Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
「失敗」から学ぶこと ~ソフトウェア開発と失敗の歴史~/Learning from 'Fail...
Search
yayoi_dd
December 26, 2024
Technology
0
58
「失敗」から学ぶこと ~ソフトウェア開発と失敗の歴史~/Learning from 'Failures': The History of Software Development and Failures
弥生株式会社 もくテク
読んでよかった技術書・ビジネス書LT
https://mokuteku.connpass.com/event/340131/
yayoi_dd
December 26, 2024
Tweet
Share
More Decks by yayoi_dd
See All by yayoi_dd
弥生のQAエンジニア 品質保証活動と今後の課題 / Yayoi QA engineers, Quality assurance activities and future challenges
yayoi_dd
0
41
【弥生】20250130_AWSマルチアカウント運用セミナー登壇資料
yayoi_dd
1
620
Amazon OpenSearchのコスト最適化とZeroETLへの期待 / Amazon OpenSearch Cost Optimization and ZeroETL Expectations
yayoi_dd
1
49
フロントエンドとバックエンド非同期連携パターンのセッションを見てきた話 / Talk about seeing a session on front-end and back-end asynchronous coordination patterns
yayoi_dd
0
51
reInventで学んだWebシステム運用のBadDayへの備え方 / How to Prepare for BadDay in Web System Operations Learned at reInvent
yayoi_dd
0
43
AWS reInventで感じた世界に見る生成AIの競争 / Competition in Generative AI as Seen Around the World at AWS reInvent
yayoi_dd
0
50
データの意味を適切に伝えましょう データ可視化のお手本/Conveying the Meaning of Data Appropriately: Exemplary Data Visualization
yayoi_dd
0
61
ソフトウェアアーキテクチャーの基礎 エンジニアリングに基づく体系的アプローチ/Fundamentals of Software Architecture: A Systematic Approach Based on Engineering
yayoi_dd
0
60
ソフトウェア開発における「パーフェクトな意思決定」/Perfect Decision-Making in Software Development
yayoi_dd
3
3.1k
Other Decks in Technology
See All in Technology
どちらかだけじゃもったいないかも? ECSとEKSを適材適所で併用するメリット、運用課題とそれらの対応について
tk3fftk
2
340
Aurora PostgreSQLがCloudWatch Logsに 出力するログの課金を削減してみる #jawsdays2025
non97
1
270
AI-Driven-Development-20250310
yuhattor
3
310
貧民的プログラミングのすすめ
kakehashi
PRO
2
300
プルリクエストレビューを終わらせるためのチーム体制 / The Team for Completing Pull Request Reviews
nekonenene
4
2k
クラウド関連のインシデントケースを収集して見えてきたもの
lhazy
10
2.1k
事業を差別化する技術を生み出す技術
pyama86
3
650
マーケットプレイス版Oracle WebCenter Content For OCI
oracle4engineer
PRO
3
550
結果的にこうなった。から見える メカニズムのようなもの。
recruitengineers
PRO
1
130
アジャイルな開発チームでテスト戦略の話は誰がする? / Who Talks About Test Strategy?
ak1210
1
900
Postman AI Agent Builderで AI Agentic workflow のプロトタイピング / Prototyping AI Agentic Workflow with Postman AI Agent Builder
yokawasa
0
150
JAWS FESTA 2024「バスロケ」GPS×サーバーレスの開発と運用の舞台裏/jawsfesta2024-bus-gps-serverless
ma2shita
3
420
Featured
See All Featured
The Web Performance Landscape in 2024 [PerfNow 2024]
tammyeverts
4
450
Docker and Python
trallard
44
3.3k
YesSQL, Process and Tooling at Scale
rocio
172
14k
Practical Tips for Bootstrapping Information Extraction Pipelines
honnibal
PRO
13
1k
Become a Pro
speakerdeck
PRO
26
5.2k
Building Adaptive Systems
keathley
40
2.4k
A Philosophy of Restraint
colly
203
16k
Embracing the Ebb and Flow
colly
84
4.6k
Practical Orchestrator
shlominoach
186
10k
Gamification - CAS2011
davidbonilla
80
5.2k
Building Better People: How to give real-time feedback that sticks.
