海外ロボット人材育成最新動向 2025/Dec/06 iREX2025 Scramble講演にて

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https://youtu.be/Qh40g0-ngK8

Transcript

1. 海外ロボット人材育成 最新動向 高須正和 ニコ技深圳コミュニティ共同発起人 Heroad Investment Partner スイッチサイエンス国際事業開発 开源社（中国オープンソースアライアンス） 早稲田ビジネススクール 大公坊創客基地(iMakerBase) ガレージスミダ研究所
2. 海外ロボット人材育成 最新動向 1. 高須のロボット関係紹介 2. ロボット人材と社会のかかわり ① 最近のロボット開発のテーマ • 同じ素体でもモーションで運動性能差が • 自律移動ロボットによる5vs5,3vs3サッカー • ロボットと仕事 ロボットは人間のように走れるか？ • 仕事と「人型ロボット」の相性の悪さ RoboCup @home, ホテル案内 ② エンジニア以外も含めての開発エコシステム • 仕様は社会全体で決まる • 失敗を見せる、応援する ③ 中国の大会で見た、学術との連携、国際連携の可能性 • RoboCup APAC • アメリカチームとのやり取り 3. オープンさと具体的な活動が何を生むか、日本はどうすべきか
3. 1.自己紹介 高須正和 3つの役割 Heroad Investment スタートアップに投資し、支援して大きくすることで世界を善くする スイッチサイエンス：先進的な開発ツールを輸出入・共同開発、投資,企業間提携などを行う。 事業： Heroad Investment Partner スイッチサイエンス グローバルビジネスデベロップメント 研究/布教：金沢大学 電子情報 博士後期課程 早稲田ビジネススクール招聘研究員/非常勤講師 「深圳の産業集積とマスイノベーション」 ニコ技深圳コミュニティ Co-founder,中国オープンソースアライアンス開源社 次世代ロボットエンジニア支援機構Scrambleほか、様々なコミュニティ 事業=仕組みになっていて利益を生むもの 事業開発=事業を作ること 2008〜11年間で39都市107回のメイカーイベント参加 ほか、浜野製作所のガレージスミダ研究所 主任研究員 コミュニティ=社会的な価値が生まれる前、 事業や研究でもできないところをやる
4. 投資事例の一つPudu Robotics すかいらーくグループなどで食事を運んでいる 店舗内AGV 現在は店舗用だけで なく -無人掃除機 -工業用AGV -ヒューマノイド などに拡大中
5. 投資事例の一つYarbo 世界初の家庭用 全自動雪かきロボ 2015-2023年まで 足掛け9年以上製品 開発 現在は北米を中心に 3万台以上出荷、欧 州／日本にも代理店 網を整備中
6. M5Stackプロトタイピングツール スイッチサイエンスとして国内総代理/投資 ESP32シリーズを採用し ているIoTプロトタイプ ツールキット 製造業DXでも顧客増加中 Amazonで書籍30冊以上 この分野のデファクトス タンダートになる勢いで 普及中
7. DD/QDDモーター、BLDCモーター 蘇州myActuator 東莞DirectDriveTech 南昌Mad Components など 多くはエンコーダー、 モータドライバが内蔵さ れていて制御性がよい 国内ロボットスタート アップを中⼼に使用事例 増加中
8. 国際ロボット展参加中のパートナー企業 W04-204 北京 Booster Robotics ヒューマノイド W4-78 深圳 Pudu Robotics AGV,4脚など W3-29 深圳 D-Robotics ロボット用AI半導体 W3-49 深圳 ORBBEC 3Dカメラ W3-49 深圳 Elephant Robotics ROS教育ロボアーム
9. ロボットへの期待が盛り上がる中、「世界ヒューマノイド ロボット運動会」が北京で行われると聞いた SNS等で広く声がけして、時間の都合がついたモノズキ が集まった 実際に会場で見たものは、「研究開発に社会全体（非エ ンジニア含む）で取り組む様子」だった」
10. 100m,400m走 同じ素体でもモーションで運動性能差が
11. 自律移動ロボットによる5vs5,3vs3サッカー
12. 未完成、完成に向かっていく途中を あえて見せることで、ロボット開発と は何かを社会全体が理解する 世界ヒューマノイドロボット運動会
