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大AI時代を長く活躍するための 「コンフォート・ゾーン」の新解釈

大AI時代を長く活躍するための 「コンフォート・ゾーン」の新解釈

2025-06-30 私のバイブル!ガチ推し本ロワイヤル 大AI時代だからこそ 「人間が選ぶこの一冊」@大崎
https://findy.connpass.com/event/357857/

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Transcript

  1. 名前 • みきてぃ / きたはら (mkitahara) :@mikity01985 出⾝ • 静岡県

    - 埼⽟県 - 千葉県 ⾃⼰紹介 職能 • エンジニアリングマネージャー / テックリード / Androidアプリ開発 / プロダクトマネージャー 職歴 • FinTech会社 (2023/07〜 ) ◦ モバイルアプリチームのエンジニアリングマネージャーを中⼼にいろいろ ◦ 2024/10 より新規事業のテックリード(Next.js、Spring Boot) を中⼼にいろいろ ◦ 新規事業にまつわるプロジェクトマネジメント、ピープルマネジメント、採⽤、広報 もちょいちょい --------------------------------- • SES会社 (3年9ヶ⽉) → 開発受託会社 2社 (1年、1年9ヶ⽉) → EdTech会社 (5年9ヶ⽉) → 現職 ◦ 2011/04 に 新卒未経験でIT業界へ。研修でAndroidアプリ開発に出会う ◦ 受託企業はそれぞれ10名以下。なんでも⾃分でやらざるをえない環境 を経験 ◦ EdTechでは出向‧業務委託のみ 30名程度の会社から 社員200⼈超えの組織の成⻑を経験 ◦ Androidアプリ開発を中⼼にサーバーサイド(PHP Ruby on Rails)、CRE、 PO、チーム責任者を経験 名前とアイコン 変えました! 2
  2. 選んだ本 4 ▪ タイトル COMFORT ZONE コンフォート‧ゾーン 「居⼼地のいい場所」でこそ成功できる ▪ 著者

    クリステン‧バトラー (著), ⻑澤あかね (翻訳) ▪ 発売⽇ 2024/09/20 ▪ 紹介⽂ (Amazonの紹介⽂を⽣成AIで要約) 「コンフォート‧ゾーンを出ろ」という社会のパラダイムは、ストレスまみれのワーカホリック を⽣み出し、私たちは常に「⾃分を追い込まなければ成功できない」と吹き込まれています。 でも、こう問いかけてみてほしい。「本当にコンフォート‧ゾーンを⾶び出す必要があるの?」 と。⼼の平和や幸せを犠牲にせず、⼤したストレスもなくフロー状態で、充実した豊かな⼈⽣を 創造できるとしたら? そんな⾶躍的な発展こそ、コンフォート‧ゾーンの中で私が経験したことです。 どんな⼿段やテクニックが役に⽴ったのかを、この本でシェアしたいと思います。
  3. コンフォート‧ゾーンの⼀般的な理解とは? 7 ヤーキーズ‧ドットソンの法則 (1908年) • ある程度のストレス下では仕事の業績が上がるが、最適なレベルを超えると業績が下がる コンフォートゾーンの定義 (2009年) • ⼈が不安のない状態で活動する⾏動状態のこと。その領域では、たいていリスクを感じることなく、

    限られた⾏動をとり、⼀定レベルの⼒を発揮できる • ⼀⽅、適度なストレス環境下では業績が増やせる「最適なパフォーマンスゾーン」が存在する コンフォート‧ゾーン の定義例 その⼈が慣れ親しんでいてストレスや不安を感じずに過ごせる、⼼理的な安全領域のこと
  4. なぜ「コンフォート‧ゾーンを抜け出せ」と伝えるのか? 11 個⼈の「成⻑機会」を守るため • 現状維持は、⻑期的に⾒ると本⼈のスキルや市場価値の停滞に繋がるリスクがあります • 変化の激しい時代でメンバーが活躍し続けるため、新しい挑戦を促すことはマネージャーの重要な役割です チーム‧組織の「進化」のため • メンバー全員が現状維持を選ぶと、組織は硬直化し、新しい課題や環境変化に対応できなくなります

