Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
"これから学ぶ" システム思考 / System thinking introduction
Search
Yuichi Tsunematsu
June 26, 2021
Business
7
5.5k
"これから学ぶ" システム思考 / System thinking introduction
スクラムフェス大阪の登壇資料です。
https://confengine.com/conferences/scrum-fest-osaka-2021/proposal/15177
Yuichi Tsunematsu
June 26, 2021
Tweet
Share
More Decks by Yuichi Tsunematsu
See All by Yuichi Tsunematsu
成功をつなげる プロジェクトマネジメントの探求 / Exploring Project Management to Continuous Success
tunepolo
0
230
組織のスケーリングと持続性 / Scaling and Sustainability
tunepolo
9
8.7k
信頼される振る舞いを継続しましょう / Keep up the trusted behavior
tunepolo
2
1k
アジャイルプラクティスガイドブックを携え、チームで現場を変えていく / Improve your development process with Agile Practices Guidebook
tunepolo
0
210
チームではじめる 「アジャイルプラクティス」 実践の第一歩 / First step to start implementing "Agile Practices" with your team
tunepolo
2
1.5k
アジャイルプラクティスガイドブックの紹介 / introduction of Agile Practice Guidebook
tunepolo
0
1.1k
技術プラクティスの整理に1年半向き合ってわかったこと / What I learned from facing the arrangement of technical practices.
tunepolo
1
1.8k
「全社でアジャイル!」を広げるために / Expand Agile throughout the Company
tunepolo
1
1.7k
アウトプットが当たり前の文化をつくる / Create a culture where output is the norm.
tunepolo
0
2.6k
Other Decks in Business
See All in Business
i3DESIGN_Culture_Book / We-are-hiring
i3design
0
34k
株式会社gecogeco 会社紹介資料
gecogeco
2
2.8k
スカイマティクス会社紹介資料 /company-profile
skymatix1111
0
220
戦略を動かすPMに必要なリーダーシップ
madai0517
2
670
(43枚)絶対達成インバスケット研修の特徴と3つのメリット
nyattx
PRO
0
200
fulltan_lt.pdf
icoriha
2
230
Стратегия: от ремесла к технологии и два следующих шага
alexanderbyndyu
0
300
ソニックガーデン会社説明(エンジニア向け)
kuranuki
0
420
株式会社サイバーリンクス|カルチャーデック
cyberlinks
0
160
株式会社ゼスト会社紹介資料
zest
0
6k
MDMカルチャーガイド_ver1.2
c0rp_mdm
0
2.9k
日本トライスタイル採用説明資料
yamauguchishunta
0
230
Featured
See All Featured
Let's Do A Bunch of Simple Stuff to Make Websites Faster
chriscoyier
507
140k
Embracing the Ebb and Flow
colly
85
4.6k
The Psychology of Web Performance [Beyond Tellerrand 2023]
tammyeverts
47
2.7k
How to Create Impact in a Changing Tech Landscape [PerfNow 2023]
tammyeverts
52
2.4k
Helping Users Find Their Own Way: Creating Modern Search Experiences
danielanewman
29
2.5k
Art, The Web, and Tiny UX
lynnandtonic
298
20k
Build your cross-platform service in a week with App Engine
jlugia
229
18k
Large-scale JavaScript Application Architecture
addyosmani
512
110k
Fashionably flexible responsive web design (full day workshop)
malarkey
407
66k
The Web Performance Landscape in 2024 [PerfNow 2024]
tammyeverts
5
520
Refactoring Trust on Your Teams (GOTO; Chicago 2020)
rmw
34
2.9k
Distributed Sagas: A Protocol for Coordinating Microservices
caitiem20
331
21k
Transcript
"これから学ぶ" システム思考 Retty株式会社 常松祐一 2021/06/26
自己紹介 • 常松祐一 (つねまつ ゆういち) ◦ Engineering Manager
◦ Software Engineering Coach ◦ Agile Development • SNSアカウント ◦ tunepolo : ◦ tune : • 顧客にとって価値のあるプロダクトを、チーム一丸 となって協力し、短期間にリリースする開発体制の あり方を模索しています。
システム思考とは?
