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PLDI '21論文読み会: High Performance Correctly Round...
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June 08, 2022
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PLDI '21論文読み会: High Performance Correctly Rounded Math Libraries for 32-bit Floating Point Representations
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June 08, 2022
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Transcript
High Performance Correctly Rounded Math Libraries for 32-bit Floating Point
Representations PLDI2021読み会@Idein 2021/09/24 藤井裕也
概要 • 正しく丸められた32bitの数学ライブラリを実装する ◦ 正しく丸められた、とは ▪ 正しい実数から32bitに丸めた値のこと ◦ よく使われているライブラリには誤った出力がある ◦
正確なライブラリもあるが性能が低い • 著者らの16bit版のライブラリが存在する ◦ 32bitにそのまま適用するにはいくつか課題がある • この論文では16bit版の手法を改良して32bit版を実装する ◦ floatとposit32の両方 ▪ posit32: 0付近の精度が高いような浮動小数点の規格
先行研究の問題点 • mini-max approach ◦ すべての入力に対する誤差のうち、最大の誤差を最小化する ◦ 誤差発生ポイントがいくつかある ▪ range
reduction ▪ output compensation ▪ 多項式の評価 • RLIBM ◦ 16bit版の著者らの実装 ◦ 上記の誤差発生ポイントを抑えて、結果的に誤差がないようにしている ◦ 線形計画問題にしてLP solverで解いている ▪ 32bitだと制約の数が多すぎる
論文のキモ • 16bit版の手法を改良して、LP solverで解けるようにする • いろんな手段でLPの制約の数を減らしていく ◦ counterexample guided polynomial
generation ◦ piecewise polynominal ◦ range reductionの改良
改良点1: counterexample guided polynomial generation • 入力を全部試さず、サンプリングする • サンプリングした入力でLPを解いて多項式を生成して、全入 力をテスト
• テストに落ちる入力があればサンプルに加えてLPを解く...を 繰り返し
改良点2: piecewise polynomials • 入力をsub-domainに分割して、各sub-domainに対して個別 の多項式を生成 • 入力の範囲とそれに対応する多項式を表で持っておく
改良点3: range reductionの改良 • 実装する数学関数の特性を使う ◦ そのため、関数ごとに別の方法を考えなければならない • 論文中ではsinの例で説明している ◦
他の例は別論文になっているらしい
sin(𝛑x)の例 • 32bit = 40億通り以上の入力 • 32bit floatではsin(𝛑x)は以下の3つの範囲に分けられる • 一番上のパターンだけで8億通り近くあるので、range
reductionを使う
sin(𝛑x)の例 range reduction (1/2) • sinの三角関数や周期関数の特性を使って考慮すべき入力を 減らす • ◦ ◦
J = K + L (Kは整数部分、Lは小数部分) • [0.5, 1)は[0, 0.5)の鏡像なので、入力は[0,0.5)だけ考えれば 良い • これでもまだ1億8400万通りくらい入力がある
sin(𝛑x)の例 range reduction (2/2) • ◦ L’ = N/512 +
R • sinpi(N/512)とcospi(N/512)は事前に計算しておく • • 入力は0から1/512の範囲まで減らせたが、cosも必要になっ た
sin(𝛑x)の例 多項式の生成 (1/5) 1. 正しいライブラリを使って、各入力に対する正解値を求める 2. range reductionの結果狭くなった入力Rに対する正解値を求 める 3.
入力をsub-domainに分割する 4. 各sub-domainに対する多項式を生成する
sin(𝛑x)の例 多項式の生成 (2/5) • 正しいライブラリを使って、各入力に対する正解値の範囲を 求める ◦ rounding intervalと呼んでいる •
まず32bitでの正解値を求める • doubleの精度で、丸めると正解値になる上限と下限を求める
sin(𝛑x)の例 多項式の生成 (3/5) • range reductionの結果の入力Rに対する正解値を求める • 範囲は狭まったが、sinpi(R)とcospi(R) (R ∈[0,1/512))
が必 要になった • 32bitで正しい結果になるsinpi(R)とcospi(R)を求める ◦ sinpi(R)とcospi(R)の結果が32bitで正しいことは不十分 ◦ sinpi(R)とcospi(R)を使った結果の式が32bitで正しい必要がある
sin(𝛑x)の例 多項式の生成 (4/5) • 入力をsub-domainに分割する ◦ 入力を減らしたとはいえ、まだ1億1千万通りもある ◦ ビットパターンで入力を分割する •
sub-domainのインデックスのbitはMSBから始めない ◦ 事前に範囲を絞ったので、R=0以外の入力は左から6bit分共通している
sin(𝛑x)の例 多項式の生成 (5/5) • 各sub-domainに対する多項式を生成する 1. 入力をいくつかサンプルしてLP solverで解く 2. 得られた多項式でsub-domainの入力全部をテストする
3. 正しくない答えになった入力があれば、サンプルに加えて1に 戻る
精度の評価 (32bit float)
精度の評価 (posit32) • posit32向けのライブラリは無いが、精度が良い0付近でも doubleと同じ • doubleのライブラリと比較
多項式生成にかかった時間 (float) 2.10GHz Intel Xeon Gold 6230Rで実行
多項式生成にかかった時間 (posit32)
実行時間の評価 • 平均してglibcの1.1倍、intelの1.5倍速い ◦ ベクトル化するとintelのライブラリのほうが速くなるが誤差がすごい増えるらし い
まとめ • 32bitの数学ライブラリを作成した ◦ 正確に丸められている ◦ 既存のライブラリより高速に動作する ◦ posit32向けのライブラリは初