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線形代数学入門講座 第6回スライド
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TechmathProject
September 04, 2024
Science
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13
線形代数学入門講座 第6回スライド
てくますプロジェクトで行った線形代数学入門講座の第6回スライドです。
実施:2024/07/01
TechmathProject
September 04, 2024
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Transcript
線形代数学 入門講座 ⑥数ベクトル空間 てくますゼミ
①行列の演算 ②連立一次方程式 ③正則行列 ④置換 ⑤行列式 ⑥数ベクトル空間 ⑦固有値 ⑧行列の対角化 てくます講座 線形代数学(全8回)
の流れ 数ベクトル空間 1次独立と1次従属 基底と次元 線形写像
てくます講座 学習方法 ・メモをとろう! 講座ではスライドに載せきれない大事なことも話します。 配布されたレジュメの余白に書いておきましょう。 ・問題を解こう! 学問を読み聞きだけで身に付けるのは難しいです。 問題を解くことで手を動かし、理解の確認をしましょう。 ・質問をしよう! せっかく参加した講座です。
気になることは、講座中でも質問していきましょう。
線形代数学 ⑥数ベクトル空間 数ベクトル空間 実数𝑛個を縦に並べた列ベクトルを単に「ベクトル」と呼び、これから扱います。 スカラー(実数)と区別するために、ベクトルは太字で表現することが多いです。 零ベクトル 0 ⋮ 0 は
𝟎と表します。 ℝ𝑛の基本ベクトル 1 0 ⋮ 0 , ⋯ , 0 ⋮ 0 1 は 𝒆1 , ⋯ 𝒆𝑛 と表します。
線形代数学 ⑥数ベクトル空間 部分空間 ℝ𝑛では、ベクトルの足し算やスカラー倍ができます。 ℝ𝑛の部分集合 𝑉でもそれらができるとき、𝑉 を ℝ𝑛の部分空間といいます。 (例) はℝ2の部分空間である。
𝒗, 𝒗′ ∈ 𝑉 ならば、3 𝑥1 + 𝑥1 ′ + 𝑥2 + 𝑥2 ′ = 0 なので、𝒗 + 𝒗′ ∈ 𝑉 𝒗 ∈ 𝑉, 𝑐 ∈ ℝ ならば、3 𝑐𝑥1 + 𝑐𝑥2 = 0 なので、c𝒗 ∈ 𝑉 はℝ2の部分空間でない。 0 1 ∈ 𝑉 であるが、 0 2 = 2 0 1 ∉ 𝑉
線形代数学 ⑥数ベクトル空間 部分空間 𝑉が部分空間であることを確認するためには、次を調べます。 (1) 𝒗1 , 𝒗2 ∈ 𝑉
⟹ 𝒗1 + 𝒗2 ∈ 𝑉 (2) 𝒗 ∈ 𝑉, 𝑐 ∈ ℝ ⟹ 𝑐𝒗 ∈ 𝑉 ℝ𝑛の部分空間 𝑉は、𝑛次元空間の中の𝑚(≤ 𝑛)次元空間の形をしています。 原点を通る直線や平面などが、部分空間になります。 は 原点を通る直線 𝑥2 = −3𝑥1 を表すので、 ℝ2の部分空間である。 𝑥2 𝟎 𝑥1 𝑉
線形代数学 ⑥数ベクトル空間 1次結合 𝑚個のベクトル 𝒗1 , 𝒗2 , ⋯ ,
𝒗𝑚 ∈ ℝ𝑛 について考えます。 これらを使って、ℝ𝑛の他のベクトルを表すことを考えてみましょう。 1次結合…ベクトルそれぞれに係数をかけて足したベクトル 𝑐1 𝒗1 + 𝑐2 𝒗2 + ⋯ 𝑐𝑚 𝒗𝑚 (𝑐1 , 𝑐2 , ⋯ , 𝑐𝑚 ∈ ℝ) 1次関係…ある1次結合が零ベクトルになっているという関係式 𝑐1 𝒗1 + 𝑐2 𝒗2 + ⋯ 𝑐𝑚 𝒗𝑚 = 𝟎 (𝑐1 , 𝑐2 , ⋯ , 𝑐𝑚 ∈ ℝ)
