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November 15, 2025

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  1. Research Institute of Electric-driven Vehicles、 WASEDA University 気候市⺠会議における運輸部⾨に関する 情報提供についての考察 20251115

    ◦井原雄人(早稲田大学スマート社会技術融合研究機構) 林流石(早稲田大学大学院環境・エネルギー研究科) 連絡先:[email protected] 第53回環境システム研究論文発表会
  2. Research Institute of Electric-driven Vehicles、 WASEDA University 研究背景︓気候変動への対応 3 

    日本では気候変動への対応として、2050年までの脱炭素社会の実現を掲げている。  再生可能エネルギー導入等の供給側の取り組みだけでなく、産業・業務・運輸・家庭の各部門における需要側の取り組みも必要である。  利害関係の異なる取り組みを並行して進めるためには、行政・企業・市民が立場を越えて合意・参画することも重要となる。 産業部門, 34.3% 運輸部門, 19.2% 業務その他部門, 16.7% 家庭部門, 14.9% エネルギー転換部門, 8.1% その他, 6.8% 2023年度 部⾨別CO2排出量 (電気・熱配分後) 9億8771万トン 企業 行政 市民 国 自治体 製造 サービス 地域 世代 ⽴場を越えた 合意・参画 が重要
  3. Research Institute of Electric-driven Vehicles、 WASEDA University 研究背景︓合意形成⼿法としての気候市⺠会議 4 気候市民会議の実施フロー2)

     脱炭素社会の実現には、幅広い人々が参加し、専門的な知見をバランスよく取り入れつつ熟議することが必要である。1)  利害関係の調整や合意形成を行うことは政治の役割であるが、時間的・空間的制約から困難となっている。1)  これを解決する合意形成手法の一つとして、気候市民会議の取り組みが広がっている。 気候変動全般に関わる情報提供 施策のとりまとめ 投票や合議による取捨選択 政策提言 部門ごとの専門家から情報提供 ワークショップ形式での意見交換 参加者の無作為抽出  年齢、職業、ライフステージ、気候変動への関心など によらず幅広い人々が参加  民主的な手法により、特定の分野に偏ることなく、 幅広い施策を選択可能  専門的な知見をバランスよく取り入れるため、気候 変動全般、部門ごとの専門家からの情報提供  熟議を促すためのワークショップ形式での議論 1)三上直之:脱炭素社会の構築における気候市民会議の意義と課題、地球環境、27巻2号、pp. 147-154、 2022. 2)松橋啓介ら:気候市民会議つくば2023の設計と運営、土木学会論文集、80巻26号、24-26015 、2024.を参考に作成
  4. Research Institute of Electric-driven Vehicles、 WASEDA University  情報提供のバランスが悪く過不足がある 

    情報提供が施策・政策提言に活かされていない 研究背景︓気候市⺠会議における問題 5 気候市民会議の実施フロー2) 気候変動全般に関わる情報提供 施策のとりまとめ 投票や合議による取捨選択 政策提言 部門ごとの専門家から情報提供 ワークショップ形式での意見交換 参加者の無作為抽出 1)三上直之:脱炭素社会の構築における気候市民会議の意義と課題、地球環境、27巻2号、pp. 147-154、 2022. 2)松橋啓介ら:気候市民会議つくば2023の設計と運営、土木学会論文集、80巻26号、24-26015 、2024.を参考に作成  気候変動の専門家は、部門ごとの専門家ではない  部門ごとの専門家は、気候変動の専門家ではない 車や交通の専門家は、運輸全体の専門家ではない  合意形成の専門家も、気候変動の専門家ではない 合意形成の専門家が、不在であることもある 気候市民会議における問題  脱炭素社会の実現には、幅広い人々が参加し、専門的な知見をバランスよく取り入れつつ熟議することが必要である。1)  利害関係の調整や合意形成を行うことが政治の役割であるが、時間的・空間的制約から困難となっている。1)  これを解決する合意形成手法の一つとして、気候市民会議の取り組みが広がっている。
  5. Research Institute of Electric-driven Vehicles、 WASEDA University  情報提供のバランスが悪く過不足がある 

