Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
5分でわかるPreactのVDOMで作るWebエディタ
Search
did0es
June 25, 2024
Technology
0
130
5分でわかるPreactのVDOMで作るWebエディタ
めぐろLT #16 (
https://meguro-lt.connpass.com/event/316885
)にて発表した LT の資料です。
紹介したライブラリのデモは
こちら
です。
did0es
June 25, 2024
Tweet
Share
More Decks by did0es
See All by did0es
なぜクラウドサービスで Web コンソールを提供するのか
shuta13
4
2.2k
TailwindCSSでUIライブラリを作る際のハマりどころ
shuta13
0
560
codemodとうまく付き合うには
shuta13
0
1.2k
プライベートクラウドのコンソール画面をNext.jsのApp Routerでフルリプレイスした話
shuta13
4
900
CyberAgent Developer Conference(CADC) 2023 LP開発の舞台裏
shuta13
0
210
Turborepo Code Generationによる、サイバーエージェントグループのフロントエンド開発の効率化
shuta13
4
2.4k
CADC 2023 LPにおけるライブ配信の裏側 | Momento Meetup #3
shuta13
0
120
Technologies for developing editors / Webエディタ開発を支える技術
shuta13
1
750
天下一 静的サイトホスティング 武道会 / World Static Site Hosting Tournament
shuta13
0
340
Other Decks in Technology
See All in Technology
アジャイル開発とスクラム
araihara
0
160
ビジネスと現場活動をつなぐソフトウェアエンジニアリング~とあるスタートアッププロダクトの成長記録より~
mizunori
0
210
Classmethod AI Talks(CATs) #15 司会進行スライド(2025.02.06) / classmethod-ai-talks-aka-cats_moderator-slides_vol15_2025-02-06
shinyaa31
0
170
株式会社EventHub・エンジニア採用資料
eventhub
0
4.2k
Tech Blogを書きやすい環境づくり
lycorptech_jp
PRO
0
120
Kubernetes x k6 で負荷試験基盤を開発して 負荷試験を民主化した話 / Kubernetes x k6
sansan_randd
2
730
Larkご案内資料
customercloud
PRO
0
600
技術負債の「予兆検知」と「状況異変」のススメ / Technology Dept
i35_267
1
1k
急成長する企業で作った、エンジニアが輝ける制度/ 20250214 Rinto Ikenoue
shift_evolve
2
880
PL900試験から学ぶ Power Platform 基礎知識講座
kumikeyy
0
110
RSNA2024振り返り
nanachi
0
500
High Performance PHP
cmuench
0
140
Featured
See All Featured
The Illustrated Children's Guide to Kubernetes
chrisshort
48
49k
[RailsConf 2023] Rails as a piece of cake
palkan
53
5.2k
[Rails World 2023 - Day 1 Closing Keynote] - The Magic of Rails
eileencodes
33
2.1k
Imperfection Machines: The Place of Print at Facebook
scottboms
267
13k
How to Think Like a Performance Engineer
csswizardry
22
1.3k
The Pragmatic Product Professional
lauravandoore
32
6.4k
A better future with KSS
kneath
238
17k
BBQ
matthewcrist
86
9.5k
Automating Front-end Workflow
addyosmani
1367
200k
The Art of Programming - Codeland 2020
erikaheidi
53
13k
Visualization
eitanlees
146
15k
Fight the Zombie Pattern Library - RWD Summit 2016
marcelosomers
232
17k
Transcript
5分でわかる PreactのVDOMで作る Webエディタ did0es 2024/06/25 @ めぐろLT #16
did0es(Hirai Shuta) SWE @ CyberAgent, Inc. Main organizer @ Meguro.es
最近の供養したいこと: EURO2024 をリアタイ観戦して サッカー意識を高めていたところ 寝不足で怪我をしてしまい まさかの自分が負傷退場する羽目に 自己紹介
タイトル再掲 5分でわかる PreactのVDOMで作る Webエディタ
🤖 < エディタライブラリを使えば 5分もかからないのに...