wjessup
367
19k
The Cost Of JavaScript in 2023
addyosmani
47
7.5k
Transcript
「失敗」から学ぶこと ~ソフトウェア開発と失敗の歴史~ 弥生株式会社 宍戸 里絵
自己紹介 宍戸 里絵(ししど りえ)と申します ▪ 所属 次世代本部 R&D室 (室長) –
R&D室には2024年10月に異動したばかりです ▪ 異動の前は、記帳代行支援サービスという、証憑の入力代行 アウトソーシングサービスのプロジェクトマネージャーを担当 ▪ 今後は弥生が魅せるちょっと先の未来に向けての活動をしてい きたいなって思ってます このテーマでは「登壇2回目」で、本を読むのが大好きです!!
注: AI(人工知能)/ML(機械学習) と言ったキーワードを扱うR&D室ですが、、、 本日の発表内容に という言葉は一切出てきません 「AI/ML」
今回ご紹介したい本は ソフトウェア開発現場の 「失敗」集めてみた。 出石 聡文 (でいし さとし) 著 翔泳社 42の失敗事例で学ぶチーム開発の進め方
本書では 42個の心ふるえる失敗が 出てきます つまり、盛り沢山ですね ベテランであればあるほど心がおれるかもしれませんが、、、、
この本の構成 1. 企画の失敗 「顧客要望通りの使えないソフトウェア」や「新OS地獄」などの企画時点でのしくじり 2. 仕様の失敗 「ふんわり仕様」や「難読仕様書」など、仕様に関するつまづき 3. 設計・実装の失敗 「動けばいいじゃん症候群」や「伝説のオーパーツ」などの設計や実装・環境管理でやらかしたこと
4. 進捗管理の失敗 「聞くだけ進捗会議」や「残業前提の時間泥棒」などの目的を見失ったしくじりの連鎖 5. 品質評価の失敗 「ゼロバグ出荷」や「ステルス修正」などのテストや品質管理プロセスで発生した数々の事件 6. リリース後の失敗 「出しっぱなしプロジェクト」や「ノーログ戦法」などの清々しいほどのわりきり 下記の6つの失敗で章が構成されており、コミカルなタッチの漫画とともに紹介があります
この本の面白ポイント ▪ 実践的な学び – 著者が現場で経験したリアルな問題が多く、失敗を避ける具体的なアドバイスが含まれています (ゆえに、心にしみます) ▪ ユーモラスなアプローチ – 漫画や図解を用いることで、難しい技術的な内容も読みやすく、共感を呼びます(絵があること
で、臨場感あふれます) ▪ 幅広い対象読者 – ソフトウェア開発者だけでなく、プロジェクト管理や品質管理に関わる人々にも有用です(ソフト ウェア開発会社に勤務する全てのビジネスパーソンにささります) ✓ 若手の皆さんであれば、先人の失敗の歴史を学ぶことで教訓がえられます この本は失敗から学び、より良いプロジェクト運営 を目指す全ての人におすすめの一冊です
この本を読んでみて 感想などなど
この本を読んで思ったこと ▪ 失敗は一生懸命頑張ったとしても起こる – 「あのときは全力だった」というプロジェクトのふりかえりコメントは毎回出ている ✓ でもその失敗は明日の自分への貯金なのかもしれない ▪ 己もしくは目的を見失い始めたら失敗の扉は開いている(というか開けている) –
「あれ?何だっけ?」「なんでこうなんだっけ?」と思ったら立ち止まる勇気が大事 ✓ あのときの違和感はいずれ不幸の複利がついて返ってきます ▪ 「思いよ届け」はほぼ届かない – 仕様書・設計書には行間はない、なので行間をみつけられるわけがない ✓ 要求(あなたの思い)はちゃんと言わないと、汲み取れる超能力者はいない ✓ 行間はあったとしてもただの余白としか思ってないですよ
まとめ ▪ だいぶコミカルではあるものの、ソフトウェア業界の歴 史書として非常に良い仕上がりである本書をおすす めしたいなと思います – 学校教育の場で歴史を学ぶのは、「過去の失敗と同じことをし ないようにするため」であれば、日々の業務でも同じなのではと 思ってます
発表は以上です ご紹介した本を手にとっていただけると幸いです