    • 個々の⼩さな挑戦の積み重ねが、チーム全体の⽣産性向上やイノベーションの源泉となります 「停滞」を「当たり前」にしないため • 「挑戦しないこと」が常態化すると、それがチームの⽂化として根付いてしまい、成⻑が⽌まってしまいます • 学びへの意欲を維持し、チーム全体の⽬線を未来に向ける「挑戦する⽂化」を意図的に作ることが重要です
  5. なぜ「コンフォート‧ゾーンを抜け出せ」に違和感を感じるのか? 12 「個⼈の尊重」を⽋いた、⼀⽅的な指⽰に聞こえる • ⼈によってコンフォート‧ゾーンの広さや置かれている状況は様々であり、画⼀的な「抜け出せ」という⾔葉は 個⼈の事情を無視した命令に聞こえかねません • 本⼈の意思やタイミングを無視した「挑戦」の強制は、成⻑ではなく苦痛を与えてしまうだけではないか、 という違和感がありました 「⼼理的安全性」を脅かす危険性

    • 「挑戦しろ」という⾔葉は、「失敗は許されない」というプレッシャーと表裏⼀体になりがちです • 失敗が許されるという⼼理的安全性がなければ、メンバーは萎縮してしまい、挑戦を促す⾔葉が逆効果になる 危険性がありました 「燃え尽き(バーンアウト)」を助⻑しかねない • すでに頑張っているメンバーや疲弊しているメンバーへの「挑戦しろ」という⾔葉は、過剰な負荷となり、 燃え尽きの引き⾦になりかねません • 「成⻑」という名の下に、メンバーを精神的に追い詰め、使い潰してしまうことへの懸念がありました
  6. 私がこの本を⼿に取った理由 13 マネジメントの「常識」に対する、個⼈的な“違和感” • 「コンフォート‧ゾーンを抜け出させるべき」という常識に対し、現場ではすでに皆が全⼒で頑張っている 現実がありました • 「これ以上『頑張れ』と伝えるのは本当に正しいのか?」という、マネジメント⼿法への個⼈的な違和感が きっかけです 「燃え尽き」させずにチームを育てる、新しい⽅法の模索

    • メンバーを燃え尽きさせることなく、個⼈の幸福とチームの成⻑を両⽴させる、持続可能な育成アプローチを 探していました • 精神論ではない⽅法を模索する中で、「居⼼地のいい場所でこそ成功できる」というメッセージに強く惹かれました AI時代における「⼈間の価値」を再定義したかったから • AIが効率を担う未来で、⼈間にしか⽣み出せない「創造性」や「深い思考」の価値について考えていました • 「“居⼼地の良さ”は、⽢えではなく、これからの時代を勝ち抜くための『戦略』かもしれない」という仮説を 考察したかったためです
  7. 書籍の概要 15 この書籍におけるコンフォート‧ゾーンの定義 • コンフォート‧ゾーン(The Comfort Zone) ◦ ⼼が満たされ、⾃分らしくいられ、エネルギーが湧いてくる理想の場所 •

    サバイバル‧ゾーン(The Survival Zone) ◦ 不安、恐れ、他⼈との⽐較、承認欲求に⽀配されている場所。多くの⼈が「成⻑に必要な厳しい環境」と誤解 • ⾃⼰満⾜ゾーン(The Complacent Zone) ◦ 無気⼒で退屈し、⼈⽣に停滞を感じている場所。コンフォート‧ゾーンとは全く異なる、避けるべき状態 この書籍では、コンフォートゾーンという 安⼼できる「安全基地」で⼼と体のエネルギーが満たされるからこそ、 ⼈は本当に質の⾼い挑戦と持続的な成⻑を遂げられる ということを伝えています。
  8. 書籍の概要 16 Part 1:なぜ、コンフォート‧ゾーンが⼤切なのか?(哲学の提⽰) • 「コンフォート‧ゾーンを抜け出すべき」という常識に異を唱え、「居⼼地のいい場所」こそがエネルギーの源泉 となる“安全基地”であると再定義します • ストレスに満ちた「サバイバル‧ゾーン」の危険性を指摘し、私たちが⽬指すべきはエネルギーに満ちた 真のコンフォート‧ゾーンである、という本書の哲学を提⽰します

