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働くを素敵にするチームの作り方〜問題vs私たちでうまくいく〜/oso2021

 働くを素敵にするチームの作り方〜問題vs私たちでうまくいく〜/oso2021

これまで数多くのプロジェクトやITコミュニティに参加してきましたが、うまくいったときはメンバーが持ち味を発揮しつつ、
新しい技術や方法論を取り入れたりステークホルダーを巻き込んだりしながら、チームとして問題に向き合えていたように思います。
今回の発表では、チームで困難を乗り越えながら楽しく働くためにはどうすればよいのか、経験談や失敗談を交えながらお話しできればと思います。
また、チームワークとコラボレーションを大切にしたヌーラボの仕事の進め方の一部も合わせて紹介します。

Kazuhiro Kawachi

November 27, 2021
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Transcript

  1. Copyright Nulab Inc. All Rights Reserved. 河内 一弘 Kazuhiro Kawachi

    自己紹介 | 自己紹介 株式会社ヌーラボ 管理部 インハウスシステム課 課長 SIerでのQAエンジニアや受託開発を経て、2021年1月に 株式会社ヌーラボに入社。 社内の業務改善とデータ活用を推進するチームで働いて います。岡山市の自宅でフルリモート勤務。 最近は観葉植物を育てるのが趣味🌱 @tamagawaconan
  2. Copyright Nulab Inc. All Rights Reserved. • QAエンジニアを経て、受託開発プロジェクトへ異動 • 先輩たちを見てプロジェクトリーダーに憧れる

    • リーダー就任の話が舞い込む • リーダーが交代することになったらしい • 「設計は大体終わってるから、あとは実装してテストするだけ」 • 気になるところはあったが、時間がないためとりあえず先へ 念願のプロジェクトリーダー
  3. Copyright Nulab Inc. All Rights Reserved. • 結合テストで大爆発。正常系の疎通ルートすら動かない • バグ修正が新たなバグを呼ぶ

    • テストが進まず、発注元からクレーム • 「あなたのところが動かないから、みんなテストが進まないんだけど」 • バグを押し付けあうようなシーンもあった • ウォーターフォールなので前に戻れない • テストを止めて設計を見直したかったが、工程に響くのでとても言えない • 同じバグがあちこちから報告されて、てんてこ舞い • 連日客先に出張し、深夜までデバッグ 大炎上してしまう
  4. Copyright Nulab Inc. All Rights Reserved. • システムはなんとか納品したものの・・・ • すっかり自信喪失。体調もすぐれない日が続く

    • 「この仕事、自分には向いてないのかな・・・」 • リーダーを外れサブリーダーに • 上司「いったん負担を減らした方がいい。再起を図って欲しい」 リーダーから外れることに
  5. Copyright Nulab Inc. All Rights Reserved. • 自分のキャパを超えたことまで抱え込んだ 初めてのリーダーで気負いがあり、功を焦っていたのかもしれない •

    事前の情報収集ができていなかった 気になっている点をメンバーに聞いておけばよかった。状況を楽観視しすぎた • ステークホルダーとの関係づくりができてなかった 責任を押し付け合うなど、原因を人に求める雰囲気になってしまった • 変な遠慮をしてしまっていた 技術や経験のバックボーンがなく、自信がなかったのだと思う 何がいけなかったか
  6. Copyright Nulab Inc. All Rights Reserved. • アジャイル開発を知り衝撃を受ける • 休憩コーナーに置いてた「日経コンピュータ」の特集がきっかけ

    • エクストリーム・プログラミング(XP)のお話だった • これを見なかったら100日後に退職する漫画書いてましたねきっと • オブジェクト指向への関心 • 密結合な設計で苦労したので、独立性の高い設計に魅力を感じた • UMLやOOP言語、デザインパターンの勉強を始める • 今思うと、リーダーを外れてよかったのかも • リーダーのままだったら同じ失敗を繰り返していたかも • すべてを一気に変えることはできないけど、 できるところから変えていこう 次の機会を待つ
  7. Copyright Nulab Inc. All Rights Reserved. • 数年後にプロジェクトリーダーに復帰 • とある案件が舞い込む。難易度高めで納期もタイト

