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MustをWillに変える技術 〜アイドル・郁田はるきが"すべき"の壁を超えるまで〜

MustをWillに変える技術 〜アイドル・郁田はるきが"すべき"の壁を超えるまで〜

【劇場版】アニメから得た学びを発表会2025のセッション資料です。
https://engineers-anime-2025-lp.pages.dev/

Proposal: https://fortee.jp/engineers-anime-2025/proposal/454af987-f4b8-4430-beca-794b14b77484

enza版『アイドルマスターシャイニーカラーズ』: https://shinycolors.enza.fun/

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subroh_0508

August 10, 2025
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Transcript

  1. 「楽しい!」という気持ちは不確かで脆い 生成AI の普及による、エンジニアの意識変化 ➔ 「やりがいある仕事に注力しやすくなった」が 50% を超えている ➔ 一方、生成AI に任せられないと思う業務の

    トップは「チームマネジメント」 出典: 「生成AI 普及によるエンジニアの意識変化」に関する調査 5 / 33 生成AI の普及とともに、 管理職に求められるマネジメントの 仕事が増える( かも)
  2. 「楽しい!」という気持ちは不確かで脆い だけどみんな、管理職にはなりたがらない ➔ 管理職になりたいと答えたのは、 全体のわずか15.7% ➔ 半数近くが「責任やストレスを感じることが 増えそう」という理由で管理職を敬遠 出典: IT

    人材のキャリア形成と管理職採用に関する実態調査 6 / 33 仕事に対する楽しさ・内発的な動機を 見失い、悩みを抱えるエンジニアは 今後増えていくのでは… ?
  3. 自己紹介 にしこりさぶろ〜 @subroh_0508 【好きなもの】Kotlin / アイドルマスター / ラブライブ! Kotlin 本体へのContribute

    経験アリ、Kotlin Fest への登壇実績3 回。 開発業務から離れて以降も趣味でKotlin を書き続けている。 プライベートでは、アイマスP とラブライバーを兼任。 『シャニマス』三峰結華と『蓮ノ空』村野さやかが 人生のロールモデル。 9 / 33
  4. 前提知識 『アイドルマスター』とは? ➔ プレイヤーがプロデューサーとなり、アイドルを育てる育成ゲーム 2025/07/26 に20 周年 『アイドルマスターシャイニーカラーズ』とは? ➔ アイドルマスターシリーズ第5

    作 283 プロダクションに所属する、28 名のアイドルの成長を描く ➔ 育成ゲーム・リズムゲーム・アニメ作品・漫画作品×2 があるぞ! 10 / 33
  5. 前提知識(蛇足) 現在、7th ライブで全国4 都市を巡るツアー中! 11 / 33 本日は 『THE IDOLM@STER

    SHINY COLORS 7th UNITLIVE TOUR 円環 -Halo around- third quadrant 』の Day2 なので愛知から登壇しています
  6. 前提知識: 郁田はるきについて 『コメティック』に所属 ➔ 283 プロダクション・8 番目のユニット ➔ 別事務所から移籍してきた斑鳩ルカと 新人2

    人で構成 出典: 「アイドルマスター シャイニーカラーズ」公式サイト 鈴木 羽那 郁田 はるき 新時代到来の予兆、黒色彗星 カラーレス・アイドル 突如として飛来した、新時代の アイドルユニット。 黒を纏い、カラーに囚われない少女たち。 彗星の軌跡[ ストーリー] が示すのは、 闇か光か、はたまた── " 12 / 33 斑鳩 ルカ
  7. 前提知識: 郁田はるきについて 出典: 「アイドルマスター シャイニーカラーズ」公式サイト 鈴木 羽那 斑鳩 ルカ 甘い笑顔とふわふわボブヘアーが

    キュートな女の子。 感性豊かでクリエィティブなことが大好き。 これと閃いたら果敢に飛び込んでいく アクティブな一面もある高校2年生。 " 13 / 33 郁田 はるき
  8. 前提知識: 郁田はるきについて 出典: 「アイドルマスター シャイニーカラーズ」公式サイト ➔ 美術系の学校に通っている ➔ 幼少期から続けている「絵を描く」ことを 筆頭に、映像制作やバンド活動等、

    様々な創作にアイドルになる前から取り組む 鈴木 羽那 斑鳩 ルカ 甘い笑顔とふわふわボブヘアーが キュートな女の子。 感性豊かでクリエィティブなことが大好き。 これと閃いたら果敢に飛び込んでいく アクティブな一面もある高校2年生。 " 14 / 33 郁田 はるき
  9. 前提知識: 郁田はるきについて W.I.N.G. 編 #5 色づいていく はるきのアイドル活動の動機・原体験 15 / 33

    今までの自分が全部変わってしまうような 広い世界が見たいんです
  10. 前提知識: 郁田はるきについて W.I.N.G. 編 #1 見つめる先にあるもの はるきのアイドル活動の動機・原体験 ➔ 兄の友人のバンドに助っ人として参加 イベント会場で、偶然プロデューサーと出会う

