Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
データを基にカイゼンする話(定量的レトロスペクティブ)
Search
ao-nyannyan
December 12, 2020
Technology
1
150
データを基にカイゼンする話(定量的レトロスペクティブ)
デブスト2020で話した定量的なレトロスペクティブの話。
ao-nyannyan
December 12, 2020
Tweet
Share
More Decks by ao-nyannyan
See All by ao-nyannyan
私たちはなぜ新卒研修を内製したのか!?-アジャイルから学んだ新卒研修で会社が変わった!-
kentaaoyama
0
73
AWS上で3年もデータ基盤を作っているのに資格が1個もないから取ってみた
kentaaoyama
0
370
XP祭り2021-とある開発プロジェクトのDX化
kentaaoyama
1
190
得意技の自動可視化
kentaaoyama
1
110
Other Decks in Technology
See All in Technology
Jr. Championsになって、強く連携しながらAWSをもっと使いたい!~AWSに対する期待と行動~
amixedcolor
0
180
マネジメント視点でのre:Invent参加 ~もしCEOがre:Inventに行ったら~
kojiasai
0
440
Oracle Base Database Service 技術詳細
oracle4engineer
PRO
5
49k
APIテスト自動化の勘所
yokawasa
7
4.1k
ネット広告に未来はあるか?「3rd Party Cookie廃止とPrivacy Sandboxの効果検証の裏側」 / third-party-cookie-privacy
cyberagentdevelopers
PRO
1
120
30万人が利用するチャットをFirebase Realtime DatabaseからActionCableへ移行する方法
ryosk7
5
330
なんで、私がAWS Heroに!? 〜社外の広い世界に一歩踏み出そう〜
minorun365
PRO
6
1.1k
オーティファイ会社紹介資料 / Autify Company Deck
autifyhq
9
120k
ガバメントクラウド先行事業中間報告を読み解く
sugiim
1
1k
いまならこう作りたい AWSコンテナ[本格]入門ハンズオン 〜2024年版 ハンズオンの構想〜
horsewin
9
2k
Vueで Webコンポーネントを作って Reactで使う / 20241030-cloudsign-vuefes_after_night
bengo4com
4
2.5k
生成AIと知識グラフの相互利用に基づく文書解析
koujikozaki
1
130
Featured
See All Featured
Teambox: Starting and Learning
jrom
132
8.7k
The Myth of the Modular Monolith - Day 2 Keynote - Rails World 2024
eileencodes
13
1.9k
Testing 201, or: Great Expectations
jmmastey
38
7k
Building Flexible Design Systems
yeseniaperezcruz
327
38k
VelocityConf: Rendering Performance Case Studies
addyosmani
325
24k
Making Projects Easy
brettharned
115
5.9k
CSS Pre-Processors: Stylus, Less & Sass
bermonpainter
355
29k
GitHub's CSS Performance
jonrohan
1030
460k
GraphQLの誤解/rethinking-graphql
sonatard
66
9.9k
RailsConf 2023
tenderlove
29
880
The Art of Programming - Codeland 2020
erikaheidi
51
13k
Performance Is Good for Brains [We Love Speed 2024]
tammyeverts
3
370
Transcript
開発基盤の開発チームが、自分達で作っ た基盤でデータを基にカイゼンをする話 #devboost #Session4 2020/12/12 青山 弦太
2 Copyright © 2020 BTC Corporation All Rights Reserved. INDEX
1. はじめに 2.What is BTC Codebase 3.チームの悩み 4.データを基にしたふりかえり 5.まとめ
3 Copyright © 2020 BTC Corporation All Rights Reserved. はじめに
4 Copyright © 2020 BTC Corporation All Rights Reserved. Profile
• 株式会社ビッグツリーテクノロジー&コンサルティング – DX事業部 2016年新卒入社 • 運用保守のプロジェクトにてプロセス自動化、自動テスト、運用メトリク スの可視化、分析を基に、システムの安定稼働を中心に取り組み、その知 見を活かして社内開発/データ分析基盤 BTC Codebaseの開発を推進してい ます。 • Java/Python/TDD/SET(Software Engineer in Test)/テスト/自動化 • Perfume/アイドル/泳ぐ/Codebase 青山 弦太
5 Copyright © 2020 BTC Corporation All Rights Reserved. 今日話すこと/話さないこと
• 話すこと – BTC Codebaseの簡単な紹介 – データを使ったふりかえり、カイゼンの事例 – ふりかえり、カイゼンを通して得た気づき • 話さないこと – BTC Codebaseの細かい紹介 – すごいデータ分析 – すごい技術
6 Copyright © 2020 BTC Corporation All Rights Reserved. What
is BTC Codebase?