    情報提供が施策・政策提言に活かされていない 本研究の⽬的 6 気候市民会議の実施フロー2) 気候変動全般に関わる情報提供 施策のとりまとめ 投票や合議による取捨選択 政策提言 部門ごとの専門家から情報提供 ワークショップ形式での意見交換 参加者の無作為抽出 1)三上直之:脱炭素社会の構築における気候市民会議の意義と課題、地球環境、27巻2号、pp. 147-154、 2022. 2)松橋啓介ら:気候市民会議つくば2023の設計と運営、土木学会論文集、80巻26号、24-26015 、2024.を参考に作成 気候市民会議における問題  脱炭素社会の実現には、幅広い人々が参加し、専門的な知見をバランスよく取り入れつつ熟議することが必要である。1)  利害関係の調整や合意形成を行うことが政治の役割であるが、時間的・空間的制約から困難となっている。1)  これを解決する合意形成手法の一つとして、気候市民会議の取り組みが広がっている。 本研究の目的  国内で実施された気候市民会議の実例を対象に、 運輸部門における専門家からの情報提供と市民 からの政策提言を調査する  情報提供の有無と政策提言の相関を把握し、部門 の専門家の役割を考察することを目的とする
  6. Research Institute of Electric-driven Vehicles、 WASEDA University 調査対象とした気候市⺠会議 8 札幌市

    仙台市 杉並区 江戸川区 世田谷区 武蔵野市 日野市 多摩市 東村山市 小金井市 所沢市 さいたま市 松本市 箕輪町 松戸市 川崎市 厚木市 逗子市 葉山町 横浜市 二宮町 茅ヶ崎市 鎌倉市 大磯町 藤沢市 つくば市 岐阜市  東日本を中心に2020年度の札幌市をはじめに、30地域34会議の気候市民 会議が開催されている。1)  札幌市や松戸市のように異なる参加者による複数回の開催や、所沢市のよ うに同一の参加者が複数年度に関わっている事例もある。 1) citizensassembly.jp,日本の気候市民会議,https://citizensassembly.jp/project/cd_kaken/jp-list,2025.11 開催地域 開催年度 ◦札幌市 2020年度 ◦川崎市 2021年度 ◦武蔵野市、江戸川区、◦所沢市 2022年度 ◦多摩市、◦厚木市、◦逗子市・葉山町、◦日野市、◦つくば市、 ◦仙台市、◦松戸市、◦横浜市青葉区、さいたま市浦和美園地 区、◦杉並区 2023年度 松戸市(2回目)、◦二宮町、◦松本市、◦茅ケ崎市、◦鎌倉市、世 田谷区、東村山市、日野市・多摩市(2回目)、◦札幌市(2回目) 2024年度 箕輪町、松戸市(2回目)、小金井市、大磯町、藤沢市、岐阜市 2025年度 2025年3月までに、専門家からの情報提供の資料および自治 体への政策提言書が公表されている、17地域18会議を調査 対象とした(表中◦) 運輸部門の専門家 として情報提供
  7. Research Institute of Electric-driven Vehicles、 WASEDA University 運輸部⾨における施策の分類 9 施策の内容

     電気自動車・燃料電池自動車の 導入  車両への太陽光パネルの搭載 電動車両 の導入  家庭での充電器の設置  公共施設・店舗へ充電器の整備  急速充電器に転換  水素ステーションの整備 充電 インフラ の整備  軽自動車に転換  家族構成に即した車両の選択 燃費の良い 車両の選択  走行時にエコドライブを実施 エコドライブ  内燃機関自動車の所有制限  所有しないことへインセンティ ブの付与 車両所有 の制限  テレワークの促進  買物時のまとめ買い  家族内での乗り合い 車移動 の削減 公共交通等に関わる施策 貨物輸送に関わる施策 自動車に関わる施策  対象地域の公表資料を基に、運輸部門における施策を「自動車」「公共交通等(徒歩・自転車含む)」「貨物輸送」に分類した。 施策の内容  バス・タクシーへの電気自動車・ 燃料電池自動車の導入  電動車両を導入している事業者 を利用 電動車両 の導入  運賃等のインセンティブの付与  増便・専用レーン等の利便性・定 時性の向上 公共交通の 利用促進  LRTやコミュニティバスの導入  デマンド交通、自動運転の導入  カーシェア・ライドシェアの導入 新しい 交通モード の導入  自転車購入の補助  歩道、自転車道や駐輪場の整備  サイクルシェアの導入 徒歩・自転 車への利用 施策の内容  電気自動車・燃料電池自動車 の導入  電動車両を導入している事業 者を利用 電動車両 の導入  他社との共同配送の推進  貨客混載の推進 積載率 の向上  長距離輸送の鉄道、船に転換  ラストワンマイルの自転車、バ イクに転換 他の 交通モード に転換  輸送時のCO2 排出量を明示し てる事業者を選択 環境配慮 事業者の 選択  宅配ロッカーの設置  置き配の推進 再配達 の削減 回避 改善 転換 改善 転換 改善 転換 回避 転換 回避
  8. Research Institute of Electric-driven Vehicles、 WASEDA University 情報提供と政策提⾔の把握 11 札幌市

