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(スライド版) 候補者の意向度を最大化する 採用広報コンテンツ戦略とは / saiyokoho...

(スライド版) 候補者の意向度を最大化する 採用広報コンテンツ戦略とは / saiyokoho-contents

ベンチャー企業やスタートアップ企業において、自社の採用競争力を高めるための1つの手段として「採用広報」に取り組まれている会社も多いかと思います。

私が所属するベーシックにおいても、ご多分に漏れず採用広報には力を入れており、その活動内容について、他の企業の方に相談を受けたり、登壇でお話したりすることもこれまで多くありました。

noteやSNSなど採用広報の手法はいくつかありますが、限られたリソースで取り組んでいる会社も多い中、とにかく何でもやろうでは人事や広報の担当者が疲弊してしまい運用が継続しません。
そのためには、しっかりと目的を設定した上で、採用広報の戦略の全体像を設計しつつ、それに基づきコンテンツを作成していくべきだと考えています。そのテーマにおいてイベント登壇をさせていただいたところ、非常に多くの反響をいただきました。
https://lp.youtrust.jp/journal/posts/basic-20230209

今回のスライドは、そのイベントでの発表内容をベースとして、より気軽にご覧いただけるよう、エッセンスを簡単にまとめたものになります。

・これから会社として採用広報に取り組みたいと考えている方
・既に採用広報に取り組んでいるものの、若干その方向性に迷っている方
・効果的な採用広報施策を全般的に模索中の方

などに特に見ていただけると嬉しいです。

Takeshi Sumida

March 01, 2023
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Transcript

  1. 前提情報 投資の加速により事業が急激に成長、早急に採用を拡大していく必要があった 会社名 株式会社ベーシック 従業員数 170名 ミッション 「マーケティングとテクノロジー」で世の中の問題を解決する 主要事業 BtoBマーケティングに特化。

    ツールとノウハウでリード獲得支援。 フォーム作成最短30秒。 顧客情報をチームで管理できる。 初心者からプロまで。 すべてのマーケターへ情報発信。 会社概要  ・事業としては主に3つを展開、特にSaaS事業が急成長  ・元々複数事業を展開していたが、2020年に創業事業の   比較メディアを事業売却し、SaaSを中心とした会社に  ・2020年の事業売却、2021年の資金調達を踏まえ   SaaS事業の投資を加速、それに合わせて組織が急拡大 フェーズやその他前提情報
  2. 採用拡大にあたりぶつかった4つの壁とその対策 それぞれの壁に対する対策が必要、当スライドでは特に2について説明 1  せっかく内定を出せたのに、内定承諾率が  低くて採用まで至らない 2  ようやく採用できたのに、早期離職する人が  結局多い 3  いつまで経っても人事の人手が足りず

     自転車操業状態 (=人事の疲弊) 4  知名度が低いので、十分にエントリー数が  集まらない ・採用広報コンテンツの開発 ・独自のアトラクトの勝ち筋の見極め ・オンボーディングの見直し ・見極め/オファー手法の見直し ・コア業務とノンコア業務の分離 ・その上で外部に思い切って頼る ・チャネルを一度広げて徹底的に最適化  (特にエージェント、スカウト)
  3. (参考) 採用ファネルの分析 体制が限られているからこそ、どの課題を優先的に解消すべきかの見極めは重要 ベーシックの場合は特に「内定承諾率」の向上に力を入れた。 これは採用ファネルを分析した場合に、明らかにそれが足を引っ張っていたため。 (単位:人) 2021年 平均 2022年 平均

    エントリー 1,333 1,500 一次面接 320 480 二次面接 160 240 最終面接 80 120 内定 67 100 (内定率) (1.5%) (2.0%) 内定承諾 20 30 (内定承諾率) (30%) (30%) エントリーは増やせてるし、その質は向上している (=内定までの通過率が向上している) 一方で、内定承諾率は高められておらず、 またそれは業界平均から著しく低い。 (※数字はイメージなので適当です。)
  4. (参考) noteの内容の方向性について 目的の設定とそれに応じたコンテンツが肝、闇雲に記事を量産するのは危険 ベーシックでは、とにかく通過率・内定承諾率にフォーカス、 候補者の意向度をいかに高められるかの観点で、以下3つの型でコンテンツを作成。(3年で150本以上公開) 取り組み 部署・個人として取り組んだ結果、成果 が出たものについて、他社でも参考にし てもらうために、型やノウハウという形 で詳細を公開するコンテンツ。

    決意表明 部署・個人として、どのような業務に取 り組んでいるのか、その面白さや挑戦の 内容について、新任の役職者や異動者に その想いを綴ってもらうコンテンツ。 入社エントリ これまでの経歴、その上でなぜベーシッ クに入ったのか、ベーシックで何に挑戦 しようとしているのか、新入社員にその 思いを綴ってもらうコンテンツ。
  5. 採用広報コンテンツで抑えるべきステップ コンテンツを作ることはもちろん、確実にプロセスまで組み込むことが大事 1  「情緒的コンテンツ」が  継続的に出続ける仕組みを作る 2  双方のコンテンツを、  採用プロセスの中にしっかりと組み込む 3  「客観的コンテンツ」を

     網羅的に整備する 初期接点で、選考対象の会社から落ちな いことがまずは寛容。採用候補者に得て もらいものとしては、「安心感」や「信 頼感」。 「意向度」の向上により効くのは情緒的 コンテンツ。そのためには最新のものが 出続ける仕組みが必要。 いずれのコンテンツも、作って終わりに してはならない。それが採用候補者に確 実に認識されるよう、採用プロセスに確 実に組み込むべき。
  6. 最後に それぞれのコンテンツを作る目的を明確化することが何より重要 採用広報に限らずコンテンツ作りには時間を要します。だからこそひとえに採用広報のコンテンツと言っても、それぞれを 作成する「目的」を明確にすることは何より重要です。 例えば今回ご紹介した”note”を例に取ると、それによりエントリー数を増加させようとすれば相当な本数のnoteを書く必要 が出てきますが、結果的にはKPI上は狙っていた程の成果が出ないということは往々にしてあります。 仮にエントリー数を増やしたいのであれば、何十時間とnoteの執筆や編集に充てていた時間を、スカウトの送付やエージェ ントとのコミュニケーションに使った方がよかったということもあるでしょう。 今回ご紹介したように、基本的には前期接点のために客観的コンテンツを揃え、そこでは「安心感と」「信頼感」を獲得、 その上で後期接点のための情緒的コンテンツで「意向度」の向上や直接的には「内定承諾率」の向上を目指すのがいいと基

    本的には考えています。 限られたリソースで取り組んでいる会社も多い中、とにかく何でもやろうでは人事や広報の担当者が疲弊してしまい運用が 継続しません。目的を設定した上で、今回ご紹介したような全体像を設計しつつ、より効果的なコンテンツを作成していく ために、今回の内容が皆様のご参考になっていれば幸いです。