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ユーザーは本当に「AI」を求めている? toCプロダクトにおける生成AI体験づくり事例
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inagaki
February 26, 2025
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ユーザーは本当に「AI」を求めている? toCプロダクトにおける生成AI体験づくり事例
inagaki
February 26, 2025
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Transcript
ユーザーは本当に「AI」を求めている? toCプロダクトにおける生成AI体験づくり事例
SmartBank, Inc. Product manager 稲垣慶典 | Keisuke Inagaki @InagakiKay 新卒でDeNAに入社し、ゲームやヘルスケア・医療の領
域でプロダクトマネジメントや新規事業立ち上げに従事。 薬局スタートアップを経て24年1月より現職。 自己紹介 こういうの 書いてます!
会社紹介 スマートバンクは toC × フィンテック × AI に取り組む 誰もがお金を上手に使える世界を実現したいが、AIがそのカギになる 💭お金って、結構難しい…
1. 高い情報処理能力が必要 2. 金融リテラシーが必要 3. 計画性やマメさが必要 AIでアシスト
直近の取り組み 昨年の秋から立て続けにAI体験・生成AI活用をしてきた 実験精神で立て続けにリリースをする中で学んできた
最近の悩み 😢生成AIを活用した体験づくりムズい…
toCプロダクトで向き合っている問い 生成AI体験を”一般消費者に”どう届けるか 世の中のマスにとって生成AI体験は受け入れやすいものなのだろうか 生成AI! 生成AI!
本日のテーマ toCプロダクトで受け入れられるユーザー体験は何か? それを考えるためのポイントになりそうなことを扱ってみます 👀視点① それを使いこなせる? 👀視点③ そもそも使いたいと思う? 👀視点② 期待値ギャップない?
本日のスコープ 今日はtoCプロダクトにおける直接的な生成AI活用について また、あくまで「体験」に絞り、技術的なポイントは言及しません ユーザー自身が機能を使って 価値を享受する 裏側Opsを効率化することで 提供の安さ・速さ等で価値提供 toB 直接的な活用 間接的な活用
toC
使いこなせる体験になっているか?
視点① 使いこなせる体験になっているか? 日常的なユースケースにおいて、ユーザーは感覚的 常に合理的、理路整然と思考して生活している人はほとんどいない 仕事のときの自分 プライベートの自分 あれして… 次にこれで 後でそれで ぼーっと
視点① 使いこなせる体験になっているか? 考える必要がある体験は、大変だと感じやすい ユーザーが大変だと感じる要因は、労力や時間がかかることだけでなく、認知負荷も 労力 手間がかかる 時間 待つ、長い 心理 気が乗らない、退屈
大変、面倒 認知 たくさん読む、考える
視点① 使いこなせる体験になっているか? 登場初期の”生成AIっぽい体験”は、認知負荷が高かった? チャットUIかつ能動的な体験を世の中のマスな人たちが、日常的に使う …? 本当に対話型の体験が良いの? 「質問はありませんか?」って 聞かれても… 自分の感覚を言語化しないと 思ったようにならない
視点① 使いこなせる体験になっているか? 実際どうなんだろう…開発せずに実験してみた LINEで”オズの魔法使いテスト”を実施し、1週間模擬AI体験をやってみた 最初はよかったけど… でも、やり取りが面倒で、次第に 対話的な体験ではなくなった 📝動くもので実験してみるのが重要
視点① 使いこなせる体験になっているか? AIっぽい体験にこだわらず、シンプルな体験を追求する 新技術であるという時点でラーニングが必要であるため、よりシンプルさが重要 読まなくて いい 考えなくて いい 操作しなくて いい
期待に合った体験になっているか?