    2025 鎌倉市 茅ヶ崎 市 松本市 二宮町 杉並区 横浜市 青葉区 松戸市 仙台市 つくば 市 日野市 逗子市 葉山町 厚木市 多摩市 所沢市 武蔵野 市 川崎市 札幌市 2020 out in out in out in out in out in out in out in out in out in out in out in out in out in out in out in out in out in out in ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ × ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ 電動車両の導入 自 動 車 ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ × ◦ × × ◦ × ◦ ◦ ◦ × × × ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ × ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ × × 充電インフラの整備 × × × × × × ◦ × × × × × × ◦ ◦ ◦ × ◦ × ◦ × ◦ × × ◦ × × × × ◦ ◦ ◦ × ◦ × × 燃費の良い車両の選択 × × × × × × × × × × × × × × × ◦ × ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ × ◦ × ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ × × × ◦ × ◦ エコドライブ ◦ × × × × × × × × × × ◦ × × × × ◦ × × ◦ × ◦ × × ◦ × ◦ × × × ◦ ◦ ◦ ◦ × × 車両所有の制限 ◦ × ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ × ◦ ◦ × ◦ ◦ ◦ × × × ◦ × 車移動の削減 ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ × × ◦ ◦ ◦ ◦ × × × × × ◦ ◦ ◦ × × ◦ ◦ ◦ × × × ◦ ◦ ◦ × × × 電動車両の導入 公 共 交 通 ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ 公共交通の利用促進 ◦ × ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ × × × × ◦ ◦ ◦ × × × ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ × ◦ × × × 新しい交通モードの導入 ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ ◦ × 徒歩・自転車の利用 × ◦ × × × × × × × × × × ◦ × × × × × × × × ◦ × × ◦ × × × ◦ ◦ × × × ◦ × ◦ 電動車両の導入 貨 物 輸 送 × × × × × × × × × × ◦ × × × × × × × × × ◦ ◦ × × ◦ × × × × × ◦ ◦ × × × × 積載率の向上 × × × × ◦ × × × × × ◦ × ◦ ◦ ◦ × ◦ × × × ◦ ◦ × × × × × × × × × × × × × × 他の交通モードに転換 × × × × × × ◦ × × × × × × × × × × × × ◦ ◦ × × × ◦ × × × × × × × ◦ ◦ × × 環境配慮事業者の選択 × × × × × × ◦ ◦ × × ◦ × × × × × × × × × ◦ ◦ × × ◦ ◦ × × × × × × × × × × 再配達の削減  分類した施策に対して、情報提供=in 政策提言=out として、対象地域ごとに有無を調査した。  赤:どちらもあり、青:情報提供のみ、黄:政策提言のみ、灰:どちらもなし 情報提供は必ずしもバランスよく⾏われているわけではない
  9. Research Institute of Electric-driven Vehicles、 WASEDA University 情報提供と政策提⾔の相関 12 電動車両の導入

    (自家用車) 充電インフラの整備 燃費の良い車両の選択 車両所有の制限 エコドライブ 車移動の削減 電動車両の導入 (公共交通) 公共交通の利用促進 新しい交通モードの導入 徒歩・自転車の利用 電動車両の導入(貨物) 積載率の 向上 他の交通モー ドに転換 再配達の削減 環境配慮事 業者の選択 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 政策提言数 情報提供数  市民が取るべき行動が分かりやすい  市民の今の行動が制限される  市民は行動しなくても要望できる  取り組みの情報が不足している 選択肢の認知→役割・効果の理解→⾏動の継続=情報の伝え⽅の⼯夫が重要 →継続的な行動を後押しする →制限<効果であることを示す →市民ができる役割を示す →情報提供により選択肢を増やす
  10. Research Institute of Electric-driven Vehicles、 WASEDA University 実施主体の割合と政策提⾔数 13 0

    4 8 12 16 20 0% 20% 40% 60% 80% 100% 電 動 車 両 の 導 入 充 電 イ ン フ ラ の 整 備 燃 費 の 良 い 車 両 の 選 択 車 両 所 有 の 制 限 エ コ ド ラ イ ブ 車 移 動 の 削 減 電 動 車 両 の 導 入 公 共 交 通 の 利 用 促 進 新 し い 交 通 モ ー ド の 導 入 徒 歩 ・自 転 車 の 利 用 電 動 車 両 の 導 入 積 載 率 の 向 上 他 の 交 通 モ ー ド に 転 換 再 配 達 の 削 減 環 境 配 慮 事 業 者 の 選 択 自家用車 公共交通 貨物輸送 政策提言数 実施主体の割合 行政 企業 市民 提言数  政策提言が行われた施策の中で、施策の実施主体を行政・企業・市民に分類した。  実施主体が複数ある場合は重複して集計し、総数を割合として把握した。  政策提言の多い施策は、行政・企業・ 市民それぞれの役割が示されている →ex)自家用車の電動車両の導入 施策の実施に繋げるためには、⾏政・企業・市⺠の役割分担を⽰すことが重要 行政:電気自動車の購入に補助をする 企業:魅力的な電気自動車を開発する 市民:買換え時に電気自動車を選択する  政策提言の少ない施策は、特定の立 場に役割が偏っている →ex)貨物自動車の電動車両の導入 行政:電気自動車の導入に補助をする 企業:買替え時に電気自動車を選択する 市民:*************** 行政:利用時にインセンティブを付与 企業:情報発信を強化する 市民:電気自動車での配送を選択する
  11. Research Institute of Electric-driven Vehicles、 WASEDA University ⽇野市気候市⺠会議での実践 14 自動車の専門家

