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【RESEARCH Conference 2023】未来を構想するためのデザインリサーチ

【RESEARCH Conference 2023】未来を構想するためのデザインリサーチ

技術や社会が急速に進展していく中、デザインの役割が広がっています。ソニーグループの事業も、エレクトロニクスから、ゲーム、音楽、映画、半導体、金融にまで拡大し、インハウスデザイン組織であるクリエイティブセンターの役割も変化しています。そのような中、ソニーのデザイナーは、変化の兆しをいち早く捉え、未来に向けた新たな価値を生み出すために、様々なデザインリサーチを実践しています。デザイナー自ら世界中をフィールドワークして最新トレンドをリサーチするプロジェクト「Design Vision」や、SFを用いて未来を構想しバックキャストで今後の道筋を考える「Sci-Fiプロトタイピング」など、クリエイティブセンターの取り組みを紹介します。

前川 徹郎
ソニーグループ株式会社
クリエイティブセンター 副センター長 コーポレートデザイン部門 部門長

大野 茂幹
ソニーグループ株式会社
クリエイティブセンター コーポレートデザイン部門プランニング&プロモーショングループ 統括部長

尾崎 史享
ソニーグループ株式会社
クリエイティブセンター コーポレートデザイン部門プランニング&プロモーショングループ チーム1 リサーチプロデューサー

RESEARCH Conference

June 14, 2023
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  1. 自己紹介 尾崎 史享 ソニーグループ株式会社 クリエイティブセンター コーポレート デザイン部門プランニング&プロモー ショングループ チーム1 リサーチプロ

    デューサー 2010年ソニーに入社後、VAIO事業本部 に配属、PCの商品企画に携わる。15年 よりソニーモバイルコミュニケーショ ンズに異動、スマートフォンXperia商 品企画を担当、シンガポールの駐在を 経験。帰国後、クリエイティブセン ターに配属、さまざまなデザインプロ ジェクトのデザインリサーチを担当。 前川 徹郎 ソニーグループ株式会社 クリエイティブセンター 副センター長 コーポレートデザイン部門 部門長 1993年に入社後、デバイス事業のマー ケティング、事業企画などに従事。欧 州や台湾への海外赴任を経て、本社の 経営企画管理部に異動し、さまざまな コーポレートプロジェクトを担当。 2020年よりクリエイティブセンターに て企画・管理・人事領域等を統括。 大野 茂幹 ソニーグループ株式会社 クリエイティブセンター コーポレートデ ザイン部門プランニング&プロモーショ ングループ 統括部長 2002年にソニー入社後、PCやオーディオ 機器のプロダクトデザインを担当。中国 (上海)赴任を経て、新規事業の創出と インキュベーション、要素技術R&Dに係 わるデザイン開発のマネジメントに携わ る。2018年より、デザインリサーチ、知 財、PR、プロジェクト推進を担当するグ ループのマネジメントを担う
  2. 2 Explore/Empathize デザイン対象の探索/理解/共感 3 Ideate/Prototyping コンセプトメイキング/プロトタイピング 4 Test 評価、検証、修正 5

    Deploy/Evaluation プロダクト/サービスを出した後 1 Plan PJ初期の計画段階 デザインプロジェクトのプロセス
  3. 種類 PJ例 3 Ideate/Prototyping 1 Plan 2 Explore/Empathize 4 Test

    5 Deploy/Evaluation トレンドリサーチ (マクロトレンド把握のためのリサーチ) DESIGN VISION デスクリサーチ フィールドリサーチ エキスパートインタビュー デスクリサーチ Sci-Fi Prototyping エキスパートインタビュー エキスパートインタビュー CMFのプロジェクト デスクリサーチ フィールドリサーチ インタビュー R&D (デザイン開発のためのリサーチ) プロジェクト A デスクリサーチ フィールドリサーチ 参加型デザイン フォーカスグループ インタビュー プロジェクト B デスクリサーチ フィールドリサーチ プロジェクト C 参加型デザイン 参加型デザイン 参加型デザイン プロジェクト D エスノグラフィ 試作・コンテクスチュアル インクワイアリ プロジェクト E デスクリサーチ エキスパートインタビュー プロジェクト F エスノグラフィ ルーチンワークのデザインリサーチ (デザインワークのためのリサーチ) プロジェクト G デスクリサーチ エキスパートインタビュー アンケート エキスパートインタビュー プロジェクト H エスノグラフィ エキスパートインタビュー プロジェクト I インタビュー (受容性調査) プロジェクト J エキスパートインタビュー プロジェクト K デスクリサーチ A/Bテスト プロジェクト L アンケートインタビュー クリエイティブセンターのデザインリサーチの一例
  4. Sci-Fi プロトタイピング • 「Sci-Fiプロトタイピング」とは、SF(サイエ ンス・フィクション)を用いて未来を構想し、 それを起点にバックキャストして、「いま、こ れから何をすべきか」を考察する技法。 • 世界的なパンデミックは、「未来」を描くこ とをより一層困難に。そんななか、SF作家のも