車輪の再発明した結果 車輪ではないものを創り出してしまった お話です😇
背景 lexical(https://lexical.dev) を使いたかった ・Draft.js(https://draftjs.org)の後継 ・当時(2,3年前)はα版でdocsがスカスカだった α版を本番運用はできないので自作した ・メディアサイトの入稿画面を作る仕事の一貫 ・Reconciler を搭載したエディタライブラリを作れば それはもう
lexical では!?という安直な考え
エディタの要件 リッチ ・非エンジニアが使えるように ・DnDやGUIによるブロック操作は必須 特定のViewライブラリ非依存 ・React以外に、VueやWeb Componentsで組まれている箇所などでも 使えるように
どうやって何を作ったのか
実装フロー 1. lexical の実装を読む 2. React の技術の転用だと気づき、React の実装を読む 3. lexical,
React の規模では再現できないと思い、よりミニマルな Preact の実装を読む 4. Preact から Reconciler を取り出す 5. Reconciler を好きなエディタライブラリに移植する 6. lexical かな それって lexical だね 差分検出大好き(完成🐲)
lexical の仕組みを簡単に 画像: https://dio.la/article/lexical-state-updates
🤖 < lexical の実装を 真似すればよかったのに...
人間は怠惰なので つい楽をしようとしてしまう
せや! 昔 React の中身を読んだことあったから その知識でどうにかしたろ!
lexical と似ている React を読んでみる https://github.com/facebook/react の Reconciler を中心に読みつつ、量が膨大 なので 以下の参考資料と併せて読んでいく
・https://ja.legacy.reactjs.org/docs/implementation-notes.html ・旧型の差分検出(Stack)の話 ・https://jsconf.jp/2022/talk/internal-implementation-of-react ・新型の差分検出(Fiber)の話 ・https://github.com/shuta13/react-deep-dive(注: 手前味噌) ・Stack, Fiber 両方を再現する話
lexical より複雑では
Preact を読んでみる React の軽量版で、なんとコードは1000行程度(3年前の情報) https://github.com/preactjs/preact を読みつつ、適宜以下も参考に ・https://blog.ojisan.io/preact-reading ・差分検出処理についてかなり詳細に書かれている記事 ・preactの仕組みを理解する軽量版教育用preactを作ってる話 -
Speaker Deck ・上の記事と同じ方がフルスクラッチで再現した話
Preact から Reconciler を取り出す preact/src/diff 配下の実装から、VDOM を比較・更新している処理だけを 取り出して動かす ・Preact は可読性よりも
Perf を意識したコードになっているので 人間に優しいように、適宜処理の流れや変数名を書き換え ・そもそも元の実装は Pure JS なので TypeScript で書き換え
余談: react-reconciler をインストールすれば解決? react-reconciler というパッケージが React から独立して存在する ・これをインストールすれば差分検出できそう... ・しかし peerDeps
に React が入っているのでスタンドアロンでは動かない ちなみに Preact は、reconciler などを個別にパッケージ化しない方針 ・react-three-fiber on Preact? (discussion) · Issue #2538
エディタライブラリへ移植 View ライブラリ非依存のエディタライブラリの選定 ・選ばれたのは Editor.js でした Editor.js ハック ・また内部実装を持ってくるわけにはいかないので プラグインとして、Reconciler
を入れる ・プラグインを選択すると VDOM からブロックが生成される ・ブロックごとに state を持つ ・もはや lexical とは別物に...
デモ(時間あれば)
作ってみてどうだった?
よかった点 思いついたことを具現化できた ・アウトプット◯ ・発想△ lexical, React, Preactの実装に詳しくなった ・特に Preact を完全に理解した
・VDOM から如何にして DOM を組み立てるのか ・何の差分をどうやって検出するのか
苦労した点 Preact の hooks 周辺 ・内部状態を扱う箇所が副作用多めで難解 ・useState を中心に、自分が再現できるものだけ再現 型 ・元の実装は
Pure JS だったので TS 化したが、工数が膨れ上がった だけだった ・一部で型の恩恵を得られたが ts-expect-error まみれ ・Preact の処理をほぼそのまま動かせたのでテスト書くだけで十分だった
反省点 あまりにもオーバーエンジニアリング ・ラーメンを作るためにまず小麦を育てている状態 バグが生まれ続けた ・見事なマッチポンプが出来上がった ・この反省から別のライブラリを拡張した テストも元の実装から持ってくるべき ・今流行りのGoやRustによる置き換えはこれをやっている
https://github.com/cam-inc/pde.js (inactive) お賽銭代わりに良ければスターをポチッとお願いします😭
供養完了(?)
ご清聴 ありがとうございました!