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Sports Analyst Meetup #12 Keisuke Fujii

Keisuke Fujii
December 19, 2021

Sports Analyst Meetup #12 Keisuke Fujii

侵入型スポーツの戦術的な動きのデータ解析

Keisuke Fujii

December 19, 2021
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Transcript

  1. Sports Analyst Meetup #12 侵入型スポーツの戦術的な動きのデータ解析 2021/12/19 藤井 慶輔 (@keisuke_fj) 1

    過去の発表: https://logmi.jp/persons/7514 論文(詳細):https://www.fujipress.jp/jrm/rb/robot003300030505/ Keisuke Fujii, Data-driven Analysis for Understanding Team Sports Behaviors, Journal of Robotics and Mechatronics, 33(3) 505-514, 2021
  2. 集団スポーツを大別すると • 侵入型ゲーム: サッカーやバスケットボールなど • ネット型ゲーム: バレーボールやテニス(ダブルス)など • 投・打球型ゲーム: 野球やソフトボールなど

    など 共通のデータ解析に関する問題: 1. 多くのスポーツでは人間の目で見て評価を行う or 高価な計測装置が必要なため、プロスポーツでないと大量の データの記録が難しい 2. 大量のデータが利用できたとしても、多人数での複雑な協働・ 競合を個人の貢献に分解することや、最終的な結果を予測・ 説明することがしばしば難しい データが利用可能で分析が困難な侵入型ゲームに着目してきた 3
  3. なぜ侵入型ゲームの動きの分析が難しいか? 4 スタッツ(得点、アシストなど)の分析と比べてみると… 1. 時系列データである(時間変化する) 2. 多次元である(多人数、座標データ) 3. 変動が大きい(多様な動きを同じとみなす、など) 4.

    状況に依存的(同じような動きでも状況で異なる) 5. 何らかの規則がありそうだが不明 (時間/空間的に) 他の実世界の データ解析と共通 一般的に解決することは難しいが、(機械)学習ベースの方法 を用いると部分的に解決できる?例えば… a. 攻撃・守備に関するチーム戦術の分類(spoana #7) b. 誰を見て動いたかを説明する軌道予測(spoana #9) c. 個人やチームを集団の動きから評価(spoana #10)
  4. 5 Social force model, Yokoyama+18 なぜ(機械)学習ベースの方法なのか? 経験や理論(方程式)に基づく データと学習に基づく ☺ 原理の理解

     複雑なモデル化 の一般化 ☺ 複雑なモデル化 の一般化  原理の理解 例:仮説検証・ 評価など Classify based on dynamics, Fujii+17,+20 例:分類・評価・ 予測など gap 実際のデータの背後にある 原理の理解が可能な データと学習に基づくモデル化 が求められている 原理に基づく推定 /シミュレーション 数学・統計・ 機械学習モデル
  5. 戦術的な動きのデータ解析の分類体系(taxonomy) 今回はこの現状・展望(更新) 7 3. データから特徴抽出 3.1 ルールに 基づく方法 3.2 教師なし

    学習 3.3 教師あり 学習 4. 行動をシミュレート・制御 4.2. パターン ベースの方法 選手軌跡の シミュレート 4.3 計画ベース の方法 4.1. ルールに 基づく方法 データに 基づく逆 アプローチ 仮想空間での 順アプローチ 戦術的な動きのデータ解析 次元削減 その他 クラスタリング 教師なしと の組合せ その他 手作り の特徴 その他 [Fujii 21, JRM]を修正 (数字は章・節番号) spoana #8, #9 spoana #7
  6. 4.3 戦術的な行動のモデル化と評価 戦術的な行動: 現在の状態から、取るべき行動を決定する • 強化学習の枠組みに似ている 8 エージェント (方策 𝜋)

    状態 𝑠 行動 𝑎 報酬 𝑅 環境・他者 枠組み全体をデータからモデル化することは現状難しいので… 1. 部分問題として、上記の変数/関数(の評価値)をデータから 推定する研究(逆アプローチ) 2. 計測データは用いずに、(強化学習)モデルを構築して、 仮想空間でデータを生成(順アプローチ) 最新情報: AISA (IJCAIw), MLSA (ECML-PKDDw), MIT SSAC, ….
  7. 強化学習の変数/関数をデータから推定(逆アプローチ) • 行動の評価: [Routley & Schulte,15; Schulte+17; Liu & Schulte,18;

    Wang+18; Spearman+18; Decroos+19; Liu+20; Sun+20] • 状態の評価:得点期待値[Cervone+14; Cervone+16; Fernández+19]、 スペースの価値[Cervone+16; Fernández+18] など(厳密には異なるが) • 報酬を推定(逆強化学習): [Luo+20; Rahimian & Toka,21] • 方策を推定(模倣学習): [Zheng+16; Le+17; Teranishi+20; Fujii+20] 実世界データの強化学習に向けて、困難な点を整理[Van Roy+21] • 例:データや報酬がスパースである、など • 私見: データに適合しすぎると多様な行動をモデル化できない? 9 [Fujii+20]
  8. 仮想空間で(強化学習)モデルを構築(順アプローチ) ロボカップ [Kitano+97] • 2Dシミュレーションが今回の話に近い Open source: [Akiyama & Nakashima

    08] • 強化学習は一部のチーム [FRA-UNIted,17] Google Research Football [Kurach+20] • 最近の発展:[Roy+20; Espeholt+20; Liu IJ+20; Li+21; Liu IJ+21; Liu X+21] • アルゴリズムの改善がメインで、 実データとの関連が議論されていない • 最近:GFootballとJリーグの試合を比較 (パスの観点から)[Scott, Fujii, Onishi, 21] 10 2021 Final [Scott, +21] 多様な行動を生成できるが、実世界らしさの保証がない • 今後は、順・逆の長所を両立させる方法論が求められる
  9. まとめ 大きな目的: 計測された集団スポーツの原理理解・評価 知識・理論に基づく手法と学習ベースの手法の橋渡しが必要 ① データから特徴を手作りして統計処理する ② ルールに基づいて簡略化してモデル化する ③ 特徴を計算論的な方法(機械学習など)で抽出する

    ④ (強化)学習ベースにより仮想空間でモデル化する ⑤ 機械学習と知識・理論を組合せてモデル化・解析 • 戦術的な行動のモデル化と評価を行うための順・逆アプローチを紹介 大学で一緒に研究を行う博士学生・研究員を募集しています! • 気軽にご連絡ください [email protected] 謝辞 • 科研費: 19H04941, 20H04075, 20H04087, JSTさきがけ JPMJPR20CA Keisuke Fujii, Data-driven Analysis for Understanding Team Sports Behaviors, Journal of Robotics and Mechatronics,2021 11