律的に動く状態 自らの目標を定め、自らの権限と責任のも と指示命令によらず自律的に動いている Point:チームメンバーが外に向けて自律的に 動き出すこと 統合
構成要素のそれぞれが一つの目標に向かっ て協調・連携しながら活動している状態 自らの目標を定め、自らの権限と責任のも と指示命令によらず自律的に動いている Point:チームメンバーが結束する方向に 動くこと 高い自律性を保持しながら、全体最適に向けて相互に連携・協力を行う状態をつくる 9 分化と統合:シェアド・リーダーシップより
チームメンバー全員が、プロジェクトを含めた環境の認識を揃えること で、プロジェクトを促進させる行動を生み出す。 環境とは、プロジェクトやメンバー、プロジェクトの外側にある社会・組 織など、プロジェクトやメンバーに影響を及ぼす全ての要素を含む。 環境の変化がどのようにプロジェクトに影響を及ぼすかは、メンバーの感 知・解釈により決定される。 10 なぜプロジェクトの共通了解を作る必要があるのか
環境(社会・組織) 変化の感知と解釈・意味付け プロジェクトチーム プロジェクトストーリー・メンバーの役割・期待値 反映 11 なぜプロジェクトの共通了解を作る必要があるのか
プロジェクト ステークホルダーとの交渉 12 プロジェクトのイメージ図
プロジェクト ステークホルダーとの交渉 プロジェクト プロジェクトチームが、外部環境 に対して価値を提供する活動。 プロジェクトチーム プロジェクトチームは、プロジェクトの 実行主体としてプロジェクトを構想し定 義し続ける責任と、外部のステークホル ダーに対する説明責任を負う。
また、プロジェクトに対して、共通認識 を持ち、達成に向けて、相互に協力し合 うメンバーの集まりである。 13 プロジェクトとプロジェクトチーム
14 02 Project Sprintが目指す姿
プロジェクトの変化に合わせ、 メンバーは自律的な活動ができる プロジェクトを推進する行動が チームの習慣となっている この状態を維持し改善し続けることができる仕組みとして、その他の開発や組織運営な どの領域で活用されている定例会議(定期的な対話)を活用する 統合と分化が起きている 定期的であり反復的 15 PJSが目指す状態
16 03 Project Sprintのシステム・仕組み
活動パート 対話パート 作成物 出力 1.納得する行動を起こす 2.作成物を通して、違和感や閃き を得る 3.次の対話に向け、準備する 1.プロジェクトの現状を把握する 2.チームがすべきことを洗い出す
3.次の対話までの行動を決める 17 PJSのシステム
活動 提案 対話 18 PJSに必要な具体的な行動とそのサイクル
対話 プロジェクトストーリー を考慮して、各議論で次 のタスクを出す プロジェクトストーリー やメンバーへの役割・期 待値などの認識を揃え続 ける チームメンバーによる定 期的な改善案提案
活動 次の会議までに、必ず作 成物を出力する ※作成物の大小や完成、 未完成は問わない 提案 作成物や出力時に感じた ことを使い、出力した人 が自分で会議の議題を設 定する 19 プロジェクトとプロジェクトチーム
活動の重要性:プロジェクトが進むためには何が必要か? プロジェクトが進むということは、チームメンバーがプロジェクトの成果につながる作成物 を出力する活動を行うこと。その活動から得られる情報を活用して、プロジェクトを理解・ 改善することで、より良い次の活動につなげることを繰り返す。 プロジェクトの成果に寄与する出力 プロジェクトをよくする気付き プロジェクト 活動 出力した 作成物
違和感/ ひらめき 20
対話の重要性:活動の意味は、自分自身も後からでしか把握できない 行動の結果である出力を用いた対話をおこなうことで、 自分の行動のプロジェクトにおける意味を自分でも初めて認識できる。 とにかく取り組んで動かしてみること、実験が大事。 活動 対話 出力した 作成物 21
活動・対話における「定期的」の重要性 決められた時間枠のなかで定期的 に活動する ・生産性を向上する(人間は必ず与えられた 時間のすべてを使い切る(パーキンソンの法則)) ・計画しやすくなる ・分析して改善しやすくなる フォーマットにそった進行で定期 的に対話する ・チームが納得した意思決定をしや
