Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
カスタマーライフサイクルから広がるプロダクト開発
Search
mkitahara / 北原幹也
March 27, 2024
Business
2
4.3k
カスタマーライフサイクルから広がるプロダクト開発
2024/03/27 第22回 Customer系エンジニア座談会
https://customer-x-engineer.connpass.com/event/308650/
mkitahara / 北原幹也
March 27, 2024
Tweet
Share
More Decks by mkitahara / 北原幹也
See All by mkitahara / 北原幹也
202304 〜 202403 の活動
mkitahara01985
1
22
EMが採用フローにおいて考えている目標値
mkitahara01985
4
750
コード品質向上タスクの優先順位を判断するために 必要な観点を探究する
mkitahara01985
3
300
より効果がある目標設定と評価の考え方
mkitahara01985
2
700
技術的負債の発生と返し方の判断基準
mkitahara01985
19
7.3k
質の高いアウトプットを生み出すチーム構築
mkitahara01985
1
660
Other Decks in Business
See All in Business
Company Deck 2024Q1
tterasoma
0
310
Findy PEOPLE BOOK
findyinc
1
53k
VISASQ: ABOUT US
eikohashiba
14
420k
東大放射線科2025年度入局者向け資料
utrad
0
460
採用ピッチブック
macloud
2
47k
Recruitment_information2024
hdn_tocci
0
270
トーキトーク - 登記密着ヒューマンドラマ
takuro_nakajima
PRO
1
1.5k
新規サービスのアイデア創出・具体化方法
ncdc
0
110
第24回クラウド女子会 登壇資料
o2mami
1
1.4k
おひさぽ ご説明資料
trinitytechnology
0
52k
Crisp Code inc. | わたしたちの事例/実績 - Portfolio
so_kotani
1
230
アシスト 会社紹介資料
ashisuto_career
3
61k
Featured
See All Featured
How GitHub (no longer) Works
holman
304
140k
Creatively Recalculating Your Daily Design Routine
revolveconf
210
11k
Teambox: Starting and Learning
jrom
128
8.4k
How GitHub Uses GitHub to Build GitHub
holman
468
290k
GitHub's CSS Performance
jonrohan
1025
450k
Designing Experiences People Love
moore
136
23k
YesSQL, Process and Tooling at Scale
rocio
164
13k
VelocityConf: Rendering Performance Case Studies
addyosmani
320
23k
StorybookのUI Testing Handbookを読んだ
zakiyama
13
4.6k
Code Review Best Practice
trishagee
55
15k
Side Projects
sachag
451
41k
Exploring the Power of Turbo Streams & Action Cable | RailsConf2023
kevinliebholz
2
3.4k
Transcript
カスタマーライフサイクルから広がる プロダクト開発 2024-03-27 @ 第22回 Customer系エンジニア座談会 mkitahara ( @mikity01985 )