    • 私のほかは、入社2〜3年の若手だけ • 周囲からは「あいつら大丈夫なのか」と心配されていた プロジェクトリーダー、ふたたび
  8. Copyright Nulab Inc. All Rights Reserved. • 「これから毎日、朝会をやろう」 • 当時(2000年代中盤)は、まだ朝会は一般的ではなかった

    • 「メンバーの負担を増やすだけでは…」との声もあったが、手応えを 感じていたので続けた 不思議と不安はなかった
  9. Copyright Nulab Inc. All Rights Reserved. • 朝会 • Excelで作ったタスク管理表

    ホワイトボードの空きがないので仕方なく。当時はBacklogもRedmineもなかった • 一部の工程だけ反復開発 契約に抵触しない範囲で取り入れることに • ペアプロではなくペアレビュー ペアプロは時期尚早と判断。小規模・少人数のレビューを高頻度で実施 アジャイル的なプラクティスの一部導入 要件 定義 基本 設計 詳細設計・実装・単体テスト (ここだけ反復開発) 結合 テスト 運用 テスト
  10. Copyright Nulab Inc. All Rights Reserved. • 問題も色々起きたが、早めに対策できたので大事には至らなかった • お客さんとも認識合わせを重ね、徐々に信頼されるように

    • メンバーがどんどん成長してきた。 • 上司「お前が忙しそうにしてるより、メンバーがイキイキしてる方が安心する」 • 実装方法やプロジェクトの進め方で激論を交わすほどに • そのときのメンバーは今もバリバリ頑張ってるらしい • その後も実績を重ね、取引先から表彰されたことも 工夫したらチームが成長した
  11. Copyright Nulab Inc. All Rights Reserved. 前回 今回 プロジェクトの進め方 個人任せ

    失敗は人のせい 問題がおきたらチームで対応する 情報収集・情報共有 後手後手 朝会やペアレビューでこまめに確認 ステークホルダーとの関係 希薄 認識合わせを丁寧に 解決策の提案 遠慮がち ルールを守りつつも よいと思ったことは提案 前回との比較
  12. Copyright Nulab Inc. All Rights Reserved. • いろいろありつつも、なんとかプロジェクトを回せるようになってきた • しかし、「このやり方でいいのだろうか?」との疑問は常々あった

    • コミュニティ活動に参加するように • ETロボコン(2010年〜2019年) • 西脇.rb & 神戸.rb (2013年ごろ) • 派生開発推進協議会(2017年ごろ) • Okayama.go • JBUG(Japan Backlog User Group) • オープンセミナー岡山✨ 外の世界への関心
  13. Copyright Nulab Inc. All Rights Reserved. 「フラットな組織運営」を肌で感じることができた • 上下関係なしでも運営は回る。 みんな自律的に動いてどんどん物事が進んでいくのに感動

    • 技術や方法論など、共通の考え方を通じて繋がっている • 強い思いは必要だが、他人に押し付けてはいけない コミュニティというチーム
  14. Copyright Nulab Inc. All Rights Reserved. • 2014年、社内の品質改善、業務改善を行う部署に異動 • 受託でのものづくりではなく、問題解決がミッションに

    • ツール調達のための予算獲得が必要 プロジェクト管理ツール、テスト自動化ツールなど • セキュリティなどコンプライアンスの考慮 • 現場に活用してもらうことがゴール 社内横断部門への異動
  15. Copyright Nulab Inc. All Rights Reserved. • 役員、上位管理職(予算獲得、稟議) • 投資効果を説明(パワポスキルが上達した気がしますたぶん)

    • 激励・応援してもらえたときはめっちゃ心強かった • 内部統制部門(セキュリティ対策) • SaaS利用の事例が少ない中、メンバーがリスク評価を頑張ってやってくれた • 現場の管理職、リーダー • 複数拠点でツール説明会を開催。部署ぐるみで使ってくれるところも出てきた • だんだん景色が変わってきた • Backlog利用者が1500人超まで拡大 • 想定を超えた使い方をする人も現れ、教えてもらいに行ったことも ステークホルダーを巻き込む
  16. Copyright Nulab Inc. All Rights Reserved. • 最初は孤独だが、続けていれば理解者・協力者は出てくる • 日頃から情報発信したり話を聞く場を作る

