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数理統計学特論II
第1回 基本用語
奥 牧人 (未病研究センター)
2022/06/15
2023/06/14
2024/06/12

Makito Oku

March 29, 2022
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Transcript

  1. 「現代数理統計学」の全体像 1. 前置きと準備 2. 確率と1次元の確率変数 3. 多次元の確率変数 4. 統計量と標本分布 5.

    統計的決定理論の枠組み 6. ⼗分統計量 7. 推定論 8. 検定論 9. 区間推定 10. 正規分布、2項分布に関する推測 その他の話題 11. 線形モデル 12. ノンパラメトリック法 13. 漸近理論 14. ベイズ法※ 確率と統計の基礎 良い点推定とは︖ 良い検定とは︖ 問題設定と準備 7章と8章に関する証明 回帰分析と分散分析を統⼀的に理解 常⽤される⼿法を改めて整理 ベイズ統計を簡単に紹介 ノンパラを簡単に紹介 ※ 14章は授業では扱わない予定 3 / 52
  2. 授業計画 1. 基本用語 2. 検定論 3. 区間推定 4. 正規分布と二項分布に関する推測 5.

    線形モデル 6. ノンパラメトリック法 7. 漸近理論 8. 期末試験と解説 4 / 52
  3. 集合に関する記号 は、 が集合 の元であることを表す 和集合 ( または ) 積集合 (

    かつ ) 差集合 ( だが でない) 部分集合 ( は に含まれる) x ∈ A x A A B A ∪ B A B A ∩ B A B A ∖ B A B A ⊆ B 13 / 52
  4. よく使うギリシャ文字 記号 読み方 記号 読み方 記号 読み方 アルファ カッパ タウ

    ベータ , ラムダ , ファイ , ガンマ ミュー カイ , デルタ ニュー , プサイ イプシロン グザイ , オメガ ゼータ , パイ イータ ロー , シータ , シグマ α κ τ β λ Λ ϕ Φ γ Γ μ χ δ Δ ν ψ Ψ ε ξ ω Ω ζ π Π η ρ θ Θ σ Σ 16 / 52
  5. 総乗記号 全てを足す場合 (総和) 全てを掛ける場合 (総乗) 足し算は英語で summation で、s に対応するギリシア文字が 掛け算は英語で

    product で、p に対応するギリシア文字が n ∑ i=1 xi = x1 + ⋯ + xn n ∏ i=1 xi = x1 × ⋯ × xn Σ Π 18 / 52
  6. ド・モルガンの法則 「 または 」の否定は「 でない、かつ でない」 「 かつ 」の否定は「 でない、または

    でない」 「または」と「かつ」が入れ替わる ド・モルガンの法則として知られている P Q P Q P ∨ Q = P ∧ Q P Q P Q P ∧ Q = P ∨ Q 23 / 52
  7. 述語論理の場合 や も否定にすると入れ替わる 「全ての について が成り立つ」の否定は 「ある について が成り立たない」 「ある

    について が成り立つ」の否定は 「全ての について が成り立たない」 ∀ ∃ x P (x) x P (x) ∀x, P (x) = ∃x, P (x) x P (x) x P (x) ∃x, P (x) = ∀x, P (x) 24 / 52
  8. 微分の基本 のべき乗の微分 分母にくる場合も同様 を含まないものは微分したら消える x (x) ′ = 1 (x

    2 ) ′ = 2x (x 3 ) ′ = 3x 2 (x n ) ′ = nx n−1 ( 1 x ) ′ = (x −1 ) ′ = −x −2 x (c) ′ = 0 26 / 52
  9. 対数、指数、三角関数の微分 対数関数 指数関数 三角関数 (log x) ′ = 1 x

    (e x ) ′ = e x (sin x) ′ = cos x (cos x) ′ = − sin x 27 / 52
  10. 2つの関数の積の微分 2つの関数の積の微分は、片方ずつ微分すれば良い 割り算の場合も同様 (f(x)g(x)) ′ = f ′ (x)g(x) +

    f(x)g ′ (x) (x 2 log x) ′ = 2x log x + x 2 1 x ( f(x) g(x) ) ′ = (f(x) 1 g(x) ) ′ = f ′ (x) 1 g(x) + f(x) −g ′ (x) (g(x))2 = f ′ (x)g(x) − f(x)g ′ (x) (g(x)) 2 29 / 52
  11. 転置 転置 は、ベクトルや行列の縦と横を入れ替えること は英語の Transpose の頭文字 T = ( )

    ( ) T = ( ) T = ( ) ⎛ ⎝ 1 2 3 ⎞ ⎠ 1 2 3 1 2 3 ⎛ ⎝ 1 2 3 ⎞ ⎠ 1 2 3 4 1 3 2 4 T 32 / 52
  12. 固有値と固有ベクトル ある行列 が 固有値 と 固有ベクトル を持つとき、その行 列に固有ベクトルを掛けると、元のベクトルの固有値倍になる 例 固有値は

    でも良い A λ v Av = λv A = ( ), v = ( ), λ = 5 Av = ( ) ( ) = ( ) = 5 ( ) 1 2 2 4 1 2 1 2 2 4 1 2 5 10 1 2 0 ( ) ( ) = ( ) = 0 × ( ) 1 2 2 4 2 −1 0 0 2 −1 41 / 52
  13. 単射と全射 集合 から への写像 を考える 単射 は、行き先で合流しないこと 例、 は、 のとき

    になり、 のときも になるので、単射でない 全射 は、行き先の全ての要素に到達できること 例、同じく は、 が実数とすると、 にはどの からも到達できないので、全射でない 全単射 は、単射かつ全射のこと A B f : A → B y = f(x) = x 2 x = 1 y = 1 x = −1 y = 1 y = f(x) = x 2 x y = −1 x 47 / 52
  14. 期待値と分散の性質 常に成り立つ式 ( は定数) と が独立のときのみ成り立つ式 a, b V [X]

    = E[X 2 ] − E[X] 2 E[aX + b] = aE[X] + b V [aX + b] = a 2 V [X] E[X + Y ] = E[X] + E[Y ] X Y E[XY ] = E[X]E[Y ] V [X + Y ] = V [X] + V [Y ] 50 / 52