Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
Information management for a culture of speed: ...
Search
y_matsuwitter
November 10, 2022
Business
4
9.6k
Information management for a culture of speed: The story of Notion and LayerX
2022/11/09 Notion Japanイベントにて
y_matsuwitter
November 10, 2022
Tweet
Share
More Decks by y_matsuwitter
See All by y_matsuwitter
Product Utilization of Large Language Models Starting Today
ymatsuwitter
3
1.9k
経営・意思・エンジニアリング
ymatsuwitter
23
18k
LLM in 2023 and 2024
ymatsuwitter
8
5.1k
Turbulent Technological Changes and Career Strategies
ymatsuwitter
2
2.5k
LLM in toB Service and Its UX
ymatsuwitter
6
9.9k
Agent and small LLM validation
ymatsuwitter
7
2.9k
Monorepo on AWS
ymatsuwitter
0
260
Tech behind LayerX SaaS products
ymatsuwitter
0
2.9k
2022-10-14-geeksai
ymatsuwitter
24
18k
Other Decks in Business
See All in Business
エンジニアの「センス」とは何か / What is the sense of engineers
hiro_y
19
8.1k
【新卒採用】BuySell Technologies会社紹介資料
buyselltechnologies
0
180k
20241015 Dojo ベクトルデータベース入門
funato
0
520
GLP_SustainabilityReport_2023
glp_jp
1
360
スピークバディ_法人事業部紹介
speakbuddy
0
540
ARI会社説明
arisaiyou
0
3.7k
Sales Marker Culture Book(English)
salesmarker
PRO
1
2.4k
急成⻑スタートアップで働くことで得られるもの / 株式会社IVRy(社内LT会)
miyashino
0
450
Insurance Distribution for Reiwa-era
hakusansai
2
250
エンジニア応募者様向け_会社説明資料_202410
brainpadpr
0
1.6k
1分で分かるネクスキャット/採用ピッチ資料
daisuke_tanaka
0
150
鳥取最上インクス/ 求職者向け会社紹介
oneterasu
0
150
Featured
See All Featured
Thoughts on Productivity
jonyablonski
67
4.3k
Why You Should Never Use an ORM
jnunemaker
PRO
53
9k
What's new in Ruby 2.0
geeforr
342
31k
Put a Button on it: Removing Barriers to Going Fast.
kastner
59
3.5k
Music & Morning Musume
bryan
46
6.1k
Optimizing for Happiness
mojombo
376
69k
Measuring & Analyzing Core Web Vitals
bluesmoon
1
39
ピンチをチャンスに:未来をつくるプロダクトロードマップ #pmconf2020
aki_iinuma
107
49k
Fantastic passwords and where to find them - at NoRuKo
philnash
50
2.8k
Faster Mobile Websites
deanohume
304
30k
Rebuilding a faster, lazier Slack
samanthasiow
79
8.6k