線形代数学 ⑥数ベクトル空間 1次独立と1次従属 ベクトル 𝒗𝑖 が他の𝑚 − 1個のベクトルで表せてしまうとき、 ℝ𝑛のベクトルを表すにあたって、 𝒗𝑖
は不要なベクトルといえます。 1次独立…1次関係が自明なもの(𝑐1 = ⋯ = 𝑐𝑚 = 0なもの)しかないこと 𝑐1 𝒗1 + 𝑐2 𝒗2 + ⋯ 𝑐𝑚 𝒗𝑚 = 𝟎 ⟹ 𝑐1 = ⋯ = 𝑐𝑚 = 0 1次従属…1次関係に自明でないものがあること 𝑐1 𝒗1 + 𝑐2 𝒗2 + ⋯ 𝑐𝑚 𝒗𝑚 = 𝟎 かつ (𝑐1 , ⋯ , 𝑐𝑚 ) ≠ (0, ⋯ , 0) なものがある 𝑐1 ≠ 0 なら、𝒗1 = − 𝑐2 𝑐1 𝒗2 − ⋯ − 𝑐𝑚 𝑐1 𝒗𝑚 と表せてしまう。(𝒗1 が不要になる)
線形代数学 ⑥数ベクトル空間 1次独立と1次従属 (例) ℝ2 の2つのベクトル 1 1 , 0
1 について、 𝑐1 1 1 + 𝑐2 0 1 = 0 0 とすると、𝑐1 = 𝑐2 = 0 である。 よって、 1 1 , 0 1 は1次独立である。 ℝ2 の2つのベクトル 2 1 , 6 3 について、 3 2 1 − 6 3 = 0 0 という自明でない1次関係がある。 よって、 2 1 , 6 3 は1次従属である。
線形代数学 ⑥数ベクトル空間 部分空間の生成 𝒗1 , 𝒗2 , ⋯ , 𝒗𝑚
で ℝ𝑛の部分空間 𝑉のすべてのベクトルを表すことができるとき、 𝒗1 , 𝒗2 , ⋯ , 𝒗𝑚 は 𝑉を生成するといいます。 (例) ℝ2 の2つのベクトル 1 1 , 0 1 について、 ℝ2 のベクトル 𝑎 𝑏 は、 𝑎 𝑏 = 𝑎 1 1 + (𝑏 − 𝑎) 0 1 と表せるので、 1 1 , 0 1 は ℝ2 を生成する。
線形代数学 ⑥数ベクトル空間 基底と次元 𝒗1 , 𝒗2 , ⋯ , 𝒗𝑚
が1次独立で、 ℝ𝑛の部分空間 𝑉を生成するとき、 𝒗1 , 𝒗2 , ⋯ , 𝒗𝑚 は 𝑉の基底であるといい、𝑉の次元 dim(𝑉)が𝑚であるといいます。 (例) ℝ2 の2つのベクトル 1 1 , 0 1 は、 1次独立であり、ℝ2 を生成するので、ℝ2 の基底である。 よって、ℝ2 の次元は2である。
線形代数学 ⑥数ベクトル空間 線形写像 ℝ𝑛のベクトルを ℝ𝑚のベクトルにうつす写像 𝑓 が次の(1)と(2)みたすとき、 線形写像といいます。 (1) 𝑓
𝒗1 + 𝒗2 = 𝑓 𝒗1 + 𝑓(𝒗2 ) (𝒗1 , 𝒗2 ∈ ℝ𝑛) (2) 𝑓 𝑐𝒗 = 𝑐𝑓 𝒗 (𝒗 ∈ ℝ𝑛, 𝑐 ∈ ℝ) (例) 写像 𝑓: ℝ2 ∋ 𝑥1 𝑥2 ↦ 𝑥2 𝑥1 ∈ ℝ2 は線形写像である。 𝑓 𝑥1 + 𝑥1 ′ 𝑥2 + 𝑥2 ′ = 𝑥2 + 𝑥2 ′ 𝑥1 + 𝑥1 ′ = 𝑥2 𝑥1 + 𝑥2 ′ 𝑥1 ′ = 𝑓 𝑥1 𝑥2 + 𝑓 𝑥1 ′ 𝑥2 ′ 𝑓 𝑐𝑥1 𝑐𝑥2 = 𝑐𝑥2 𝑐𝑥1 = 𝑐 𝑥2 𝑥1 = 𝑐𝑓 𝑥1 𝑥2
線形代数学 ⑥数ベクトル空間 線形写像 ℝ𝑛のベクトルに𝑚 × 𝑛行列 𝐴を左からかけると、 ℝ𝑚のベクトルが得られます。 この方法で決めた ℝ𝑛から
ℝ𝑚への写像 𝑓𝐴 は線形写像になります。 (例) 線形写像 𝑓: ℝ2 ∋ 𝑥1 𝑥2 ↦ 𝑥2 𝑥1 ∈ ℝ2 は、 2 × 2行列 𝐴 = 0 1 1 0 を用いて、𝑓 𝒗 = 𝐴𝒗 と表せる。 逆に、 ℝ𝑛から ℝ𝑚への線形写像 𝑓 はある𝑚 × 𝑛行列 𝐴𝑓 を左からかける写像だと みなすことができます。
線形代数学 ⑥数ベクトル空間 まとめ ・ベクトルの演算が閉じている部分集合を部分空間という。 ・ベクトルの組に自明な1次関係しかないとき、1次独立であるという。 ・1次独立で部分空間 𝑉を生成するベクトルの組を 𝑉の基底という。 ・ベクトルの演算を保つ写像を線形写像といい、行列をかける写像とみなせる。