システム思考とは? 問題を単発の出来事として考えずに、 パターンとして捉え、そのパターンを 生み出している構造を理解することで 構造に働きかける Photo by Laura Ockel on
Unsplash
システム思考とは? パターンとして 捉え 構造を理解し 構造に働きか ける
Rettyのデータ分析チームの事例で説明
Rettyのデータ分析チーム • 「分析の民主化」を目ざし、Rettyの様々な業務領域で意思決 定支援・データ基盤整備に貢献 • 業務量が日に日に増え、常に忙しく余裕がなかった
パターンとして捉える (因果と結果)
「忙しさ」の因果関係を洗い出す 成果 (が出る) 依頼 (が増える) 忙しさ (が増す) 依頼者のスキル (が向上) 分析の難易度
(が上がる) 因果 結果 • 変数に着目し、因果関係で線を引く。 • 変化の方向が同じか、逆か。 • 時間的遅れ( // )がある場合もある。 分析担当者 (が減る) 同 同 逆 同 同 //
構造を理解する (因果ループ)
自己強化ループ 成果 (が出る) 依頼 (が増える) 忙しさ (が増す) 同 同 使命感
(が増す) 同 同 やる気ループ
バランス型ループ 成果 (が出る) 依頼 (が増える) 忙しさ (が増す) 同 同 使命感
(が増す) 同 同 断る依頼数 (が増える) 逆 同 やる気ループ 体力の限界ループ
描くときのコツ・ポイント • 「因果」「結果」は変数を選ぶ ◦ 「増えた(減った)」など結果がわかりやすくなる。 • 実際に起きていることを描く ◦ 想像で「こうだろう」と描いてしまいがち。 •
複数人で描く ◦ 認識の差異が見えるかされて有意義。
実際にデータ分析チームと描いてみた因果ループ
主要なものを残して構造を整理 忙しさ 協力先 業務量 分析結果 の質 リード タイム 成果 逆
同 同 逆 同 同 同 // 同
構造に働きかける (レバレッジポイントの見極め)
レバレッジポイント = 最も効果的なテコ入れ箇所 忙しさ 協力先 業務量 分析結果 の質 リード タイム
成果 逆 同 同 逆 同 同 同 // 同
データ分析チームで何が起きていたのか? • データ分析者は個人ごとに未消化タスクリストを持っており、手が空いた時 に少しずつ消化していた。 ◦ 質・リードタイムともに悪くならず、依頼者に分析者の忙しさがフィード バックされない構造となっていた。 • 分析チームがとった対応 ◦
受ける分析タスクに上限を設け、きちんと断る。 ◦ 個人だと断りづらいので、チームで取り組むようにした。 ◦ 何を優先して分析するか依頼側が考えるようになり、仕事量が適切な 業務量に落ち着くようになった。
因果ループ図をもとに話をする • 因果関係がわかりやすく整理できていれば相手も話を聞きや すくなりますよね ◦ 「うちのメンバー忙しすぎてもう仕事受けられません。断ら せてください」 ◦ 「こういう構造ができています。 ここを変えるとこう変わるはずです。
仕事の受け方を変えさせてください。」
システム思考を支える考え方/ツール
氷山モデル→見えているのは全体のほんの一部 [出来事] データ分析チームはたくさんの仕事を依頼される [行動パターン] そのうち仕事が落ち着くと信じて頑張る [構造] タスクリストを持ち、時間ができたら消化する [意識・無意識の前提] - (受け側)不要な仕事は依頼されないだろう
- (依頼側)キャパを超えたら断わるだろう
時系列変化パターングラフ→どう変えていきたいのか 現在 過去 未来 変数
システム原型→よくあるパターン 解決の指針を得やすくなる 1. 成長の限界 2. 急がば回れ 3. 問題のすり替わり 4. 目標のなし崩し
5. 強者はさらに強くなる 6. エスカレート
まとめ
改めて - システム思考とは? 問題を単発の出来事として考えずに、 パターンとして捉え、そのパターンを 生み出している構造を理解することで 構造に働きかける Photo by Laura
Ockel on Unsplash
まとめ Photo by Hannah Busing on Unsplash • 表層的な対応でなく、問題の構造を抑えた対 処をしていきましょう。
• システム思考がその一助となるはず。
参考文献 易しい 難しい