7 Copyright © 2020 BTC Corporation All Rights Reserved. What
is BTC Codebase? プロジェクト運営をデータに基づいて行うように変革したい。そのような想い から、弊社では開発/データ分析基盤のBTC Codebaseを開発しています。
8 Copyright © 2020 BTC Corporation All Rights Reserved. BTC
Codebase is BTC Codebaseには大きく2つの機能があります。 • 自動構築機能 • 自動収集/分析機能 活動 成果物 Data lake 自動化された開発プロセス ユーザ BTC Codebase担当 KKD(勘・経験・度胸)を 基に進める。 プロジェクトを跨いだ高 度な分析の提供。 ランタイム 従来のプロジェクト運営 BTC Codebaseを用いたプロジェクト運営 プロジェクトの状況や活 動を一目で定量的に把握。 ファクトベースで進める。
9 Copyright © 2020 BTC Corporation All Rights Reserved. チームの悩み
10 Copyright © 2020 BTC Corporation All Rights Reserved. 質問です
さて、みなさん質問です。
11 Copyright © 2020 BTC Corporation All Rights Reserved. 質問です
Q.こんな マージリクエスト どう思いますか?
12 Copyright © 2020 BTC Corporation All Rights Reserved. 質問です
Q.こんな コミット どう思いますか?
13 Copyright © 2020 BTC Corporation All Rights Reserved. 質問です
@t_wada コードには How テストコードには What コミットログには Why コードコメントには Why not を書こうという話をした https://twitter.com/t_wada/status/904916106153828352 Q.こんな コミット どう思いますか?
14 Copyright © 2020 BTC Corporation All Rights Reserved. 質問です
L3 工数(人日) DB設計 50 非機能要件定義 20 データ移行 30 … Q.こんな スケジュール どう思いますか?
15 Copyright © 2020 BTC Corporation All Rights Reserved. 質問です
Q.全部きちんとできてますか…?
16 Copyright © 2020 BTC Corporation All Rights Reserved. 質問です
Q.やりたいけどやれていないこと、たくさん ありませんか? やれること
17 Copyright © 2020 BTC Corporation All Rights Reserved. 体制
若手が中心で、社内基盤開発という取り組みの自由度の高い案件です。 • 6人体制(日本3名、オフショアのベトナム3名) • 内5人は30歳以下 • 基本はリモートワーク • データ収集の導線開発やAI活用、自動化など… リーダ(青山) メンバー メンバー ベトナム 日本 メンバー メンバー コミュニケー タ(※) ※コミュニケータ:日本語とベトナム語の両方を理解し、お互いのコミュニケーションの架け橋を行う。 もちろん、会話に中にはITに関する言葉も頻出するため、ITの知識も併せ持つ。
18 Copyright © 2020 BTC Corporation All Rights Reserved. あふれるやりたいこと
✓ TDD/ペアモブ作業/スクラム/DevSecOpsしたい。 ✓ 手作業なんて悪、全部自動化しなきゃ。 ✓ 新しいサービスをどんどん使いたい。 ✓ etc… あれもこれも全部やりたい!