    Part 2:コンフォート‧ゾーンに、戻る⽅法(実践ツール) • 「思考」「⾝体」「環境」という3つの側⾯から、ストレスフルな状態から抜け出し、⾃分をコンフォート‧ゾーンに戻 すための具体的な⽅法論を解説します • 呼吸法や思考の書き換え、環境整備など、⽇常⽣活で使える実践的なテクニックを網羅的に学ぶことができます Part 3:コンフォート‧ゾーンで、夢をかなえる⽅法(応⽤と発展) • コンフォート‧ゾーンを「抜け出す」のではなく、安全基地から挑戦の範囲を「広げていく」という、 本書の核⼼的なコンセプトを提⽰します • 恐怖や義務感からではなく、幸福感を⼟台として、⾃分らしい夢を実現していく新しい成功の形を学びます
  9. 書籍の概要 17 コンフォート‧ゾーンを広げるために意識すべきこと • 内なる声に⽿を傾ける ◦ サバイバル‧ゾーンで⽣まれる「〜ねばならない」という思考から離れ、⾃分の本当の望みを⾒つける • ポジティブなエネルギーを⾼める ◦

    ⼼⾝の状態を整え、コンフォート‧ゾーンという安全基地のエネルギーレベルを⾼める • ⼩さな⾏動で現実を変える ◦ コンフォート‧ゾーンから「無理のない範囲で」⼀歩を踏み出し、現実世界での成功体験を積み重ねていく
  10. 私が思うターゲット 19 メンバー ① 真⾯⽬で責任感が強く、少し燃え尽き気味(バーンアウト気味)なメンバー • 「最⾼のパフォーマンスを発揮するために、戦略的に休む‧安⼼する」という許可を⾃分に与えられます ② 失敗を恐れて、新しい挑戦に⼀歩踏み出せないでいるメンバー •

    挑戦とは「恐怖に⾶び込む」ことではなく、「安全な基地から、好奇⼼で少しだけ周りを探検すること」が理解できます ③ 頑張っているのに、どこか満たされない気持ちを抱えているメンバー • ⾃分が本当に望むものは何かを⾒つめ直し、⾃分らしい幸福とキャリアを⼀致させていくことができます マネージャー ①良かれと思って、ついメンバーにプレッシャーをかけてしまうマネージャー • 「安⼼」を戦略的に与えることこそが、チームのパフォーマンスを最⼤化させるという、新しい視点を得られます ② メンバーの成⻑と、⼼⾝の健康の板挟みで悩んでいる誠実なマネージャー • コンフォート‧ゾーンを「抜け出させる」のではなく「広げさせる」というアプローチは、⼼理的安全性を守りながら 成⻑を促すための、優しくて⼒強い武器になります
  11. まとめ 20 適度なストレスは、パフォーマンスを⾼め、成⻑のきっかけとなります • "恐怖"ではなく「少し難しいけれど、⾯⽩そう」と感じるような、好奇⼼を伴う健全な挑戦をします。 • 過剰なストレスは⼼⾝を消耗させるだけの「サバイバル‧ゾーン」への⼊⼝です 「良いストレス」と「悪いストレス」を⾒極めることが重要です。 コンフォート‧ゾーンは『抜け出す』のではなく『広げる』もの。それが、⾼いパフォーマンスで成⻑し続ける鍵です •

    安全な基地から少しずつ探検し、未知の⼟地を⾃分の庭に変えていくような、ポジティブで持続可能なプロセス • ⼀度に⼤きく広げようとせず、⽇々の⼩さな成功体験を積み重ねて、安⼼できる領域をじわじわと育てていくこと AIが『⼿段』を最適化するからこそ、⼈間は『⽬的』を創造し、その価値を問う思考⼒を磨く必要があります • これからの時代、単に「正解」を速く出す能⼒の価値は、AIの台頭と共に相対的に低下します • 「そもそも、解くべき課題は何か?」と問いを⽴てる⼒や、⼈の⼼を動かすビジョンを構想する⼒が、 ⼈間にしか⽣み出せない価値となります • 私たち⼈間の成⻑の⽅向性は、AIを賢く「使う側」として、より創造的で、より⼈間的な領域へとシフトしていきます