本資料はSatAI.challengeのサーベイメンバーと共に作成したものです。
SatAI.challengeは、リモートセンシング技術にAIを適用した論文の調査や、より俯瞰した技術トレンドの調査や国際学会のメタサーベイを行う研究グループです。speakerdeckではSatAI.challenge内での勉強会で使用した資料をWeb上で共有しています。
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紹介する論文「Dynamic World, Near real-time global 10 m land use land cover mapping」では、高解像度な土地被覆分類図の衛星画像撮影時点からのほぼリアルタイムでの作成を目標として、Google Earth Engineと深層学習モデルを組み合わせた手法が提案されています。従来の衛星画像を利用した土地被覆分類図では空間解像度の低さや更新頻度が1年に一度程度であり、小規模農家の拡大や森林伐採などをとらえることに課題を抱えていました。本研究ではクラウド計算環境であるGoogle Earth Engine上に蓄積された10 m空間解像度のSentinel-2画像に対して軽量な深層学習モデルを適用することで、土地被覆分類図をほぼリアルタイムで作成することに成功しました。また、Dynamic Worldは既存のグローバルレベルな土地被覆分類図よりも精度に優れ、また時系列的な情報の活用も可能であるなど、変動する地球環境を分析する上での活用が期待されます。