名前 • mkitahara ( @mikity01985 ) / 北原 幹也 職能
• エンジニアリングマネージャー / Androidアプリ開発 / プロダクトマネージャー 出⾝ • 静岡県 - 埼⽟県 - 千葉県 職歴 • SES会社 (2011/04〜 2014/12) ◦ 新卒未経験でIT業界へ:研修で Androidアプリ開発に出会う • 開発受託会社 2社 (2015/01 〜 2017/09) ◦ PHPを中⼼にいろいろ • EdTech会社 (2016/02〜 2023/06) ◦ 業務委託時代を含めて7年所属:Androidエンジニアを中⼼にいろいろ ◦ CREの⽴ち上げを経験 (2019/07 〜 2020/04) ◦ 出向‧業務委託のみ 30名程度の会社から 社員200⼈超えの組織の成⻑を経験 • FinTech会社 (2023/07〜 ) ◦ モバイルアプリチームのエンジニアリングマネージャーを中⼼にいろいろ ⾃⼰紹介
CREで学んだこと
CRE CRE :Customer Reliability Engineering (顧客信頼性エンジニアリング)※1 ▪ 不安は 信頼を1で割った数字に等しい •
信頼が⼩さいほど不安が⼤きくなる (信頼 0 の場合は?) • ホワイトペーパーを出しているから信頼性が⾼い? • 会社の運命を預けられる? ▪ CREの追加料⾦は0ドル • 提供できる信頼度を⾼めれば⾼めるほど、お客様にもご協⼒いただく必要がある • 無料ではない ◦ その代わりプロダクトで⾼い価値を提供し続ける必要がある ※1 Google の新しい専⾨職 : CRE が必要な理由 (10 19, 2016)
お客様から信頼を得るためには お客様 のことを綿密に調査して知る必要がある ↓ お客様の成功はなんだろう? ↓ ペルソナやカスタマージャーニーマップ で 仮説たてたり実際にインタビューを実施
お客様から信頼を得るためには お客様 のことを綿密に調査して知る必要がある ↓ お客様の成功はなんだろう? ↓ ペルソナやカスタマージャーニーマップ で 仮説たてたり実際にインタビューを実施 なにか違和感がある🤔
違和感の正体 いくつかのカスタマーサクセス本を読みあさって発⾒した ⾃分たちに都合の良い⽅向に解釈しがちでは? 🫠
そんな違和感を取り去ってくれたのが...... カスタマーライフサイクル
カスタマーライフサイクル
カスタマーライフサイクル Totango※2 Gainsight※3 ※2 Guy Nirpaz (著), Fernando Pizarro (著)
, Farm Don't Hunt: The Definitive Guide to Customer Success (English Edition) (3 21, 2016) ※3 Nick Mehta, How to Manage Your Customer Lifecycle From the Customer’s Perspective (5 4, 2018)
カスタマーライフサイクル ※4 ⼭⽥ひさのり, 完全版 カスタマーサクセス実⾏戦略 (11 1, 2023) 4つのフェーズ※4 ▪
導⼊ (Onboarding) • 顧客を⾃社の提供するサービス‧プロダクトを利⽤できる状態までもっていく ▪ 活⽤ (Adaption) • サービス‧プロダクトを利⽤し、顧客のサクセスを⽬指す ▪ 更新 (Renewal) • 変化が多い状態 (ネガティブな状態とポジティブな状態が混ざる) • (ネガティブ) 顧客の不満を察知し、先回りする • (ポジティブ) 予算確保のタイミングでクロスセル / アップセル を狙う ▪ 解約 (Canceled) • チャーンが決定した状態 • 将来の再契約を⾒越す
カスタマーライフサイクル ※4 ⼭⽥ひさのり, 完全版 カスタマーサクセス実⾏戦略 (11 1, 2023) 4つのフェーズ※4 ▪
導⼊ (Onboarding) • 顧客を⾃社の提供するサービス‧プロダクトを利⽤できる状態までもっていく ▪ 活⽤ (Adaption) • サービス‧プロダクトを利⽤し、顧客のサクセスを⽬指す ▪ 更新 (Renewal) • 変化が多い状態 (ネガティブな状態とポジティブな状態が混ざる) • (ネガティブ) 顧客の不満を察知し、先回りする • (ポジティブ) 予算確保のタイミングでクロスセル / アップセル を狙う ▪ 解約 (Canceled) • チャーンが決定した状態 • 将来の再契約を⾒越す 導入期の奥が深いことを認識できた