13. ロボットは人間と同じように走れるか？
14. ゴールラインが見えると迷うロボット
15. ロボットと仕事 (薬品をパッケージから出す）
16. ロボットと仕事 (ホテル受付）
17. 「ロボットに仕事をさせる」の現在地 中国では資金調達したスタートアップが大量の研究者を投入してチャレンジをしている。 （まだ明確なゴールがなくて投資対効果では判断できないため、黒字を出す必要がある、産 業用ロボメインの会社でなく、このために起業したスタートアップが中心）
18. 社会にとって必要なこと 「2040年に数億台」みたいな掛け声は目立つが。。。スタートアップは「掛け声をすること」も商売の 一つ 「汎用の人形ロボットがすぐ人間の仕事を代替する」はほぼウソ →これを言っているのは 1.もともとロボット業務と無縁な人 2.新しくて派手なことを言うのが商売の人 3.その分野の研究やお金集めをしたい人 のどれかが仕事の人。ただし可能性は否定できないし、すべきでない。 物理的な作業以外の、受付とかインターフェイスとしての人型ロボは今も意味がある だからこそ研究開発とは何か、ロボット開発とは何かを大衆が理解するのは大事 中国のAIロボット開発は、AIロボット開発に何が必要か含めて試行錯誤をしている 「ロボットをAIで動かす」ということを、多くの人が実際に手を動かし、お金をかけて 体験することは意味がある
19. 世界ヒューマノイドロボット運動会と中国の国策 大衆創業 エリートでない普通の人でも起業できるし、ほとんどのビジネス はやってみないとわからない 万衆創新 新しい変わったことを最初に買う、受け入れることを含めて、イ ノベーションは世の中全体が起こす 世界ヒューマノイドロボット運動会は、放送スタッフや観 客含めて、ロボットとどう付き合うかという場でもあった
20. 会場内には様々なロボット競技の参加者とデモが
21. 国際協調、科学技術との連携 (最後はRoboCup アジア太平洋ディレクターから挨拶）
22. 国際協調、科学技術との連携 (アメリカチームにHello World）
23. なぜ中国でここまでロボット開発が盛んに？ - AI投資と一体になって大きな投資が - 他に有望分野が少ない - 新エネルギーは有望だが、かかるお金が大きすぎる - 不動産は規制が激しいし、これ以上は大儲けが見込めない - ロボットは様々な産業に波及して「化けそう」な気がする もともと社会全体に、「科学技術で自分たちの暮らしが良くなった」という共通の記 憶がある。20-30年前の中国は、今よりどうしようもなく貧乏だったし、10年前でも今 より不便だった。誰も昔に戻りたくない。
24. 結果として様々なロボットが開発されている (IROS2025 10月23日杭州で撮影したロボットパレード）
25. 我々が学ぶべきこと、すべきこと は？ - AIとロボットについて、実際に手を動かそう(一度でも やったことがある人とそうでない人の見識は大きく違 う） - 背景にある技術についてついていこう - そういう機会（メイカーフェア、ロボットコンテスト、 ハッカソンなど）に参加しよう、それを増やそう - 伝聞でなく、眼の前で見よう 1.結果が出るかわからないものにお金も手間もできる範囲で 1.結果が出るかわからないものにお金も手間もできる範囲で 出す 2.技術的なことに、様々な立場から手を動かして関わる そういうベクトルで動くべきだ
26. 中国に欠けがちなものと我々(≒日本)の価値 -ビジネスが盛り上がってるので、お金にならないこと への動きが鈍い （だから、オープンソースや先鋭的な開発ボード等、イノベーティブな分野での 僕らの活動が重宝されている） -だいたいの仕事が中国人で片付くため、グローバルさ、ダイバーシティに欠ける （アメリカの企業や大学は世界一が集まるが、中国の大学はそうならない ただし、この点では日本はもっと悪くて日本人で固まりがち） （だから国際的なコミュニティである僕らの活動が重宝されている） 日本の多くの組織が 「オールジャパンで予算つけて中国に対抗」のように、 さらにアンチイノベーションでドメスティックな戦略をとりがち それで良いことはなにもない。 手を動かす人はみな、人類を前進させるための仲間です。
27. 実際に、国際連携で世界に通じる製品を共創する日本のプロ ジェクトは多い 日本のアイデアやブランドと、深圳スタートアップのハード ウェア/カスタマイズ開発
28. 具体的に、ロボットを触って作って理解する活動を増やして いく
29. では、日本の社会に、どうロボット 開発を根付かせていこう？ 川節先生パートへ