視点② 期待に合った体験になっているか? AIっぽい体験に対する期待値は極端 具体的なイメージがないためか、極端な期待値を持ちがち めっちゃ 万能 どうせ 使えない
視点② 期待に合った体験になっているか? ある一定の賢さを超えると、期待しすぎちゃう SFや漫画に登場するロボット(AI)のような人間ぽさまで求めてしまう 賢さ +αの人間的な期待値 (信頼、安心、理解、配慮) 部分的・具体的 な指示 抽象的な指示
人の期待値
視点② 期待に合った体験になっているか? 期待値マネジメントしながら体験を届ける どこまで出来るかの期待値セットができるような体験づくりをする 時には失敗もする 新人さん 承認だけはお願い! 若手さん 「よしな」が通じる 熟練さん
AI AI AI 期待値が変われば任せ方も変わる
視点② 期待に合った体験になっているか? あえて期待値を下げた「AIっぽい」体験を作ってみた 年末の期間限定キャンペーンとして、ネタ的かつ実験的に実施
視点② 期待に合った体験になっているか? 「ドジっ子キャラ」の期待値設定で失敗がネタになる 間違える前提の期待値であればOKだが、活きるケースは少ないかも… 「オリンピックで買い物したら、金メダル級の 安さでした」 「ヨークマートで買い物中、ヨーグルトが無く てヨーク(よく)泣いた」 "ローソンで買い物するとき、「ローソン、ロー ソン、ローソン!」と叫んでしまうのは私だけ?"
アマゾンで買い物するとき、ジョークが付い てくるかも!? 一定割合で変なことを言う… でも、変なことを言っても ネタとして扱ってもらえた
そもそも使いたいと思ってもらえる体験か?
視点③ 使いたいと思ってもらえる体験か? 生成AIを活用したからからといって、CPIは下がらない 今の断面においては、一般消費者にとって「だから使いたい」という理由にはならない
視点③ 使いたいと思ってもらえる体験か? 使いたいと思われる価値をつくるために生成AIを使う だからこそ「AIっぽい体験」にこだわる必要はなく、どうしたら価値になるかを考える 生成AI活用は AIっぽく なくて良い AI体験は 生成AIに こだわらない
視点③ 使いたいと思ってもらえる体験か? 「枯れた価値」から始めるのがおすすめ 地味だけど、既にニーズが証明されている「枯れた価値」にあえて応用するという考え方 生成AI 生成AI
視点③ 使いたいと思ってもらえる体験か? 生成AIを活用し、あっという間に記録がつけられるように 家計簿アプリに以前からある「レシート読み取り」を新しい体験に
視点③ 使いたいと思ってもらえる体験か? 90%くらいの正確さで許容される領域であれば相当強い やっぱりHITLでないと成り立たないし、toCはより領域選定がシビア 🧾 支出明細化 確認・修正 📄 修正するのが 当たり前
テキストデータ化 精度が 30~40% 🧾 支出明細化 確認・修正 📄 ”ほぼ”正しいでも全 然違う! テキストデータ化 精度が 90%+
視点③ 使いたいと思ってもらえる体験か? 「枯れた価値」の生成AI活用を積み重ねて10Xの価値づくり 地味だけれど、実は…という領域に新しい価値の可能性がある 課題A 課題B 課題C 課題D 従来の解 従来の解
従来の解 従来の解 10Xになる? 10Xになる? 10Xになる? 10Xになる? 生成AI の活用で 既にニーズがある「枯れた価値」
まとめ
まとめ toCプロダクトにおける生成AIを活用した体験づくり 一般の方に使いたいと思ってもらい、使いこなしてもらうために 1. AIっぽい体験にこだわらず、シンプルな体験を追求 2. 期待値をマネジメントしながら体験設計する 3. 生成AI活用は「枯れた価値」から始める
まとめ 🚀生成AIによってtoC領域は新たな価値を生み出すチャンス toC領域ではインターネット×モバイルの課題解決は既に飽和している。 だからこそ、生成AIによって生まれる新しい課題の解き方で、これまでにない価値を実 現し、多くの人に使ってもらえるプロダクトを生み出すチャンス。
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