    早稲田大学 日野市 所沢市 out in out in ◦ ◦ ◦ ◦ 電動車両の導入 自 動 車 ◦ ◦ ◦ ◦ 充電インフラの整備 × ◦ × ◦ 燃費の良い車両の選択 × ◦ × × 車両所有の制限 ◦ ◦ ◦ ◦ 車移動の削減 ◦ ◦ ◦ ◦ エコドライブ ◦ ◦ × × 電動車両の導入 公 共 交 通 ◦ ◦ ◦ ◦ 公共交通の利用促進 ◦ ◦ ◦ ◦ 新しい交通モードの導入 ◦ ◦ ◦ ◦ 徒歩・自転車の利用 × ◦ ◦ ◦ 電動車両の導入 貨 物 輸 送 ◦ ◦ × × 積載率の向上 ◦ ◦ × × 他の交通モードに転換 ◦ × × × 環境配慮事業者の選択 ◦ 〇 × × 再配達の削減 それぞれの専⾨家による事前相談・資料共有によりバランスの良い情報提供 公共交通の専門家 日野自動車 貨物輸送の専門家 佐川急便
  12. Research Institute of Electric-driven Vehicles、 WASEDA University 実施フローの提案 15 

    専門家同士の事前相談・資料共有を行うことで、バランスの良い情報提供は可能である。  しかし、情報提供に時間を掛けるほど、ワークショップによる熟議の時間が限られる。 提案する実施フロー 気候変動全般に関わる情報提供 施策のとりまとめ 投票や合議による取捨選択 政策提言 産業部門の 専門家から 情報提供 家庭部門の 専門家から 情報提供 業務部門の 専門家から 情報提供 運輸部門の 専門家から 情報提供 部門ごとの ワーク ショップ 部門ごとの ワーク ショップ 部門ごとの ワーク ショップ 部門ごとの ワーク ショップ 参加者の無作為抽出 現状の実施フロー 気候変動全般に関わる情報提供 施策のとりまとめ 投票や合議による取捨選択 政策提言 部門ごとの専門家から情報提供 ワークショップ形式での意見交換 参加者の無作為抽出 ※参加する部⾨を開催回ごとに⼊れ替え可能
  13. Research Institute of Electric-driven Vehicles、 WASEDA University 本研究の結論と今後の課題 16 

    本研究は運輸部門のみを対象とした考察であり、他部門(産業、業務、家庭など)を対象とした分析が必要である  部門内の取り組みの良否や過不足が判断できる部門内の専門家を求めています  情報提供→政策提言のみの分析であり、施策決定における投票・合議のプロセスが考慮されていない  公開資料のみでは投票・合議のプロセスの情報が不足しており評価が困難  各プロセスにおける施策の取捨選択の過程についての情報提供いただける自治体・団体を求めています  政策提言→施策実施についての評価がされていない  政策提言後に実際に施策が実施されたかの継続的な調査が必要  継続的な取り組みを実施している地域(札幌、つくば、日野・多摩、所沢など)を対象に後追い調査を実施する  国内の17地域18会議の気候市民会議を対象に、運輸部門に関する専門家からの情報提供と市民からの政策提言を分析した  電動車両の導入や公共交通、徒歩・自動車への転換については、情報提供したものが政策提言されている  燃費の良い車両の選択やエコドライブ等の取り組みは、情報提供されていても政策提言されていない  貨物輸送に関しては、情報提供・政策提言数が共に少ない  政策提言された施策の実施主体を行政、企業、市民に分類して分析した  政策提言数の多い施策は、行政、企業、市民のそれぞれが実施主体となっている(電動車両導入、公共交通・徒歩等への転換)  政策提言数が少ない施策は、実施主体に偏りがある(燃費の良い車両の選択、エコドライブ、貨物輸送)  実施フローへの提案  開催回ごとに部門を入れ替えるのではなく、各回に部門ごとのグループを作り掘り下げを行う  開催回ごとに任意に参加するグループ(部門)の入れ替えを可能とする  気候市民会議の横展開には、情報提供における部門ごとの標準的なテキスト化や専門性の平準化の仕組みづくりが必要である 本研究の結論 今後の課題