    ➔ プロデューサーのアドバイス通りに演奏したところ、 「世界が色づいて見える」体験をする ️ 15 / 33 どうにもならない人の心ではなく、 君自身の心を動かして 見える世界を塗り替えればいい 今までの自分が全部変わってしまうような 広い世界が見たいんです
  11. 前提知識: 郁田はるきについて W.I.N.G. 編 #1 見つめる先にあるもの はるきのアイドル活動の動機・原体験 ➔ 兄の友人のバンドに助っ人として参加 イベント会場で、偶然プロデューサーと出会う

    ➔ プロデューサーのアドバイス通りに演奏したところ、 「世界が色づいて見える」体験をする ️ ➔ アイドルなら、もっと広い世界が見れる!と感じ ステージを駆け下りてアイドルに志願 15 / 33 …… 世界が、色づいていくのが 見えたんです わたしを、連れていって ください…… ! 今までの自分が全部変わってしまうような 広い世界が見たいんです
  12. 前提知識: G.R.A.D. について 作中で、はるきがぶつかった壁 ➔ 活動を始めてしばらく経った283 プロのアイドルたち 彼女たちの「個人の活動と成長」にフォーカスした話 ➔ はるきのG.R.A.D.

    は、一度アイドルの仕事に対する 動機を見失い、再発見する話 G.R.A.D. アイドルひとりひとりが実力を競い合う、 公開オーディション番組 " 16 / 33
  13. はるきがG.R.A.D. でぶつかり、乗り越えた壁 G.R.A.D. 編 #1 線なんてない G.R.A.D. への挑戦 ➔ ユニットとしても個人としても、名前が知られ始めた頃

    ➔ はるきはG.R.A.D. への挑戦を決め、張り切って アートスクールの集中講座も受け始める 18 / 33 光があって、影があるから 見える―― そこのところ、もっと意識して やってみて
  14. はるきがG.R.A.D. でぶつかり、乗り越えた壁 G.R.A.D. 編 #1 線なんてない G.R.A.D. への挑戦 ➔ ユニットとしても個人としても、名前が知られ始めた頃

    ➔ はるきはG.R.A.D. への挑戦を決め、張り切って アートスクールの集中講座も受け始める ➔ トーク番組、街ぶらロケ、音楽番組 etc. 想定以上に別の仕事も入ってしまい、負荷が高い状態に 18 / 33 …… ! すごいですねぇ、そんなに………… でも……
  15. はるきがG.R.A.D. でぶつかり、乗り越えた壁 G.R.A.D. 編 #2 光はどこ 掛け持ちした活動の多くで、壁にぶつかる ➔ アートスクールでは「線を意識しすぎ」 ➔

    ボイストレーニングでは「溌剌さがない」 基礎練へと逆戻り ➔ トーク番組は無難にこなすものの、共演者からは 「次回また呼ばれたいなら、それでは足りない」 上手く描く・歌う・話すといった、 周囲の要求に応えることに固執してしまい、 なかなか成果がでない 19 / 33 ―― わかってるつもり なんですけど…… できてないってことは…… わかってないんですよね……
  16. はるきがG.R.A.D. でぶつかり、乗り越えた壁 G.R.A.D. 編 #3 対価、もしくは 幼少期の「楽しかった」記憶が頭をよぎる ➔ 絵を褒め、館内に飾ってくれた地元の美術館のスタッフ ➔

    それを見に来てくれた、親戚のおじさんの喜ぶ言葉 20 / 33 はるきの描いた絵、これか! いちばんいいとこに飾って もらってるな
  17. はるきがG.R.A.D. でぶつかり、乗り越えた壁 G.R.A.D. 編 #3 対価、もしくは 幼少期の「楽しかった」記憶が頭をよぎる ➔ 絵を褒め、館内に飾ってくれた地元の美術館のスタッフ ➔

    それを見に来てくれた、親戚のおじさんの喜ぶ言葉 ➔ 今は頑張るのが当たり前、頑張ってもなかなか成果が 得られない 20 / 33 昔はよかったな いっぱい褒めてもらって 今は…… がんばるのが当たり前で がんばっても…………
  18. はるきがG.R.A.D. でぶつかり、乗り越えた壁 G.R.A.D. 編 #3 対価、もしくは 幼少期の「楽しかった」記憶が頭をよぎる ➔ 絵を褒め、館内に飾ってくれた地元の美術館のスタッフ ➔

    それを見に来てくれた、親戚のおじさんの喜ぶ言葉 ➔ 今は頑張るのが当たり前、頑張ってもなかなか成果が 得られない 「それ相応のものを差し出せ」 「わたしは、何を差し出せるだろう」 成果を得るため、何かを犠牲にしなければならない そんなMust に縛られた思考に陥る 20 / 33
  19. はるきがG.R.A.D. でぶつかり、乗り越えた壁 G.R.A.D. 編 #4 イノセンス Must に縛られるはるきを解放したのは... ➔ 多忙を理由に仕事を断ってしまった地元の美術館から