    つ大胆で精緻な「想像力」と、企業や行政等が 内包する「課題」を「接続」することによって 未来をプロトタイピングするこの技法が、「未 来のビジネス」を創造する有効な手段として、 世界的に注目を集めている。
  5. WORKSHOP (テーマ設定) Pre Researchで得た様々な知 見をベースに、フィールドリ サーチで深堀り調査するテー マについて議論し、仮のテー マと訪問地域を決定。 Pre Research

    FIELD RESEARCH WORKSHOP (整理/分析) 社内各所のキーパーソン、社 外の業界権威、専門家より最 新の社会、技術、消費者動向 のグローバルトレンドについ て知見共有。 海外拠点が持つローカルネッ トワークを活用し、公共機関、 企業、ローカルコミュニティ、 社会活動家、スタートアップ、 アーティストなどを訪問、イ ンタビューを実施。 各地域における実地調査で得 られた情報を、社会の変化を 表す上位概念から下位構造ま で整理及び分析を行った。 REPORT (執筆) 整理分析したインサイト、抽 出したテーマや訪問した場所 に関する記事を執筆し、冊子 としてまとめた。 DESIGN VISIONのリサーチプロセス
  6. Sci-Fi PROTOTYPING Sci-Fiプロトタイピングを実施。 約半年間のワークショップを経 て、2050年の未来を4つの「SF 短編小説」で描き「デザインプ ロトタイピング」を試作。より よい未来の可能性とその社会に おけるソニーの役割を探求しま した。描き出した未来からバッ

    クキャストし、2050年までの 「未来年表」を作成。未来への 重要な変化点や潮流を探る。 Pre Research WORKSHOP RESEARCH プロジェクトメンバーで、Sci-Fi プロトタイピングや調査立案の 土台となる共通認識を構築。シ ンクタンクやコンサルティング 会社から、社会、文化、技術、 消費者の長期的なトレンド動向 について知見を得た。 『WIRED』日本版編集部とともに、 ワークショップを実施して、「SF 短編小説」「デザインプロトタイ ピング」「未来年表」の理解を深 め、それぞれの解釈を議論し、未 来に向けての変化点や潮流を、解 像度を上げて分析しました。そし て、最も重要だと思われる社会、 技術、人々の意識、価値観、ライ フスタイルなどの変化を、深掘り すべきリサーチテーマとして設定。 リサーチテーマに関連する世界各地 の最新事例を、クリエイティブセン ターの海外拠点が持つローカルネッ トワークを活用し情報収集。デスク リサーチでは政府/公共機関、企業 の動向やローカルコミュニティー、 社会現象など、未来への起点となり 得る事例を、エキスパートインタ ビューでは有識者からより深いイン サイトを得ました。 REPORT リサーチ結果をソニーの方向性と照 らし合わせ、ワークショップで設定 した4つのテーマごと「Insights」 (洞察)を最新事例とともに整理/ 編集。また、Sci-Fiプロトタイピン グとリサーチから未来の動向 「Speculations」(思索)としてま とめました。その未来の動向がソ ニーにもたらす意味を軸に仮説を構 築、「Implications」(影響や意義 の考察)として提言を考えました。 DESIGN VISIONのリサーチプロセス 2021年のプロセス Confidential
  7. 未来 2050 現在 Sci-Fi Prototype 望ましい未来の姿 Backcast 先端事例/兆し Forecast 現在の先端事例/兆し

    からの延長線上に想定される未来 21年の調査方法:Backcast 従来の調査方法: Forecast 2023-2025 Confidential Research Approach
  8. Confidential HOMO DIVIDUAL CONVIVIAL AI WELLBEING-WITH MULTISPECIES 仮想人格を複数のアイデンティティと 共存する分人時代へ 人類とAI/Roboticsとが

    共存/共生する未来 私から私たちへ GDPからGDWeへの転換 人新世の先にある複数種との 関係性を構築する世界
  9. Social Trend Research CMF Trend Research & Theme Creation DESIGN

    VISION CMF Framework Products GUI Virtual Space Graphic Space Implementation Designers’ Toolbox CMF検討での活用