Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

やさしいMCP入門

 やさしいMCP入門

4/9(水) お昼にYouTubeでも解説します🙌

やさしいMCP入門 & 実践LT会(KAGと学ぼう!勉強会)
https://kddi-agile.connpass.com/event/351600/

みのるん

April 06, 2025
Tweet

More Decks by みのるん

Other Decks in Technology

Transcript

  1. 1 KDDI Agile Development Center Corporation ⾃⼰紹介 御⽥ 稔(みのるん) @minorun365

    テックエバンジェリスト KDDIアジャイル開発センター株式会社(KAG) クラウドや⽣成AIで内製開発を⾏いながら 技術の楽しさを広める活動をしています AWS Community Hero AWS Samurai 2023, 2024 2024 Japan AWS Top Engineer 2024 Japan AWS All Certs Engineer Qiita 2024 Top Contributor
  2. 3 KDDI Agile Development Center Corporation MCP is 何︖ •

    MCP = Model Context Protocol の略。 ⽣成AIモデルに⽂脈情報を渡しやすくするための技術規格。 • Claudeで有名なAnthropic社が、2024年11⽉に発表した。 2025年に⼊ってから、実際にMCPを活⽤した事例やサービスが増えてきた。 • 特に、ClineなどのコーディングAIエージェントの爆発的な普及とともに 開発者の間で⼤きな話題となっている。
  3. 4 KDDI Agile Development Center Corporation MCPの何が嬉しいの︖ • 昨今話題の「AIエージェント」アプリケーションの便利な特徴の⼀つは、 まるでドラえもんのように様々なツールを使えること。

    (ツール=プログラムの関数。⼩さなアプリケーションといったイメージ) ◦ ツールの例︓ Web検索、ファイル作成、メール送信など • しかし、ツールの実装⽅法は使う⾔語やフレームワークによってバラバラだった。 そのため、⾃分が作ったツールを他の⼈にも使ってもらうことが簡単ではなく、 AIエージェント普及のハードルの⼀つになっていた。 例︓LangChainで作った AIエージェント LangChain専⽤の Web検索ツール
  4. 5 KDDI Agile Development Center Corporation MCPの何が嬉しいの︖ • そこにMCPが登場。これまでバラバラだったAIエージェント⽤ツールの 「提供のしかた」と「呼び出し⽅」が共通化され、エコシステムを形成しやすくなった。

    • これにより、⾃社データや⾃社アプリを他社のAIエージェントへ提供できるように。 ◦ 例えば…「弊社の製品マニュアル検索ツールのMCPサーバーを⽴てました︕ MCPクライアントを搭載したAIエージェントから、誰でも使ってください」など。 へい︕ウチの お⾁レシピ提案ツール 便利だよ︕使ってね MCPクライアント MCPサーバー
  5. 7 KDDI Agile Development Center Corporation 「ツール」にはざっくり2種類あります 情報取得 のツール 外部操作

    のツール 例︓Web検索ツール 例︓予定登録ツール AIエージェントアプリに 外部知識を与えるのが⽬的。 いわゆるRAGの⼀種といえる AIエージェント AIエージェント AIエージェントアプリに ⼈間のかわりに仕事させるのが⽬的。 資料作成や他システム操作など
  6. 11 KDDI Agile Development Center Corporation MCPのアーキテクチャ MCPホスト (例︓Claude Desktopアプリ)

    MCPサーバー (例︓天気予報サーバー) MCP クライアント ローカル データソース (例︓気象⽤語集) リモートサービス (例︓予報取得API) ツール(例︓予報ツール) リソース(例︓⽤語データ) Web 経由
  7. 12 KDDI Agile Development Center Corporation ここが分かりづらい︕ MCPホスト (例︓Claude Desktopアプリ)