    • 接点を増やせば信頼関係はできてくる(たぶんザイオンス効果ってやつ) • 問題意識を持ってる人はあちこちにいる。想定を超えた活用をしてくれることも • 技術や経験の引き出しは結構必要 • 開発現場やプロジェクトマネジメントで四苦八苦した経験は役立つ • コミュニティ活動での知見、知人の存在は大きい 部門を超えたチームをつくる
  17. Copyright Nulab Inc. All Rights Reserved. • 引き出しもネタ切れ気味。このままでいいのかという不安 • リモート可の会社も増え、岡山在住でも仕事の選択肢が増えてきた

    • 人との繋がりもできていたので、かなり悩んだが、 最後は新しい環境に身を投じたいという思いが勝った • 2021年1月にヌーラボに転職 人生初の転職
  18. Copyright Nulab Inc. All Rights Reserved. • リモートを前提とした環境・制度が整えられている • フルフレックスタイムで、育児などプライベートとの両立も行いやすい

    • テレワーク手当などの制度も充実 • ツールを組み合わせて臨機応変に使い分ける • 普段はTypetalkのチャットでやりとり • 会話が必要なときは、Google Meet でオンライン会議 • アイデア出しや整理はCacooの共同編集 • タスク化されたらBacklogに課題登録 • 情報は原則オープン • 機密性の高いものやプライバシーに関するものでなければ参照できる ヌーラボでの働き方
  19. Copyright Nulab Inc. All Rights Reserved. • マネージャーだから偉いという考え方はない。役割にすぎない • メンバーの知識やスキルを活かすためのマネジメント

    • メンバーの意見・意欲を大切にする。傾聴スキルはとっても重要 • 「問題vs私たち」のマインドを持つ人が多い • 目先の現象よりも、真の問題を見つけようとする • 問題が顕在化する前の予兆を見つけようとする • 人に依存しない解決策を考えようとする フラットな組織
  20. Copyright Nulab Inc. All Rights Reserved. 本質的な難しい問題が残る 働く環境が 整えられている 原因を人に

    求めない 問題の兆候を 事前に探す フラットで オープンな組織 一見良さそうだが、けっこう大変
  21. Copyright Nulab Inc. All Rights Reserved. 業務を自動化し、ルーチンワークや言いにくいことを任せる • Typetalkのボットがたくさん動いている •

    定例会のファシリテータはボットがランダムに決めて通知 • 勤怠に関する入力忘れはボットが通知 • 社内ツールのエラーはボットが拾って教えてくれる • 経費精算など、社内手続きの在り処を教えてくれる • 月次の売上、経費締めはBacklogの状態変更でWebhookを起動して自動化 • Google Drive にスプレッドシートを入れておけば、定期的に読み取って集計してくれる。など ボットが多数生息
  22. Copyright Nulab Inc. All Rights Reserved. • プロジェクトの立ち上げを丁寧に行う • 以下を明文化して共有することで、言った言わないをなくす

    • エレベーターピッチ • ステークホルダーとその役割 • やらないことの明文化 • トレードオフスライダー(QCDやスコープの重み付け) など インセプションデッキの活用 振り返ればインセプションデッキがいた ~ ヌーラボにとってのインセプションデッキ ~ https://nulab.com/ja/blog/nulab/inception-deck-in-nulab/
  23. Copyright Nulab Inc. All Rights Reserved. • 技術の引き出しを増やしておく • 技術や方法論のストックがないと、本質的な問題から目を背けてしまいがち

    • 業務と直接関係ない技術にもアンテナを立てておく • 引き出しを増やすためにコミュニティなど、外の世界と繋がりましょう • 問題解決に集中できる環境づくり • 問題点を明文化したり共有できる仕組みや関係性をつくる • 余計なストレスを感じさせない環境や制度を整える 「それぐらい我慢すればいいじゃん」とは考えず、小さなうちに取り除く努力をした方がよい • 最初は、自分の周りのできることから少しずつ • 変化はゆっくりかもしれませんが、見てる人はちゃんと見てくれてます 「問題vs私たち」のチームをつくるには