YesSQL, Process and Tooling at Scale
rocio
167
14k
Transcript
© 2022 LayerX Inc. 爆速を支える情報管理:LayerXとnotionの話 LayerX CTO 松本 勇気 2022.11.09
自己紹介
© 2022 LayerX Inc. 3 自己紹介 松本 勇気 (@y_matsuwitter) 株式会社LayerX
代表取締役CTO 株式会社三井物産デジタル・アセットマネジメント 取締役 日本CTO協会 理事 Fintech/PrivacyTechを主に管掌 趣味は筋トレと料理
会社紹介
© 2022 LayerX Inc. 5 会社名 株式会社LayerX(レイヤーエックス) 代表取締役 福島 良典
/ 松本 勇気 創業 2018年 8月1日 従業員数 120名(2022年8月時点) 資本金 31億円 事業概要 バクラク事業、Fintech事業、Privacy Tech事業 関連会社 三井物産デジタル・アセットマネジメント (三井物産、LayerX、三井住友信託銀行、SMBC日興証券、JA三井リース、イデラキャピタルマネジメントに よる合弁会社) お取り組み実績 取得認証 情報セキュリティマネジメントシステム、JIIMA認証 一部抜粋 * 資本準備金含む ** 全事業含む IS 747702 / ISO 27001 会社概要
© 2022 LayerX Inc. 6 バクラク事業 企業活動のインフラとなる法人支出管理 (BSM)SaaSを開発・提供 LayerXの提供プロダクト Fintech事業
ソフトウェアを駆使したアセットマネ ジメント・証券事業を合弁会社にて 展開 PrivacyTech事業 パーソナルデータの利活用とプライバシー保 護を両立するソリューションの提供
LayerXの”爆速”文化
© 2022 LayerX Inc. 8 爆速開発文化とは 企画を待って、デザインを待って、と いう工程を飛ばし、一人ひとりが仕様 策定〜開発まで一気通貫して責任を 持ち即座に作っていく。
作ったものをデモを通じて即座に試 し、良し悪しを検証する。 爆速にリリースすることで、Fail Fastを実現する。 小さく、こまめにリリースすることで、 Failの影響を小さく抑え、素早く品質 を向上していく。 ユーザーの使わないものを正確に正 しく大きく作るリスクを避ける。 ユーザーの使うものを実際の声から 拾い上げ、裏の意図を汲み、そこから 必要なものを最小限シンプルに試して いく。 即座に作り、即座に試す デモ文化 スピードが品質を作る 正しいものを作る LayerXでは開発組織全体で開発スピードに偏った意思決定を取ることを良しとしている。
© 2022 LayerX Inc. 9 プロダクトリリースの実際 およそ1年半で8個のプロダクトの公開・利用開始。 それ以外にもPrivacyTechではいくつかのPoCプロジェクトが進む。 DAM(Digital Asset
Management) 物件管理くん 2021年 2022年 2021/01 2021/04 2021/11 2022/05 2022/08 2022/08 2021/09 2021/11
© 2022 LayerX Inc. 10 爆速に取って重要なこと:探索と知識化 爆速さを高めていくには、探索的活動とそこからの知識発見・積み上げが重要となる。 知識によって日々より素早い意思決定や効率的な業務推進を確立し、さらなる探索を進めるサイクルを回す。 仮説 行動
振り返り 学習・知識化 より精度の高い 状況理解 不確実性の低下 知識の増加 以降、同じ問題に対して素早い意思決定・仕組み化された業務推進を可能に
© 2022 LayerX Inc. 11 爆速をスケールするために 獲得した知識を組織全体に浸透させることが、すなわち組織サイズを拡大していくこと、爆速をスケールすることにつながる。 一方知識・情報が増え続けることは人の認知の限界との戦いとなる。 探索と知識発見 知識の整理
組織全体への浸透 組織全体の 爆速化 情報の洪水 人間の認知限界 情報の構造化・パッケージ化 などで認知負荷に抗い続ける 生じる課題
Notionの 位置付けと導入
© 2022 LayerX Inc. 13 ツールの選定方針とnotion 情報管理においてはその構造設計が重要。一個の情報に閉じずつながるツールであることを意識している。 社内の情報管理・コミュニケーションの中心はNotionとSlackで構成。 • 様々なツールや業務プロ
