Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
Railsの限界を超えろ!「家族アルバム みてね」の画像・動画の大規模アップロードを支えるアー...
Search
Ojima Hikaru
July 23, 2025
Technology
1.2k
5
Share
Embed
Copy iframe code
Copy JS code
Copy link
Start on current slide
Railsの限界を超えろ!「家族アルバム みてね」の画像・動画の大規模アップロードを支えるアーキテクチャの変遷
Ojima Hikaru
July 23, 2025
More Decks by Ojima Hikaru
See All by Ojima Hikaru
家族の思い出を形にする 〜 1秒動画の生成を支えるインフラアーキテクチャ
ojima_h
3
2.3k
Podのオートスケーリングに苦戦し続けている話
ojima_h
1
420
ディメンショナルモデリングのすすめ
ojima_h
8
4.9k
モンスターストライクを支えるデータ分析基盤と準リアルタイム集計
ojima_h
7
5.9k
データ分析基盤の変遷とデータレイクの作り方
ojima_h
2
1.9k
Other Decks in Technology
See All in Technology
「早く出す」より「事業に効く」 ── 顧客の業務サイクルから逆算するAI時代の二重ループ開発と「変化の設計者」 / devsumi2026
rakus_dev
1
380
個人開発で育てる「大規模設計の苗床」 - AI時代の1人開発から始める業務への知識接続 / The Seedbed for Large-Scale Design - From AI-Era Solo Projects to Professional Knowledge
bitkey
PRO
1
280
【Claude Code】鹿野さんに聞く 私の推しの並行開発環境 大公開 / claude-code-parallel-2026-07-15
tonkotsuboy_com
12
8.6k
Type-safe IaC for Dart
coborinai
0
160
凡エンジニアがこの先生きのこるためには。〜TypeScript完全に理解したい〜
alchemy1115
2
310
大量データに対しても、生成AIを用いてリーズナブルにデータ加工をしたい!Databricksのai_queryについて調べてみた
kamoshika
1
220
AI Coding Agent時代のcdk-nagガードレール 〜組織ルールを強制CIで守り抜く設計の挑戦〜
mhrtech
3
420
SRE本の知られざる名シーン / The Hidden Gems of Google SRE Book
nari_ex
1
420
SoccerMaster: A Vision Foundation Model for Soccer Understanding
kzykmyzw
0
140
人を動かすのは時間ではなく、納得感 〜新任EMが入社3ヶ月、組織を2回変えた話〜
kakehashi
PRO
3
270
企業でAWS Organizationsを動かすための組織設計の考え方
nrinetcom
PRO
1
110
AIコード生成×サプライチェーン攻撃 — PHPが直面する“二重の信頼問題
shinyasaita
0
200
Featured
See All Featured
Sam Torres - BigQuery for SEOs
techseoconnect
PRO
0
300
Accessibility Awareness
sabderemane
1
160
How to build an LLM SEO readiness audit: a practical framework
nmsamuel
1
810
Unsuck your backbone
ammeep
672
58k
Game over? The fight for quality and originality in the time of robots
wayneb77
1
220
Agile that works and the tools we love
rasmusluckow
331
22k
Imperfection Machines: The Place of Print at Facebook
scottboms
270
14k
Navigating Team Friction
lara
192
16k
Conquering PDFs: document understanding beyond plain text
inesmontani
PRO
4
2.9k
CoffeeScript is Beautiful & I Never Want to Write Plain JavaScript Again
sstephenson
162
16k
It's Worth the Effort
3n
188
29k
Color Theory Basics | Prateek | Gurzu
gurzu
0
390
Transcript
©MIXI 1 Railsの限界を超えろ! 「家族アルバム みてね」の画像 ‧動画の ⼤規模アップロードを ⽀えるアーキテクチャの変遷
2 ©MIXI ⾃⼰紹介 ⽣島 光 @ojima_h 2019年から『家族アルバム みてね』のSREチームで 活動しています。 海が好きです。
⽇々感謝の気持ちで⽣きています。 3児の⽗です。 ありがとうございます。
3 ©MIXI 『家族アルバム みてね』について 家族アルバム みてねはスマホで撮った⼦どもの写真や動画を家族と共有し、 コミュニケーションして楽しむ家族アルバムサービスです。
4 ©MIXI 『家族アルバム みてね』について 2015年4⽉にリリースして、ことし10周年 • 7⾔語‧175の国と地域でサービスを提供 • 2025年1⽉に利⽤者数が2,500万⼈を突破
5 ©MIXI 『家族アルバム みてね』の技術スタック Kubernetes S3 Aurora MySQL メディア解析パ イプライン
6 ©MIXI 今⽇のテーマ みてねの画像‧動画のアップロードにまつわるアーキテクチャ の変遷を紹介します。 どんな課題を解決したかったのか? そこにはどのようなトレードオフがあったのか? その当時における意思決定の経緯を振り返っていきたいと思います。
7 ©MIXI アジェンダ 1. Railsの限界とマネージドサービスの活⽤ 2. 多様な技術スタックをサポートし続ける難しさ 3. スケール速度の限界と、メディア活⽤の多様化
8 ©MIXI Railsの限界とマネージドサービスの活⽤
9 ©MIXI メディアアップロードに関する最初期の構成 • Railsサーバーが⼀度メディアファイルを受信 • その後、S3にファイルを書き込み • サムネイル画像の⽣成などを⾮同期に実⾏ 課題
• 海外から⽇本のRailsサーバーに対して⼤容量 のファイルをアップロードするのは⾮常に不安 定。 海外に進出します!!