すくなる ・プロジェクトを観測しやすくなる ・分析して改善しやすくなる 22
会議の観点 ・会議の効果を最大化できる 会議の目的を達成しやすくなる 自分でアジェンダ提出をしやすくなる ・メンバーの会議参加意識が高まる 会議の進め方が改善しやすくなる 会議の進め方が決まるので、慣れてくると みんなで進行できる メンバーが会議を自分事にしやすくなる 会議以外の観点
・活動しやすくなる 予定されている会議のアジェンダがあること で、その対話に向けた活動がしやすくなる ・定期的な実践がしやすくなる 継続的改善アプローチなど定期的に実践した いものを忘れることがなくなる 23 会議をテンプレート化して進めるメリット
PJSのシステムとそれに必要なプロジェクトの3つの仕組み ※共通了解 Common understanding 二人以上の人々が同じ認識や理解を持っていることを指す。 ①定例会議と活動で 推進しつづける仕組み ②共通了解を つくりつづける仕組み ③定期的に
改善しつづける仕組み 定例会議 活動 短期・定期・反復 サイクル アジェンダ タスク 24
PJSにおける会議の考え方 ①問題解決の為の創造会議、意思決定の為の決定会議を 9人以下の少人数で行う会議をメインとする ②会議における決定は参加メンバー全員が 一旦納得し、決定したことである 25
ロードマップを意識しながら議論 作成物 定例会議 チーム メンバーの 役割 期待値 アジェンダ ロードマップ (ゴール)
定例会議 中間ゴール 中間ゴール 最終ゴール タスクの実践 で出力 気づきをアジェ ンダに記入 タスク 26 ※PJS全体像のイメージ
PJSのプロジェクト推進プロセス 定例会議 (対話パート) 個人活動 (活動パート) 27 ①これでよいと思え ることをやってみる ②対話によるプロジェクトの現状理解 各自が実践した行動の認識と意味づけ
④それぞれのメン バーが次の行動を 考え実行する ③プロジェクトストーリーを 更新し皆で納得する プロジェクト ストーリー
プロジェクトストーリーとは ・プロジェクトの進むべき方向性の認識合わせとして用いる ・要素としては、目的・価値(仮説ゴール)・中間目標(マイルストーン)がある ・プロジェクトにおいて目指すゴール・マイルストーンについて明文化を行い、 チームメンバーで認識を合わせる 目指すゴールがあればどのような行動を取れば良いかを考えることができるようになり、 その行動の認識をメンバーと揃えることで、各メンバーの期待値が揃いやすくなる環境を作る プロジェクトストーリーの立て方 ①今やるべきだと思っていることを洗い出す ②目的・価値(仮説)・制約を明文化しなぜここにいるかを理解する
③ゴールを明文化し、いつまでにどうなりたいか認識を揃える ④中間目標(マイルストーン)を明文化し、チームとして次のタスクの認識を揃える 28
プロジェクトが進む定例会議とは チーム全員がプロジェクトストーリーに納得し 活動が自律的になり改善し続ける その仕組みとなる定例会議を開催することでプロジェクトは推進する ポイント ◎各メンバーがそれぞれ活動し、必ず作成物を作る ◎自らアジェンダを提案し、プロジェクトストーリーを意識して対話する ◎メンバー同士の期待値をもとに次の会議までの活動を決める 29
定例会議のモデルアジェンダ 30 ①メンバー間の環境の 認識を揃える ②皆で納得できるプロジェクト ストーリーを作る 例)ロードマップを更新する ③次の行動について意思決定をする 例)次回会議までのタスク決定をする 定期的な改善施策
定例ミーティングを含んだフロー 各アジェンダ議論終了時、会議全体の議論終了時に議事録とタスクの共通認識を作る 31
会議の役割と進行イメージ アジェンダ 決定した次の行動 ディスカッション アジェンダ提案者 モデレーター ファシリテーター 「何が必要?」 「どんな提案内 容?」
「次の行動は?」 レコーダー 議事録 ひらめき/違 和感/問題/ 意思決定 助言 32
会議の進行と役割 役割 目的 会議冒頭 会議中 会議終了 アジェンダ提案者 (1人) アジェンダ内のメイン 進行