セスと接続し、情報が流れ る仕組みを作る。 • 業務のあり方と1:1で対応 できるような柔軟性 • 単にテキストが並ぶだけで ない、対象に合わせた構造 化の柔軟性 • 後述する、ストックとフ ローの考え方 • 当然ながら、お客様の安 心、従業員の安心を作れる 情報管理体制 • SSOや権限管理など最低 限の機能 つながる 構造化 安心
© 2022 LayerX Inc. 14 notionへの移行のプロセス 導入したのは2021年ごろ、以前のツールからはスクリプトを書いて移行用ディレクトリ下に全件インポート。 その後事業部ごとのページや権限設計を行い、その後は各チーム内に利用方法を任せる形で本格導入。 元のWikiツール (Markdown形式)
変換・ロード Script Notionの インポート用ページ 各チームが適宜 自分のページへ移動 およそ数日かけて変換の移行を実施。 その後は各チームの裁量で利用を開始していく。
Notionを使っての感想
© 2022 LayerX Inc. 16 既存ツールの課題 これまで使ってきた多くのツールでは、情報の記録に不満は無いものの、情報の再利用性の観点では課題が大きかった。 既存の情報と似たようなページを作ってしまったり、一定の塊を構造化するなどの仕組みが不足。 フロー情報 フロー情報
フロー情報 フロー情報 日々大量の情報 が流れていく ストック情報 ニーズに応じて都度人の 手を介して構造化・新たな ページを作る
© 2022 LayerX Inc. 17 Notionの意義:DBとWikiの中間製品 BlockとDBという形でページを整理できることが情報の再利用性を高めている。既存情報を特定の軸で収集・整理された形で表 示させられるだけで、情報整理と再利用が大きく促進されたDBとWikiの中間製品のようなものだと感じている。 フロー情報 フロー情報
フロー情報 フロー情報 Block DB ストック情報 一定のルールで既存のフロー情 報が参照されることでストック 情報化しやすい
具体的利用事例
© 2022 LayerX Inc. 19 notionの情報設計方針 運用方針は各事業部やチームのページごとに独立。DBを基軸に整理し、情報の再利用が促進できる形を狙う。 各事業部や全社などの単位でストックとなるポータルを用意し、フローな情報の一部を整理して活用。 DB ストック系ページ
フロー情報 事業部・チームなど大きい単位で データベースを一つないし少なめに用意 議事録・日報 調査メモ その他報告書 タスク・チケット 全社・事業部等のポータル 一覧等のツール オンボーディング資料 マニュアル
© 2022 LayerX Inc. 20 事例:ポータル 社内ポータルでは、人事・労務・経理的な手続き案内だけでなく、全社員のプロフィールや過去の全社定例のログ、全体共通のオン ボーディング資料など全社員にとっての情報の入口となるよう整理。事業部ごとにも似たようなポータルが作られている。
© 2022 LayerX Inc. 21 事例:チームダッシュボード 毎日の朝会やスプリント計画、定例など全ての事業活動を集約したダッシュボード。 議事録や開発アイテムなど様々なアイテムをDBとして整理し、この1ページに集約している。
© 2022 LayerX Inc. 22 事例:タレントプール 全員採用を掲げ、採用候補者データベースをnotionのDBで構築。各ページには接点ログなども記録され、次のアクションタイミ ングの整理など営業管理ツールに近い運用をリファラル採用にて実施している。
© 2022 LayerX Inc. 23 個人での活用 月報という形で、個人としてのその月の優先課題・項目の整理や毎日のタスクの整理、活動に関する雑多なログを記録している。 毎月はじめに前月の月報の振り返りを行い、ストックすべき情報は別なページに移動し、当月の月報を新規作成。
最後に
© 2022 LayerX Inc. 25 LayerXとNotion 爆速開発文化 • 素早く施策を進め、Fact Baseに多くの知見を獲得する
サイクルを回すことを重視 • 溢れる知識を整理し浸透させ ることがチーム全体の爆速に とって重要 Notionの活用 • Databaseを中心にストック とフローの情報を連携 • 全社や事業部ポータル、採用の ための候補者管理、個人のタス ク管理など幅広い場面で Notionが活用されている。 フローとストックの連携 • 大量の施策の中で生まれるフ ロー情報を半自動的に整理で きることがNotionの強み • DBなどを介してフロー情報を ストックに転換することで爆速 をNotionが支えている。 LayerXの爆速文化はNotionの情報再利用性をベースにした情報整理とコミュニケーションによって支えられている。 今後も様々な使い方を編み出しつつ組織全体で学習する環境を維持して行きたい。