カスタマーライフサイクル ※4 ⼭⽥ひさのり, 完全版 カスタマーサクセス実⾏戦略 (11 1, 2023) 4つのフェーズ※4 ▪
導⼊ (Onboarding) • 顧客を⾃社の提供するサービス‧プロダクトを利⽤できる状態までもっていく ▪ 活⽤ (Adaption) • サービス‧プロダクトを利⽤し、顧客のサクセスを⽬指す ▪ 更新 (Renewal) • 変化が多い状態 (ネガティブな状態とポジティブな状態が混ざる) • (ネガティブ) 顧客の不満を察知し、先回りする • (ポジティブ) 予算確保のタイミングでクロスセル / アップセル を狙う ▪ 解約 (Canceled) • チャーンが決定した状態 • 将来の再契約を⾒越す 直視したくないこの状態を意識できるようになったこ とで戦略の幅を変えることができた
カスタマーライフサイクルを 意識したプロダクト開発
カスタマーライフサイクルを意識して実施した結果 ▪ ペルソナ • カスタマーの状態を意識して分けることができるようになった ◦ 課題を解決したい新規カスタマー ◦ 別サービスで課題が解決できなかった新規カスタマー ◦
⼀度離れてしまったけど、別サービスでも課題を解決できなかった再訪カスタマー ▪ カスタマージャーニーマップ • 導⼊期を細分化してより深い検討ができるようになった ◦ 認知 ◦ 興味‧関⼼ ◦ ⽐較‧検討 ◦ 購⼊ • 活⽤期と更新期を細分化して、施策の検討の質を向上した ◦ セグメントとターゲットを細分化
カスタマーライフサイクルを意識して実施した結果 ※5 ジェフリー ムーア (著), 川⼜ 政治 (翻訳), キャズム Ver.2:
新商品をブレイクさせる「超」マーケティング理論 (10 1, 2014) テクノロジーライフサイクル ※5 のそれぞれの状態を意識した施策を検討することができた 2.5% 13.5% 34% 34% 16%
カスタマーライフサイクルを意識して実施した結果 ※5 ジェフリー ムーア (著), 川⼜ 政治 (翻訳), キャズム Ver.2:
新商品をブレイクさせる「超」マーケティング理論 (10 1, 2014) 2.5% 13.5% 34% 34% 16% レイトマジョリティからアーリーマジョリティへ :オンボーディングの拡充 アーリーアダプターからイノベーターへ :更新期の施策を拡充 アーリーマジョリティからアーリーアダプターへ :活⽤期の拡充 テクノロジーライフサイクル ※5 のそれぞれの状態を意識した施策を検討することができた
その他、意識が変わったこと ▪ オフボーディングの重要性 • 不満をもって去っていくのではなく、ファンのままでいてもらうために必要なことを考える • ⾃サービスで解決できなかったことをより深堀りする • 復帰時の再導⼊を簡単にできる ▪
カスタマーサクセスとカスタマーサポート • カスタマーサポートは守り‧受動的ではあるが、⼟台ができてこそカスタマーサクセスが⽣きる • カスタマーサクセスは、導⼊前の顧客理解をより重点的に⾏い、 課題が解決できなければ購⼊させないことも視野に⼊れる
その他、意識が変わったこと ▪ 問い合わせ対応 • そもそも問い合わせ⾃体、エネルギーが必要となる • 問い合わせをくれるのは体感2割で、問い合わせをくれないけど困っているカスタマーがいる ▪ FAQ •
カスタマーサクセス⽂脈のFAQか、カスタマーサポート⽂脈のFAQか • UX/UIの問題なのに、やみくもにFAQを作成していないか? • モバイルアプリ観点だと、FAQがなくても利⽤できるUIであるか? ▪ アクセスログ設計 • ログの向こうにカスタマーがいる • ログを追えばカスタマーの⾏動が把握できる設計
まとめ
まとめ ▪ カスタマーサクセス本を読んでカスタマーライフサイクルを知り、考え⽅に深みがでた。 ▪ 導⼊期をよく知ることで、顧客理解‧仮説検証がよりしっかり検討できるようになった。 ▪「顧客のサクセスとはなにか」に考え抜くことで、提供後のことまで考えた施策を実施できる。 ▪ 解約までを考えることはあるが、再復帰を考慮できるのはカスタマーに向き合っているからこそ。
ありがとうございました