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興味の胞子を育て 業務と技術に広がる”きのこ力”

興味の胞子を育て 業務と技術に広がる”きのこ力”

7/26に開催された【非公式】きのこカンファレンス in 関西の登壇資料になります。

## 概要

本セッションでは、「興味の胞子を育て、業務と技術に広がるきのこ力」をテーマに、私自身のキャリアと日々のアウトプットにおける“ささやかな習慣”が、どのようにして大きな成果のきっかけとなったのかをご紹介します。

大学時代に手書きで蓄えていたノートを読み返した瞬間から、登壇という一歩を踏み出し、その後のキャリアが動き始めた経験を振り返りながら、

- 小さな芽(興味の胞子)を見つける方法
- 自分が無意識に続けていたメモや習慣を、業務に応用する着眼点

- コミュニケーションを「見える化」する技術
- ペンとノートを使って、情報を言語化・構造化し、チーム内外の理解を深めるプロセス

- 抽象⇄具体をつなぐ図解の力
- 頭の中のイメージを図に起こし、アイデアを形にする実践的ステップ

など、インプットとアウトプットを循環させる取り組み方から、これからのエンジニア/デザイナーがキャリアと技術の両輪を動かすヒントをお伝えします。

## このトークはどんな人に聞いてほしいですか?

以下のような方々にぜひお聞きいただきたいと思っています。

- キャリアの転機を模索している若手エンジニア・デザイナー
- 自分の強みや興味をどう仕事に活かすか悩んでいる方や、新たな一歩を踏み出したい方

- 日々の小さな習慣を成果に結びつけたい方
- メモやノートといった“当たり前”の行動から、創造的なアウトプットを生み出すヒントを得たい方

- チーム内外でのコミュニケーションを改善したい方
- 言語化・構造化のテクニックを身につけ、プロジェクトや会議で自分のアイデアを伝わりやすくしたい方

- 抽象的なアイデアを具体化する手法を学びたい方
- 図解やビジュアル化を通じて、企画や設計フェーズの生産性を上げたい方

- 関西圏でのコミュニティ活動に興味がある方
- 地方在住でも自分らしいアウトプットを広げ、登壇や発信を通じて次のキャリアステップを築きたい方

──以上のような方々が、“興味の胞子”を育ててご自身の業務や技術に広がるきっかけをつかむヒントを得られる場になると考えています。

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Fumiya Sakai

July 26, 2025
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Transcript

  1. 2 自己紹介 minne事業部 プロダクト開発チーム シニアエンジニア 2023年 中途入社 酒井 文也 Sakai Fumiya 現在はminneのiOSアプリ開発を中心として携わってお

    ります。(時々Androidを書いたりBackend側のコードを 読んだり。)毎日が刺激的&勉強です。 • カンファレンス参加・LT登壇や技術同人誌・パンフレッ ト記事への寄稿をしています。 • Twitter & GitHub : @fumiyasac
  2. 読み方 ジーエムオーペパボ 設立 2003年1月10日 証券コード 3633(東京証券取引所スタンダード市場 ) 売上高(連結) 109億2,283万円(第23期 2024年1月~2024年12月)

    従業員数 402名(2024年12月末時点) もっとおもしろくできる 企業理念 ミッション 人類のアウトプットを増やす
  3. 4

  4. 8 1. “きのこ力”の核心定義 なぜ「きのこ」なのか? 私たちの学習とその結果生まれるキャリアの成長に似ていませんか? 🍄 きのこの成長プロセスと類似性 胞子 菌糸 きのこ

    - きのこは目に見えない胞子から始まる - 適切な環境で急速に成長する - 地下の菌糸ネットワークで情報共有 胞子 菌糸 きのこ 興味 習慣 成果
  5. 9 1. “きのこ力”の核心定義 まだ目に見えない基盤(菌糸ネットワーク)の重要性 🧳 本日持ち帰って頂けると嬉しいもの こちらの 3点になります - 自分の中の「胞子」を見つける視点

    - それを育てる具体的な方法 - 明日から始められる小さな習慣 本日お話するのは、私が実践している方 法や現在まで継続している習慣の一例に なります。宜しくお願いします 🙇 まだ目に見えないけど 確かにある 自分の中で育てていく 静かな営み 育った先にきっと 何かが見えてくる
  6. 2. 転機となった発見ストーリー 11 体系化して口頭で伝 えることの苦手意識 の克服 無意識に続けた「学 習の可視化」が強み の源泉だったという 発見