10 ©MIXI クラウドリソースの有効活⽤ • Railsからクライアントにアップロード⽤の⼀時 URLを払い出す • クライアントは、最寄りのエンドポイントを経由 して直接S3にファイルをアップロードする ◦
https://speakerdeck.com/kohbis/towards-the-next-dec ade-enhancing-global-service-reliability-through-sre • S3へのアップロードが完了すると、S3から Lambdaにイベント通知を⾏う • Lambdaにてサムネイル画像等を⽣成し、完了し たらRailsサーバーに通知 解決策 • AWSのポテンシャルを最⼤限に活⽤する ◦ AWSのエンドポイントは全世界に分散
11 ©MIXI トレードオフ • S3の無限のスケーラビリティ • 地理的な最適化 海外進出という事業⽅針こそが最重要 開発や運⽤の困難は受け⼊れるという判断をしました •
アップロード処理がRailsだけでは完結できなく なった • → 開発環境の構築が困難になり、開発の難易度 が上がった • → システム全体の複雑性が増し、運⽤の難易度 も上がった
12 ©MIXI 多様な技術スタックをサポートし続ける難しさ
13 ©MIXI S3直接アップロードの導⼊から4年… • Lambda関数は、メインのRailsアプリケー ションから分離されたため、開発から取り残さ れていました。 課題 • コア機能であるにも関わらず、開発の⼿を⼊れ
づらい状態 • Lambda関数を今後もメンテすべきか Lambdaランタイム EOLの到来
14 ©MIXI 再びRailsに統合 • クライアントからS3へのアップロードが完了する と、Lambda関数の代わりに、SQSにイベントを通 知する。 • Shoryuken (SQSワーカー)
がイベントを検知し、 サムネイル画像の⽣成を⾏う。 • Shoryuken はRailsアプリケーションに統合されて おり、通常の開発‧運⽤フローに乗る。 解決策 • Lambda関数の処理を再びRailsに統合しまし た
15 ©MIXI トレードオフ Rails統合によるメリット • アップロードにまつわる処理が全てRailsアプリ ケーションに統合され、スムーズに開発できる ようになった。 • スポットインスタンスを始めとする、EC2イン
スタンスによるコスト最適化が可能となった Kubernetesの導⼊が進⾏中だったこともあり、 スケーラビリティに対する不安は受容することができました。 Rails統合によるデメリット • Lambda関数のスケーラビリティを放棄すると いうこと 技術スタックが統⼀されているメリットを認識しました。
16 ©MIXI スケール速度の限界と、メディア活⽤の多様化
17 ©MIXI OpsWorksの限界 • その当時インフラのオーケストレーションは OpsWorks を利⽤していました。 課題 • スケールアウトが遅い
• 運⽤の⾃動化が困難 • スポットインスタンスの利⽤が困難 OpsWorksの限界 https://speakerdeck.com/isaoshimizu/cnbf-202001?slide=17
18 ©MIXI Kubernetesの導⼊ • コンテナベースの⾼速なスケールアウトを期待 • エコシステムの充実 • スポットインスタンスの活⽤事例も沢⼭あった 解決策
• Kubernetesの導⼊
19 ©MIXI トレードオフ Kubernetes導⼊メリット • OpsWorks の課題を解決してくれるという “期 待感” 不確定要素が多すぎる…!
Kubernetes導⼊のデメリット • 全く未知の技術。不確定要素しかない。
20 ©MIXI 未知の技術 Kubernetes に⽴ち向かうために PoC として、みてねの全ての機能を Kubernetes 上に実装して みることにしました。
この PoC は1年以上に及びました。 https://gihyo.jp/article/2022/11/mitene-02eks この判断が正しかったのか、今もわかりません。 今思えばもっと良い⽅法があったと思います。でもそれは今だ から⾔えること。
21 ©MIXI Kubernetes導⼊の実現 何はともあれ、Kubernetesの導⼊は 無事に完了しました!! Kubernetesの導⼊により、当初の期 待通りOpsWorksの課題は全て解消さ れました。 そして当初の期待を超えて、インフラ に⼤きな進化をもたらしました。
22 ©MIXI Kubernetesの期待以上の効果 〜 メディア活⽤の促進 • 多様なフォトアイテム‧デジタル コンテンツを処理する実⾏基盤 • 開発チームが、セルフサービス
で、案件ごとのニーズに合わせて ジョブを構成
23 ©MIXI トレードオフ Kubernetesのメリット • ⾼速なスケールアウト • 各種オペレーションの⾃動化 • インフラ構成のセルフサービス化による開発速
度の向上 Kubernetesのデメリット • インフラ管理の⾼度化‧複雑化 • 増え続けるワークロード • アプリ開発者のキャッチアップが困難に みてねの魅⼒の1つである多様なフォトアイテム‧デジタルコンテン ツを、⾼速かつ安定して開発することが可能になりました。 ⼀⽅で、開発チームの認知負荷に対処するための取り組みが必要に なっています。
24 ©MIXI おわり
25 ©MIXI おわり • アーキテクチャの選択に正解はありません。 • 既存のシステム構成や事業フェーズによって、正解は変わ ります。 • 課題を1つ解決すると、新しい課題が⽣まれます。終わり
はありません。 • Best より Better な選択を!
26 ©MIXI ⼀緒により良いサービスを作りましょう! https://team.mitene.us WE ARE HIRING!!!
©MIXI 27 ありがとうございました