19 Copyright © 2020 BTC Corporation All Rights Reserved. あふれるやりたいこと
あれ、、、全然できてないし 余計に大変になってる気がす る、、、。 ✓ TDD/ペアモブ作業/スクラム/DevSecOpsしたい。 ✓ 手作業なんて悪、全部自動化しなきゃ。 ✓ 新しいサービスをどんどん使いたい。 ✓ etc…
20 Copyright © 2020 BTC Corporation All Rights Reserved. 考えてみた
21 Copyright © 2020 BTC Corporation All Rights Reserved. 考えてみた
手段が目的になっているのでは? • なんでこの取り組みをしていたんだっけ? • そもそもそれは導入する必要があったんだっけ? • 困りごとがないのにプラクティスが先行していない? • 私たちに本当に足りないなものは何なんだろう。
22 Copyright © 2020 BTC Corporation All Rights Reserved. ✓
Keep ✓ Problem ✓ Try ふりかえってみた • Keep • Problem • Try
23 Copyright © 2020 BTC Corporation All Rights Reserved. ✓
Keep ✓ Problem ✓ Try ふりかえってみたけど難しかった いまいち自信の持てないふりかえり…。 • Keep • やり方を変えてみたけどKeepすべきなのか分からな い。 • Problem • 多分Problemなのかもしれない…どうなんだろう…。 • Try • 上手くいかないけど何が原因? • 何をTryすればいいの? • Tryしてみたけど本当によくなったの…?
24 Copyright © 2020 BTC Corporation All Rights Reserved. ✓
Keep ✓ Problem ✓ Try ふりかえってみたけど難しかった いまいち自信の持てないふりかえり…。 • Keep • やり方を変えてみたけどKeepすべきなのか分からな い。 • Problem • 多分Problemなのかもしれない…どうなんだろう…。 • Try • 「私たちはデータ分析基盤の開発者なのだから、 データを基にふりかえろう。」
25 Copyright © 2020 BTC Corporation All Rights Reserved. データを基にしたふりかえり
26 Copyright © 2020 BTC Corporation All Rights Reserved. データを基にしたふりかえり
日毎の会議を可視化。 赤がアドホックな会議数。青がスケジュー ル済み会議数。 アドホックな打ち合わせの数 が減少し、作業時間が増加! 消化ポイントが増えた! Tryを実践! (分析) アドホックな打ち合わせが1日の多くの時間を占めている ことを発見。 いずれも、課題や想定外の事象に関する相談や確認だった。 課題や想定外が多いので、金曜に行っているプランニング を密に行うのはどうか? (Try) 金曜に行っているプランニングを長くし、より深ぼって検 討をする。 (Problem)思っていたよりも作業できる時間が少ない…。
27 Copyright © 2020 BTC Corporation All Rights Reserved. 発見
仮説 取組 評価 Codebaseを使いデータ、事実を基にふりかえることで「問題の発見」「仮説 の導出」「取組の妥当性」「効果の評価」を「自信を持って」行うことができ た! データを基にしたふりかえり チームの活動、成果物データ
28 Copyright © 2020 BTC Corporation All Rights Reserved. チームカイゼン(その他の事例)
発見:特定のドメインに関するチケットは、コメントの数が多いことを発見。 仮説:認識合わせが不十分のため、課題や認識齟齬が頻発しているのでは? 取組:週に1回作戦会議をしタスク「土台」「意味」「背景」の検査をするフローを追加。 評価:往復が減り、スムーズに作業が進むように変革! 発見:繰り返されるタスクや定型的なタスクについて、個々人で対応速度に差があることを発見。 仮説:暗黙知で作業が早くなっている部分があるのでは? 取組:暗黙知を共有すべく、ペア、モブ作業を多く実施するように。 評価:ショートカットや効率の良い暗黙知が自然と共有されるようになり、消化ポイントが増加! 発見:レビューの指摘数が作業分類で固まっていることを発見。同じことを毎回指摘されることが多い。 仮説:セルフレビュー用のチェックリストを設けて日々アップデートすれば、より早く良い質のものが作れるのでは? 取組:チェックリストの作成とその更新フローを作成して、セルフレビューするように。 評価:レビューでの毎回の指摘が減り、レビュー工数の削減、消化ポイントが増加!