    メールが届く ➔ そのメールには、幼少期にはるきが描いた絵の写真が 何を描いたか本人も覚えていなかったそれは、花の絵 21 / 33 『すごく素敵な絵でしょう?』
  20. はるきがG.R.A.D. でぶつかり、乗り越えた壁 G.R.A.D. 編 #4 イノセンス " 絵" にまつわる最も古い記憶から、はるきは人生の原体験が 「自分が見た美しい花を描き残したい!」

    という純粋な気持ちから出発していたことを思い出す 22 / 33 どうしてお花の絵にしたの? だって、おはなの絵はかれたりしないでしょ?
  21. はるきがG.R.A.D. でぶつかり、乗り越えた壁 G.R.A.D. 編 #5 決壊 原体験を取り戻したはるきは… ➔ Must の縛りから徐々に解放され、成果も上向いていく

    ➔ 音楽番組の収録で、クライアントにも評価され、 自身も納得できるパフォーマンスを披露 23 / 33 よかったよ、さっきの パフォーマンス スタッフさんからも褒められた
  22. はるきがG.R.A.D. でぶつかり、乗り越えた壁 G.R.A.D. 編 #5 決壊 原体験を取り戻したはるきは… ➔ Must の縛りから徐々に解放され、成果も上向いていく

    ➔ 音楽番組の収録で、クライアントにも評価され、 自身も納得できるパフォーマンスを披露 ➔ そして、嬉しそうなプロデューサーの目を見た瞬間、 はるきは自身のアイドル活動に対する動機を はっきりと言葉にする 23 / 33
  23. 郁田はるき G.R.A.D. 編から学べること 1. 仕事へのモチベーションは、変動することが当たり前 ➔ モチベーションの低下は、難しい仕事や未知の挑戦に取り組む中で、 成果が出ないストレスによって引き起こされる ➔ 貪欲に、真摯に、自らの人生と向き合っていることの裏返し

    2. 成果を意識しながら藻掻く時間は、 「動機の蒸留」に必要不可欠 ➔ 成果が出ない = 否定のFB によって、自身の「動機」の本質が見えてくる ➔ はるきは、仕事として表現に取り組む中で厳しい指摘を受けたからこそ、 自身の「動機」の本質が「見ること」 「聞くこと」 「感じること」であると気づけた 26 / 33
  24. でも、成果が出ないってつらくない? G.R.A.D. 編 #1 線なんてない G.R.A.D. 編 #2 光はどこ G.R.A.D.

    編 #3 対価、もしくは はるきも、藻掻いている間にボコボコに言われている  なぜ乗り越えられた? ➔ はるきは、ストレスに堪える武器を最初から備えていた 27 / 33 あやまってもね…… ステージの上じゃ、言い訳できないよ? なんというか―― 光ってないよ よく見て、もっと ま、所詮は使い捨てなのよね、みんな
  25. はるきが持っていた、ストレスに堪えるための武器 1. 相談に乗ってくれる / 背中を押してくれる、仲間や居場所の存在 ➔ はるきにとっては、プロデューサー・ユニット・事務所 pSSR 【連綿と、桜】 #2

    幻燈 ※ここまで言い切れる上司、多分世界でシャニP だけ 28 / 33 走った先に何もなかったら…… 一緒に『なかったね』って笑ってくれますか ―――― おう、いいぞ。 笑ったら…… また別の方向へ進んでいこう
  26. はるきが持っていた、ストレスに堪えるための武器 2. 自分の思考・想いを様々な媒体で形にしていること ➔ はるきは、自分の想いを積極的に言葉にして、周囲に伝え続けている そして言葉に表しきれない思考・想いも、" 絵" にして残すことができる G.R.A.D. 編

    #6 わたしだけの場所 ➔ G.R.A.D. 優勝後、はるきは1 枚の絵を描き上げる ➔ 成果が出ず藻掻いていた時期に、仕事でもらった花の絵 29 / 33 もらったものは、枯れてしまって 記憶だけで描いたんですけど―― ―― この花は枯れないんです
  27. はるきが持っていた、ストレスに堪えるための武器 2. 自分の思考・想いを様々な媒体で形にしていること ➔ はるきは、自分の想いを積極的に言葉にして、周囲に伝え続けている そして言葉に表しきれない思考・想いも、" 絵" にして残すことができる G.R.A.D. 編

    #6 わたしだけの場所 日々全力を尽くし、その瞬間の思考・想いを残し続けることが、未来の自分を救うことにつながる 30 / 33 小さなわたしが、投げたものが 今のわたしに、勇気をくれる…… そんなふうにして、今のわたしがこの先の わたしを救うことがあるのかもしれなくて
  28. エンジニアの我々ができること 目の前の課題やユーザーと真摯に向き合い、     コードや設計書に思考・想いを全力で込めること 迷いや悩み、見出した喜びや楽しさを言語化し、     日報や1on1 のログに残すこと

        ブログ記事や登壇として、形式知に変えること AI がどれだけ賢くなろうと、環境の変化がどれだけ早くなろうと 思考・想いを形にし続ける限り、Must はWill へと変わり続け、洗練されていくはず! 31 / 33