本資料はSatAI.challengeのサーベイメンバーと共に作成したものです。
SatAI.challengeは、リモートセンシング技術にAIを適用した論文の調査や、より俯瞰した技術トレンドの調査や国際学会のメタサーベイを行う研究グループです。speakerdeckではSatAI.challenge内での勉強会で使用した資料をWeb上で共有しています。
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紹介する論文は、「Individual tree crown delineation in high resolution aerial RGB imagery using StarDist-based model」です。本研究は、航空RGB画像を用いた混合林環境における個々の樹冠抽出タスクに対し、元々細胞核抽出に用いられていたStarDistモデルを適用しています。StarDistでは、各樹冠を星状凸多角形で表現することで、複雑な樹冠形状を高精度に捉えることが可能となります。本論文では、U-Netベースのネットワークを用いて、樹冠存在確率と樹冠中心から多角形の各頂点までの距離を同時に予測したのち、重なりの大きい樹冠候補を排除する手法を提案しています。これにより、Mask R-CNNのような深層学習ベースの従来手法と比較して、樹冠抽出精度の向上が実現されています。今後はハイパースペクトルデータを組み合わせた改善が期待されます。