29 Copyright © 2020 BTC Corporation All Rights Reserved. ユーザ
BTC Codebase is BTC Codebaseには大きく2つの機能があります。 • 開発する環境を自動生成、あらゆる開発プロセスを自動化させる機能 • 開発プロセスの活動、成果物、ランタイム…あらゆる情報を開発者に意識させずに収集、分析 する機能 活動 成果物 Data lake 自動化された開発プロセス BTC Codebase担当 KKD(勘・経験・度胸)を 基に進める。 プロジェクトを跨いだ高 度な分析の提供。 ランタイム 従来のプロジェクト運営 BTC Codebaseを用いたプロジェクト運営 プロジェクトの状況や活 動を一目で定量的に把握。 ファクトベースで進める。
30 Copyright © 2020 BTC Corporation All Rights Reserved. データを基にしたふりかえり
曜日毎のMRの動きを可視化。 赤がMR作成数。ピンクがMRマージ数。 リリース直後の再リリースの 回数が減少! Tryを実践! 月 火 水 木 金 MR の 数 月 火 水 木 金 MR の 数 (分析) ソースfixする直前にマージリクエストが集中。 レビュアーが確認がきちんととれていないんじゃないか。 作業が終わったブランチを、後の方まで抱えることが多い ことが判明。 (Try) MRを均すため、作業が終わったMRをリリースの直前まで 抱えるのではなく、適宜レビューに回す。 (Problem)リリースの後に問題が発覚し、再リリースすることが多い!
31 Copyright © 2020 BTC Corporation All Rights Reserved. 社内カイゼン(その他の事例)
課題:レビュー待ち時間が長く、ボトルネックになることが多い。 発見:プッシュ/マージリクエストを送る時間が夜の18時以降(帰る直前)に偏っていること発見。 仮説:帰る直前にまとめてではなく、適宜送るようにすればレビューが固まらずにボトルネックが解消されるのでは? 取組:帰る直前にまとめてではなく、適宜送るように変更。 評価:ボトルネックが解消し、チケット完了までの時間が安定! 課題:イテレーション終了時に予定されていたタスクの多くが完了されていないことが続いた。 発見:レビューが予定されたタイミングで終わらないことが多く、長大なマージリクエストが送られていたことを発見。 仮説:MRのサイズが小さくなれば適切なタイミングで適切なレビューができるのでは? 取組:マージリクエストの数を倍にするように変更。 評価:イテレーション終了時に予定通りにデリバリされる他に、消化ポイントも数倍に! ※このプロジェクトでは、課題ありきで細かい分析をデータを用いて行っていきました。
32 Copyright © 2020 BTC Corporation All Rights Reserved. まとめ
33 Copyright © 2020 BTC Corporation All Rights Reserved. 今日話すこと/話さないこと
• 話すこと – BTC Codebaseの簡単な紹介 – データを使ったふりかえり、カイゼンの事例 – ふりかえり、カイゼンを通して得た気づき • 話さないこと – BTC Codebaseの細かい紹介 – すごいデータ分析 – すごい技術
34 Copyright © 2020 BTC Corporation All Rights Reserved. まとめ
• データは皆に自信をくれる • データによって革新的な発見をすることもあるが、それはそう多くはない。 • 「そんなこと、データを取る前から知ってたよ。」と言われても、仮説を自信に 変えてくれるだけで、大きな価値がある。
35 Copyright © 2020 BTC Corporation All Rights Reserved. まとめ
• データは皆に自信をくれる • データによって革新的な発見をすることもあるが、それはそう多くはない。 • 「そんなこと、データを取る前から知ってたよ。」と言われても、仮説を自信に 変えてくれるだけで、大きな価値がある。 • 計測無くしてカイゼン無し • データは、カイゼンすべき点、カイゼンの効果を目に見える形で教えてくれる。 • データを基に行うことで、不安になりながらではなく、自信をもってカイゼンす ることが出来る。
36 Copyright © 2020 BTC Corporation All Rights Reserved. まとめ
• データは皆に自信をくれる • データによって革新的な発見をすることもあるが、それはそう多くはない。 • 「そんなこと、データを取る前から知ってたよ。」と言われても、仮説を自信に 変えてくれるだけで、大きな価値がある。 • 計測無くしてカイゼン無し • データは、カイゼンすべき点、カイゼンの効果を目に見える形で教えてくれる。 • データを基に行うことで、不安になりながらではなく、自信をもってカイゼンす ることが出来る。 • カイゼンは一歩づつ • 一足飛びに全部カイゼンをするのは大変。 • 一歩づつ徐々にカイゼンをすることで、積み上げると大きなカイゼンになってい た。(ベイビーステップ)
37 Copyright © 2020 BTC Corporation All Rights Reserved. ご清聴ありがとうございました