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[2025/09/12更新] freeeのAIに関する取り組み
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freee
September 12, 2025
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[2025/09/12更新] freeeのAIに関する取り組み
随時アップデート予定です。
社内でのAI活用の状況はdailyで変化があるため、最新の情報は面談/面接などでお問い合わせください。
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September 12, 2025
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Transcript
freee のAIツール 組織導入の取り組み
2 freee のAIツール組織導入の取り組み AIツールの特有の課題 • AIの急速な技術進歩に対応しながら、前例の少ないセキュリティリスクの適切な管理が必要 • 企業としての安全性確保と技術革新の両立
AI特区制度 • 特区認定されたチーム/メンバーに限定して、AI ツールの使用を許可 • サンドボックスでの利用(コンテナ、EC2) • ツールのセキュリティチェックにおいて優先的な対 応 • 早いサイクルでの検証と評価 AI駆動開発チーム • AIツールに関わるリスクや課題に対処する専門チーム • 社内向けのガイドラインや開発者向けのLLM基盤機能 の開発 • 迅速な組織導入とインパクトの最大化
3 freee のAIツール組織導入の取り組み freeeでのAIツール検証フロー AI特区での AIツールの評価
ガイドライン 策定と基盤構築 専門チームによる 全社展開&運用 安全な環境、限られたメン バーによるスピーディーな検 証サイクル 特区で得られた知見を形式 知&基盤化。全社展開のた めのセキュリティ対策 AI駆動開発チームによるス ピーディーな展開と 継続的な評価
AIエージェント 導入における課題と対策
5 セキュリティ • 社内コードがAIモデルの学 習データになる懸念 • センシティブのデータの外部 流出リスク
• 危険なコマンド がエージェン ト経由で実行されるリスク コスト • 利用量増加に伴う予測不能 なコスト増大 • 費用対効果 の可視化と評価 AIリテラシー • プロンプトエンジニアリングな どのスキルの格差 • 不適切な利用 でセキュリティ リスクが増大する可能性 AIエージェント導入における課題
6 AIエージェント導入における課題 セキュリティ コスト AIリテラシー プロキシサーバ
多角的な活用促進 ガイドライン
7 AIエージェント導入における対策 - プロキシサーバ • 社内LLM基盤を通して、モデルプロバイダと 接続するプロキシサーバを構築 • プロキシでは入力のマスキングと出力のガー
ドレールを構築 ◦ 実行コマンドを解析し 、危険なパターンを チェック。さらにLLMでリスクレベルを判定 ◦ MCPも同様に制限 • 開発者ごと、ツールごとの token数やリクエ スト数を計測 し、より詳細な利用状況やコスト 内訳を評価 Raw Output Raw Input Safe Input Safe Output Proxy PC Model Provider
8 AIエージェント導入における対策 - プロキシサーバ • プロキシサーバはどのAIエージェントでも共 通のものを利用。入出力のフィルタやガード ルールも原則共通 •
ただし、プロンプトの中身はツールごとに解析 して対策する The Assistant is a Professional Software Engineer… <tools> <tool> <name>GitHub MCP</name> … Cline Roo Code goose
9 AIエージェント導入における対策 - ガイドライン 社内で解禁するAIエージェントツールはすべてガイド ラインを策定 •
ツールごとのガイドラインをすべて指定 ◦ プロキシサーバの設定 ◦ グローバル/リポジトリごとのルールファイル (.clinerules, CLAUDE.md など)の設定 ◦ その他個別の考慮事項 • これらガイドラインはAI特区での検証をもとに作成
10 AIエージェント導入における対策 - ガイドライン Devin 2人以上の開発者の Approveを強制(指示者を含むことも可)。 GitHub
Actions で強制。 → Devinユーザーになりすまして、悪意のあるcommitを混入させることが出来そうなため Claude Code 一定以上の利用実績のある開発者に Claude Max の配布 → コスト最適化や利用促進。プロキシサーバがあるからできた対策
11 AIエージェント導入における対策 - 多角的な活用促進 AIエージェントは熟練度によって効果が大きく異なる ことがわかった。 社内での利用促進やスキルアップための取り組みや 仕組みづくり。
• 社内Slack, 社内ブログ による知見共有 • 社内勉強会 • チームごとの強制AIデーの実施 • 熟練者とのモブプロやライブコーディング ボトムアップとトップダウンの両輪
AIエージェント 導入後の成果と課題
13 AIエージェントの導入後の成果 Cline開放の4月→7月にかけて コーディングエージェント利用率 45% → 86%
総消費トークン数 3.5倍 → 利用は順調に拡大!
14 AIエージェントの導入後の成果 AIエージェント( Cline, goose, Claude Code…) •
多くの開発者が生産性アップを実感 • CIへの組み込みやModeの活用も • 特に上位利用者はPR数もアップ! Devin • 並列度アップで特にリーダー陣に人気 • Ask DevinやDevin Wikiが便利 → 一方で見えてきた課題も ……
15 使いこなし格差 生産性の向上 スケールの壁 AIエージェントの導入後の課題 •
全社強制AI合宿の実施 • チームを跨いだ知見の共有の ための仕組みづくり • 勉強会やモブプロ、ライブコー ディング • AIツールの適用範囲の拡大。 企画/設計/QA • CIへの組み込みやより自律的 に動作するAIツールの拡大 • AI向けのコンテキストをさらに充 実。暗黙知の明文化 • AIに最適化した開発プロセス • レビューや動作確認をサポート するシステム