    手書きで蓄えていた ノートとの再会 11 🌱 大学ノート再発見の瞬間 20代の最初のキャリアは「自分は仕事ができないんじゃないか ...?」という葛藤との戦いだった。 当時を振り返ると、整理して伝える事に対する苦手意識が強くあった。
  7. 2. 転機となった発見ストーリー 12 振り返りによってパ ターンや強みが見え る 継続的な記録による 学習の可視化 小さな input/outputを大事

    にすることの重要性 12 「当たり前」だと思っていることにこそ価値がある! 無意識に続けていた「学習の可視化」が実は自分の強みの源泉だった。 💡 価値の再発見から生まれた気づき
  8. 3. キャリア変遷と技術の「つなぎ目」 17 17 🌀 キャリアパスと各段階での学び フルスタックとは言えないが興味・関心の延長線上にあるとも言える 一見すると脈絡はなさそうに思えるが ... それぞれの経験が生きる場面も多くある

    各段階で得た技術理解 - Designer経験からのUI/UX理解 - Web Engineer経験からの技術基盤 - Mobile Engineerへの展開(iOS/Android) - 複雑なUI表現をするための構造理解
  9. 3. キャリア変遷と技術の「つなぎ目」 18 18 😣 逆に苦手意識を持っている分野 まずは『何ができてどう役に立っているか』を知る所が第一歩 現在は必要最低限の知識や用語を覚えて いく所から徐々に着手し始めている段階 インフラや低レイヤー関連は弱点

    - 苦手意識があり避けて通ってきた - 断片的に細かな知識は知っている程度 - AWS / GCP / k8s 等は現職で初めて知った - 理系ではあったがCSが専門ではない AWS / GCP / k8s / Terraform / Nginx / MySQL / Redis / Memcached / Cloud Function … Prometheus / Grafana / Istio / Open Telemetry / Argo Rollout / Argo CD / Cilium …
  10. 4. 実践テクニック3選 🚀 テクニック 1:興味の胞子を見つける記録術 効果的な記録内容と習慣 - 会議・Meetingでは必ずメモを取る - 授業の要点整理、疑問点とその後の

    調査結果 - 議論メモ・アイデアスケッチ - 失敗から学んだ教訓 見て&読んだ内容を自分の言葉で整理する • 継続のヒント: ①完璧を求めない・②毎日同じ時間に書く・③振り返りを設ける
  11. 4. 実践テクニック3選 💡 テクニック 2:コミュニケーション可視化術 簡易グラフィックレコーディング - 自分の言葉でまとめていく視覚化 - 「理解が先、表現が後」の原則

    (読めない漢字は書けない) - 日頃から素案をまとめる習慣 1. 会議での発言や要点を拾い集める感覚 • 効果: ①会議の生産性向上・②チーム内での認識齟齬減少・③自分の提案力アップ 2. 議事録とは別に自分が関わる部分の整 理
  12. 4. 実践テクニック3選 ✍ 過去に取り組んだ簡易グラフィックレコーディング練習例 PHP Conference 2024でのセッション記録例 コロナ禍の中でオンライン開催された『 iOSDC Japan

    2020』の内容 https://note.com/fumiyasac/n/n1ff9ffe98de7 https://note.com/fumiyasac/n/n41a45698702 https://note.com/fumiyasac/n/n19cb9d3eb3c8 👉 タイムシフト視聴をしながら内容をノートにまとめてみました。 最近はなかなか実践できていない部分もありますが ...徐々に再開したいと思います
  13. 4. 実践テクニック3選 🔄 テクニック 3:成長の循環モデル 6段階の成長サイクル - 記録: 小さな気づきを残す -

    蓄積: データが溜まっていく - 発見: パターンや傾向が見える - 活用: 業務や学習に応用 - 共有: 他者に伝える - 改善: フィードバックを受けて調整 • 気づきを記録し、共有と改善を重ねることで、学びが成長へと循環していきます。
  14. 5. 登壇とアウトプットの力 29 29 👣 登壇へのいざない 登壇を始めたきっかけ - PHPカンファレンス初参加時の楽しかった思い出 -

    iOSエンジニアになる前の勉強会参加者からの後押し - コミュニティの大切さ・暖かさ・厳しさ・優しさの発見 あなたのアウトプットが誰かの応援歌になる - ブログはシングル・登壇はライブ・技術同人誌はアルバム 技術とコードで返していく取り組み - iOSDC Japanのパンフレット記事への寄稿 - DroidKaigi公式アプリのiOSアプリへのコントリビューション
  15. 5. 登壇とアウトプットの力 30 🤩 直近の登壇履歴 Liquid Glass革新とSwiftUI/UIKit進化 https://speakerdeck.com/fumiyasac0921/uikitjin-hua iOS/Androidで無限循環 Carousel表現を考えてみる

