Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

[2025/09/12更新] freeeのAIに関する取り組み

Avatar for freee freee
September 12, 2025

[2025/09/12更新] freeeのAIに関する取り組み

随時アップデート予定です。
社内でのAI活用の状況はdailyで変化があるため、最新の情報は面談/面接などでお問い合わせください。

Avatar for freee

freee

September 12, 2025
Tweet

More Decks by freee

Other Decks in Technology

Transcript

  1. 2 freee のAIツール組織導入の取り組み 
 AIツールの特有の課題 
 • AIの急速な技術進歩に対応しながら、前例の少ないセキュリティリスクの適切な管理が必要
 • 企業としての安全性確保と技術革新の両立


    AI特区制度
 
 • 特区認定されたチーム/メンバーに限定して、AI ツールの使用を許可
 • サンドボックスでの利用(コンテナ、EC2)
 • ツールのセキュリティチェックにおいて優先的な対 応
 • 早いサイクルでの検証と評価
 AI駆動開発チーム 
 
 • AIツールに関わるリスクや課題に対処する専門チーム
 • 社内向けのガイドラインや開発者向けのLLM基盤機能 の開発
 • 迅速な組織導入とインパクトの最大化

  2. 3 freee のAIツール組織導入の取り組み 
 freeeでのAIツール検証フロー 
 
 AI特区での
 AIツールの評価 


    ガイドライン 
 策定と基盤構築 
 専門チームによる 
 全社展開&運用
 安全な環境、限られたメン バーによるスピーディーな検 証サイクル
 特区で得られた知見を形式 知&基盤化。全社展開のた めのセキュリティ対策
 AI駆動開発チームによるス ピーディーな展開と
 継続的な評価

  3. 5 セキュリティ 
 
 • 社内コードがAIモデルの学 習データになる懸念
 • センシティブのデータの外部 流出リスク

    
 • 危険なコマンド がエージェン ト経由で実行されるリスク
 コスト
 
 • 利用量増加に伴う予測不能 なコスト増大 
 • 費用対効果 の可視化と評価
 AIリテラシー 
 
 • プロンプトエンジニアリングな どのスキルの格差 
 • 不適切な利用 でセキュリティ リスクが増大する可能性
 AIエージェント導入における課題 

  4. 7 AIエージェント導入における対策 - プロキシサーバ 
 • 社内LLM基盤を通して、モデルプロバイダと 接続するプロキシサーバを構築
 • プロキシでは入力のマスキングと出力のガー

    ドレールを構築
 ◦ 実行コマンドを解析し 、危険なパターンを チェック。さらにLLMでリスクレベルを判定
 ◦ MCPも同様に制限 
 • 開発者ごと、ツールごとの token数やリクエ スト数を計測 し、より詳細な利用状況やコスト 内訳を評価
 Raw Output
 Raw Input
 Safe Input
 Safe Output
 Proxy
 PC
 Model
 Provider

  5. 8 AIエージェント導入における対策 - プロキシサーバ 
 • プロキシサーバはどのAIエージェントでも共 通のものを利用。入出力のフィルタやガード ルールも原則共通
 •

    ただし、プロンプトの中身はツールごとに解析 して対策する
 The Assistant is a Professional Software Engineer…
 <tools>
 <tool>
 <name>GitHub MCP</name>
 …
 Cline
 Roo Code
 goose

  6. 9 AIエージェント導入における対策 - ガイドライン 
 社内で解禁するAIエージェントツールはすべてガイド ラインを策定 
 
 •

    ツールごとのガイドラインをすべて指定 
 ◦ プロキシサーバの設定
 ◦ グローバル/リポジトリごとのルールファイル (.clinerules, CLAUDE.md など)の設定
 ◦ その他個別の考慮事項
 • これらガイドラインはAI特区での検証をもとに作成 

  7. 10 AIエージェント導入における対策 - ガイドライン 
 Devin
 
 2人以上の開発者の Approveを強制(指示者を含むことも可)。 GitHub

    Actions で強制。
 
 → Devinユーザーになりすまして、悪意のあるcommitを混入させることが出来そうなため
 Claude Code
 
 一定以上の利用実績のある開発者に Claude Max の配布
 
 → コスト最適化や利用促進。プロキシサーバがあるからできた対策

  8. 11 AIエージェント導入における対策 - 多角的な活用促進 
 AIエージェントは熟練度によって効果が大きく異なる ことがわかった。
 社内での利用促進やスキルアップための取り組みや 仕組みづくり。
 


    • 社内Slack, 社内ブログ による知見共有
 • 社内勉強会 
 • チームごとの強制AIデーの実施
 • 熟練者とのモブプロやライブコーディング 
 
 ボトムアップとトップダウンの両輪 

  9. 14 AIエージェントの導入後の成果 
 AIエージェント( Cline, goose, Claude Code…)
 
 •

    多くの開発者が生産性アップを実感
 • CIへの組み込みやModeの活用も
 • 特に上位利用者はPR数もアップ!
 
 Devin
 
 • 並列度アップで特にリーダー陣に人気
 • Ask DevinやDevin Wikiが便利
 
 → 一方で見えてきた課題も ……

  10. 15 使いこなし格差 
 生産性の向上 
 スケールの壁 
 AIエージェントの導入後の課題 
 •

    全社強制AI合宿の実施
 • チームを跨いだ知見の共有の ための仕組みづくり
 • 勉強会やモブプロ、ライブコー ディング
 • AIツールの適用範囲の拡大。 企画/設計/QA
 • CIへの組み込みやより自律的 に動作するAIツールの拡大
 • AI向けのコンテキストをさらに充 実。暗黙知の明文化
 • AIに最適化した開発プロセス
 • レビューや動作確認をサポート するシステム