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AWSのルートアカウント管理者を A社からB社に移行してみた

AWSのルートアカウント管理者を A社からB社に移行してみた

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naoko rikiyama

July 26, 2025
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  1. 2 • 名前:力山 奈生子(りきやま なおこ) • 所属:某SIer • ロール:インフラエンジニア •

    AWS歴:5年 • 2025 Japan All AWS Certifications Engineerに選ばれました! • 趣味:おいしいものを食べること 自己紹介
  2. 5 • 直接取得する方法 • リセラー経由で取得する方法 AWSアカウントの利用形態 利用者 ドル建ての クレジットカード払い 利用者

    円建ての支払い リセラー 支払い代行 メリット デメリット • 円建ての支払いが可能 • リセラー独自のサービスを受けられる(安価 にエンタープライズ相当のサポートを受けら れる など) • AWSアカウント内でリセラーが管理する 見 えない・触れない部分が出てくる
  3. 6 今回ルートユーザーを移行することになった経緯(1/3) AWSアカウント (管理アカウント) AWSアカウント (メンバーアカウント①) AWSアカウント (メンバーアカウント②) AWSアカウント (メンバーアカウント③)

    今回のシステム 開発で利用 リセラーA社 他のユーザーが 他システム開発で利用 他のユーザーが 他システム開発で利用 Organizationsというマルチアカウント管 理のサービスを利用し、A社が所有する 管理アカウントからメンバーアカウン トを集中管理 ・・・ 各メンバーアカウントを払い出し、 サービスを提供 各メンバーアカウントのルートユーザー の認証情報はA社社内で管理 利用者用のAWSアカウントは A社が管理するOrganizationsの メンバーアカウントとして払 い出し とあるお客様企業向けのAWSベースのシステム開発にて、リセラーA社からAWSアカウントを取得して利用
  4. 7 • 発表者の所属先(某SIer)が開発したシステムの運用をB社に引き継ぐことが決定 • 引き継ぎにあたっての事情 - 将来的にシステムの環境増設を予定していて、追加のAWSアカウントが必要になる見込みだった - B社はAWSのパートナー企業でA社と同じくAWSアカウントのリセールビジネスを行なっていた -

    B社もAWSアカウントをリセールする場合はOrganizationsの1メンバーアカウントとして提供、ルー トユーザーの認証情報はB社が管理 今回ルートユーザーを移行することになった経緯(2/3) 運用引き継ぎ前 (某SIerが運用担当) 運用引き継ぎ後 (B社が運用担当) A社が払い出し・管理 存在しない B社が払い出し・管理 B社が管理 既存環境用 AWSアカウント 新環境用 AWSアカウント • 今後のAWSアカウントの利用形態 - 環境増設用のAWSアカウントはB社から手配 - さらにA社から取得した既存アカウントもB社に移管
  5. 8 今回ルートユーザーを移行することになった経緯(3/3) AWSアカウント (管理アカウント) AWSアカウント (メンバーアカウント) 今回のシステム 開発で利用 A社 ・・・

    各メンバーアカウントを払い出し、 サービスを提供 ということで、A社→B社への会社をまたぐルートユーザーの移行およびOrganizationsの移動を行うことに AWSアカウント (管理アカウント) AWSアカウント (メンバーアカウント) 今回のシステム 開発で利用 B社 ・・・ 各メンバーアカウントを払い出し、 サービスを提供 ルートユーザーの メールアドレス 〜@asha.com ルートユーザーの メールアドレス 〜@bsha.com
  6. 9 A社からB社へのルートユーザー移行手続き Step 手続き 所要時間 担当 詳細 1 移管元(A社)への解約申請 10-15分

    お客様 A社のポータルへのチケット起票 2 ルートユーザーのメールアドレス変更 2-3週間 A社、B社 A社 ・ルートユーザーのMFA解除 ・ルートユーザーのメールアドレス・パスワード共有 など B社 ・ルートユーザーのメールアドレス・パスワード変更 ・支払いオプション変更 ・管理連絡先情報変更 など 3 移管先(B社)への申込 数日 お客様、B社 不明 4 移管元(A社)と移管先(B社)のAWS アカウントの管理方針の差分への対応 2-3週間 某SIer、B社 次ページ以降に記載 • 私がやったこと - 必要な手続きをA社に確認して整理(リセラーにより異なる可能性があるらしい) - 1〜3の間はスケジュール管理や各社への情報連携を実施、4は主担当として対応しそれなりに頭を使った • やってみて分かったこと - AWSアカウントを使えなくなるタイミングはなく、リソースを継続利用可能 - AWS料金の支払い先は2の手続きの途中でA社からB社に変わった • 所感 - 各社協力的で全体としてスムーズに移行を実施できた AWSアカウントの 契約者がお客様のため AWSアカウントの 契約者がお客様のため
  7. 10 (参考)A社が払い出すAWSアカウントのユーザーの管理 IAMの認証情報を使ってアクセス ユーザー名 パスワード 権限 ユーザーA --- 管理者レベル ユーザーB

    --- 開発者レベル AWSアカウント (管理アカウント) AWSアカウント (メンバーアカウント) 今回のシステム の開発で利用 A社 AWSコンソール用のユーザーと権限は メンバーアカウント側のIAMにて管理 IAM ユーザーの管理は 利用者側が担当
  8. 11 (参考)B社が払い出すAWSアカウントのユーザーの管理 Oktaの認証情報を使ってアクセス ロール名 権限詳細 管理者ロール IAM・Aurora・S3等の権限 開発者ロール Aurora・S3等の権限 AWSアカウント

    (管理アカウント) AWSアカウント (メンバーアカウント) 今回のシステム 開発で利用 B社 AWSコンソールを利用する際は、管理アカウント 側のIAM Identity Centerの設定時に自動作成され るメンバーアカウント側のIAMロールの権限を利用 IAM IAM Identity Center ユーザー名 権限 ユーザー① メンバーアカウントの 管理者レベル ユーザー② メンバーアカウントの 開発者レベル ユーザー名 パスワード ユーザー① --- ユーザー② --- AWSコンソール用のユーザーは B社がOktaというIDaaSのサー ビスで管理 OktaのユーザーとAWS上の権限の紐づけはB社が 管理アカウント側のIAM Identity Centerという SSOのサービスで管理
  9. 12 A社とB社のAWSアカウントの管理方針の差分への対応(1/3) ルートユーザー移行にともない、ユーザー管理方式をA社管理下で標準だったIAMからB社管理下で標準のOkta へ移行することに ルート ユーザー それ以外の ユーザー A社 なし

    某SIer お客様、某SIer B社 ルートユーザー移行後 なし ルートユーザー移行前 管理 管理 発行済 ユーザー 管理 発行済 ユーザー お客様、B社、某SIer なし なし B社 IAM ユーザー Okta ユーザー Oktaユーザー払い出し後に 発表者(某SIer)にてIAM ユーザーを削除
  10. 14 A社とB社のAWSアカウントの管理方針の差分への対応(3/3) 表:料金 - AWS サポート | AWS (amazon.com)より抜粋 AWSサポートへの問い合わせは、A社管理下ではA社のポータル経由で無償で行えたのに対し、B社管理下では

    有償のビジネスサポートプランを契約の上でAWSコンソールから行うことを確認 A社管理下では追加料金無しで独自のポー タルから問い合わせ B社管理下では有償のビジネスサポートプラン を契約の上でAWSコンソールから問い合わせ AWSのサポートプラン