    https://speakerdeck.com/fumiyasac0921/androiddewu-xian-xun-huan-carouselbiao-xian-wokao-etemiru Riverpod & Riverpod Generatorを利用して状態管理部分の処理を書き換えてみる簡単な事例紹介 https://speakerdeck.com/fumiyasac0921/riverpod-and-riverpod-generatorwoli-yong-sitezhuang-tai-guan-li-bu-fen-nochu-li-woshu-kihuan-etemirujian -dan-nashi-li-shao-jie デザインから逆算して難易度を見積もるための観点 https://speakerdeck.com/fumiyasac0921/dezainkarani-suan-sitenan-yi-du-wojian-ji-morutamenoguan-dian iOS/Android間でUI実装を近づけるヒントと道標 https://speakerdeck.com/fumiyasac0921/androidjian-deuishi-zhuang-wojin-dukeruhintotodao-biao • モバイルアプリ開発におけるUI/UX、状態管理、最新技術に関する発表が主です。
  16. 5. 登壇とアウトプットの力 32 例. DroidKaigi公式App 純正Componentを活用する ポイント 1: 基本はComponentの組み合わせ UIを構成するための要素は

    Jetpack Composeを利用 AndroidのUI構築方針: ポイント 2: スクロール変化量を状態に持つ NestedScrollの性質を活用す る事で実現している
  17. 5. 登壇とアウトプットの力 33 例. DroidKaigi公式App 要所でカスタマイズが必要 ポイント 1: Componentで提供されない物 Tab要素の動きを近いものに

    するために工夫が必要 iOSのUI構築方針: ポイント 2: スクロール変化量を取得したい ScrollViewに対してOffset値 を取得できる様にする
  18. 5. 登壇とアウトプットの力 34 技術者同士の 輪を広げて 獲得した時間 自分のフィードバッ クが、どこかの知ら ない誰かにとっては 宝物になる可能性

    フィードバック → ア ウトプットから生み 出されるポジティブ なサイクル 34 🔄 フィードバックループの重要性 あなたのアウトプットはポジティブなフィードバックを生み出す好循環となり、それが誰かの宝物となって、技 術者コミュニティの輪を広げ、新たな時間を創出します。
  19. 6. 技術同人誌という挑戦 36 36 📕 2018年初めての技術同人誌頒布 UI実装であると嬉しいレシピブック - iOSアプリ開発の中でもUI実装に焦点を当てた書籍 -

    実際のアプリに近しい UI実装サンプルが日本語では少なかった課題 - 気になる表現をするサンプルコードを読むことが好きだった背景 商業化
  20. 6. 技術同人誌という挑戦 37 37 📚 技術同人誌に関連する活動 技術書同人誌博覧会への参加 - サークル参加者としてだけでなくスタッフとしても参加 -

    販促物のデザイン協力を担当 販促用チラシデザイン : 最近では生成AIもデザインに積極的に活用 OSC登壇: 技術同人誌の魅力を伝える
  21. 6. 技術同人誌という挑戦 38 2025年での活動事例紹介 実装考察や重要ポイントを綴った ノート事例集 これまでの自分が実践し続けてきた手書き ノートでのインプット事例をご紹介している書 籍になります。 自分の興味・関心をアウトプットする場所

    (技術同人誌) みんなのアジャイル 第4章: 4-4『デザインから逆算して実装の難 易度を見積もる』を担当しました。唯一のモ バイルアプリ関連トピックです。 (共著)
  22. 7. まとめ&持ち帰りメッセージ 41 41 🌟 「きのこ力」の本質 メタファーとしての「きのこ」 - これまでの歩みが「きのこの根底に似ていた」という発見 -

    目に見えない部分(胞子・菌糸)からの成長 - ネットワーク的な学習と成長の広がり 今日から始められる「胞子」育成ワンポイント - 小さな記録を侮らない : 「当たり前」の習慣に価値を見出す - アウトプットを恐れない : 完璧でなくても共有する勇気 - フィードバックループを回す : 継続的な記録→発見→共有→改善 - 技術の「つなぎ目」に注目 : 単一技術では解決困難な課題に挑戦