    MCP クライアント リモートサービス (例︓予報取得API) MCPサーバー (例︓天気予報サーバー) ローカル データソース (例︓気象⽤語集) ツール(例︓予報ツール) リソース(例︓⽤語データ) Web 経由 「サーバー」と⾔いつつ、 この部分が クライアントアプリ内で 動作するケースが多い︕ (いわばプラグイン拡張機能 のような形で動く)
  8. 14 KDDI Agile Development Center Corporation 公式GitHubで、各⾔語のSDKやサーバー実装例が公開されています • 例えばPythonでMCPサーバーを開発する場合、mcp[cli] ライブラリをインポートすれば

    公式SDKで簡単にツールを作ることができます。 • ⼈気サービスに対応したMCPサーバーの 実装例も公開されています。 ◦ 例︓GitHub、Googleドライブ、 Slack、PostgreSQL…など
  9. 16 KDDI Agile Development Center Corporation MCPは「クライアント」と「サーバー」に分けて考えましょう︕ MCPホスト MCPサーバー MCP

    クライアント ツール リソース クライアント(使う側) サーバー(提供する側)
  10. 17 KDDI Agile Development Center Corporation MCPを実際に使っている製品の例 クライアント(使う側) サーバー(提供する側) Claude

    Desktop VS Code Cline Slack Googleドライブ 社内の資料を 検索して活⽤ チャットを 検索したり 投稿できる AIチャット アプリ
  11. 18 KDDI Agile Development Center Corporation MCPクライアントの例①「Claude Desktop」 ChatGPTの次に有名なAIチャットアプリ︖ Claude.ai

    のデスクトップアプリ版。 MCPクライアントが搭載されており、 MCPサーバーの場所を設定してあげると Claudeにチャットするだけでツールを使える 設定画⾯
  12. 19 KDDI Agile Development Center Corporation MCPクライアントの例②「Cline」 最近、エンジニアに超⼈気のコーディングAIエージェント。 VS Codeの拡張機能として提供されている

    Clineの「MCP Servers」ボタンを押すと 好きなMCPサーバーを探して利⽤できる マーケットプレイスから選んだ場合、 PCのローカルでMCPサーバーが稼働するよう Cline⾃⾝が設定をサポートしてくれる。 リモートサーバーを⾃分で設定もできる
  13. 20 KDDI Agile Development Center Corporation MCPクライアントの例③「Amazon Bedrock エージェント」 AWSの⽣成AIサービス「Amazon

    Bedrock」で作ったAIエージェントでは、 元々Lambdaやナレッジベース(RAG機能)をツールのように使えていましたが、 今⽉、MCPクライアントとして外部ツールを使う⽅法も公開されました。 具体的には、コード上でAIエージェントを定義する 「インラインエージェント」という機能を補完する Inline Agent SDKという外部ライブラリを使います。 マネコンで作るエージェントもMCP対応してほしい…︕ aws.amazon.com/jp/blogs/machine-learning/harness-the- power-of-mcp-servers-with-amazon-bedrock-agents
  14. 22 KDDI Agile Development Center Corporation MCPサーバーの例②「AWS MCP Servers」 AWS公式からも、クラウドアプリ開発に便利なMCPサーバー群が公開されて話題となりました。

    最初に公開されたサンプルは以下です。 • AWSドキュメントの参照 • Bedrockナレッジベースの参照 • AWS CDKのIaCコード分析 • AWSアカウントのコスト分析 • Amazon Novaモデルを使った画像⽣成 すでにClineのマーケットプレイスにも 組み込まれていますね︕
  15. 24 KDDI Agile Development Center Corporation よくある質問 Q. MCPはLLMに追加情報を渡すために使うんだね︖ それってRAGと何が違うの︖︖

    A. ⾃分のアプリ内で完結して作るだけなら、RAG⼿作りでもOKです。 MCPが解決するのは 「⾃分のRAGデータを他⼈のAIアプリにも公開してあげたい︕」 「みんなが使ってるあのデータを、⾃分のAIアプリからも参照したい︕」 といった課題です。 ※ちなみに狭義のRAGはベクトル検索を使うアプローチを指しますが、 MCPの主役はTool Useを使った広義のRAGです。