アジェンダ内容の共有 メンバーから助言を集 め次の行動を決定する モデレーター (1人) アジェンダ進行のサポ ート(議論しやすい環境 の構築・時間の管理) アジェンダ事前準備と 記入内容の合意 議論中に必要な資料、 ツール、アジェンダな どの画面共有、タイム キープ 次回アジェンダの決定 レコーダー (メイン・サブ) 議事内容の記録と共有 をする 議事録保存場所の共有 議事録作成、タスク管 理 決定事項とタスクの合 意 ファシリテーター (全員) 議論の成果をより良い ものにする 議論内容の質的向上ア ドバイス 決定事項とタスクの合 意 33
ファシリテーションの二つの役割 外面的プロセス 内面的プロセス 【ファシリテーション】 ゴール達成のために人の能力を引き出す 【モデレーション】 プロセスや活動を容易にする 成果の質的向上:ファシリテーター 進行のサポート:モデレーター メンバーの心理面や
思考面など 段取り、進行、 プログラムなど 34
意思決定までのプロセスとファシリテーション 35
36 自己紹介、役割・期待値セッション
2つのプロジェクト推進アプローチ 37
適応型における「問い直し」の重要性 •「問い直し」が必要な理由 社会背景の素早い変化によって不確実 性が上がっている。 ↓ 従来のテンプレートに従ったアプロー チは難しい。 ↓ 「問い直し」をすることで背景の変化 による不確実さに対応するとができる
•「問い直し」が特に必要なケース ①期間が長い ②繰り返す ③コミットが大きい ④プロセスがわかりづらい ⑤不確実性が大きい 38
予測型と適応型 予測型 適応型 ・プロジェクト開始時に要求事項を 定義・収集・分析できる。 ・反復的かつ漸進的であるため、 ①明確なビジョンを確立できる。 ②プロジェクトを進化させられる可能性が 高まる。 ・プロジェクトの開始当初に作成さ
れた計画に従うことが多いので、不 確実な状況に対応しづらい。 ・要求事項の不確かさと変動性が高い。 39
予測型・適応型の違い① アプローチ 予測型 ⇔ 適応型 イメージ 箱のような決められた枠組みがあり その範疇で進めていく スライムのように、枠組みのようなも のはなく状況に適応しながら進めてい
く。 成果 変更しない 変化する プロセス 変更しない 変化する ベース タスクベース 価値・成果ベース 40
予測型・適応型の違い② アプロー チ 予測型 ⇔ 適応型 スタンス 最初に大枠をしっかり決めてから 進めたほうが良いよね~ まずやってみなくちゃ何もわからない
よね~ 価値・成 果 序盤:最終成果に対して全員の合 意をつくる 中盤・終盤:決まった成果に対し て、事前に計画した要素を徐々に 分解する 序盤:一旦の納得を作る 中盤:試してみた結果をもとに見直す 終盤:一旦固定してやりきる プロセス 序盤:ゴールから逆算して決める 中盤・終盤:決まった進め方に対 して、事前に計画した進め方を分 解しながらタスクを実践する 序盤・中盤:反復的に一定期間の行動 を繰り返し、その結果から次の行動を 考える。 終盤:固定された成果をもとに計画し て進める 41
ロードマップパターンの例 種類 チーム内:週ごとに連携 / 価値・成果間:月ごとに連携 マイルストーン:プロジェクトを進めるため に設定する中間目標地点 ・目的や環境に合わせて、変化する前提で進める ・チームメンバーが約束できる短期の中間目標(マイルストーン) を定期的な反復で設定する
42 担当
アプローチの設定方法 ①プロジェクトの最終ゴールとそこに辿り着くまでのアプローチを決める ②アプローチに合わせて中間ゴールを設定する ③中間ゴール達成のために一定間隔で中間目標(マイルストーン)を設定する ↓ マイルストーンによってやるべきことが明確化され、メンバーそれぞれが集中して自律的 に進めることができる マイルストーン 中間ゴール 最
終 ゴ l ル (成果が約束できる時期と成果は?) (どんな成果がいつまでに必要か?) 43
PJSとはどのようなものなのかまとめ ・社会の環境変化が早く、予測不能であることから、全てのプロジェクトは取り組ん でみないと誰にも把握できないものと捉える。 ・活動を進めるには小さな決定を定期的に繰り返して、確かめながら徐々に進めるこ とが最も妥当な方法。 ・プロジェクトを成功に導くために、プロジェクトは探索的な小さな実験の繰り返し によって進むと解釈する。 ・短期間の定期・反復的な活動(スプリント)と対話(定例会議)によって実験を繰 り返し、検証しながらプロジェクトの変化に合わせて推進する。 ・この仕組みを継続的に改善し続けて習慣的な行動にする。
47